“I love luxury. And luxury lies not in richness and ornateness but in the absence of vulgarity. Vulgarity is the ugliest word in our language. I stay in the game to fight it.” (By Coco Chanel)
岸田一郎さんとの対談、後半です。こちらです。一流とエロスの艶なる関係というテーマの、本題に入ってます。
ラグジュアリーというのは、上のシャネルのことばの引用(フランス語から英語訳されたものですが)に深く納得するんですが、お金がかかってるとかゴージャスとか、そういうことでは全くなくて、下品な俗っぽさや魅力の押し売り(媚びといってもいい)やマニュアルやハウツーとは無縁であることなんです。拝金主義や、ステレオタイプな魅力の誇示、なにかの二番煎じやスペック競争とは対極にある、唯一無二のホンモノの世界。
価値観はひとそれぞれなので押し付けるつもりもないし、わかりやすい「記号」を売りにする媚び媚びな卑俗世界に需要があることも知っているので非難するつもりもないですが、私がセクシーだと感じるのは、やはりそんな「ヴァルガリティ」とは無縁な、ラグジュアリーな雰囲気をまとっている人です。(言うまでもないことで、あくまで念のためですが、経済的に裕福でなくともラグジュアリーな空気をまとう方はいらっしゃいますし、お金持ちでもヴァルガーな方は大勢いらっしゃいます。シャネルが闘ったのは後者に対して)
なんてキレイゴトばっかり夢見て追いかけている人はモテませんので(それが理由か?笑)、手っ取り早く幸せになりたいよいこはまねしないようにね!
対談の多くがそうですが、このときも、収録されていない話(公開されない話)に実は面白ネタがたくさんありました。無駄になったというわけではなく、こういうこぼれネタの蓄積が、別の機会に、思わぬ形で活きてくることが多い。
お世話になりました岸田一郎さま、朝日新聞デジタルの加賀見徹さま、ライターの関川隆さま、フォトグラファーの梁田郁子さまにあらためて心より感謝申し上げます。