トッド・ローズ『ダークホース』(三笠書房)。

型破りなルートで活躍するようになった「普通の人々」をダークホースと位置づけ、その特徴を抽出。ユニークな具体例とともに示される。中でも興味をひかれたのが、全米トップの紳士服テーラー(「タウン&カントリー」選出)、アラン・ルーロー。アメリカの慣習にもイギリスの伝統にもない独特なきわどいテイストの注文紳士服を創る。テーラーの職人修行も積んでないし、ファッション業界にいたわけでもないのに、ボストンで空きビルに部屋をみつけ、まず看板を掲げ、そこから作り方を学び始めた。数年も経たず多くの賞を獲得するまでに。賭けではなく、必然。なぜこんなことが可能だったのか? 詳しくは本書でご確認を。以下はランダムですが、個人的な読書メモ。

・20世紀初頭からの「標準化時代」に対し、現在を「個別化の時代」と位置づけ、他者目線の、正規のコースから外れない「成功」ではなく、個人軸での「充足感を追求することによる成功」を考えよ。従来の「努力を重ねて成功すれば充足感を得られる」ではなく、「充足感の追求が成功を導く」。

・標準化の目標は生産システムの効率化。このために大切なことは、多様性の排除。標準化社会においては、個性はムダ。働き方を標準化し、学び方を標準化し、人間の一生を標準化した。こんな社会に未来はない。

・ダークホース的な考え方において、リスクは「フィット」で決まる。フィットとは個人と機会の多次元的な相互作用。

・独特で細分化された「小さなモチベーション」が多ければ多いほど、特定の機会を選択することによって、あなたの情熱は大きくなり、その結果、選択のリスクは小さくなる。あなたが自分の小さなモチベーションを把握している限り、誰よりも正確に選択のリスクを判断できるようになる。

・自分の小さなモチベーションと目の前の一つの機会とのフィットの度合いを見積もったうえで、重大な選択をするなら、その都度、あなたは自分の目的を確固たるものに作り上げていける。人生の意味と方向性を、自ら決定できるようになる。自分に合う戦略を突き止めたとき、目標を達成することができる。

・ダークホースが自分の選択した道に全力で挑めるのは、それぞれの目的意識が明確だから。曖昧な態度でその場をとりつくろったり、両賭けして失敗の危険を分散させたり、また、自分の進む道を観測気球を上げて様子見するようなつもりで選択したりしない。彼らは決然とした態度で行動に出る。なぜなら、自ら決めた進むべき唯一の道が彼らにはあるからだ。あなたが大胆な行動をとるときは、どのような場合でも、世界に向かってあなた自身がこう宣言するときでなければならない。「これが、私の進む道です」。

・目的地は忘れろ。既存の成功は既製服。標準化されたシステムからは標準化されたものしか生まれない。しかし目標は無視しない。目標は、個性から出現する。能動的な選択から生まれる。対照的に、目的地は自分以外の誰かが考えたもの。目標は、具体的に達成可能なもの。

・勾配上昇法。上達を目指して登ろうとする山の、もっとも険しい急斜面を探す。

・成功という山を踏破するには、自ら作り出した情熱から生まれるエネルギーと、自ら生み出した目的意識から生まれる方向性とが必要であり、湧き起こる充足感に満たされるには、自ら設定した目標を達成して得られる誇りと自尊心と充実感が必要である。

・ダークホース的な発想の4要素を人生に適用したとき、充足感と成功は、あなたが意図的にコントロールできるものになる。もはや運に翻弄される操り人形ではなく、自分の運命を支配する主人になる。自分にとって最も大切なことで上達しようと重点的に取り組むとき、もはや不安げに彷徨うこともなくなり、山腹に道を切り開きつつ上へ上へと昇っていける。本当の自分という明るい光を放つ標識灯に導かれて。

・能力主義は才能の貴族主義、定員主義。富裕層と特権階級が有利な立場に立ち続ける。これからは万人が成功する社会へ。(ここに「新ラグジュアリー」論がフィットする)

 

 

 

ここ一週間くらいの移動中インプットのなかで印象に残っているエンタメと本のメモです。

◎シティハンター◎

Netflix。原作の漫画も知らずに見始めたのですが鈴木亮平のあまりのすばらしさに驚愕。ガンアクションが細部に至るまで華麗。コスプレ会場でのアクションもお笑い交じりなのにダイナミックで美しい。かけらの無駄もない筋肉×天真爛漫笑顔でのもっこりダンスサービス。英語音声になったままで見ていたので、出演者全員、なんてすばらしい英語をナチュラルに話すんだと感動していましたが、これ英語版吹替だったのですね。英語版で世界制覇可能なレベル。

◎破戒◎

こちらもNetflix。恥ずかしながら島崎藤村の原作を読んでいなかったし、過去何度かの映画化も見ていなかった。弱い人間の心が差別を生む。差別の構造は100年前も今も変わっていない。時代が変わっても偏見に凝り固まり同じような意地悪をする人が大勢いる。シンプルでずしり重たいストーリーですが、間宮祥太朗の端正な清潔感、全編に貫かれる美しい日本語と救いのあるラストにより、すがすがしい余韻も残る。

◎谷川嘉浩『人生のレールを外れる衝動の見つけ方』(ちくまプリマー新書)

キャリアデザインとか人生設計なるものをかねてよりうさんくさく思っていたので(自分がレールを外れっぱなしだったのでよくわからないだけなのかもしれないですが)、そうそうそう、と膝を打つような箇所がずいぶんあった。プラン通りの平均的な人生やキャリアのレールを歩むこと、「本当にやりたいこと」を見つけさせられること、「モチベーションをもつこと」に対する疑問を思いっきり呈してくれる。

衝動は、モチベーション(3種類)という基準ではとらえきれない。合理的な説明では回収しきれない「過剰さ」や「残余」として指さすことができる、と著者は言う。「え?なんでそんなことを、そんな熱量で?」と質問せざるをえない、謎の力。このあたり、ラグジュアリーのことを考えている身には痛く共感できる。ラグジュアリーは、過剰と不可分だ。

自分で自分の価値を高めて対価をもらう、という経済行為に関しても、「自分自身で市場に売られに行く」ようなものであることに、はっと気づかされる。就活や友人関係、恋愛関係でも同じ。自分を市場価値の基準に合わせて磨いてみたりするのは、「自分を高く見せて『商品』として売り込もうとすること」ですね。それはつまり「自分を『売り物』として扱う生き方」。だからこんなにみじめな気分になってくる。

衝動は、自分でも驚くような行動をもたらす、という指摘にも共感するし、衝動は意外と持続可能性があるという指摘も、人文学的に(!)正しいと思う。というのも、こうした衝動に基づく「レールを外した」人生やキャリアというのは、私がよく講演で引用しているキャンベルの「ヒーローズ・ジャーニー」とも合致する。ヒーローはだいたい、「呼び声」に逡巡しつつも、結局は衝動に従い否応なく敷居をまたいで冒険の旅に出てしまうのだ。で、こっちのほうが自分にとっても人類にとっても確かなお宝を手にすることができる、と古今東西の神話は伝え続けています。

衝動は強い欲望ではなく、深い欲望であるということも注意喚起点として著者は指摘する。自己啓発書やセミナー、宣伝、SNSで喚起されるのは他人指向型の欲望であって、「これを欲望せよ」と決めてくるものに振り回される限り、不安から逃れられない。「私のほしがるものから私を守って」というジェニー・ホルツァーの引用は秀逸ですね。「底から湧き上がる小さな気泡に気づけ」。

衝動を見つけるために、「自分を丁寧に扱う」ことの大切さ、「それっぽい説明」で思考停止しないことの大切さなども説かれる。衝動を感受しやすいメディアに自分を変える方法、についても著者は考える。「多孔的な自己」というワードが紹介されていますが、詳しく知りたい方は本書にあたってみてください。

ラグジュアリー論との関連でもうひとつ、共感したことは「誘惑」についての議論の展開。「誘惑って、実は共犯関係なので、対象に魅力があれば自動的に誘惑が生じるわけではないんです。こちらが一定の感度や感性をもっていなければ、魅力に気づくこともできません」。「目の前にあるものに誘惑される力があれば、日々当たり前に生きている日常の光景もガラっと変わり、それによって自身も変わっていく。<中略>誘惑される力って、SNSで『私を見て』って自分の魅力をアピールするのと真逆の方向」。「この『誘惑される力』こそ、衝動を憑依させる自己の敏感さにほかなりません」。

ラグジュアリーと不可分なもう一つの要素に「誘惑」がある、ということも『新ラグジュアリー』はじめ多くの媒体で書いてきた。階級が厳然とあった時代と、一見平等社会なんだが格差が広がり上昇志向が存在する時代、そして真の多様性を実現したいと願う人が増える時代における「誘惑」の要素が異なるのは当然ですね。「これ持ってたら上級国民/リッチ/格上に見えて素敵だろう、みんなにすごいと思われるだろう」みたいな誇示(マウンティングっていうんですか)が背後に透けて見えるものは、これからの時代にはラグジュアリーとはみなされなくなるというのは、納得いただけるでしょう。

ケリング社名変更10周年おめでとうございます。記念の社史本をご恵贈いただきました(多謝)。1962年の木材業界進出から現在までを写真とテキストで力強く綴る豪華な一冊です。ラエネック病院改装本社でピノー氏にインタビューした6年前がのどかな大昔のように感じられます。ここまで時代が変わるとは。はたして6年後の未来、私たちはどうありたいのか? 

(2018年5月のパリ)

日経新聞夕刊連載「モードは語る」、本日は、アリッサ・ハーディが念願だったキャリアと引き換えに業界の暗部を暴いた渾身のルポ『ブランド幻想』について書いています。

紙版、電子版、ともに掲載されています。電子版はこちら(会員限定公開)。

インフルエンサーに対しても、ご自分の影響力がどのように行使されるべきなのか、もっと責任を自覚すべきと促しています。

ファッションのキラキラした面はすてきですが、それを支える労働者がどのような扱いを受けているのか。知ってしまったら、商品を見る目も変わらざるをえないところがあります。

第10章は、私が遭遇したのと似たような経験が書かれていて、同情の涙なしには読めませんでした。社会正義の側に立とうとすれば、保守勢力から痛い目に遭うのは、どの領域でも変わらないですね。でも新しい味方がもっと増えているはず。アリッサの勇気を讃え、応援します。

宝島社より22日に発売されるムック「Legend Star Graffiti オードリー・ヘプバーン『永遠の妖精』の素顔」。生涯と映画を豊富な写真でコンパクトに紹介しています。レトロな雰囲気。第2章「オードリー・ヘプバーンとファッション」を書きました。

婦人画報4月号、ジャケット特集&シューズで監修・寄稿しています。ジャケットから見る20世紀初頭から現在までのファッション史に関し、2ページにわたり、年代ごとの特徴をできるだけコンパクトにまとめています。ジャケットに合わせるシューズのページではエッセイを寄稿しております。ファッション史のおさらいと最新トレンドのアップデート、楽しんでいただければ幸いです。

GQ 4月号発売です。ジェントルマン特集。

W. David Marx氏と対談した記事が掲載されています。「What Is A Gentleman ジェントルマンよ、復活せよ」。

オールドマネーとニューマネー、クリエイティブクラス、イギリスメンズファッションデザイナーの最近の潮流、ステイタスとジェントルマン、日本の山の手の粋、紳士協定とアメリカ式起業、19世紀ダンディ、新しい日本のラグジュアリーにいたるまで話題は多岐に広がります。ぜひご覧くださいませ。

北日本新聞「ゼロニイ」発刊されました。連載第16回は、ラグジュアリーとまちづくりの関係について。

大量生産の世界で欠点とされた要素が、ラグジュアリーの世界では長所として生きる。こういう考え方にどうしようもなく魅了されます。

講演にご協力くださった高松太一郎さん、松井紀子さん、ありがとうございました。

W. David Marx氏と対談しました。GQのお仕事です。3月に活字になります。Davidとは2010年ごろからの知り合いで、明治大学時代にはゲスト講師に来ていただいたりもしましたが、きちんと対談したのは初めてかもしれません。ステイタス、カルチャー、新ラグジュアリー、多様性、ジェンダーフルイド……といった要素を無視できない現代社会とジェントルマンの関係。どんな記事になるかな?

ZOZO Tech Newsからの依頼を受けて寄港しました。「マリー・クワントの遺訓:ミニの女王から継承すべき価値観とは」。ZOZOデビューです。

冒頭で紹介している本は監修した1冊なのですが、「マリー・クワント展」で大好評を博したカタログの普及版です。コンパクトサイズでかわいいですが、中身はぎっしり本格派。マリーが成し遂げた偉業、多くの方に知ってほしい。

J-Wave、山口周さんと長濱ねるさんがナビゲート NTT Group BIBLIOTHECA 〜THE WEEKEND LIBRARY〜にて、『新・ラグジュアリー』をご紹介いただきました。ありがとうございました。(写真はNTT Group BIBLOTHECAのXより引用させていただきました)

今週は新・ラグジュアリー祭りでした。NewsPicksのアパレル特集第一弾(pickは1000超え)をはじめ、JR10路線でのデジタルサイネージ、WWDの巻頭インタビュー、そしてJ-Wave。

ラグジュアリーの脱構築が進んでおり、日本にとっては大チャンスが到来しているということ、多くの方に気づいていただければ幸いです。

WWD 1月15日発売号はジャパンラグジュアリー特集号です。

編集部に受けたインタビューの中で、ウエストの靴下や、宮古上布の例を挙げながら、日本が世界でリードできる可能性などについて解説しています。

お近くにWWDがありましたらご高覧ください。

共同通信から依頼を受け『デザイン至上主義の世紀』の書評を書きました。ぼちぼち各地方紙に掲載されるかと思います。

そもそも「横浜スカーフ産業」を知らなかったのですが、戦後日本の各地の地場産業の栄枯盛衰の背景には共通する事情があると知りました。

未来に活かせる教訓はたくさんあるのですが、その一つ:外国の権威に頼らずおもねず主体性を鍛えよう。

VOGUE JAPAN 8月号にて、トレンドの「静かなラグジュアリー」について取材を受けました。新しいラグジュアリーと静かなラグジュアリーとの関連をピンと察知して記事をまとめてくださいましたのは、編集部の中村真由美さんです。中村さんに『新・ラグジュアリー』が面白いと推薦してくださったのは小島慶子さんだそうです。ありがとうございました。

北日本新聞「ゼロニイ」5月号。連載「ラグジュアリーの羅針盤」Vol.6 において、「『くず』は排除するものではなく、稀少品」をテーマに書きました。

LEON 編集部より取材を受けました。大人にすすめたい漫画について。「キングダム」と「王様の仕立て屋」を推薦しました。

 

Precious 5月号「読むフレグランス」特集巻頭で取材を受けました。コクーンフレグランスやスキンセントといった最近の香水事情についてコメントしています。とりわけ日本では香りをパーソナルテリトリーの外まで漂わせるのはNGという場面が増えていることもありますね。香りの繭(コクーン)に包まれるというイメージ。

 

ウェブ版にも転載されました。

GQ JAPAN 4月号に寄稿した「クラフツマンシップとラグジュアリー」に関する記事がウェブ版に転載されました。

GQ JAPAN 5月号に寄稿しました。エトロの新・クリエイティブ・ディレクター、マルコ・デ・ヴィンチェンツオ氏と新生エトロについて。2月の来日時に、文化服装学院での講義→ランチ→インタビュー→撮影、とほぼ半日ご一緒に過ごすなかで、オフの場面での話も入り混じっております。GQ本誌でご覧くださいませ。

カメラマンに撮っていただいた記念写真です。2月の風の強い日だったので、もこもこの防寒仕様ですね。

エトロのイタリアチーム、ジャパンチーム、GQスタッフに大変お世話になりました。ありがとうございました。

「婦人画報」5月号日本のホテル特集。取材を受け、いくつかのホテルについてコメントしました。採用されたのは以下のホテルに関するコメントです。

・ハレクラニ沖縄
・リッツカールトン日光(早朝座禅体験)
・パレスホテル(和田倉の梅干しギフト)
・ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町(バー「レヴィ―タ」)

ほかにも屋久島のサンカラ、宮古島のシギラ、名護市のブセナテラス、小浜島のはいむるぶし、古宇利島のアウェイ沖縄古宇利島、石垣島のANA Intercontinental 石垣リゾート、ニセコのパークハイアットニセコHANAZONOほか、お勧めしたいところはたくさんあります(島ばかりですね…)。日本には夥しい数の島がありますのでまだまだ未開拓の地が多い。っていうか日本そのものが島でした。次のアンケートの機会までさらにアップデートしておきます。

本特集は他の方々のコメントが興味深く、日本のホテルの近年の努力が伺われる特集になっています。

(*中野はもともと文筆業では19歳の時にトラベルライターとしてデビューしています。2017年から5年間はホテルグループのコンサルタントも務めていました*)

君塚直隆先生との共著「英国王室とエリザベス女王の100年」(宝島社)が出版されました。中野はエリザベス女王のファッションとジュエリーの章を担当しました。写真豊富なヴィジュアルムックです。

 

(click to amazon)

BUNKAMURAで開催される「マリー・クワント」展。展覧会の展示パネルなどの翻訳、およびグラフィック社から発売の図録の翻訳の監修をしました。図録はマニアックで専門的な研究書です。一年がかりの大変な仕事でした。報酬的には信じがたいほど報われない仕事でしたが、マリー・クワントへのご恩返しができたかなとほっとひと段落の充実と達成感を感じた有意義な仕事でした。

図録はアマゾンでは販売していません。限定で増刷もしません。

Men’s EX 秋号発売です。

特集記事のなかでブリティッシュ・ラグジュアリーについて解説しました。雑誌の性格上、マテリアリズムの世界全開ですが。

よろしかったら本誌でご覧ください。

本誌写真はイギリス大使館にて撮影していただいたものです。もう一枚の候補?だった没バージョンがこちらです。

新国王チャールズIII世のスピーチ。

母の死を悲しみつつ国王としての最初の演説をしなくてはならない複雑な局面でのポケットチーフはこうくるのか。チャールズIII世は今後も世界のスーツスタイルのお手本として君臨されるでしょう。ちなみにトップ写真のチャールズII世は1666年に衣服改革宣言を発し、メンズスーツのシステムを創ったイングランド王です。この宣言によって、上着+シャツ+ベスト+下衣+タイ、というスーツのシステムの基礎が作られます。以後、メンズウェアは細部を改良しながら連続性をたもって変わりつつ、今に至ります。

 2000年に出版し、すでに絶版となっている「スーツの神話」の電子書籍版が、「スーツの文化史」です。なんとkindleで0円で読めるよ!!

 

チャールズIII世は、スーツのかけはぎ、革靴のつぎはぎでも有名。愛着をもって服を長く大切に着るという態度も、時代の要請にかなっているように見えます。

もはや「先細る一方」とされるスーツですが、チャールズ効果で少し上向きになることを願っています。

 

 

 

エリザベスII世からチャールズIII世へと治世が変わり、時代の空気も一気に変わる予感がします。

チャールズIII世は筋金入りのエコビジョナリーです。世間がまだバブルに沸いていたころから有機農業を始め、地球環境を説いていました。現在もこの分野で積極的にリーダーシップをとっています。

チャールズ新国王についても、おびただしい量の記事を書いてきました。いくつかは本サイト「ウェブ記事」でもリンクをはっています。書籍にもまとまっていますので、もしよろしかったらご参考に。(表紙がいまいちなのですが、カバーをとると品の良いネイビーのチェック柄の本が現われます。私はカバーをとって本棚に飾っています。)

昨日はエリザベスII世のファッションについてメディアからの取材をいくつか受けました。NewsPicksではコメントランキング1位……。こんなところで1位というのを狙ったわけでも嬉しいわけでもないのですが、ただ、日本人が英国女王の訃報にこれだけ反応するということにあらためて深い感慨を抱きました。

ファッションもさることながら、私はエリザベスII世を究極の「ラグジュアリーブランド」としてとらえています。そのありかたは、ウォルポール(英国のラグジュアリー統括団体)も「ブリティッシュ・ブランド」の模範としています。ウォルポールによる2022年度のBook of LuxuryにはBe More Queen という記事もあり、最後のまとめとして、エリザベスII世の顔の隣にこんな言葉が書かれています。拙い訳ですが、つけておきます。

Know what you stand for & against.

Know what is authentic, unarguable & unreplaceable about you.

Never be tempted to forget what you stand for, or try to be something you’re not.

Be authentic.  Be credible.  Be personal.  Be adaptable.

あなたが体現することと、相いれないことは何か、自覚せよ。

あなた自身について確かなこと、議論の余地なく取り換えのきかないことは何か、自覚せよ。

あなたが体現することを忘れてはいけないし、自分ではないものになろうとしてもいけない。

本物であれ。信頼に足る人であれ。個性的であれ。柔軟であれ。

 

 

メディアの方は、服の色がどうしたとかバッグのブランドがどこかとかスタイリストは誰かとかだけで話を終わらせないで、その先に見える本質として、エリザベスII世のラグジュアリーなありかたの方に焦点を当てた報道をしていただけると嬉しく思います。

*トップ写真は2~3年くらい前に書いた「English Journal」のイギリス文化論特集の1ページ。

 

 

JBpress autograph フィンランドのラグジュアリー観、後編が公開されました。「日本人が知らないリアルな『北欧スタイル』から考える新しい『ラグジュアリー』。

こちらでいったんフィンランドシリーズは終了です。ニセコに続き、人々の幸福感に政治が極めて重要な働きをしていることを、ひしひしと感じる取材となりました。機会があればぜひ訪れてみたい国です。

 

 

25日発売の週刊文春、森英恵さん追悼記事でコメントさせていただきました。

反骨のエレガンスで時代を切り開いた偉大なデザイナーである、とあらためて思います。

 

 

 

1月にBunkamura で開催される「マリー・クワント展」(V&A巡回展)に合わせ、ジェニー・リスターが編集したこちらの本の日本語版も、グラフィック社から発売されます。

展覧会の解説も兼ねるビジュアル豊富な224ページの大型本ですが、これはもうカタログを超えたアカデミックかつジャーナリスティックな永久保存版。人間マリー&家族とビジネスパートナーのみならず、イギリスの社会と文化、アパレル産業、繊維産業、ブランドビジネス、デザイン、広告、写真、モデル、ヘアメイク、化粧品&香水、インテリア、といった側面から多角的に詳細なマリークワント研究がなされた骨太な一冊でした。日本が果たした大きな役割も明かされる。たったいま、監修作業第一弾を終えました(これから校正が待っている)。翻訳もすばらしく読みやすい。初めて知る内部事情の連続で、もろもろの事象を見る解像度が上がります。

それにしてもマリーがデザイナーとして長命だったのは、とにかくとんでもなく堅実によく働いたからというシンプルな事実に尽きるのですね。シャネルも働きものだった。もう一つの共通点は、人の縁を大切にして、互いに全然違う個性を活かしあっているところ。選択の基準、考え方、行動、アテチュード(社会との向き合い方)において、ファッションに関心ないという方にも多大なインスピレーションを与える女性という点でもシャネルと通じる。

ちなみにマリーは引退しましたがまだご存命です。92歳。お会いしたい。

婦人画報9月号発売中です。シャネル展にちなんだ特集記事があります。

シャネルのアイコンバッグとバイアラーシューズについてコメントを寄稿しました。

飽きられないモノの秘密を考えることは、「飽きられない人」について考えることにもつながる。たぶん。

今秋、マリークワントブームが展覧会、映画、本と連動して到来することは何度か書いておりますが、私は展覧会の展示物テキスト監修、映画のパンフエッセイ寄稿に加え、クワント本の監修も担当させていただきます。

幸いにして翻訳者が素晴らしい方ですので、英語と日本語を整合させながら細部の正確さを極めていくのが仕事の一つになりますが、大型ハードカバー、224ページ、各ページに2段に分かれて文字ぎっしりというなかなかの分量です。

イギリスでは2019年にV$Aから展覧会にあわせて発売されていますが、綿密な調査に基づき書かれた内容がすばらしいだけでなく、写真も初登場のものが多く、amazonの評価には74個のレビューがつき欠けるところなき5スターズ。

思わず覚えておきたい名言も多く、たとえばこんな感じとか。

From the grey of post-war Britain, ‘necessity’ wasn’t the mother of invention, fun was.

「戦後英国の薄暗い時代において、発明の母となったのは<必要>ではなく、楽しさだった」

作業中におお!という名言に出会ったらTwitter (kaorimode1)で即時紹介していきますね。

 日本語版はグラフィック社より12月初旬に発売予定です。

 

取材予定の方がコロナにかかってキャンセル、とか担当編集者がコロナに、というケースが続くようになりました。みなさまどうかくれぐれもご自愛ください。私は睡眠・運動・バランスよい食事・大量のビタミンC・高麗人参粉末という5大防御(免疫力強化)を意識的に行っています。それでもどこにリスクが潜んでいるかわからないのが怖いところですね。仕事のご迷惑をおかけしないためにも、最大限の緊張感をもって過ごそうと思います。

よい一週間をお過ごしください。

かねてからお伝えしていましたが、今秋、マリー・クワントが襲来します。

まず映画です。『マリー・クワント スウィンギング・ロンドンの伝説』。11月26日よりBunkamura ル・シネマほかで全国公開されます。

同時に、Bunkamura ザ・ミュージアムで、11月26日~2023年1月29日、『マリー・クワント展』が開催されます。V&A発の世界巡回展です。朝日新聞社主催。

さらに同じ時期に、V&Aから出ている『Mary Quant』の翻訳がグラフィック社から出版されます。

 

私は映画ではパンフレットに寄稿し、展覧会では展示物テキストの監修、翻訳本でも監修をおこないます。実りの秋に向けて佳境に入っているというところです。

周囲の大反対を押し切ってマリー・クワントを卒論で書いたのは40年ほど前。何の損得計算もしなかった(できなかった)ゆえに、その後、重要な場面で干されたり梯子を外されたりというエライ目にも遭いましたが、いろいろあって、こうしてどっぷりと日本でのクワント祭りに関われるのも何かのご縁というものですね。ほんとに何が起きるかわかりません。調子に乗らず、自暴自棄にならず、できることに淡々と取り組むのみです。あとどうなるかを決めるのは天の仕事。

 

マリ・クレール編集長コラムで、経産省ファッション未来委員会のことをとりあげていただき、「新ラグジュアリー」もご紹介いただきました。ありがとうございます。

 

〇関西学院大学ジェネラティビティ・ラボ『50代からの生き方のカタチ』応援メッセージを寄稿しました。井垣伸子先生にお声掛けいただきました。ありがとうございます。10歳くらいしか違わない方を上から目線で応援するなんて1世紀早い、という感じです。それぞれに成長も環境も違うことを思うと、上下関係なく誰もが「対等」ですよね(むしろ私の方が精神年齢は幼いように思うこともある)。身体的な「成熟」が先を行っているだけという。

本日のタイトルにした格言はまさに実感で、あまり世間の基準での「成功」「失敗」にはとらわれすぎないのがいい、という話。「成功」なるものにいい気になっているとそれが転落の始まりになったり、「どん底だ」と思っていたことが後から振り返ると幸運の兆しになったりするのはよくある話。幸運も、そうでないことも、長期的にみたプロセスの一部として、その瞬間での意味や感情をしみじみ味わったらさっさと「次」へ一歩を進める。これが安定したサバイバルの方法に見えます。

 

 

モーガン・ハウセルの「サイコロジー・オブ・マネー」(ダイヤモンド社)。隙間時間に読んでなかなか勉強になりました。ファイナンスの問題を超えて、仕事一般に通用する話が多い。

〇収入-エゴ=貯蓄

〇称賛と批判は紙一重。運とリスクはドッペルゲンガー。何事も見かけほど良くも悪くもない

〇足るを知る

〇黙ってじっと待て。長期的に見る。たとえ途中で不運に見舞われたとしても長期的には成功できる

〇テールイベントの絶大な力。テールイベント(例外的なできごと)が莫大な利益を挙げたり特別に有名になったりすれば、残りはほぼ失敗だとしても、トータルで勝てる

〇周りの人間が正気を失っている時に、普通のことをする

〇ウェルス(富)は目に見えない。ウェルスはまだ取られていない選択肢。その価値は、将来的に今よりも多くのものを買う選択肢や柔軟性、成長をもたらすことにある

〇この世に無料のものはない。成功するには代償が必要である

〇自分のゲームを明確にし、他人にふりまわされない

続く円安に上がらない賃金。むしろ下がる一方の原稿料。厳しい時代が続きそうですが、 視線を遠くに見据えて憂いすぎず、見栄を張らず、選択と集中によりテールイベントを起こすべく、ひとつひとつ着実にこなして次へ、と進めるよう正気を保ちたいものです。

NewsPicks の「ザ・プロフェット」で二回にわたり『新・ラグジュアリー』が取り上げられます。今日は第一回目の記事の配信でした。『新・ラグジュアリーを知れば、社会がわかる』

NewsPicksの記者、藤田さんが、ラグジュアリーの歴史の要点をわかりやすく図解入りでまとめてくださっています。ありがとうございます。

この記事につけたNPコメントと重複しますが、あらためて以下のことはもう一度言いたい。

ラグジュアリーに対して日本人が抱くマイナスイメージ、ないし無関心はすさまじいものがあり、「金持ち相手の高級品ビジネスだろ」「鳥の鳴き声かと思った」「生活に手一杯で贅沢には関心がない」という声を露骨に聞きますが、まずはその偏見から取り外し、本来の意味や歴史を踏まえたうえでの最新の動向を知っていただければ幸いです。ラグジュアリー=ラグジュアリーブランド、でもありません。そんなイメージが支配的になったのはここ30年ぽっちのことです。

ラグジュアリーは社会の変化にいち早く反応し、今まさに次の姿へと変容を遂げつつあるまっただなかにあります。人々の「願い」の方向へと社会変化を先導する力を発揮しています。あと5年もすればラグジュアリー領域で起きていることが他の領域でも顕在化してくることが予想されます。

 

 

◇京都大学の山内裕先生による、けっこう詳しい『新・ラグジュアリー』評。山内先生は京都クリエイティブ・アッサンブラージュのリーダーです。

読む人にとって、反応する箇所がまったく異なるのが、ラグジュアリー論の面白さでもあります。

昨日は「未来」に向けた仕事の打ち合わせが2件で、脳内は2023年、2028年でしたが、かんじんの2022年はあと半年なのですね。過去に実現されるはずだった仕事もまだ終わっていない(関係者の方、ごめんなさい、追いつきます)。

実績を残すにはある程度の時間、社交の世界ではゴーストになる必要も出てきますね。より大きな力で人のために貢献するためにも、一定期間はGo Ghost and Focus on Yourself という構えでいるのもいい。それを理解してくれるゆるいコミュニティにいるのがいい。

 

さて、『新・ラグジュアリー』掲載お礼です。

13日発売の「日経ビジネス」。小さな欄ですが、「編集部のお勧め」として掲載されました。ありがとうございます。

 

そしてダイヤモンドオンライン。京都大学山内先生が主導するKyoto Creative Assemblage紹介シリーズのなかで、新しいラグジュアリーの考え方が紹介されました。「ヴィトンなどラグジュアリーブランドがこぞって『人間性』を志向する理由とは? その新潮流を読み解く」

 

(本のなかでヴィトンは旧型に分類したのですが……笑)ダイヤモンドに関しては、この文脈とは別個に「リベラルアーツ」として「新ラグジュアリー」解説の機会が決まっております。さらにNewsPicks でも近日中にインタビュー記事が掲載される予定です。

日経新聞、東洋経済、日経ビジネス、ダイヤモンド、NewsPicksと好意的にとりあげていただいたことで、ビジネス界の情報の送り手にはじわじわと認知度が高まってきた感があります。ありがとうございます。ラグジュアリー領域で起きていることは、これから他の領域でも起きていくでしょう。勉強会における本條晴一郎先生の言葉を借りれば「ラグジュアリービジネスは、トイモデル」。

美的Grand 夏号、香水特集で巻頭エッセイを寄稿しました。

パートナー・フレグランスというのは、今回あえて作ってみた造語です。

 

kotoba 発売。もう連載は終了しているのですが、編集部のご厚意でお送りいただきました。今回は「運」の研究。毎回、テーマが鋭く、多方面からのアプローチにより多角的に考えることができて楽しいですね。今回も読み込んでしまいました。

以下は、ちょっと覚えておきたいと思った言葉の引用です。一言一句正確ではないところもありますが、支障ない程度に省略しています。

・植島啓司「教授はいかに運に賭けてきたか」より

“人間を人間たらしめている当のもの、「自己」とか「精神」とか「合理性」とかいう言葉こそが、未来を見えなくしている最大の阻害要因ではないかと思えてならない。(中略)「自己」とか「精神」とか「合理性」などに固執さえしなければ、われわれの運命はどこまでも透明に見通せるのではないか”

・羽生善治×酒井邦嘉「実力を支える運・鈍・根」

“運というのは、考えすぎたり、意識しすぎたり、思い入れが強すぎたりすると逃げて行ってしまう。ですから「追いたいけど、追わない」みたいな、そういうマインドセットといいますか、矛盾した状態を目指さないといけないということはありそう”

・吉川浩満 「地獄の沙汰も運しだい」

“「絶滅の類型学」 1. 弾幕の戦場 2. 公正なゲーム 3.理不尽な絶滅” “理不尽な絶滅シナリオに関しては、おそらくこれからもずっと「フェアプレーはまだ早い」はずである”

・小島寛之 「『ツキ』と『運』の数学」

“「誰も見ていないと思っても決して手を抜かない」という命だ。誰にも注目されていないと感じる行動や仕事も、必ず世の中の誰かには観測されているものなのだ。そして、その観測がやがて、「必然」として自分に良いことをもたらすのである。それが自分には「ツキ」や「運」に見えるだけなのだ”

私は強運の持ち主のほうだろうという自覚はありますが、運がないと感じることも多々あります。運というのは常にころころ流転しているので、心をオープンに世界に開いていて、これね!と思ったら考えすぎずに乗ってみる、というのがよいのかもしれません。とはいえ、波に乗っていると思っている時こそ一歩踏み外すと奈落の底というのは古今東西の文学が嫌というほど教えていますから、調子のいいときほど驕らず、運のなさに苦しんでいる人への配慮や「運のおすそ分け」を忘れず、謙虚でいることは最重要。調子のいい時にはだいたい人の嫉妬にやられるというのも古くからの教え。とりわけ世の中が沈滞している時代には、人の神経を逆なでするようなエゴは、絶対に出さないほうがいい。

逆に運がないなあ、と感じられるほど、地道にやるべきことを着実に進めたり勉強に没頭したり無料奉仕で陰徳を積んだりするように心がけておく。そういう時間がチャンスを見る目を養う「準備」になる。

そんなふうにしていても運というのは理不尽なもの。絶滅のシナリオはだいたいにおいて不条理で、コントロール不可です。徳を積みつつも、あまり「私」とか「合理性」とかにこだわりすぎない、という植島先生的な姿勢というか、動物的なありかたでいるのが落ち着きどころなのでしょうか。

本日発売の週間東洋経済5月28日号 書評欄に大きくとりあげていただきました。

評者は塩野誠さん。的確にお読みいただき、とてもわかりやすくご紹介くださいました。ありがとうございます。

 週末の日経書評効果でしょうか、現時点でずっと「ベストセラー」マークがついております。感謝。

日本経済新聞の書評欄で、『新・ラグジュアリー』をご紹介いただきました。

東洋経済オンラインでもご紹介いただきました。

ありがとうございます。

 

 

Netflix 「ホワイトホット アバクロンビー&フィッチの盛衰」。

1990年代に排他的な戦略(白人・美・マッチョ以外は排除)がウケてカルチャーを席巻したブランドが、その価値を貫いたゆえに2000年代に失速,凋落。その過程に2000年代、2010年代にうねりを見せた多様性と包摂の動き、#metoo 運動など社会の価値観大変動がありました。関係者の証言で生々しく描かれる内部の様子が非常に興味深い。

それにしても、言葉遣いにいたるまできめ細かく設定された「エリート主義+セクシー+エクスクルーシブ(+伝統)」なアバクロのブランド戦略=排他的文化の構築に驚愕。

アバクロのモデルは服を着ないで服を売った。ファッションビジネスは、服を売るんじゃなくて文化を売る、ということがよくわかる例にもなってます。ふつうに良いものがあふれる今は、ますます文化に細心の注意を払う必要がでてきます。

とりわけラグジュアリー領域にその兆候が現れやすい。新ラグジュアリーが文化盗用や人権、包摂性やローカリティー、倫理観に対して敏感になり、新しい文化を創るのとセットになっているというのは、そういう文脈に則っています。ラグジュアリーが特権的で神秘的で選ばれた人のための贅沢品という思い込みのままなのは、1990年代で止まっているのと同じ。あらゆる文化間に「上」「下」関係を作るのがダサくなっている今、ラグジュアリーの概念も大変動を起こしています。価値観をアップデートしましょう。

 

?ファッションジャーナリストの宮田理江さんが『新・ラグジュアリー』のレビューをアパレルウェブに書いてくださいました。

?amazonでは連休中、その他の地域経済関連書籍部門でプーチンをおさえて一位。8日の現時点でまだベストセラーマークがついてます。ありがとうございます。

日本のラグジュアリー、とりわけツーリズムから見たラグジュアリーを考えるのに読んでおきたい本2冊。

まずは、原研哉さんの『低空飛行』。

日本がすでにもっている資産を、へんに西洋化されない形で活かすにはどうすればいいのか、考えるヒントがちりばめられています。

日本のラグジュアリーホテルのあり方も、根本から考えなおしたくなります。ツーリズムを超えて、日本の資源に関し、あらゆる角度から光が当てられます。緻密な観察眼で紹介されているホテルや旅館、全て行きたくなりました。混雑がなくなる時期をひたすら待とう。

味わいがいのある美しい文章と写真が豊かな読書体験をもたらしてくれます。

インターネットがもたらしたのは、「わたしたち」の「ほの明るい時代」であるという指摘,なるほど、です。「私、私」とエゴを出す態度は、ますますはじかれていくでしょうね。

原さんつながりで、瀬戸内デザイン会議の議論を収録した『この旅館をどう立て直すか』。こちらも観光ビジネスに関わる方は読んでおいた方がよさそうです。MATCHA代表、明治国日一期の青木優さんと最近、ランチをする機会があり、彼も参加しているこの本をプレゼントしていただきました。彼はこの領域でのリーダーシップをとるほどに活躍しており、頼もしい限りです。臆せず人とコミュニケ―ションをとっていく、素直で大胆なつながり方など、見習いたい点も多い。

「モノを作る」から「価値を作る」という新しい産業の見立てという点では、新・ラグジュアリーとも通じるところがあります。

「観光とは、光を観ること」。ラグジュアリーの語源にも「光」がありますね。

もっと光を、と言ったのはゲーテでしたか。

 

LEON 6月号に書評が掲載されました。ありがとうございます。

ゴールデンウィークといっても24/365 ワークという私のような身分ではあまり関係なく、むしろ世の中が平日で交通機関が空いているときに仕事を兼ねた旅に出るというスタイルなのですが。

30日は久々に快晴となり、「光」を浴びに近くの南町田まで。空には雲一つないですが、地上は人と犬だらけ。ワンちゃんたちは私よりいい服を着て毛並みも体格もよいです。眼福。

スヌーピーミュージアムもあるので、公園にもスヌーピーが。

「観光」というのは「光を観る」という意味なのですね。みなさま、光あふれるよき5月をお過ごしください。

 

 

 

 

 

 

 

 

秋に公開されるマリー・クワント映画の試写。

90分の中に、60年代ロンドンの生々しい躍動感がぎゅっと詰まってる。戦争、ファッション、音楽、政治、ビジネス、ジャーナリズム、性革命、ヘアメイク、ストリートカルチャー、アメリカ、日本、家族。濃厚で自由。クオリティ高いドキュメンタリー。現代にも通じるメッセージも多々。

この秋は、映画、展覧会、書籍で連動してマリークワントがきます。

「アパレル全史」にも書いてますが、私はクワントにひっぱられて道を外したところがあるので、あれから40年ほど経ったこの時期にクワントの総まとめが襲来することが、再び彼女に導かれているようで、複雑で感慨深いです。(展覧会、映画、書籍、すべてにおいて関わることになりました。)

なにはともあれ60年代祭りがきます。60年代クワント風ファッションでみんなで盛り上がりたいところですが、どなたか作りませんか?

 

V&Aのマリー・クワント展とともにイギリスで発売された書籍がこちら。

『新・ラグジュアリー 文化が生み出す経済 10 の講義』発売です。

たまたまですが、発売日が南西諸島での仕事と重なりました。

石垣行のJAL便、国際線仕様の航空機が使われていて、class J (普通席+1000円)は国際線ビジネスクラスのシートなんですね。

機内で原稿を1つ書けたうえ、スピルバーグの「ウェストサイドストーリー」を上映していたのですべて鑑賞することまでできました。なんだかとんでもなく時間を有効利用できた気分です。

やはり雲の上にくると雑念が振り落とされて、大切なことがわかってきます。3時間という飛行時間もちょうどいい。

石垣からフェリーで小浜島へ。小浜島へは二度目の訪問です。

女性のためのテイラード応援キャンペーン、Go Tailored は地味に継続しておりますが、理想的なスーツの白インナーが既製服世界にもオーダーシャツ世界にもついぞ見当たらないので、心斎橋リフォームの久美子さんに作ってもらうことにしました。

襟が硬いコットンシャツは着心地がよくない。
ブラウスのフリルもボウもいらない。
ストレッチ素材のシャツブラウスは、着心地よいけどエリが小さすぎたり無難な事務服に見えたりする。
ポリエステルの、首元があきすぎたり妙なギャザーがよってたりするのも違う。

テイラード普及にはインナーもだいじ。というわけで、困ったときの久美子さん頼み。
実験的に「こんな白インナーがほしいのです」というのを細かくオーダーしてみました。久美子さんのセンスと技に期待し、完成まで、ワクワクです。

写真は、撮影時に新刊を持ってくれた久美子さんと。
首に巻いているのはアクリスの2022春夏のスカーフです。
アクリスはスイスに本社がありますが、工場はルーマニアにもあり、これはメイドインルーマニア。ルーマニアは「新しいラグジュアリー」が起きている地域のひとつでもあります。日本から遠くあまりニュースが伝わってきませんが、ファッションに関しては美しいものを作る技術とセンスがある国なんですね。

スーツは廣川輝雄さん作?表からは見えない細部の仕上げの技がアートの域に達しています。

ものを創る人が自由に想像力を発揮できて、原料の産地の人を含めて関わる全ての人が幸せを感じられる透明性の高いコミュニティが形成され、文化が継続され、健全な経済の循環が生まれることは、「新しいラグジュアリー」の理想型のひとつでもあります。

 

JOJO Magazine 2022 spring 発売中です。

ジョジョの世界におけるファッションの意味を解説しました。

アウェイ感、満載です……。アウェイで恥をかきながら鍛えることで経験価値も高まります(多分)。機会をいただけるかぎり、アウェイでの挑戦を続けていきたいものです。

徐倫の強さにあやかりたい。

↓ click to amazon

28日発売の新刊の見本が届きました。当初、デザイナーさん提案の黄色に、「これは日本では安売りのイメージと結びつく」と意見したのですが、その後、いくつかの検討段階を経て、この「攻めの黄色」「未来の幸福の黄色」を、安っぽくならない洗練された色調で仕上げていただいた次第です。

内容もこの2年間の発酵段階を経た濃いもので、読み応えのある310ページになっています。

次の社会、次の経済のあり方を考える視点を提供しています。アマゾンのカテゴリー「思想・社会の法律」部門で依然、ベストセラーを獲得しています。

私のパートにおいては、イギリス文学、ダンディズム史、ファッション史、内外のモード事情……とこれまで研究してきたことを総動員して「新・ラグジュアリー」論に結集させました。逆に、40年ほど前の純粋な文学論の研究がラグジュアリーを分析するヒントを与えてくれたことに今になって気づいています。やってきたことが、とても長い時間をかけて、当時は思いもしなかったところで活きる。「こんなこと、何の役に立つのか?」とくさらず即効性を求めず、プロセスに真剣に取り組むことが、いつの日かそれが予想もしなかった報酬となって降ってくる。多くの仕事において必ずそういうことがあります。自然界の摂理のようなものだと思う。ガウディの言葉を借りれば「神は急いではいない」のです。

 

13日には、国島J Shepherds の生地を使ったAdjustable Costume によるノーフォークジャケット発売記念ライブをご視聴いただきありがとうございました。

ムーゼオ・スクエアのスタッフさんたちが丁寧に準備、配信してくださり、楽しいライブになりました。後日、文字化されてMuuseo Squareにアップされます。

 

また、繊研新聞にはすぐに記事化されました。感謝。

写真は、J Shepherds のインスタグラム・ストーリーより。

さて。発売前ではありますが、『新・ラグジュアリー 文化が生み出す経済10の講義』は、「思想・社会の法律」部門および「売買契約」部門でアマゾンのベストセラー一位になっております。ありがとうございます。それにしても「社会の法律」って!

「婦人画報」本誌掲載の記事が、ウェブに転載されました。

「色をまとうということは、一種のサービスである」

ご高覧くださいませ。

 

この瞬間にもウクライナとロシアで起きていることを注視し続け、人々に心を寄せています。

世界平和を祈りつつ。

『新ラグジュアリー 文化が生み出す経済10の講義』。クロスメディアパブリッシングより3月28日発売です。鮮やかなカバーもできました。クリックするとamazonにとびます。

どうぞよろしくお願いします。

Precious 4月号発売です。ディオールのバージャケットについて取材を受け、解説しました。

平和の象徴として戦後に生まれて75周年。今年はとりわけ平和への祈りもこめ、誕生までの経緯をふくめて語り継ぎたいジャケットです。

次の10年を見据えて、新しい領域の勉強を始めました。もっと高い視点から人の役に立ちたい、と思うことが増えたのがきっかけ。これまで蓄積した知識でも、時代に合わなくなっているものはいったん捨てて、新しい考え方をインストールしなくてはならないという必要も感じていました。この日はスタートの日で、慣れない語彙についていくのが精一杯でしたが。

トップ写真は御茶ノ水のニコライ堂です。しばらくぶりの御茶ノ水でしたが、ゆったりとした時間が流れていて、いい街ですね。

御茶ノ水まで一時間近く電車に乗っているわけですが、その間に読んで思わず乗り過ごしてしまった本がこれ、「ナショナル・ストーリー・プロジェクト」。ポール・オースターを柴田元幸先生が訳したチョコレートボックスのような本です。すべて実話というのがいい。人生の見方を少しだけ広げてくれたり、新しい視点をくれたりする多彩なミニストーリーが心に沁みいります。

kotoba 春号 ゴッドファーザー50周年記念特集。本日発売です。

このような目次です。これは永久保存版でしょう。

 

拙稿「マフィアとスーツ」では、バー「ル・パラン」の本多啓彰さん、「アジャスタブルコスチューム」の小高一樹さん、「スローンレンジャートウキョウ」の大西慎哉さんに取材のご協力をを賜りました。ありがとうございました。

ご覧のように、小高さんは「パートII」でのヴィトー・コルレオーネのスタイルを再現した装いで取材に応じてくださいました。マニアックを極めた観察力で多くのご指摘をいただきました。

20代の人に銀座みゆき館カフェに連れていかれました。

老舗すぎて盲点でした。昭和レトロブームで若い人の間で人気なのだそう。

和栗モンブランは見た目を裏切りあっさりしてて軽い食べ心地。

20代の人に昭和の魅力を語られた倒錯した打ち合わせでした。

kotobaのゴッドファーザー特集、いよいよ明日発売です。来週は大阪万博、再来週はジョジョマガジン、そして最後の週は共著『新・ラグジュアリー 文化が生み出す10の経済』の発売です。

年末から年始にかけての孤独な苦しみがちょっとは報われるかもしれない3月。油断せず次の仕事も淡々と進めています。1日気を抜くと取り戻すのに倍の時間がかかるので(ピアニストと似ているかもしれない)どこにいても365日何らかの仕事をしている感じです。

婦人画報4月号発売です。

「色と柄」をフィーチャーするファッション特集で寄稿しました。

本誌でご覧いただければ幸いです。

平和あってこそのファッションですね。

一日も早い日常の回復を祈ります。

いよいよ初校ゲラが届き始めました。

『新・ラグジュアリー 文化が生み出す経済 10の講義』(クロスメディア・パブリッシング)、3月末に発売予定です。Forbes JAPANでの連載の共著者、ミラノ在住の安西洋之さんとの共著になります。連載の方向は踏襲しつつ、内容、形式は大幅に書き換え、ほぼ書き下ろしです。

 

 

次の本も(というか本来そちらが早いはずでしたが逆になってしまい)淡々と進めております。

 

 

ある企業のオウンドメディアから依頼を受け、大阪万博1970年をめぐるファッションと文化について、4000字強を書きました。

3月にウェブで公開されます。

そうなんです、北京オリンピックの騒ぎの影にかくれながらも、大阪万博2025へのカウントダウンが着々と始まっているのです。時間が経つのは本当に早い。

上記二冊を主に参考にしつつ、ファッション史からの資料を駆使しました。知らなかったことばかりで、学びが多かった。新しいテーマへのチャレンジは、成長できる感覚や新たな発見があるのがありがたいです。

The Journal of Japanese Studies Vol. 48 has been publishd.

 

The Journal of Japanese Studies is the most influential journal dealing with research on Japan available in the English language. Since 1974, it has published the results of scholarly research on Japan in a wide variety of social science and humanities disciplines.

 

I have written a review on Japan Beyond the Kimono.

 

Jenny Hall, Japan Beyond the Kimonoのレビューを寄稿しました。上記クリックするとお読みになれます。

評した本はこちらです。

〇NewsPicks で取材を受け、コロナ後のファッション、ファッションビジネスから見る社会の変化について語りました。

 

【直言】ファッションが示す、「サステナブル」の次 (newspicks.com)

・デザインよりも企業姿勢
・サステナブルの次に来る「コンシャス」
・人権、ジェンダー、文化の盗用に見る「脱植民地主義」
・アニマルフリー、ビーガン、産地の幸福
・1970年代の多文化主義の見直し
・現実世界での機能主義、デジタル世界での夢追求

こういうワードにピンと来たらぜひお読みいただけますと幸いです。ラグジュアリーブランドやモードの世界にとどまる話ではありません。文化の盗用問題、人権の問題に関しては、全員が「意識的」でなければならない時代になっています。

 

 

〇「JOJO magazine 2022 spring 」ジョジョファッションの解説をいたしました。3月19日発売です。

 

 amazonでの予約受付が始まっています。

 

 

NewsPicksに書いたコメントからの転載です。エリザベス女王即位70年を祝うムードを、アンドリュー王子とハリー王子夫妻が台無しにしているという趣旨の記事に対するコメントです。
「英国王室スキャンダル史」(ケネス・ベイカー著)という本があるほど英国王室はスキャンダルとともにあり続けてきました。
品行方正で倫理的な王室メンバーばかりではない。むしろ人間くさくどうしようもなく愚かなところを見せてくれるからこそ、注目を浴び続け、愛されてきたような一面が英国王室にはあります。かつては英語を話せない国王もいたし、ハニートラップとしか思えない状況で国王をやめてしまった王もいた。この程度のスキャンダルは、むしろ「圏内」のように見えます。生涯を国家に捧げると誓ったとてつもなく安定した気質のエリザベス2世の威光と、問題児アンドリュー王子や反乱児ハリー王子夫妻の影。この対極あってこそ歴史家やジャーナリストは筆をふるい、人々の関心をひきつけ、「家族とはなにか」「王室の存在意義は」という議論が盛り上がったりする(関心のない人はとことん無関心だし)。英王室は多民族からなる複合国家の象徴でもあり、複雑化・多様化する社会や家族像の反映にもなってきました。ファミリーの反逆児はどの家庭も抱える問題。それに対して家長がどのように対応するのか、反逆児はその後どうなっていくのか、すべてがリアルな人間的関心の的です。だからこそ、英王室は各時代のクリスマスツリーのてっぺんの飾りのような存在であり続けることができるのです。あとからふりかえって、このファミリーの問題をきっかけに時代を語ることができる。そんな存在、貴重です。

次の国王となる予定のチャールズ皇太子は、故ダイアナ妃をめぐるスキャンダルでいろいろ非難も浴びましたが、いまは地球環境問題において世界でリーダーシップをとる存在です。当初、悪女呼ばわりされたカミラ夫人も、誠実に公務をこなして今では好感度も高く、女王までもが「未来にはカミラにクイーン・コンソート」の称号をと言っている。ひとりひとりの人間の成長はこうやってもたらされ、人の評価というのはこのように変わるのか……ということを考える人類共通のネタ(失礼)をも提供してくれています。

メーガン・マークルの項目を書き換えたくてしょうがない……。生きている人を書くことの難しさ。

新刊発売のお知らせです。『新・ラグジュアリー 文化が生み出す経済10の講義』が3月末、クロスメディア・パブリッシングより出版されます。ミラノ在住の安西洋之さんとの共著です。アマゾンでの予約受付が始まりました。

コロナ禍に入ってすぐに多くの方々と対話、取材、議論を重ねてきました。最後は宇宙視点まで含んでいます。これからの10年を見据えた社会と経済のあり方を考えるための「新しいラグジュアリー」という視点、読者のみなさまと共有できればと願っています。

 

北日本新聞別冊「まんまる」2月号が発行されました。帝国ホテルお「サステナブル・ポテトサラダ」とラグジュアリーの関係について書いております。

House of Gucci. 14日から公開になりましたね。

ファッション史に興味があってもなくても飽きさせず、2時間半、目が釘付け。

 

ノリノリの70年代末~80年代ミュージックと感情揺さぶるイタリアンオペラがいい感じで「意味まみれ」。衣裳は眼福、俳優は驚愕。

ジャレットレトを探せ。史実を知っていたらなお面白くなる。(「アパレル全史」参照。笑) ちょうどゴッドファーザーの原稿を書いていて、アルパチーノの演技に歴史を重ね見てじわり泣きました… とにかく必見です。

 

写真はすべて、© 2021 Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc. All Rights Reserved.

 

House of Gucciで印象に残った人間観察のひとつに、「人と違う個性や才能をアピールすることは、実は凡庸さの頂点である」というのがあります。本当に革新的なやり手は、最も静かで平凡に見えたアノ人だった!という事実に基づくオチが渋い。画期的な変化を起こす人はいちいち人と違うアピールなんてしない。静かな意志を、平凡に着実に淡々と貫き、その暁に結果を出す。そんなもんです。

 

 

 あわせて読むとよりいっそう面白さが増す原作本。

 下巻末の解説も理解を深めてくれます。

 映画の中に出てくるトム・フォード、ドメニコ・デ・ソーレ、アナ・ウィンター、カール・ラガーフェルドがどんな位置づけの人なのか? 占い師役のサルマ・ハエックの現実世界での夫がどんな人なのか(グッチを傘下におさめるケリングの会長)? 今のグッチをもりあげるアレッサンドロ・ミケーレはどんな仕事をしていて画期的なのか? いつからファッションのメインプレイヤーが資本家になったのか? などなどご参考になる点いろいろあるかと思います。電子書籍版もあり。

13日、神保町の小宮山書店で、GQ編集長を退任されたばかりの鈴木正文さんと、栗野宏文さんのトーク。テーマは「読書とおしゃれ」。フィレンツエで開催中のピッティ・ウオモでも同時中継されました。

おふたりとも、よい表情ですね。存在感そのものにおしゃれな空気感が漂ってます。

こちらは開始前の待ち時間に、大住憲生さんが撮影してくださった一枚です。デザイナー、ジャーナリスト、編集者など、おふたりに縁のある方々が「今読んでいる本」「好きな本」を披露。またまた読むべきリーディングリストができました。こういう場がもっとあるとよいな。

それにしても小宮山書店の5階、6階にこんなすてきなところがあるとは。神保町おそるべし。

 

話題の映画「ハウスオブグッチ」の原作、文庫版が発売されました。

10年ほど前はこの実話、ライフスタイル誌ではタブーとされていて、記事で触れると削除されていました。めげず書いては削除されていたことを懐かしく思い出します。

ライフスタイル誌は広告費で成り立っているので、いわゆるジャーナリズムの論理などあまりとおらないところがあります。

映画化され、文庫化されるとは。隔世の感があります。

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北日本新聞別冊「まんまる」連載「ファッション歳時記」、第124回「ブレスレスなドレス」。

先日の「Yomiuri Executive Salon」の講演で着用したドレスにまつわるドタバタです。一年の終わりということで写真掲載もご寛恕のうえご笑覧ください。

 

集英社クオータリーkotoba 発売です。連載「スポーツとファッション」最終回です。2年間ありがとうございいました。

言葉を扱う文芸誌で、スポーツとファッションに関わることを書くという、きわめてハードルの高い連載でした。何の役にも立たないことを一生懸命考えて書く。虚しすぎる同時にワクワクするほどの楽しかったです。すべては修行です。

今回のタイトルは「ここではないどこかへ」。私も行きたい。

 

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Esquire Big Black Book 2021 winter issue 発売中です。

手紙にまつわるエッセイを寄稿しました。お目に留まる機会がありましたらご笑覧くださいませ。

 

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JBpress autograph 「モードと社会」第21回は、「革新的なコラボで西陣織を復活させた老舗『細尾』 細尾真孝の原点』です。

こちらは何年か前にミキモト本店で行われた「日本の織物」の展示でお会いしたときの細尾さん。日本各地の希少な織物の研究もされています。繊維といえどもR&Dなくして発展なし、と教えられます。

「イノベーターで読むアパレル全史」よりココ・シャネルの章、「じんぶん堂」にて紹介いただきました。ありがとうございます。

出典ほか、これまで関わってきたシャネル本のアマゾンリンクを以下に並べておきます。雑誌やパンフレットの寄稿を含むとおびただしい量の原稿をシャネルについて書いてきたなあ。いくつかはWorksのアーカイブに入っているのでご参考になれば幸いです。

ちなみに、シャネルブランドと、歴史的偉人としてのガブリエル・ココ・シャネルの評伝とは、ビジネス上、全く関係がありません。名言カレンダーのアマゾンレビューに「シャネルマークがないから、この人が誰かわからない」というクレームがありましたが、シャネルブランドとは関係のない、歴史的人物シャネルその人についての出版物なので、ブランドマークも関係がないのですよ。

シャネルブランドの広報出版物ではない独立した出版物であるからこそ、著者としては(もしかしたらブランドにとって書いてほしくないことでも)自由に書ける、ということがあります。実際、「シャネル、革命の秘密」に書いてあることをある女性ファッション誌に書こうとしたら、ブランドへの忖度からか、削除を求められたことがあります。結果として、ファッション誌にはブランドの提灯記事ばかりが掲載されることになります。まあ、それはそれ、そういう広告的世界だと了解してファンタジーを楽しめばよいだけですね。それぞれの世界には、それぞれの論理や都合があるものです。

 

(ファッションの近現代史を50人のイノベーターを通して解説。巷に流通するファッション用語や固有名詞がなにがなんだかわからないので手がかかりがほしい、というビジネスパーソンにも好評です。電子書籍版も出ました)

(セルフラブをテーマにしたシャネルの名言カレンダー。監修という形でJTBパブリッシングに協力させていただきました)

(シャネル特集冒頭で、鹿島茂さんと対談しています。シャネルを通して見る20世紀の精神史)

(監訳という形で携わりました。女性誌が削除を求めるシャネルの不都合な真実も描かれます。今から見ればどうってことないことばかりなのですが)

(ビジュアル豊富なシャネルの伝記、基本編。コーヒーテーブルブックとしても美しい本)

NewsPicksにも書いたことなのですが、こちらにも記しておきます。

ケリンググループがファー使用に関して傘下全体で毛皮不使用を宣言したニュースについての私の意見です。

(ケリングのファー・フリー宣言はこちらで全文が読めます。

とりわけZ世代の顧客に寄り添いたいというこうした流れがある一方、(人為的な無理をせずに使われる)毛皮はオーガニックな素材であり、孫の代まで受け継がれるうえ、最後は土に還るので環境にとっては優しい、という見方もあります。極寒地に行けば毛皮は必須です。いずれの考え方にも正当性があります。

やみくもに毛皮はNG、という一方向のみに走るのは歴史的に見ても地球全体を見ても視野狭窄という印象を免れません。人類が最初にまとった衣類が毛皮だとされています。人類の歴史とともに毛皮加工の技術も進化してきました。歴史のどこかの時点で、人間のエゴイスティックな虚飾のために生後間もないミンクやフォックスの毛が使われはじめてから、自然に対する敬意や節度がなくなり、おかしくなった。動物虐待と裏腹になった虚飾の権化のような毛皮はもうなくていいけれど、地球の自然なサイクルの中で使われるサステナブルな生活必需品としての毛皮は、存続していっていいと思う。

ケリングの代表、フランソワ=アンリ・ピノー氏は、環境問題、サステナビリティなどにおいてフランスのファッション業界をリードしたいという立場をとっています。そんな立場をより明確にするための宣言でもあったでしょう。

毛皮と人間の歴史に関しては以下の大著があります。

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日本経済新聞連載「モードは語る」。本日は、カール・ラガーフェルドの評伝のレビューです。

電子版でもお読みいただけます。こちら

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エシカルジュエリーHASUNAの創業者、白木夏子さんの新著。

エシカル、サステナブル、SDGsとファッションを結びつけ、社会課題を解決するビジネスをどのようにおこなうのか、経験に基づいた具体例がわかりやすく紹介されます。南インドでの体験など凄絶でした。強烈な原点、強い使命感のあるビジネスは説得力があり、支持されますね。

ファッションによる社会課題解決ビジネスのことを概観して学ぶこともできる良き本です。

著者はラグジュアリーという言葉を使っていませんが、新しいラグジュアリーの考え方と通じるところが多い。

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ワクワクさせていただきました!
よき本です。詳しいレビューは後日、媒体で書きますが、学びも共感も感動も多く、かくも付箋だらけになりました。

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次の仕事のために購入した本。今秋のトレンドカラーは赤なのだそうです。

赤の意味をあらためて探る長い旅。赤の話だけで200頁書くパストゥロー、凄まじき力量です。

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私のトレンドカラーは何十年も毎シーズン赤なので、いまさら意味もなにもないのですが(笑)。

栗野宏文さんがディレクターを務めるアフリカのファッションとカルチャーのポップアップショップが渋谷パルコに。

カラフルな色彩、大胆な柄の組み合わせは見ているだけで元気になれますね。

栗野さんチョイスによるアフリカの文化を伝える本やレコードも充実。

栗野さんおすすめのアート本を購入しました。装丁も大胆ですが、中はぎょっとするような「トランスフォーメーション」の図がいっぱいで。トラウマすれすれですが、ヨーロッパがアフリカに何をしてきたのか、あらためて考えさせられました。

北日本新聞別冊「まんまる」発行されました。

ファッション歳時記No. 121 「失敗から発展するご縁もある」。

はい、というわけで11月のキモノドレス@国立能楽堂に向けてシェイプアップ中です……。

 

Precious 10月号発売です。秋のファッション特集「ジェントル&エレガント」で「優雅なジェントルウーマン宣言」を寄稿しました。

本誌にてご覧いただければ幸いです。

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JTBパブリッシングからのご依頼で、シャネルの名言日めくりカレンダーに監修という形で協力させていただきました。

これまで出ている名言集にはあまり出てこないことばを中心に遊び、いくつかのことばには解説エッセイをつけました。

担当者がアラサーの女性たち(と男性)で、シャネルに初めて出会う人にも魅力を知ってもらう入門アイテムとして愛される商品にしたいと情熱をこめて作っています。31枚の写真とことば、味わいがいがあります。

9月14日発売、Amazonでは予約を開始しています。

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集英社クオータリー kotoba 発売です。

連載「スポーツとファッション」第7回は「スポーツによる身体と人生と世界の拡張」をテーマに書きました。

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竹内絢香さんによる「60s UK STYLE 」(徳間書店)。

60年代にふさわしいカラフルで躍動感のあるイラストが満載。60年代スタイルの特徴も楽しく学べるよう工夫されています。ユニークな個性をもつファッションイラストレーターは貴重です。

この本をきっかけにファッション史に興味をもつ若い人がさらに増えるといいな。

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カール大帝の評伝。

ラファエル バケによる
「カール ラガーフェルド モードと生きて」(早川書房)。

ファッション史の学徒は、とりあえず必読ですよ。

詳しいレビューはどこかの媒体に書きますのでここでは控えますね。

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GQ 10月号発売です。特集はニューロマンティクス。巻頭にエッセイを寄稿しました。「ロマンティシズム3.0」。

本誌でお読みいただければ幸いです。

 

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あの「DeLuxe」を書いたダナ・トーマスの新しい本。といってもしばらく前に出版されておりますが。”Fashionopolis”。

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そしてチャーリー・ポーターによる”What Artists Wear”.  こちらは写真が豊富で英語が苦手な人でも見て楽しめる。

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どちらもファッションスタディーズの学徒におすすめ。とりわけダナ・トーマスの本。

まさかまさかの号泣本でした。

蠅の王も、スタンフォード監獄実験も、傍観者の冷淡も、あれやこれやの荒んだ話も、緻密な調査によって全部覆してくれる。

人間の本質は、善。ナチスの兵士も、「友情のために」戦った。イデオロギーのためではなかった。

こんなシンプルなことがどうやって歪められてきたのか、歴史上の通念が暴かれる過程にブレグマンの強い愛と執念に近い信念があります。

心の深いところで癒され、わだかまりをほぐされ、開放され、満たされていくような凄い本でした。

人間観が変わる。全人類に読んでほしい。

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婦人画報 9月号発売です。

アイコンバッグ特集で寄稿しました。本誌でご覧いただければ幸いです。

特集は他にも京都や韓流ドラマなど。見ごたえあります。

 

今日から8月ですね。どうぞさわやかに一日をお過ごしください。

 

ファッションディレクターの干場義雅さんが新刊を出版。「これだけでいい男の服」(ダイヤモンド社)。

序文で、私がGQ Japan に寄稿したエッセイの一部を引用してくださいました。

 

光栄です。ありがとうございます。あらためて、ご出版おめでとうございます。

ちなみに、チャールズ皇太子に関するエッセイ全文はこちら

 

北日本新聞別冊「まんまる」連載「ファッション歳時記」が、10周年を迎えました。

 

読者のみなさま、関係者のみなさまに感謝します。

婦人画報8月号発売です。

日本の宿特集も興味深いのですが、スタイルアイコン特集があります。

そちらでコメントを寄せました。本誌でご覧いただければ幸いです。

ユリイカのシャネル特集、発売です。

特集の冒頭で、鹿島茂先生と対談しました。『「皆殺しの天使」の精神史』と題されております。3段で全11ページ。

 

 

発売前から逐次刊行物でベストセラー1位が続いております。

 今年はシャネル没後50年、No. 5 生誕100年で盛り上がっております。ドキュメンタリー映画も7月23日に公開。勢いに乗り、「ユリイカ」7月号もシャネル特集です。

巻頭で鹿島茂先生と対談しました。『「皆殺しの天使」の精神史』。6月29日発売。予約が始まっております(画像クリックでアマゾンにとびます)。

「ユリイカ」がファッション特集を組むのも貴重です。お楽しみに。

FRaU 本誌で掲載されたインタビュー記事が、ウェブでも読めるようになりました。

齋藤薫さまによるインタビューです。日本の香りについて語っております。

FRaU 公式ウェブサイトでご覧いただけたら幸いです。

集英社クオータリー kotoba 夏号発売です。特集はビートルズ。

連載「スポーツとファッション」第6回は「オリンピックとファッション」。

ファッションの力でオリンピック伝説となったアスリートのストーリーをとりあげました。ジョイナー、キャシー・フリーマン、そしてノルウェーのカーリングFab 4。ビートルズ特集ですから。

昨年秋あたりにワシントン大学からご依頼をいただいて6月1日締め切りだった書評、なんとかセーフで書き上げました。

1500字ちょっとの英文ですが、原稿料なし、査読ありのアカデミックな雑誌への寄稿は超久々で、かなり気を遣いました…。何度かホテルにこもって読破、書き上げました。達成感ありました。これからさらに時間をかけて編集していくようです。

掲載された暁にはアップできるとよいですが。(制約も厳しそうで不明)

 

日本の出版社の方。これぜひ翻訳出版してください。包括的に日本の着物のことを考えた、良い本ですよ。(すでに翻訳が進んでいたらご寛恕ください。)

LEON 6月号発売です。縦縞特集でかたっております。


タテシマもヨコシマも英語ではStripes。いいかげん、ヨコシマをボーダーと呼ぶ習慣を廃しませんか。英語だと思い込んで得意げに英語として使うとちと恥ずかしい。身振り手振りイラストでなんとか通じれば問題はないとはいえ。

「まんまる」5月号発行です。ファッション歳時記 Vol. 116 「ライフスタイルとは?」

Precious 5月号 発売です。17周年おめでとうございます。

エレガンス&ラグジュアリーについて、コメントを寄せました。

 

いっそうのご発展をお祈り申し上げます。

FRaU Jaxury 特集号。

日本発のラグジュアリー、各部門のアワードの発表です。

齋藤薫さまにインタビューしていただきました。僭越ながらラグジュアリーという視点から日本の香水文化を語っております。

コロナの間は海外取材ができず、海外ブランドも日本でPR展開が難しく、結果、日本にいやおうなく目が向き、多くの日本の企業を取材できたのは幸いなことだったかもしれません。

よろしかったら本誌をごらんくださいませ。

カメラマン:野口貴司さん
ヘアメイク:面下伸一さん
スタイリスト:長谷川綾さん
ドレス:アクリス
撮影協力:ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町
企画&編集:吉岡久美子さん

多くの方にお世話になり、ありがとうございました。なかでも、とりとめのない話をすっきりとまとめてすばらしい記事にしてくださいました齋藤薫さまにあらためて深く感謝するとともに、心より敬意を表します。

 

*本ウェブサイトは3月末をもちましてクローズいたします。その後の仕事の活動状況は、Twitter: kaorimode1、Instagram: kaori.nakano にてアップしてまいります。引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。

〇竹宮恵子「エルメスの道」新版。

 

右のオレンジが旧版。左が新版です。新版には銀座のメゾンエルメス建設にまつわるエピソードも描かれ、さらに読み応えある一冊になっています。ここまでやるのか!という驚きの連続。ブランディングとはなにか、ラグジュアリーの真髄はなにか、考えさせられるヒントが満載です。

こういうのを見ると、感動を通り越して、エルメスにはかなわないなあ……と絶望に近い気持ちさえ生まれてきますね。(いや、超えよう。笑)

 

 

 

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〇婦人画報.jp 「フォーマルウェアの基礎知識」連載Vol. 17  「ブリジャートン家」のコスチュームを解説しました。この時代はブランメル時代どまんなか、超得意分野でもあるうえ、目の保養になるメンズコスチュームが次から次へと登場するのでノリノリで書いております。ドラマ鑑賞にお役立ていただければ幸いです。

 

〇震災から10年ですね。

あの日、ヘリに乗って津波を撮影した記者の思い。翌日、ヘリから助けを求める人々を見てしまった記者が背負う十字架。こちらの記事が胸に迫ります。昨日公開されたこのインタビューも。津波映像を撮影した記者はNHKをやめ、アートの世界にいることを知りました。

 

 

 

〇北日本新聞まんまる4月号発行です。

ファッション歳時記Vol. 115 「ジュエリーには、詩情を」。

 

富山発ジュエリーのご健闘をお祈り申し上げております。

 

 

 

〇しつこく英王室の話で恐縮です。女王のコメントの原文が確認できたので。

“The whole family is saddened to learn the full extent of how challenging the last few years have been for Harry and Meghan. The issues raised, particularly that of race, are concerning. While some recollections may vary, they are taken very seriously and will be addressed by the family privately. 

“Harry, Meghan and Archie will always be much-loved family members.” 

日本の新聞の英訳ではニュアンスが伝わってないところもありました…。

“While some recollections may vary, “ 「いくつか記憶が異なるところもあるが、」。この一言、この表現。効いています。

Men’s Club 4月号に寄稿したジャケットのルーツと変遷の話が、Esquire のウェブサイトに転載されております。こちら

こんなに早くウェブに記事が転載されるようになったのであれば、ますます雑誌を紙で出す意味を鮮明にしなくてはならないのでは。

 

 

 

 

 仕事の企画のために読んだ本。図版が豊富、メニューも興味深い。王室史を食卓という角度から見ることができて楽しい。英国ファン、王室ファン、お料理ファンにもおすすめ。

かつて、パイの中から生きた鳥が飛び出すという趣向を凝らした料理があったという。仔豚の頭と鳥の体を縫い合わせた料理も。「コックと泥棒、その妻と愛人」という映画のラストシーンを思い出した……。

〇GQ4月号、本日発売です。

チャールズ皇太子の最新の社会貢献情報を盛り込みました。

 

 

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〇Men’s Club 4月号、本日発売です。

 

ジャケットのルーツと変遷を解説しました。バーニーサンダースの「あの」ジャケットからライダースジャケット、ディナージャケットにいたるまで。通底するのは「太郎さん」感。

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本誌でご覧いただければ幸いです。

 

〇明日は25ans 4月号発売です。ケンブリッジ公爵夫妻ご結婚10周年を記念した特集で、キャサリン妃の功績について解説しています。

〇3月1日は婦人画報4月号発売です。今春のトレンド、リラックスした昼間のドレスアップについて解説しました。メンズトレンドではこれを「ホーマル(ホーム+フォーマル)」と呼んでますね。笑

〇集英社クオータリー、kotoba も3月5日発売です。特集は、将棋。連載「スポーツとファッション」ではボードゲームとファッションについて書きました。

そのほか、源氏名での連載記事掲載の雑誌も発売中です。お楽しみいただける記事がありましたら幸いです。

〇渋谷スクランブルスクエアにあるラウンジ、ちょっと驚きのコスパと快適さでした。

 

1時間1000円で高レベルのドリンクとナッツなどのスナックがフリーでついてきて、海外誌を含む雑誌も読み放題。1500円でアルコールも飲み放題になる。

一人作業に適したスペースもたくさんとってあり、混雑さえしなければ、ですが、使い勝手あります。適度な品位のある雰囲気をがっちり保って、飲み放題居酒屋にならないよう、維持していただけるとありがたいですね。

 

Men’s Club 4月号 2月25日発売です。

特集「改めてジャケット」。巻頭でジャケットとは何か? について書きました。チェックしてみてくださいね。

 

?本日のモームのお言葉。

「寛容とは無関心の別名にすぎない。」

「礼儀正しさは愚者が自分の愚鈍を隠す外套である。」

「あることがどれほど無害であっても、法律が禁止すると、大概の人はそれを悪いことだと思うものだ。」

価値が混迷するときこそ人文学に立ち返りたくなりますね。

 ここまで「敗戦」の記録をさらすのはよほどの覚悟が必要だっただろうな。哲学者が経営を手掛け、失敗を重ねるなかで最後に浮上してきた希望の道筋がほんとに示唆に富み、まさに「ヒーローズ・ジャーニー」のようなさわやかさが読後にある。すさまじい格闘を実名とともに(一部匿名)白日の下にさらしてくださってほんとうにありがとう、という思い。東さんの自伝でもあり2010年代の日本社会のなまなましい記録でもあり、日本の論壇や社会への警鐘でもあり、哲学書としても社会批評としても教訓ものとしても読める。東さんが話した内容を石戸諭さんがまとめた本だが、石戸さんの筆力によるところが非常に大きいと思う。

「今の日本に必要なのは啓蒙です。啓蒙は『ファクトを伝える』こととはまったく異なる作業です。ひとはいくら情報を与えても、見たいものしか見ようとしません。その前提のうえで、彼らの『見たいもの』そのものをどう変えるか。それが啓蒙なのです。それは知識の伝達というよりも欲望の変形です。」

「啓蒙というのは、ほんとうは観客を作る作業です。それはおれの趣味じゃないから、と第一印象で弾いていたひとを、こっちの見かたや考えかたに搦め手で粘り強く引きずり込んでいくような作業です。それは、人々を信者とアンチに分けていてはけっしてできません。」

「(SNSでスケールする運動は)いっけん派手です。だからマスコミも熱心に報じます。けれども多くの場合、おそろしいくらいになにも変えない。なぜならば、今の時代、ほんとうに反資本主義的で反体制的であるためには、まずは『反スケール』でなければならないからです。その足場がなければ、反資本主義の運動も反体制の声も、すべてがページビューとリツイートの競争に飲み込まれてしまうからです。」

 

本当の意味で、反体制的でオルタナティブな未来を拓くには。東さんの人生そのものを賭けた体験と思索にヒントを見つけることができる。

 

今書いている本でいえば、もっとも関心を注がねばならないことは、「知識の伝達ではなく、欲望の変形」。知識の断片ならインターネットにおなかいっぱいになるくらいあふれかえっているのだ。で、問題は、廃れゆき、関心がうすれゆく一方のジャンルないしテーマに対してどのように観客の欲望を向かわせるのかということ。そのくらいのミッションを背負ってやらないと、本を書く意味などない時代なのだと思う。

GQ Japan 4月号、2月25日発売です。

 

特集「Fashion Hacks 2021」のなかで「チャールズ皇太子の服装術」について書きました。

プリンス・オブ・サステナビリティからプリンス・オブ・ジ・アースへと進化する皇太子の最新事情をたっぷり盛り込んでおります。チェックしてみてくださいね。

2019年のチャールズ皇太子。From Wikimedia Commons.

 

これまでもそうだったのですが、装いがその人の言動や哲学とどのように連動しているのかがますます重要になっているように思います。表層のおしゃれテクニックでなんとかなった気になっても、すぐに虚栄心の底が見えてしまう時代になっています。ごまかしがきかないことが実感されてきたゆえか、とりわけ起業家界隈では、「いい人」が増えてきたような気がする。笑

『「イノベーター」で読むアパレル全史』、三刷が決まりました。

ご支援いただきました読者のみなさま、丁寧に読者に届ける努力を続けてくださる出版社、書店に心より感謝します。

 

一年経ってアパレル界も激変しましたが、変わらないこともある。熱量ある愛情を注ぎつづけ、信念と楽観をもって周囲を巻き込み、細部まで徹底的にここまでやるのかというほど極める人が、結果としてイノベーターとなり世界を変えてきたということ。

ラグジュアリーを自称すると敬遠されたりギャグになったりしがちなのと同じように、イノベーターも自称は白々しくなる。
あくまで第三者が決めること、なんですね。(一部のブランドで自称がはじまったのは1997年ころで、これについてはまた別の機会に)

 

良い週末をお過ごしください。私は願掛け禁酒中、5日目です。

 

 

 

 

懸案の8000字を書き終わり、Netflix に入っていたCUBE を鑑賞。1997年のカナダ映画。話題になっていたけどコワそうで避けていた。今は現実の方がコワいことが起きるので、ホラームービーが現実の反映みたいに見えてくることがある。これもそうでした。

目覚めると立方体の中に知らない男女と閉じ込められている。脱出しようとするとところどころ罠があり、凄惨な死が待っている。男女はそれぞれの力を合わせて協力しながら安全ルートを探して脱出しようとするのだが……。誰がなんのためにそのようなシステムに放り込んだのかもわからない。ただ知恵を絞ってシステムの外へ脱出しようとあがく。途中の敵は、システムそのものというよりもむしろ、同行する人間。同じ穴のムジナである人間に殺される。生き残るのはイノセントな人。

まさしく人間社会への風刺そのものになっていたのが秀逸でした。

観終って知ったのですが、日本でもリメイクが公開されるのですね。良いタイミングで観たかも。

ワースとレヴンの終盤の会話がシブい。

Worth: I have nothing to live for out there.(外の世界に行っても生きている意味がない)
Leaven: What is out there? (外に何があるの?)
Worth: Boundless human stupidity. (愚かな人間だらけ)
Leaven: I can live with that. (私は共存できる)

絶望しているのになぜ生きる努力をしなくてはいけないのか? こういう問いが97年の製作時よりも今のほうが増えている気がする。それで「闇の自己啓発」のような本に脚光が当たるのかもしれない。

 

 

 

 

 今日はポジティブめの本をおすすめ。すでにベストセラーなので読まれた方も多いでしょう。「独学大全」。匿名の方が著者ですが、丁寧な思索と的確な引用にあふれていて、知的な活動を続けられてきたことがしのばれます。

 

「意志の強さとは、決して揺るがない心に宿るのではなく、弱い心を持ちながら、そのことに抗い続ける者として自己を紡ぎ出し、織り上げようという繰り返しの中に生まれるのだ」。(本文より)

自分のなかにあるBoundless Human Stupidity への抵抗のために、何であれ「学び続ける」のは一つの方法。

 社会に行き詰まりを感じていた4人の読書会の記録。どうにも生きづらい現状からの出口を求めたら、表社会でいう「闇」の世界がはてしなく広がっていた。オルタナティヴな世界、陰謀論、ダークウェブがふつうに、ごく隣に、共存している現在。絶望の奥に救いの世界を構築するマインドが、底なしに恐ろしくなると同時に、こうやって人は「救われる」のかという醒めた理解(した気になるのも早すぎるかもしれないが)が訪れる。知的なボキャブラリーと思考で構築された本です。意味不明なカルトや陰謀論を「ちょっとアタマがおかしい」と切り捨てる前に、なぜそうなったのかを考えさせられる。「規格品」になることができた「人形」だけがすいすい生きられる今の社会のほうが、実はおかしいのかもしれない。

「たしかにこうした(ポジティブな)自己啓発はときに有用であるだろう。だが同時に警戒しなければならない。『自己啓発』されていくとき、私たちはだんだんと、社会に都合のよい『人形』に姿を変えてはいまいか? 必要なのは、オルタナティヴな『変革』のヴィジョンだ。『自分を変える』ならいっそ、人間を超え出るもうひとつの極、自他の区別すら融け出す特異点まで突き抜けよーーー『人形』とは対極の何かとして生きるために」(まえがきより)

 

 

光の世界の表層は相変わらず、夜も「光」に祝福されている。

日比谷~二重橋~パレスに至るコースは、やはり好きな散歩道のひとつ。

ライトアップがよく映える。

 

水に映える景観があることは、パレスのメリットの一つですね。

見飽きない美観。あまりにも完璧すぎるので、これも殺伐としてひどいことばかり起きる現実のオルタナティヴという気がしてくる。大手町は完成されており満ち足りているのでイノベーションが起こりえないといっていたある投資家の話を思い出す。ダイナミックな動きを生むためにはカオスが必要、と。

レストラン部門は完全に人が戻っているようで、眺めのいい席は満席のため(ホテルのためには喜ばしいことです)、シベリア席でした。

〇Precious 掲載のサンナ・マリンについての記事が、ウェブ版にも転載されました。こちらです。

 

こんなにすぐにウェブに転載していると、本誌を買わなくなる人がますます増えていくのではと心配したりするのですが、大丈夫なのでしょうか。実際、私もdマガジンでこと足りるので、雑誌本体をめったに買わなくなっています。コロナ期に入ってからは美容院も歯医者さんも雑誌を置かなくなりました。数年後には、紙の雑誌は存続していたとしてもかなり少数派になり、広告に頼らない別次元のメディアになっていそうな気がします。

 

 

〇私はひごろ決断がおそろしく速いほうですが、いま2週間ほど決断できずにぐずぐず引き延ばしている案件があり、まあ引き延ばしたって何のメリットもないのですが、「決められないストレス」甚だしく、近所のお寺に決断の後押しをお願いに行くの巻。

一晩明けても決められない。笑

 

器用貧乏を英語で表現すると、Versatility seldom pays off.  (←いまここ)

 

2月に穏やかなお天気が続くことは、本当にありがたいです。良い週末をお過ごしください。

Precious 3月号発売です。

「美しき掟破り」特集で、フィンランド首相サンナ・マリンについて寄稿しました。よろしかったら本誌ご覧くださいませ。

とはいえこの号、どらえもんグッチの付録のためかアマゾンでも発売日なのに買えないというすさまじい人気。kindle かdマガジンでご覧いただければ幸いです。

 こちらも、ラグジュアリー研究会で渡邊康太郎さんが引用した本。菅付雅信の「中身化する社会」。すでに2013年で菅付さんはこれだけの整理をしていたのだ。ほんと、読んでなかったことがハズカシイ。今さらですが、新しいラグジュアリーを考えるためにも、なぜこんなにファッション企業が縮小していくのかを考えるためにも、読んでおくべき本でした。

インターネットがこれだけ浸透してしまった社会では、すべてが可視化される。もう見栄もウソも通用しない。第一印象はファッションが生むものではない。すでに第一印象を創る情報がネットのなかにある。これまでは見せかけのラグジュアリーでイメージを保っていくことができていたかもしれないが、虚栄や見栄はもはや意味をなさない。自らも仕事も、自分も、短絡的に捨てられることを覚悟せよ。これからは意味のある商品、本質のあるもの、価値ある仕事が人生を満たしていくだろう、というのが骨子といえば骨子。

心にとめておきたいキーワードも満載。詳しい意味を知りたい人は、本書をどうぞ。

・評判が自分に先行する

・ファッション以上に速い言語を人は持ち始めている

・メイカー・ムーブメント:作り手になる

・広告ではなくコミュニケーション。ソーシャルメディアでは企業も人格になる。

・人間が人間であるためには、与えられた環境を否定すること

・富の再配分ではなく、尊厳の再配分

・計画的陳腐化

・reputation capital (評判という資本)

・social capital (人間関係資本):自分自身も他人の資本である

・やりたいことを無視して、自分がやらないと誰がやる、ということをやらないといけない

・自己実現ではなく、社会実現に向かう

・人生の作品化、シグネチャー化:生き方を作品化しないと人は評価してくれない。一方、「見えること=本質の把握」でもない

・信用が重要になり、人間関係が資本となる

・中身化に臨む覚悟

 

すでに8年前に書かれていたことが今くっきりと目の間にある。ここに書かれていないけれど起きているまざまな現実は、8年後の予兆。

【HINT INDEX BOOK エキュート東京】さんにて『「イノベーター」で読むアパレル全史』を大きく展開していただいているとのことです。


刊行後、一年経ちますが、いまだに話題にしていただき、さらにこうして展開していただけるのは本当にありがたいことです。感謝!

 

 

 こちらもラグジュアリー勉強会で話題になり、今さらながら読み始めました。ラグジュアリーを考えるのに必読の書ですね。Takram 渡邊康太郎さんが紹介した豊饒な言葉のなかに、国分先生による「浪費」と「消費」の違いがありました。

浪費とは、必要以上を受け取ることで、限度以上のものは無理。どこかで止まる。

一方、消費は、概念や意味を吸収することで、外側に基準がある。ゆえに、消費は止まらない。消費は延々と繰り返される。消費は贅沢を遠ざける(!) ←名言でました。

もうひとつ、渡邊さんが紹介した話で面白かったのが、「とりさらわれ」という考え方。人間的に楽しむには、何らかの訓練が必要。一方、動物的に楽しむには没頭すること、「とりさらわれ」ることが必要。とりさらわれることは、ポジティブなことであり、もしかしたら今の瞬間に没頭する動物的楽しみのほうが、人間的な楽しみよりも、「上」かもしれない。

 

ここから連想がいろいろ飛んだのですが、それについてはまたどこかの媒体で。

先週末に恒例のラグジュアリー勉強会があり、第7回目となった今回もまた、時間を忘れるほどの極上の議論が交わされていました。気が付けば3時間以上経過。

その日のゲストはTakramの渡邊康太郎さん。渡邊さんが「たくらんだ」文脈のなかに勉強会参加者10名ほどが取り込こまれ、「文脈を編む」という行為に全員が巻き込まれ、加担していたことに、後から気づかされました。なんとも知的で豊饒な体験。この感覚を言葉にするのは難しいのですが、いずれ、どこかで、何らかの形で、買いてみたいと思っています。

勉強会で名前が挙がった本、+その周辺はとりあえず全部買ってみた。

以下は、その本の山の中から、読了した本。

 

 村上春樹の短編。答えは読者ひとりひとりのなかに。イラストがすばらしいです。こんな絵本を出せたら幸せだろうな。人はどこまで行こうが自分であることから逃れられない。お誕生日のプレゼントにも最適な本ですね。

 このなかに「じょんじゃぴょん」というワードが出てきます。実はこの「じょんじゃぴょん」にがーんとやられ、ビフォーアフターで世界が違って見えるほどの感動を味わうことになります。ラグジュアリーを考えるときにもっとも腑に落ちるキーワードとなる「じょんじゃぴょん」。これは、無用の長物か、あるいはラグジュアリーの核心か。詳細についてはどこかの媒体に書くことになろうかと思います。

 穂村さんの言葉の感覚がツボすぎてそのまま穂村本をコレクション。これも笑いの連続で面白かった。

 

 

 

 

銀座千疋屋。いつもは行列でとても入れないのですが、昨日はあっさりと入れたうえ、店内も2組ほどのゲストのみ。

 

念願のマスクメロンのパフェ。生き返るようなおいしさでした。すべてが、Parfait!文字通りの「完璧」なパフェ。千疋屋ブランドの底力を知る思いがしました。

JBpress autograph 「モードと社会」。

アンリアレイジの森永邦彦の初の著書「A to Z アンリアレイジのファッション」のレビューです。こちらからどうぞ。

前衛的な作品を作る彼の、意外なまでの「古さ」にやられました。次の時代を開くカギは、こんな「古さ」にあるのかも。

 

書籍はこちら↓ (Click to amazon)

北陸の豪雪。心よりお見舞い申し上げます。終わらない雪かき。交通機関がマヒしてスーパーの食料は空っぽ。臨時休業。雪のために開かない扉。恐怖や不安はいかばかりかと拝察します。「令和三年豪雪」とすでにウィキペディア入りしています。くれぐれも暖かくしてこの時期をしのいでくださいね。

 

 話題になっていたので買ってみました。あと20年後の世界。おそらくこうなるのだなということはうすうすわかりました。予測して、それに備える、という読み方はよいと思いますが、私などは不可抗力に備える術も思い浮かばず、やや気が滅入ってきました。笑 知っていても悲劇を避けられないこと、というのはあるだろうな、と。

ファッションに関する予測もさらっとあります。アフリカが存在感を増すだろう、と。これに関してはすでにいろいろな方が述べられていますので、間違うことはないと思いますが。

 

 

新成人の方々、おめでとうございます。コロナに豪雪にアメリカの不穏な政情と、決して平和とはいえない状況のなかでの成人式。どうかたくましく、タフに、新しい時代を創っていってください。

 

横浜市は緊急事態宣言下でも成人式を横浜アリーナで決行すると案内が来ましたが、うちの次男は行かないそうです。横浜市長は突発性のご病気で入院したので欠席だそうです。なんだかなあ。ちなみに私も成人式には出席してません。何光年も前の話ですが。新成人を祝うということと自治体主催の成人式に出るということは、切り離して考えていい話です。

 

Be ready for anything. 毎日が「一生に一度」。

 トランプ大統領は「負け」を認めないことの見苦しさをいやというほど見せつけた。将棋の美しさは「負けました」と相手に向かて伝えるときの、人間としての美しいドラマを見ることにもある。

5年前にインタビューしたことのある佐藤天彦九段の「理想を現実にする力」。衣、食、住、に向かうエネルギーと習慣が、そのまま将棋にも反映されていることが伝わってくる。

kotoba連載記事の資料として読みましたが、そんな目的を超えて共感するところが多かった。21世紀のこの同時代に、同じテイスト(バロック、ロココの美しさが好き)の人がいるということ、それも嬉しいな。彼は実生活にバロック、ロココ趣味をバランスよく取り入れていますが、私はそれほどの勇気もこだわりもないので、同列においてはいけないのですが。

自分好みのテイストを徹底的に貫くことで幸福感を享受している人は、他人の好みも尊重し、周囲にきめ細かい配慮ができる。同調ではなく、独立した個人どうしの調和。みんながそんなふうに生きられるとよいね。

週刊SPA!にデビューしました。

22日発売の12/19, 1/5  合併号です。表紙の写真は福山雅治。踊る文字がちょい恥ずかしくアップできませんが、中は硬軟色とりどりですね。

Precious 、Nikkei The STYLE から週刊SPA!まで七変化も芸のうち。

 

不意打ちのようなおもしろさに、のめり込んで読んだ本2冊。

 まず、森永邦彦さん(アンリアレイジのデザイナー)の「AとZ」。いやこれ、映画化できるレベルの話だろう。なんどか泣いた。レビューを別メディアであらためて書きます。

 

 近藤康太郎さんの文章読本。文筆業の期間だけはベテランのはずの私もハズカシイことをあちこちでやらかしていたと思わず背筋が伸びた。途中、正座して読みたくなった。最後は思い当たること多々で、漠然と感じていたことをすべて言語化してもらったような思いに震えた。

以下の方法論的なこと(紹介されている項目のほんの一部です)だけでも、詩的に、グルーブ感たっぷりに書かれている。

・「など」「さまざま」「いろいろ」に逃げない。

・世界に氾濫する「としたもんだ表現」の洪水に、抗うために書く。

・「なぜわざわざ文章を書くのか。みなが見ていることを見ないため。感性のマイノリティーになることが、文章を書くことの本質だ」。

・「思わず」「ほっこり」「癒される」は「かまとと話法」。

・「転」とは鐘のこと。鐘は大きく鳴らせ。結論とは、鐘の音が響いてこだまする、山のざわめき。

・五感を磨きぬく。五感を他人にゆだねない。ライターに必要なのは、正確さに対する偏執的なこだわりだ。

・文章は人格も変える。思考、感情、判断を変える。人生を変える。人間が発明したもののなかで、言語こそがもっとも創造的であり、破壊的でもあり、人間の考えを縛り、同時に自由にするシステム。

・スタイルとは、文体。流儀。くせ。ルーティン。約束。品格。つまり生き方。スタイルのない人間は、みじめだ。

・空間を撃つ。文章を書くとは、世界にスペースを創ること。

・企画とは、自分を驚かせること。

・ナラティブとは話術。ストーリーは有限だが、ナラティブは無限。

・躍動している文章には、覚知されないリズムが埋め込まれている。

・grooveとはレコードの溝。溝にレコードの針がはまって音楽が流れだす。

しかしこの本の真髄は上記の項目をはるかに超えたところにある。後半3分の1には、心をもっていかれる。私もそうやって生活の中で時間を創って本を書き、毎日というか毎朝なんらかの文章を書いてきた。40年間(まったく評価もされないことにもめげず淡々と)。女神とmojoの話は、オカルトめいてみえて、本当のことなのです。書くこと=生きること、ということが決しておおげさではないと思える、近藤ワールド全開の名著。

 

ファッション歳時記No.112 「ローカルに徹して地球とつながる」。

「まんまる」創刊200号おめでとうございます。私の連載も9年半、最長だそうです。感謝。

あと半年で連載10周年。そのころまでにやっておかねばならないこともたくさんある。5年後に照準を当てて、風通しの良い世界を創っていきましょう。

集英社クオータリー「kotoba」2021 winter 本日発売です。

連載「スポーツとファッション」第4回は、「アスリートによる大胆な政治的主張」です。

 

まるまる6頁。8000字くらいの長めの論考ですが、デリケートな問題をできるだけ丁寧に扱ってみました。よろしかったらご覧くださいませ。

 

 (Click to amazon)    特集は、司馬遼太郎。ファンは必読です。

 

 

 

以下、恒例の「季節の写真」集。笑 今の季節の高輪の日本庭園です。

グランドプリンス高輪のティーラウンジからの鑑賞+散策がおすすめ。

四季それぞれに違う顔。

角度によっても来るたびに違う顔を見せてくれるのが自然のいいところ。

もう冬ですね。2020年のラストスパート、くれぐれもお気をつけてお健やかにお過ごしください。

話題のジル・サンダーのおかげで『「イノベーター」で読むアパレル全史』が再び大きく展開されております。

ららぽーと豊洲有隣堂さん、ありがとうございます。

 

 

集英社クオータリー「kotoba」2021年冬号、12月4日発売です。

連載「スポーツとファッション」。<スポーツと政治>がファッションになった事件を扱いました。

特集は司馬遼太郎。amazonでも予約が始まっております。

 

 こちらはイギリス学の学徒にお勧め。すでにベストセラーですが、安定の君塚直隆先生による『悪党たちの大英帝国』。

 

 

 こちらは伝説の名著の復刻日本語訳版。ニック・コーンの『誰がメンズファッションをつくったのか?』。わくわくしますね。近日中にレビューを書く予定です。

北日本新聞別冊「まんまる」連載「ファッション歳時記」

No. 111 「うどん屋はどうやって国際的ブランドを築いたのか」

まんまるは来月、創刊200号記念です。私は2011年から連載しているので9年間。感慨深い。

銀座の真ん中、かの泰明小学校のすぐ近くにこんなバーがあったとは。

十誡

地下へと降りてとびらをひらくと、こてこての世界観を感じさせる別世界。好事家のための本、3000冊がおいてあります。

ダークで妖しい知の深淵にようこそ。というインテリア。

女性スタッフはコルセットのコスチューム。呼ぶときは金の呼び鈴をちりんちりんと鳴らします。

お客様も、お着物の方やロリータ系のコスプレの方々。女性が多い。

80年代に一時期、はまったことのあるドグラマグラ系の本だったり人間の闇の部分をとことん扱う本だったり、「健全な」童話にしても、アリスや宮沢賢治やグリムなど、ちょっとダークがかったもの。

開高健の「洋酒天国」も全巻そろってる。

きのこ愛好症のことを「マイコフィリア」っていうんだって。知らなかった…。


宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」にインスパイアされたモクテル。金粉がきらきら流れ、脇に置かれた石が、光を当てると青く発光するのです。赤いラベンダーシロップを入れると、ドリンクが紫色に変わる。


私の本は置いてありませんでした。中途半端な本ばかり書いていて申し訳ありませんでしたと消え入りたくなりました…。精進します。

 

オーナーが銀座ヴァニラ画廊も経営している方だそうです。ヴァニラ画廊ではいま「シリアルキラー展」をやっています。やはり異色です。80年代の下北沢を思い出しました。グランギニョールとかButohとか……。近々、観にいこう。

日本経済新聞夕刊連載「モードは語る」。

7日には、カポーティ、カーダシアンにかこつけてSNSの泳ぎ方(のNG)について書きました。電子版は、こちらです。

 

それにしても、あちこちで書いてますが、「親しい友人など、内輪だけ」のパーティーをいちいちSNSにアップするっていかに観客の神経を逆なでするのか、よく理解したうえで、虚栄心との兼ね合いを考えて投稿したいものですね。人間の観察ができるという意味では非常に面白くありがたいサンプルなのですが。

 

ダノンビオのトークイベントでも「おすすめ本」として紹介しましたが、三島由紀夫の「不道徳教育講座」「行動学入門」でも再読して、人間の感情の扱い方をおさらいしておきましょう。


「約束を守るなかれ」「人を待たせるべし」「人のふり見てわがふり直すな」など逆説的真理のオンパレード。逆説を使って人を魅了する文章のテクニックもしびれます。

 

こちらもおまけに。

三島節に少し慣れたら、小説もぜひ。

感情は最も大切に繊細に扱うべきものですが、決して感情的な表現をしてはいけない。私が三島由紀夫やオスカー・ワイルドから学んだ、人づきあいの要諦の一つです。

本日の日本経済新聞「なんでもランキング」。言葉の専門家として審査させていただきました。テーマは事典です。どんぐり、きのこ、境界、色、文具、民具、エアポート、星……。世界を切り分け、分類し、編集し、深めていく知性のすばらしさに感動します。

私が一押しだった、きのこ事典はランキング入りしなかったな。これは装丁がきれいで、大きさもかわいらしく、いかにも魔女の本棚にありそうな魅惑的な本で、わくわくするんだけどなあ。私はプレゼント使いにします。

 

電子版は、こちらで

無料で10記事まで読めますが、それでも電子版の会員NGな方は、アナログの本紙でご覧くださいませ。

 

選ばれなかった事典のなかでは、この発想に驚いた!というものが「境界」に関する事典。こういう事典を作ろうという発想そのものに感動するし、実際に作るのはほんとうにたいへんだっただろうとねぎらいたい。

「日本戦陣作法事典」はランキング入りしてくれてよかった。戦陣のなかにも行商が来ていたことがわかったりして、「生活」と「戦争」がどのように折り合いをつけていたのか、いろいろ想像が広がって楽しい。

English Journal 12月号発売です。

特集「世界を創ったイギリス文化論」。美術、デザイン、音楽、文学、戯曲、ファッション。私はファッションの部を書いています。

 

イギリス人にしか通じないスラングの記事もあり、英語を学ぶ人、イギリス文化を学ぶ人は、必読ですよ。

(Click to amazon)

「トルーマン・カポーティ 真実のテープ」本日よりBunkamuraル・シネマでロードショーです。

パンフレットにも寄稿しています。

(写真は「トルーマン・カポーティ 真実のテープ」オフィシャルツイッターより)

川本三郎さん(評論家)、山本容子さん(銅版画家)、森直人さん(映画評論家)も寄稿していらっしゃいます。登場人物の解説もあり、監督とカポーティの養女ケイト・ハリントンさんインタビューも収録し、税込800円は安すぎるくらい。

ウェブでは得られない情報満載の充実したパンフレットだと思う。私も何度も参照しています。よろしかったら劇場でお求めください。

「鬼滅の刃 無限列車編」。週末のみなとみらいの映画館は満席。


まったく前情報なしに見たのですが(アニメ版を少しだけ見ていた)、クライマックスが二度あって、キャラクターの作り方が絶妙にうまいなあと感心。

満席の観客は、エンドロールが終わってもしばらく誰も立ち上がりませんでした。こんな反応を起こさせる映画って。

ただ冷静になってみると、やはりお子様ターゲットでもあるので、心情を描かずにすべて言葉で説明しつくすなど、演出が白けたところもあり。でも、それをさしひいても、時間を忘れさせるダイナミックな映画でした。

Yokohama for all season.  ほんと、どの季節も美しい。


 

映画の余韻さめやらず、ロイヤルパーク最上階のバーでシャンパン2杯ほど飲んで帰るの巻。

 

 

 英語版は、英語の勉強にもなるよ。

23日金曜日のダノンビオのトークイベントをご視聴いただきまして、ありがとうございました。

それぞれにユニークで面白いメンバーで、楽屋でも盛り上がり、楽しい時間を過ごさせていただきました。

視聴者のみなさまのお役に立てる話が少しでもあれば幸いです。

 

この日着ているドレスは、H&Sons 廣川輝雄さん制作です。生地は薔薇柄のシルクですが、ニューヨーク在住のHiromi Asai のものです。ドレスのデザインも浅井広海さん。襟の部分が取り外し可能になっており、2バージョンで着用可能です。いつものことながら多くの方に助けていただきました。ありがとうございました。

AERA STYLE MAGAZINE winter 2020 発売です。

「現代の贅沢品を考える」特集で巻頭エッセイを書きました。

もはや、かつてのラグジュアリーブランドは、ラグジュアリーとは言えないことも多い時代になっています。

ラグジュアリーの本質的な意味と、現代における新しい意味をすっきり解説しました。本誌でご覧くださいね。

ダイナミックなイラストは、前号に引き続き、早乙女道春さんです。

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二日連続で、リアルでのレクチャーでした。やはり人の顔をリアルに見ながら話すのは充実感が桁違いにありますね。ズーム疲れとは全く違う、心地よくさわやかな疲れ方。

高輪の日本庭園に癒されつつ。

 

☆ダノンビオ主催の「キレイのつくりかた」トークイベントは、本日です。こちらからどうぞ。

 

「まんまる」11月号が発行されました。

連載「ファッション歳時記」第110回は、「戻る・戻らない・戻れない…」。

 foufouというブランドを展開するマール コウサカさんの初めての本、『すこやかな服』(晶文社)。

foufouは服を通して新しい時代、新しい社会を創ろうとしています。それを感じたので、次回の日経連載(10月10日夕刊)にも詳しくご紹介します。読んでみてくださいね。また、FRaU連載でも別のアングルから取り上げるかも。

とにかくこの本も面白い。彼の反骨精神、やさしさ、ユーモア、オリジナリティ、なによりも芯のある思想がしかと伝わってきます。現行のファッションシステムに対する不満をもつ人、手ごろで機能的な服の氾濫に違和感を覚える人、マール氏の本を読むと爽快な視界が開け、くるくる回りたくなってくるでしょう。新時代のラグジュアリーについて考える有益なヒントが満載でした。次世代にこんなデザイナーがいるということの頼もしさ。マメ・クロゴウチもそうでしたが、なんだかうれしい、希望がもてる。

 


(いつもの、という感じになりましたが。ザ・プリンスパークタワー東京のお隣さん)

エツィオ・マンズィーニ著、安西洋之、八重樫文・訳『日々の政治 ソーシャルイノベーションをもたらすデザイン文化』(BNN)。

コロナで自粛中に、日々の生活どころかパーソナルな健康までもが政治と直結していることを実感した。政治は権力としてそこにあるもの、おじいさんたちが料亭でこそこそやっているものなどではなく、本来、自分たち当事者がオープンに、包括的な態度で、日々作っていかねばならないものであることに、いわば目覚めた。

だからと言って政治家に立候補するとか、どこかの政党に肩入れするという方向とは全然意味が違う。ここでいう政治とは社会の在り方を作ること。はやりのことばでいえばソーシャルデザイン、ソーシャルイノベーション。それを身近な足元から自分が考えて一歩一歩築いていき、信頼できるコミュニティを作り上げていくことが、ひいては自分自身の安心や幸福として還ってくるのだ。そういう気持ちで行動していくことが、「日々の政治」なのだということを自覚したというわけである。

この本は、大きな言葉になるが、「世界の変え方」を説いている。でもさほど仰々しいことではない。自分が立っているまさにこの足元から、違和感満載の世間のロジックにはNoといい、社会の需要と自分の能力に合った生活基盤や環境のロジックを築いていくこと。実はとてもシンプルなことである。ではそのためにどのように行動すべきか? 本書はその行動の方法を語っていく。主語は行政ではなく、あくまで、日々の生活を送る私たちである。生活をする私たちこそが政治や政策の主体者となろうと説き、そのための方法を説いている。

決して読みやすい本ではない。目の前にある事実の断片をブリコラージュ的に集めていき、どう収束するのだろう、と引っ掛かりながら読み進めていくと、後半になって、「ああ、あれはそういう意味だったのか」と少しずつわかってくる。「行動の方法」といっても、ビジネス書によくあるような、「この章のまとめ」みたいのがあるわけではない。従来の方法論の慣例とは無縁の高度な領域で、アートに近い語り方をしている。訳者の言葉を借りるなら「バールのテラスでマンズィーニが熱弁している」というイメージ。そんな熱弁を前にしたら、理解できない内容があったとしても、その情熱と語り方の個性が心に残るように、私も、おそらく内容を半分理解しているのかどうか、自信がない。でも何か、今日からこういう風に考え、行動しなければという大きな刺激を受けた。

 

話題がほんとうに多岐に広がるので、包括的に正確に「これこれこういう本です」と要約したりする力量は私にはない。なので、とりわけハッと思わされた点を部分的に紹介することにしよう。たとえばコラボレーションについて。私はこれまでもたくさんのコラボレーションをおこなってきたが、その本質的な価値は何だったのかということにも気づかされた。以下、引用。

「(私たちが)コラボレーションを実行するライフプロジェクトに引き込まれるいちばんの理由は、具体的な成果が得られることに関心があるからではない。本当の理由は、まさにこのタイプのプロジェクトがコラボレーションを志向していることで生み出されること、つまり、人づきあい、信頼、共感の価値に(私たちが)( ↞ ここ本文では「彼らが」ですが自分事として考えるため変更)、気づいているからだ。人づきあい、信頼、共感は、『関係価値』である。無形資産であり、有形資産と同じくらい人間の欲求を満たすのに必要なものだ」

(途中、大幅に省略。本文読んでね)

こうしたコラボレーションの積み重ねによって、結果として、強い信頼に基づき、安心感をもたらす、参加型民主主義の新しい姿が立ちあらわれる。「プロジェクト中心民主主義」である。

そんな社会を作るという指針を頭のどこかにもってローカルでの日々の行動を積み重ねていく先に、世界が変わりそうだという希望を見せてくれる。

 

(ある朝の横浜。)

 

 

さて、話が下世話な世界にとんで恐縮ですが、「007」映画がまたしても4月に公開延期と発表されました。この映画に合わせて一年前から進んでいたコラボレーションプロジェクトがいったん3月末に停止となり、先日、再始動したばかりでどうしようかと思いましたが、もう映画ぬきで進行することになりました。プロジェクトそのものの実現も大切ですが、そうですね、マンズーニの視点で語れば、プロジェクトによって生まれた信頼、共感に基づく関係価値の無形資産としての大切さにもあらためて気づかされました。プロジェクトは多くの方を幸せにし、新しいコミュニティにつながる可能性も秘めています。プロジェクトのその先まで、マンズィーニ風に考えて作り、行動していきたいと思います。どうぞ楽しみにしていてください。

 

WWD Japan 9月28日号。「弁護士に聞く、『文化の盗用』問題」のページがあります。

他分野の専門家として取材を受けたコメントが掲載されています。

文化の盗用問題、何度も語っておりますが、日本人は海外の事情を知らなさすぎ(報道されなさすぎ)なのではと思うことがあります。ぜひ本誌でごらんくださいませ。

AERA STYLE MAGAZINE 2020 Autumn issue. 特集「スーツの現在地」で巻頭エッセイを書いています。イラストは早乙女道春さん。

よろしかったら本誌をご覧くださいね。

 猛烈に面白い本だった。西和彦「反省記」。ビル・ゲイツとポール・アレンとともにマイクロソフト創設にかかわった天才。アスキーの創業者にして、史上最年少で上場させた経営者として孫正義もかすむほどの影響力をもった方。なのになぜに転落を。その顛末が生々しく語られる。途中、あまりにも感情移入しすぎて一緒に「血の涙」が流れそうだった。

ビジネス界の偉人も多々登場する。悪口は極力言わないようにしているらしいけれど、ときどき毒が出てくる。

そして教育に情熱を傾ける現在。

すべての過程が濃厚で、アンチ・ヒーローズ・ジャーニーすれすれのヒーローズ・ジャーニー。人の運命、才能、性格、環境、世間、いろいろな要素がからまってビジネスの成否が左右される。

学びどころも多く、物語としてもワクワクする(当事者には申し訳ないですが)。映画化熱烈希望です。

 文化学園大学の橋本定俊先生よりご恵贈いただきました、「ヴィンテージ・ライフ・ブック」。先生の長年にわたるコレクションから選んだヴィンテージ服や家具などを撮影し、コメントをつけた写真集です。橋本先生のヴィンテージ愛が伝わってきます。

10月2日より文化服飾博物館で開催される「世界の藍」展に、文化の橋本定俊先生所蔵の貴重なビンテージも展示されるそうです。LEVIS506XX LEVIS501XX. 1890年代のラウンジスーツなど。レアな本物を見に行くチャンスですね。

文化学園服飾博物館の「世界の藍」展

JBpress autograph の連載にて、栗野宏文「モード後の世界」のレビュー書きました。こちらをどうぞ。

 

 

複雑なモードの世界を、白黒つけようとせず、カテゴリーに収めようとせず、包括的に抱擁しようというファッション愛にあふれた本です。

MIKIMOTO 2020 のカタログができあがりました。顧客さまに配布されるほか、店頭でもご覧いただけるようです。

ジェンダー・ニュートラルなパールネックレスについてのエッセイを寄稿しました。英語版もあります。


お目に留まる機会がありましたら、ご覧いただけたら幸いです。

 

秋にもう一媒体で新連載が始まりそうです。しばしお待ちくださいませ。ひとつひとつ、手を抜かず取り組んでいきたいと思います。

〇Ready to Fashion Mag にて、ファッション本2020上半期新刊まとめとしてご紹介いただきました。こちらです。

 

〇白井聡さんの『武器としての「資本論」』。世界の見方がぐるっと変わるほど面白かった。難しそうな経済システムを身近な例を引き合いに出しながら、情をくみ取りつつわかりやすく語る。資本主義というものが、私たちの魂の在り方にまで影響を及ぼしていること。具体例にいちいちうなずきながら、経済システムが人間関係や倫理観にも、知らず知らずのうちに影響を与えている……というか私たちを「包摂」していることが理解できる。途中、鳥肌が立ったり、足元がぐらつくような思いを何度もした。「スキルアップ」なんて言っているのは、完全に資本主義下の奴隷根性を内包した発想なんですね。

「スキルアップによって高まるのは労働力の使用価値の次元」。人間の基礎価値をとことん低くするのがネオリベラリズムの価値観。これを魂にまで浸透させていると、「スキルのない」自分の価値は永遠に低く不幸なまま。なるほど。

こういうシステムのなかに私たちがとりこまれているということを自覚することが、まずは出発点になりそうです。

人間の基礎価値を信じる、「私たちはもっと豊かに生きていい」とという議論は、現在、進めている新ラグジュアリー研究とつながってくるな、と感じます。システムの外に出る、豊かさをプロセスのなかに享受する、取り換え可能な部品として扱われない、スペックで比較されない。こういうラグジュアリーの条件はかねてから講演でも話していましたが、それってネオリベからの脱却ということでもあったんだ……。

 

著者は最近、ユーミンをめぐる発言でバッシングを受けているようなのですが、この本はこの本として、価値はゆるぎないと思います。

 

“Believe in life! Always human beings will live and progress to greater, broader, and fuller life.” (W.E.B.Du Bois)

 

 

 

集英社クオータリー「kotoba」秋号発売です。特集はベートーベン。

連載「スポーツとファッション」、今回は「スーツとスポーツ」に焦点を当てて書いております。

 

 

スーツが廃れる? いえいえ、スーツはその意味を変えて輝かしく生き残っていくのです。ベートーヴェンのように。

プロスポーツ選手が着るスーツの意味とその影響とは。6頁にわたりぎっしり書き込んでおります。よろしかったら読んでみてくださいね。

「婦人画報」10月号。

ハンドバッグ特集で寄稿しました。

ハンドバッグには、アトリビュートないしシンボルとしての一面がありますね。

 

サステナ精神も求められる現在、バッグの「価値」の基準も変わりそうです。

 

そういえば、「研究・イノベーション学会」で講演をおこなったとき、質問タイムにブランドバッグについての話題も上がった。一部のバッグは、買う時には確かに高価だが、年月が経っても中古市場でさほど価格を落とさず売ることができるという現状の話をすると、「そのようなブランドバッグは通貨として機能しているのですね」という指摘がありました。なるほど、たしかに。鋭い指摘。

Men’s Club 10月号発売です。

 

特集「仕事着の常識を疑え!」 巻頭エッセイを書いております。よろしかったらご覧くださいませ。

“Common sense is the collection of prejudices acquired by age eighteen.” (By Albert Einstein)

GQ10月号発売です。「コロナが変えるモード 未来へ移行中」というコラムを寄稿しました。お時間ゆるすときにでもご覧くださいませ。

 

それにしても、BTSというグループを知らなかった。世界中で大人気なんですってね。しかしこうして表紙になった顔を見ても、区別がつかない……。

 

★★★★★

朝日カルチャーセンター新宿での講座のご案内です。

「流行を作った変革者 ファッション史を織り上げるプレイヤー列伝」。

10月3日(土)13:00~14:30。お申し込みは、こちらから。

 懐かしい英文学の授業を受けているような感覚を与えてくれる、ロマン主義時代あたりのイギリス文化史。当時の文化人などの固有名詞についていけないと厳しいところもあり、専門性も求められる印象もあるが、新しい発見、忘れていたことの再発見などがあって、勉強になった。以下は、なるほど、と感心した表現の引用です(途中省略しているところもあるので、みなさんは本書を読んでくださいね)。

・ウィリアム・ギルビンが唱えた崇高美とは。「最初に押し止められたような、また押しもどされたような何か受け容れがたい、しかし抵抗しがたい力がまず働きかけてくる。人間を卑小に弱小に思わせるような力がはたらく。『綺麗』『優美』という日にはこうした衝動力は皆無」。

・「抑圧された意識から崇高美は生じてくる。抑圧から解放される衝動がともなうからである。急な拡張、自己を運び出されるような感じ、反動、制止、制限から一気に解放される衝撃が訪れる。これが崇高な美しさであり、しばしば歓喜をともなう」。

・1780年代は歩いて移動することは身分を表していた(貧しくて階層も下)。わずか10年ほどの間に、歩くことに対して態度が180度転換した。ペデストリアン・ツアーが生まれる。「古典美をベースにした、どこかにあるはずの理想的風景、アルカディアを求めていたイギリス人に、『自然の風景が美しい』という感性の変革が起こり、古典的修養という呪縛から解き放たれて、イギリス独自のアルカディアを求める契機となった」。

・「理性を重視する古典主義から、情熱、心情を重んじ、写実よりも想像を強調するのがロマン主義。主知的で形式、均整などを遵守する古典主義に対して対極的な人間観を懐胎しているのがロマン主義。ひとことで言えばそれは人間肯定の思想であり、人間を善なる存在と見て、その人間のなかに、無限の可能性が内在しているとみる態度」。

 

“There is only one step from the sublime to the ridiculous.” (By Napoleon Bonaparte)

 ユナイテッド・アローズのクリエイティブディレクター、栗野宏文さんの初めての本。わかりやすい言葉でファッションと社会の関係