プラクティカル・エレガンス
外に1分出ているだけで汗がふきだす猛暑。だからといって、スリーブレスの服を着ていくと、いったんオフィスの冷房にさらされただけで、肩あたりが冷え冷えする。でも暑苦…
「出会いは、平凡な日常の中に紛れ込んでいる」
今日中にやらなきゃいけない仕事の締め切りが2つありながら、どこから書いてよいかわからないままジレンマに陥り、鬱々と時間だけが虚しく過ぎていく。
そういときには、…
曲線美の時代がやってくる
この秋冬は、女性の曲線美がモードなトレンドになる気配である。
その背景を、セレブ事情の変化と、英国政府筋の話と、アメリカの百貨店のプラスサイズ投入と、それに便乗…
美の、魔界
4日付朝日新聞夕刊「彩・美・風」欄、市川亀治郎さん「異界を住処とするもの」、呪縛力の強い文章に目が釘付けになる。以下その一部をメモ。
「美も醜悪さも、こちらの度…
「人は、存在するだけで周囲にインパクトを出す」
増田弥生・金井壽宏『リーダーは自然体』(光文社新書)読み終える。お気楽なOLだった増田さんが、外資企業の人事部門のトップとして活躍するまでになれた秘訣。
性格、周囲に対する態度、人生に対する楽観など、くりかえし説かれてきた「成功の秘訣」が、ひとりの女性の具体例のなかに、あらためて読み取れる。「映画みたい」なキャリアの進展ぶりを楽しみつつ、自己啓発のヒントが見つかる、というような一冊。
心に引っかかったことばの、備忘録。
・「彼女は一味違う。だから採らなきゃ(She…
名古屋も、アツかった。
名古屋にて世界コスプレサミットの視察。今や外務省も支援するイベントである。午後のパレードは、仁王門通⇒東仁王門通⇒新天地通⇒大須観音通の一時間強。
37度ぐらいありそうな猛暑の昼下がり、コスプレイヤー+プレス+カメラ小僧+観客+ただのやじうまなどが入り混じって、大混雑のサウナ状態である。
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闘牛は文化的遺産か、動物虐待か
カタロニアの議会が闘牛を禁止する、という記事。「ガーディアン」28日付。
2011年末をもって、バルセロナからカタロニアの北東部にかけて、闘牛が見られなくなる。闘牛は動…
英国男子もイタリアの服を着る
イングランドのサッカーチーム「チェルシー」が、選手の公式スーツと「私服」のデザインを、イタリアの「ドルチェ&ガッバーナ」に依頼したというニュース。「インデペンデ…
「人生は、ペルシャ絨毯」
◇行方昭夫先生『サマセット・モームを読む』(岩波書店)読み終える。岩波市民セミナーでの講義をもとに書籍化された本。行方先生の声がありありと聞こえてくるような、読…
「ファッションを軽蔑する人は、ファッションを恐れている」
◇「クロワッサン」より著者インタビューを受ける。書いた本に関心をもっていただけるのは、とてもありがたいことである。感謝。
◇旧知の編集者ジュリちゃんと、ピエール・ガニェール@ANAインターコンチネンタルでランチ。ピエール・ガニェール・ア・トウキョウが南青山から撤退してさびしく思っていたら、こんなところに移転していた。
36階に、別天地のように広がる空間。外を見ながらゆったり並んで座れるソファ席もあり、夜のデートに使えばさぞかし艶やかなムードで過ごせるであろうなあ、と思わせる店。今日は女二人で色気のないことであるが。料理は期待以上にすばらしい。
青山にあったときよりも、「わかりやすい美味しさ」が演出されているように感じる。メインは豚ロースのディアボロ風。辛口のロゼと一緒に。
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メンズファッションの前衛性と多様性
◇「サライ」8月号発売中です。連載「紳士のものえらび」で「クリスティ」のタオルについて書いています。機会がありましたら、ご笑覧ください。
◇「ミレニアム ドラゴ…
「男はもうこれ以上苦しみたくない」
パリとミラノのメンズコレクションが終了し、各メディアで一斉に2011年メンズトレンドの総括がおこなわれている。
今年はケンゾーとロベルト・カヴァリが40周年、ドルチェ&ガッバーナのメンズラインが20周年、ラフ・シモンズが15周年、リカルド・ティッシによるジヴァンシーが5周年だったそうである。始めることもすばらしいが、続けるにはさらにたいへんな努力とエネルギーがいる。祝!
数ある総括記事のなかで、英「インデペンデント」7月5日付がもっとも興味深くまとめられていたように感じた。そのなかでも、とりわけ個人的に気になったのが、以下のトレンド。
・スコート(skort)。ショートパンツなんだけど、前面にフラップがついていて、スカートのようにも見えるというボトムである。コム・デ・ギャルソンが2008年あたりからスカートを出していて、トム・ブラウンもショートパンツを出し続けている。その流れが融合してきたような感じ? リカルド・ティッシ(ジヴァンシー)、ラフ・シモンズらがスコートっぽいものを提案している。
・「男はもうこれ以上苦しみたくないのだ(I've…
女王も「リサイクル」ドレス
エリザベス女王もドレスを「リサイクル」、との報道。英テレグラフ7月6日付。
昨年秋、トリニダード・ドバゴで着用した白いドレス(同国の象徴の鳥の装飾がつけられていた)を、鳥の飾りをとり、スワロフスキーをたっぷりとあしらうことで「リサイクル」して、トロントでの晩餐会に着用したそう。今回はカナダに敬意を表し、スワロフスキーでメイプルリーフ(同国の象徴)のモチーフが形作られた。
この「リサイクル」ドレスに貢献したのは、女王のスタイリストでパーソナルアシスタントの、アンジェラ・ケリーのチーム。
白いドレスにきらきらのクリスタルのメイプルリーフが流れるような光を添えて、女王のシルバーヘアーと調和している。政治的メッセージ、時流への倫理的配慮(セレブだって同じ服を着まわし)が感じられるばかりか、なによりも、迫力の美しさ。女王、クールである。
http://www.telegraph.co.uk/fashion/fashionnews/7873996/Queen-wears-recycled-dress-to-banquet-in-Toronto.html
「夢はかなわなくても、人は不幸になるとは限らない」
林真理子『グラビアの夜』(集英社文庫)読み終える。「一流ではない」仕事現場で、それなりにあがいたり、日々をしのいだりしているスタッフたちのそれぞれの物語が、生々…
「絶望と、悲劇なしに向いあえ」
表面上は華やかで幸福そうな人々ばかりに見えるモード界であるが、その中で働く人々の心の闇を考えざるをえない事件もときどき起きる。
メンズのミラノコレクション真っ最…
「オリエンタル」が日本から中国・韓国に
ロンドンのセントラル・セント・マーチンズといえば、ファッション界のトップで活躍する高レベルのデザイナーを数多く輩出してきた名門デザインスクールである。ジョン・ガリアーノ、故アレクサンダー・マックイーン、ステラ・マッカートニー、クレメンツ・リベイロもここの卒業生。…
日本、中国、韓国、それぞれの事情
◇日本のファッション誌と中国のファッション誌の提携を仲介するお仕事をなさっている王暁燕さんに、中国の詳しいファッション事情、雑誌事情をうかがう。
Ray, Classy, Vivi, Mina,…
新しい世界に導いてくれるのは、「ご縁」
◇「ワイン王国」7月号、巻頭アペリティフで、エッセイを書いています。ペリエ・ジュエの会でのご縁つながり。ワインの話を活字で書くのはほとんどはじめてのことで、肩に…
どこでなにがつながるか
◇本はいったん世に出たら「読者のもの」である。どこでだれがどのように読むのか、作者はコントロールすることなどできない。ときどき、思わぬところで意外な読み方をされ…
ドレスが、歴史的アイコンになるとき
◇英「テレグラフ」19日付で、ここ50年間での「アイコン的」なドレス、ベスト10の発表。
1.スパイス・ガールズのひとり、ジンジャー・スパイス(Geri Halliwell)が着た、ユニオンジャックのミニドレス(これはデザイナーものではなく、ミニドレスにティータオルを縫いつけただけのものだった)。
2.エリザベス・ハーレーが「フォー・ウェディング」のプレミア(1994年)で着た、ヴェルサーチェの安全ピンドレス(これで一躍ハーレーは時の人に)。
3.マリリン・モンローが「七年目の浮気」で着た、白いドレス(地下鉄の通風孔の上でふわっ)。
4.オードリー・ヘプバーンが「ティファニーで朝食を」で着た、ブラックドレス(何度もコスプレの対象に)。
5.レディ・ガガが「ブリットアワード」で着た、白い衣装。
6.ダイアナ妃のウェディングドレス。デザイナーはエマニュエル夫妻。
7.カイリー・ミノーグが2000年の「スピニング・アラウンド」のビデオで着た、ゴールドのホットパンツ。
8.ジェニファー・ロペスがグラミー賞授賞式で着た、グリーンのヴェルサーチェのドレス。
9.ビヨークが2001年のアカデミー賞授賞式で着た、白鳥ドレス。デザイナーは、Marjan…