人生を変えたい、変わりたい、という願望をよく耳にする。スピリチュアル系が人気なのもそんな願望に応えているのでしょうね。
私も変革者が大好きなので、そんな願望に共感するのですが。
ファッションの領域での変革者を研究し、本にも書いている立場から何か言えることがあるとすれば、現実レベルで地味にも見える行動をある一定期間変わらずに続けてきた人が結果として人生を変え、時に社会まで変えている、ということ。
エルメスの創業者ティエリー・エルメスは、13歳のときパリをめざし500キロの道のりを一人で淡々と歩いた。
MIKIMOTOの創業者、御木本幸吉は 真円真珠の養殖の成功までに15年かけている。
現代においても、スズサンの創業者、村瀬弘行氏は、知人もいないデュッセルドルフで一件一件、泥臭く営業するということを5年続けている。
舘鼻則孝氏もメールを100通送り続け、ようやく3人から返事をとりつける。その一人がレディ・ガガのスタイリストだった。
現実を大きく変えるもっとも確実な方法(のひとつ)は、志を変えず地道に行動を続けること。
『「イノベーター」で読むアパレル全史 増補改訂版』では、迷ったときに道しるべを示してくれる、そんな変革者たちを紹介しています。
Photo: By Courtesy of Mikimoto

We often hear people say they want to change their lives—or change themselves. The popularity of spiritual practices likely reflects this widespread longing for transformation.
I, too, am drawn to changemakers and deeply resonate with that desire.
From my perspective as someone who studies and writes about innovators in the world of fashion, if there’s one thing I can say with confidence, it’s this:
Those who have truly transformed their lives—and sometimes even society—are often the ones who quietly and consistently carried out seemingly modest actions over a sustained period of time.
Thierry Hermès, the founder of Hermès, walked 500 kilometers alone at the age of thirteen to reach Paris.
Kokichi Mikimoto, the founder of MIKIMOTO, spent fifteen years perfecting the cultivation of round pearls.
In more recent times, Hiroyuki Murase, founder of Suzusan, spent five years persistently visiting shops one by one in Düsseldorf—a city where he had no connections—to promote his brand.
Artist Noritaka Tatehana sent out 100 emails before receiving just three replies. One of them came from Lady Gaga’s stylist.
One of the most reliable ways to bring about real change in life is to stay true to your vision and keep taking steady, grounded action.
In The Complete History of Apparel Through Its Innovators – Revised and Expanded Edition, I introduce the stories of transformative figures—changemakers who offer guidance and inspiration when we find ourselves at a crossroads.
品行方正で倫理的な王室メンバーばかりではない。むしろ人間くさくどうしようもなく愚かなところを見せてくれるからこそ、注目を浴び続け、愛されてきたような一面が英国王室にはあります。かつては英語を話せない国王もいたし、ハニートラップとしか思えない状況で国王をやめてしまった王もいた。この程度のスキャンダルは、むしろ「圏内」のように見えます。生涯を国家に捧げると誓ったとてつもなく安定した気質のエリザベス2世の威光と、問題児アンドリュー王子や反乱児ハリー王子夫妻の影。この対極あってこそ歴史家やジャーナリストは筆をふるい、人々の関心をひきつけ、「家族とはなにか」「王室の存在意義は」という議論が盛り上がったりする(関心のない人はとことん無関心だし)。英王室は多民族からなる複合国家の象徴でもあり、複雑化・多様化する社会や家族像の反映にもなってきました。ファミリーの反逆児はどの家庭も抱える問題。それに対して家長がどのように対応するのか、反逆児はその後どうなっていくのか、すべてがリアルな人間的関心の的です。だからこそ、英王室は各時代のクリスマスツリーのてっぺんの飾りのような存在であり続けることができるのです。あとからふりかえって、このファミリーの問題をきっかけに時代を語ることができる。そんな存在、貴重です。
次の国王となる予定のチャールズ皇太子は、故ダイアナ妃をめぐるスキャンダルでいろいろ非難も浴びましたが、いまは地球環境問題において世界でリーダーシップをとる存在です。当初、悪女呼ばわりされたカミラ夫人も、誠実に公務をこなして今では好感度も高く、女王までもが「未来にはカミラにクイーン・コンソート」の称号をと言っている。ひとりひとりの人間の成長はこうやってもたらされ、人の評価というのはこのように変わるのか……ということを考える人類共通のネタ(失礼)をも提供してくれています。