「千鳥が淵」に近い会場でアンティークコインのセミナーでした。帰途、ライトアップされた夜桜を見ながら歩く至福。以下、夜桜の写真集です。


Mysterious and profound serenity.  “The only thing I was trying to portray was serenity.  Also, innocence, vulnerability and elegance.” (By Sylvia Kristel)

“Fortune and love favor the brave.”  (By Ovid)


“Follow your bliss and the universe will open doors where there were only walls.” (By Joseph Campbell)

“Price is what you pay. Value is what you get.”  (By Warren Buffett)

“It is no use saying, ‘We are doing our best.’ You have got to succeed in doing what is necessary.” (By Winston Churchill)

“Turn your scars into stars. ”  (By Robert H. Schuller)

“Every production of an artist should be the expression of an adventure of his soul. “(By W. Somerset Maugham)

“It is by going down into the abyss that we recover the treasures of life. Where you stumble, there lies your treasure. ” (By Joseph Campbell)

“Every new beginning comes from some other beginning’s end.” (By Seneca)

“Every great work makes the human face more admirable and richer, and that is its whole secret.” (By  Albert Camus)

 

 

藤巻百貨店プロデュース、日本最大級の江戸切子の祭典、江戸切子桜祭り2018年。4月6日~8日に東急プラザ銀座キリコラウンジで開催される新作展に先立ち、みなさまもウェブ投票を通してお祭りに関わっていただけるようになりました。

こちらからどうぞご参加ください。みごとなカットグラスの数々。写真だけではなかなかその迫力が伝わりにくいのですが。

私も特別審査員として1,2,3位の3点を選ばせていただきました。

 

当日は江戸切子で日本酒も飲めるそうです。なんと贅沢な? 会場でお会いしたら乾杯しましょう。

 

 

 

 

 

東京銀座ロータリークラブの昼食講演会にお招きいただき、登壇しました。銀座東武マリオットホテルにて。

 

テーマは「時代をつくりあげたデザイナー、そのスタイルと言葉」。時間の都合上、いつの「時代」に絞ろうかと考えたのですが、1970年前後に創業しているブランドのデザイナーをとりあげました。

この時期に創業しているブランドのデザイナー(創業者)は、ちょうどいまそろって高齢にさしかかり、事業継承問題に悩んでいるんですよね。このアプローチであれば、「ファッションは詳しくないけど」とおっしゃる経済界の重鎮の方々にも関心をもっていただけるのではないかと思いました。

約100名近いご参加メンバーの方々のなかには、銀座の老舗や有名店の社長さんも多くいらっしゃいまして、このような場でお話できたこと、たいへん光栄でした。東京銀座ロータリークラブ会長の芦原太郎さん、ご紹介くださった炭谷太郎さんはじめお世話くださいましたみなさまに、心より感謝申し上げます。おかげさまでとても楽しませていただきました。やはり直接、反応が感じられる講演のお仕事は格別に好きだなあ。 

 

昨年の、交詢社での「ダンディズム」講演が好評だったとのことで、こちらに呼んでいただきました。ありがとうございました。一回、一回の仕事を心をこめてやっていくことが次へのご縁につながるものですね。

 

(ブランドの事業継承問題に関しては、ここ2~3週間ほどずっと研究テーマとして追っており、原稿のほうも、活字媒体に掲載予定です。近日中にお知らせします)

 

 

こちらは自宅の近所の桜トンネル。桜満開、春爛漫ですね。今年の桜はいつもより白っぽい印象。

 

 

人を褒める効用についての、澤円さんの記事

私も人を褒めまくるタイプです(ブログをご覧になっている読者の方にはとうにおわかりかと思いますが。笑)。自分の状況が苦しいときほど、意識的に人や作品のいいところを発見しようと努めて、褒めます。媚びるのとは違います。褒めどころを探して、褒めどころを作って、できれば、人前で褒める。

その人のためを思って、ということも当然ありますが、人を褒めるのは自分のためでもあるような気がしています。誰かの長所を肯定することによって、褒める言葉を探し続けることによって、関心の方向が自分から離れて、ラクになっていくんですよね。

また、ほめられた人も、たとえ少しの時間であろうと幸せな気持ちになって、さらに成長したり飛躍して大きくなったりして、結果として、こちらが思わぬときに助けてくれたりするという好循環が起きるんですよね。忘れたころに自分に返ってくるのです。(返ってこないことも、もちろんありますが、返ってくることのほうが文字通り「有り難き」ごほうびなので、ひときわ嬉しくなる。笑)

それを狙っているわけでは決してありませんが、やたら人を批判して敵を作るより、よほど世界が明るい光に満たされる気がしますし、幸運を招くことにもつながります。

嫉妬によるものなのか、人を引きずりおろそうとして、匿名でディスりまくっている方もいらっしゃいますが、そんなことをしても、いっときはせいせいするかもしれませんが、結果としてそれがなにかよい効果をもたらしたことはありますでしょうか? ディスった相手はますます人気を高めていたりしませんか? まともな感覚の持ち主であれば、不当にディスっているほうの品性や器の小ささを哀れに思い、ディスられた方にかえって同情して味方したくなるものです。

正当な批判があれば実名で指摘すべき。それでも、言い方には相当の工夫が必要です。

人前で、目の前で、とげのある言葉で批判されたことは、私にも何度かあって、たとえそれが「事実の指摘」であっても、その苦いショックから立ち直るにはずいぶんと時間がかかり、またその人と一緒に仕事をする気にはなかなかなれなかった。批判された時の沈んだ重たい感情がよみがえってきて、萎縮してしまうんですよね。結果として、自由に能力が発揮できなくなる。どんなに指摘が正当なもので、こちらが「改善」を心がけたとしても、仕事はうまくいかなくなるのです。

そういう経験があるからこそ、どうしてもなにか注意すべきことがあれば、人前ではなく、その人だけに、できるだけ柔らかな表現で伝えるようにしています。

 

人間なので誰でもイライラや不快が募ることはあると思うのですが、そのような時こそ、実は「他人褒め」が好循環への切り替えスイッチになってくれることがあります。周囲に褒める人がいなければ、映画でも本でもレストランでもなんでも。褒め言葉のパワー、侮りがたし、です。

結論: 幸運を招きたければ、褒めなさい。

 

The Prince Gallery Tokyo Kioicho. 時間がとれないけどリフレッシュが必要なとき、遠いところまで旅行にいかなくても、非日常の世界にトリップできるホテルです。

部屋から見える富士山。

 


朝食のブッフェも、新鮮で良質な食材が豊富に並びます。



こちらはトリュフ入りオムレツ。




スパKIOIではアンチエイジングライン、スイス・パーフェクションを使った施術が受けられます。


紀尾井町名物? インフィニティ・スパで体をあたためてからトリートメントに入ります。


今回、こちらでブライトニングフェイシャルのコースを受けました。きめ細やかなおもてなしと芳しい花の香り、和楽器を使ったヒーリングミュージック、適度に落としたあたたかな照明で、五感をリラックスさせてくれます。技術も高く、施術後はかなりつやつや。リピートしたくなる効果は確実にあります。

こちらはカップルでも施術を受けられるスパスイート。日が落ちてからの夜景を見ながらここでエステサービスを受けられたら至福ですね。

すっかり生き返りました。明日からまた爆速で書きます。

The Prince Gallery Tokyo Kioicho のスカイギャラリーラウンジ、Levita。


バーテンダーの阿部央(あきら)さんが「バカルディ・レガシィ・カクテルコンペティション」2018年度の日本大会で優勝し、メキシコで開催される世界大会に出場することになりました。


日本代表となったカクテルは、Tales of 8。愛称「オチョ」(スペイン語で「8」)。


3年目の挑戦となる阿部さん創作のカクテルは、バカルディ8をメインに、コーヒー農園の娘だった創始者の妻ドーニャ・アマリアへの敬意をこめて、エスプレッソがアクセントとして使われています。エスプレッソの苦みをすっきり味わえるよう、シェーカーのなかで8枚のミントの葉をつぶす。阿部さんの祖母の故郷であるという沖縄の黒蜜を使い、コクのあるさわやかな甘みが加えられています。仕上げはスパークリングワインできりっと仕上げ、コーヒー豆をひいて飾り付けて完成。

コーヒーの苦み、ミントによるさわやかさと黒蜜の甘み、スパークリングワインによる清涼感。最後の仕上げのデザートカクテルとして、最高でした。

制服の着こなしも光る阿部さんは、モデリストもなさっていたそうです。アルバイトとして始めたバーテンダーの仕事が面白くなり、こちらを極めるようになったとか。なるほど。タイトな着こなしが、無駄のないパフォーマンスの印象を引き立てています。

「世界一のカクテル」目指し、メキシコ大会もがんばってください!

時間を忘れる別天地、レヴィータ。毎週、金曜夜は、DJナイトが開催されています。この日の選曲のテーマは「Black」でした。



 

バカルディ・レガシィ・カクテルコンペティションのファイナルの詳細は、こちら、バカルディのHPにて紹介されています。

 

早くもウェブに転載されました。

GQ4月号掲載の「ジェントルマンってなんだ?」(大住憲生×中野香織×ファッションドリーマーD) こちらです。

干支ひとまわり分昔の、ENGINEでの鼎談や座談会などの記事のpdfを読めるよう、前々回の記事にもリンク張っておいたのですが、「メンズファッションの今」を語っても空気感が違いますね。どっちがいい悪いではなく、すっかり時代の景色やムードが様変わりしているということと、私自身がいつのまにか「オーソリティ」扱いされてしまう立場になっていることが、空気感の違いの一因になっているかなあ(もちろん、鼎談メンバーが違うという点もありますが)。私自身はまったく権威とは無縁でいたいし、北斎を倣って「110歳で理想の完成」に至るまで日々、成長途上人として仕事をつづけられたらそれが最高と思っているので、オーソリティ扱いされるのは苦手中の苦手。でも、経験値からそんな役回りを演じなければいけないときもある。ごくたまに演じる分にはよいけれど。

ともあれ、若い人から新しい感覚を学べる機会はとても貴重です。

 

昨日は新宿のホテルで次男の学校説明会。知識を得るということがいとも容易くなったいま、得た知識をどのように表現するのか、いかに社会と接点を作って世の中に役立てていくのか、熱中できるニッチなことをどのように社会とからませていくのか、教育の主眼がそちらに移っているということを実感する。学校で授業をするならば、youtube やパズドラより面白いものにしなくてはならない(!)。教師のライバルはyoutuber。だから教師のメインの仕事は一人一人に向き合うコーチングにシフトしていく。5年前の「職業」の枠組みや価値観は5年後には「過去」のものになっているだろう。

(写真のホテルは会場となったホテルの近くだったので帰途に立ち寄りました)

子供の将来を考えながら自分の仕事のあり方もあれこれ考えさせられた良い機会でした。

追加したpdfの中から。続きです。いつか未来に「過去にはこんな見方もあったのか」という資料として誰かの役に立つかもしれないし、何の役にも立たないかもしれない。紙の雑誌も5年後あるのかどうか、なんとも予測できない時代ではありますが、「こんな誌面のデザインがあったのか」という点で面白がられることがあるかもしれない。フォントが揃わずお見苦しく申し訳ありません。いったん他に転記して揃えてから戻す、などいろいろ試しましたがリンクが消えてしまったりと素人には難しく、サポートに聞いてもうまくいきませんので、このままでご寛恕ください。

 

 

 

 

 

 

 

新たに追加した過去作品pdfのなかからピックアップしました。とりわけメンズファッションに関し、10年以上前に書いたり言ったりしていることのなかには、「歴史」になった話もありますが、実はそんなに古くなっていないものも多い。メンズファッションが大きく変化していないからか。たぶんそれも一部。あるいは本質をついているからか。後者が少しはあると思いたい。未熟だったりダサかったり気負いすぎていたりする過去の自分を消去したいのが本音だが、そういうダメだった自分を救えるのも自分しかいない。10年後、今の仕事を見て「なかなかきちんとやっていたな」と納得できる、そういう仕事を今、現在やり続けていかなくてはいけないのだとあらためて自戒。順不同です。ここにピックアップした以外のものは、etc.の欄に。

 

 

 

 

2015年のプリンセスコメディ(?)、A Royal Night Out.

VE-Dayに勝利を祝う街の中に出ていくプリンセス時代のエリザベスとマーガレットのお話。

ハラハラドキドキといっても安心して見ていられる範囲内。王女の冒険はこの範囲がぎりぎりなのだろう。ロマンティックコメディと呼ぶには、ロマンティックの要素が少ない。

ウェルメイドな脚本なのだろうけれど、とりわけ強く印象に残る俳優がいなくて、もったいない感じ。

マーガレット王女の「P2」という表現、いいなと思った。プリンセスNo.2. 英国女子国防軍として実際に「准大尉」だったエリザベスの「自慢」もちらっと出てくる。海軍、陸軍、近衛兵ほかの制服も見もの。30年代のフランク・キャプラとかの、安心して鑑賞することができた時代のハリウッドコメディを見たときの印象と似た印象が残る。

 

 

Netflix で”Diana: In Her Own Words “。2017年のドキュメンタリー。ダイアナ妃がアンドリュー・モートンに語ったインタビューテープ(1991年)を用いて、彼女の肉声で、生涯をたどっていくという構成。

笑顔の奥で、幸せを感じたことなど実はほとんどなく、誰も彼女の苦悩をわかろうともせず、「おとぎ話」のプリンセスと見えた一生は、「いけにえ」としての生涯だったという衝撃。「いけにえ」というのは、彼女自身の言葉である。華麗なウェディングドレスに身を包み、彼女がdeathly calm(死んだように冷静)という状態で自覚したのは、「自分はいけにえになるのだ」ということだった。

皇太子が繰り返したセリフ。「愛にもいろいろある。」

いまだとわかる、このことばのズルさ。

過食症は、婚約一週間後から発症した。チャールズ皇太子の「ウエストが太めだね」という一言。70㎝を超していたウエストは、吐くことを繰り返し、60㎝になった。

最初は洋服なども全く持っていなかった。ドレスとシャツと靴をワンセット。婚約後は6セットに増やした。

驚くべきは、婚約時代から王室のサポートがほとんどなかったということ。かの悪名高い、胸元が見えそうな黒いデビュードレス。最初にチャールズ皇太子がそれを着たダイアナを見た時のひとことは、「その色は喪の時しか使わない」。あらかじめ、王室の誰かが教えてあげなかったのか。会場ではバッグの持ち方すらもわからず、恐怖と不安でいっぱいだった。

カミラもしたたかで、チャールズ皇太子の外遊中にダイアナをランチに誘う。そして質問「ハンティング(狩猟)はするの?」。ダイアナという名は、ギリシア神話では狩猟の女神の名。でもダイアナ妃は狩猟はやらない。それを知って、カミラはチャールズに会う機会を、ハンティングの時に定めるわけである……。

ハネムーンの時も、チャールズ皇太子は、ふたつの「C」がデザインされたカフリンクスをつける。カミラからの贈り物。ダイアナがとがめると逆ギレする。ハネムーンにおいてすら愛されないダイアナは、吐き続ける。

ウィリアム王子妊娠中は絶望し、階段からわが身を投げる。それでもチャールズ皇太子は心配のことばをかけない。エリザベス女王がわなわなと震える。

女の子を望んだチャールズ皇太子は、ハリー王子誕生の際には「なんだ男か」。

ダイアナの心の叫びに寄り添う人が誰一人いなかったという悲劇。すべて「ビョーキ」と片づけられ、大量の薬を処方されて終わり。

あるとき、ついに倒れてしまう。その後、「役割をまっとうする」覚悟を決める。

離婚後、覚醒し、「人類愛」のために生きる。イギリスから離れ、メディアに追われない外国で生きようとする。その矢先に…。

狩猟の女神の名を持ちながら、終始メディアにハンティングされ続け、そのあげくに「殺された」ダイアナ。

彼女の死を悼み、涙を流す人々、ケンジントン宮殿に捧らた花の山。

最後は涙なしには見られない。華やかな笑顔の映像に重ねられる、孤独な肉声。ドキュメンタリーとしての作りも巧い。

 

予告編はこちら。

ドイツ生まれのバッグブランド、Comtesse (コンテス)とお仕事をご一緒にすることになり、インペリアルプラザのショップに伺いました。

Comtesse とは伯爵夫人という意味。日本でもその名が知られているのはプリンセスバッグなのですが、丸い持ち手に特徴のあるこのバッグは、世界中のロイヤルファミリーの女性の定番でもあります。


(上段がプリンセスバッグのバリエーションです。)

このブランドのバッグの独特の質感は、ホースヘアの生地を使っていることから生まれています。馬の毛ですね。丈夫で耐水性があり、艶があって美しいことでヨーロッパではかねてより壁紙や家具などに使われていましたが、はじめてバッグに応用したのがコンテスなのです。上の写真のバッグのように、刺繍を施すことも可能です。デコラティブなバッグは最近のトレンドでもありますが、精巧な刺繍は見ているだけで豊かな気持ちになってきます。

PRの田中雅之さん(株式会社ミヤビブランドコミュニケーションズ)がもつのも刺繍バージョン、「コルネリー・カリブ」。飾っておきたいくらいの芸術品。


マンダリン色の生地に刺繍された「コルネリー・カリブ」。元気が出てきそうなバッグ。もつのはカスタマーリレーションの杉浦弘美さんです。

ホースヘアは一度脱色し、カラフルに染め上げることで、多色展開できるようになりました。壁にブルーと赤と白の房がかかっていますが、これがホースヘア。かなり硬くてしなやかな「繊維」でもあることがわかります。

私が持っているのが、新作の「Kate」。ホースヘアと牛革のコンビネーションで、「園遊会」にもデイリーにも使えるという汎用性の高さも魅力ですね。「園遊会」って。笑。

留め金をはじめオーナメントも重厚でエレガント、バッグのアクセントになっています。

 


クロコダイルバッグの美しさも圧巻。これはもう至近距離で見ると目がとろけそうになるほど濃厚で動物的な艶なのですが、留め金や縫製に繊細な配慮が行き届き、官能的なジュエリー級のバッグに仕上がっています。

王道の黒の迫力には負けそうでしたが、このようなネイビーになると意外に軽さも感じさせ、この日の洋服にもなじんで「バッグだけ浮いてしまう」ということもありません。細部の縫製まで丁寧に仕上げられた、品格を漂わせるクロコです。

(この日のスーツはTae Ashidaです。)

春の訪れ、もうすぐですね。寒い時にまいておいたお楽しみの種がひとつずつ芽を出すと思えば待ち遠しさもひとしお。

 

アカデミー賞セレモニーを横目に、気になっていた「ブラックパンサー」。

これはアフリカ系アメリカ人が泣いて喜ぶわけですね。終始圧倒的にかっこいい。ワカンダのフューチャリスティック・トライバルとも呼べる衣裳や儀式、これに音楽が加わるともうそれだけでハートをもっていかれます。物語も力強い。部族内反乱者ともみえたエムバクが最後の最後で強力な助っ人になるあたりも、古今の物語のなかで繰り返し伝えられてきた要素。鎖につながれるよりはと海に飛び込んだ祖先への思い、欧米による植民地支配のやり方への批判、「いとこ」の憎しみを生んだ原因が実は「父」にあったという因果応報、真のヒーローは一度死んで蘇る法則などなど、教訓的なお話も多々散りばめれている。

アクションはスタイリッシュでユーモアもあり、「将軍」オコエの動きが華麗。黒い肌にまとう赤いドレスを翻し、槍を駆使して闘うアクションのなんと美しいこと。「ワンダーウーマン」でも将軍は女性で全く違和感がなかった。

髪型も西洋の美の基準を文字通り投げ捨て(そんなシーンが出てくる)、丸刈りまたはシュリンクヘア。それがかっこよくて美しいというメッセージも伝わってくる。(髪に悩むアフリカ系の女の子を強く励ますと思う)

監督がアフリカ系ライアン・クーグラー。主要キャストが多様なアフリカ系。そのなかに白人マーティン・フリーマンが味方として活躍する。「シャーロック」のジョン・ワトソンくんですね! カンバッチくんもマーヴェルのヒーローになったことだしね。二人仲良くマーベルでも活躍は、ファンには嬉しい反面、あまりアメリカ色に染まるのもどうなのかという複雑さもあり。

国王の妹シュリのサイエンスラボは、007の「Q」を思わせて笑った。

コスチュームはルース・E・カーター。「マルカムX」のコスチュームなども担当してきたベテランです。ナキアやオカエが着ていたドレスのいくつか、一般向けにプロデュースしてほしい。ビジュアルの力が加わり、強い影響力をもつ映画。影響力の最大の源はといえば、ワカンダの国の人々の顔つきでしょうか。出演者の顔つきが凛々しいのです。こうありたい、と憧れを誘うのは、表面的な造作ではなく、自信と誇りに満ちた顔つき。

 

ナキアのセリフ “It is my duty to fight for who I… for the things I love. “ (愛するもののために闘うのは当然の義務。)新鮮なビジュアルと古い物語で訴えかける、佳い映画。Respect.

さらに追加した過去データのなかからいくつかピックアップしました。順不同です。pdf化してアップしたものから「紙」は処分しました。今日処分したのは100冊弱。まだまだ雑誌が倉庫の巨大な一角を占めていて、永遠に終わる気配がなくめまいがする。でも私が死んだらタダのゴミだ。なんのためにいろんなものを犠牲にしてまでこんなくだらないことに時間を使っていたのか?と振り返るだけで虚しくなってくる記事も多々あり(あんまりひどいのはアップしていません)、「失われた20年」という文字が頭をよぎる。正直な実感としては、後悔>達成感。しかし数だけは驚き。新聞連載を含めて内容度外視すれば、過去に書いた署名記事の「数」だけでギネス記録になるのではないか。

なんだか「きれいに」「オチよく」まとめようとする傾向は20年変わらず、この無難志向のメンタリティはそろそろ脱却するタイミングですね。

(アーカイブからコピーしたフォントと、新たに書き加えたフォントの大きさがビミョウに違っており、このブログが使っているwordpressの仕様ではその修正も難しく、お見苦しい点はなにとぞご容赦くださいませ。「etc.」欄にその他インタビュー記事などを一部アップしています。)

 

・2014年7月20日 「レディー・ガガの靴を創る日本人デザイナー、舘鼻則孝さん」 (野村不動産Proud Salon vol.14)

・2015年3月18日 「さりげなく、潔いダンディズムがゆとりや自信をもたらす」(日本経済新聞 広告特集Hankyu Mens)

・2014年12月7日 「話題沸騰の『ノームコア』って、何?」(QUALITIES PLUS  Vol.1  2014 Fall&Winter)

・2014年9月10日 「男のコートを考える:ドラマ『シャーロック』が語るもの」(The Nikkei Magazine Style for Gentlemen)

・2012年9月1日 「『もっと白い歯』のその先には」(「デンタル・ダイヤモンド」9 月号

・2010年10月1日 「モダンエイジのカーヴィーボディとは?」(Harper’s Bazaar 10月号 No. 121)

・2009年9月1日 「『永遠の美しさ』も『遊び心』も必要、それがジュエリー」(Precious 9月号

2005 年6月  「鹿島茂の女心の研究 ~ファッションの専門家に訊く イイ女にモテるための身だしなみとは?」(鹿島茂氏との対談)(集英社 PLAYBOY) No.364

・2017年2月26日 「ファッションの力が生んだジャッキーという伝説」(Elle Japon 4月号)

 

ゲイのフィギュアスケーター、アダム・リッポンが、アンチに対してツイートした名セリフ。

“I’m a glamazon bitch ready for runway.”

強烈にかっこいいセリフだなと思ってたのだが、引用元はRu Paulだったとわかる。

“After a long night of hooking, trade didn’t like the session so he had gutted me and set me on fire. But you know I didn’t die. I had crystallized. And now I’m a glamazon, bitch, ready for the runway.” (Miss Kennedy Davenport)

グラマラスなアマゾネス、これがグラメイゾン。ビッチは自称したときには「それくらいでめげないタフな女」というプライドが入る。花道を歩きだすグラメイゾン・ビッチ。屈辱を跳ね返したいあれやこれやの場面でつぶやいたら勇気がわいてきそうなセリフだ。

MIKIMOTO展示会。ホテルオークラにて。

今回の主役は「矢車」。ミキモト真珠発明125周年を記念して発売されます。オリジナルの「矢車」は1937年のパリ万博に出品された帯留めです。細工の美しさ、アールデコのデザイン、多機能(パーツを組み立て直すことで12通りに使える)という発想の新しさで宝飾史に燦然と輝く傑作なのです。オリジナル矢車は、(当時のパリで販売されたあと、長い間「幻の宝飾品」となっていましたが、1989年に海外のオークションに出されていたものをミキモトが買い取り、)現在、鳥羽の真珠博物館にあります。

大粒のアコヤ真珠を中心にダイヤモンドやサファイアが放射状に広がるデザインから「矢車」と命名されました。

今回はそれを21世紀のミキモトスタイルで復活させました。ハイジュエリーからデイリージュエリーまで。


手前左の帯留めがオリジナルの形に近い。中央のアールデコデザインのモチーフのバリエーションが、さまざまなアイテムになって復活しています。ベルトは中央にモチーフをもってくると、仮面ライダーベルトのようになる、と真面目な顔でおっしゃったのは広報のKさん。いったんそういう視点が入ってしまうと、そのように見えてしまうのがおそろしいですな。価格はといえば……郊外にちょっとした家が買えそうなほどの「0」が並んでいます。

ブローチをつけるような位置にモチーフがくるのも現代風。

ほかにはピンクのコンクパールも美しいバリエーションが揃っており、ミレニアルピンクの流行に加速をつけそうな勢い。

40㎝ネックレスと60㎝ネックレスの印象の違いのお話や、「家が買えそうなジュエリー」をばんばん購入なさっていく顧客層の国の変化の話などを聞き、時代の流れがもろに映し出されるビジネスであることも実感。詳しくはまた機会があったら紙媒体などで。

オークラ別館のフロントロビーには桃の花。

 

今朝(というか世間的には真夜中ですが)も冴え冴えとした満月を堪能しています。あと一か月もすれば桜の季節ですね。トランジションが満月のように円満にいきますように。


 

Forbes 4月号発売中です。昨年末のForbes Women AwardのIWCセッションに登壇したときの模様が掲載されています。編集長がアマゾネス組と名付けたメンバーでのトークショーですね。武井さん、杢野さん、谷本さんは「ビジネスの言葉」を駆使できるすばらしいトーカーです。

どういう人と過ごすかによって使う言葉は影響を受けるし、自分が普段使っている言葉に対しても客観的に見直す機会になりますね。コンサル出身の方は、ボキャブラリーや論理性に説得力があって、いやもう、圧倒されます。(誌面ではそれが伝わらないのがもどかしい。) 彼女たちの口癖は、「なぜならば、……」。ご出身のコンサルファームでは、このように語る習慣を徹底的に身につける訓練をさせられるのだそうです。その習慣によって思考が論理的になり、説得力のある語りができるようになるわけですね。ひとりよがりの物言いをせず、違う価値観の持ち主にも納得してもらうためには、こういう話し方も場合によっては必要。(常時だと疲れそうですが)

「そだねー」というのは決して聞かれない。女子会(笑)になればなるほど「いやそれは違う。なぜならば、……」が飛び交うハイコンテクストな会話。それぞれの活躍ぶりに刺激のシャワーを受けるアマゾネス組です。リスペクト。


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