5月27日、各方面で大活躍中の二大おしゃれ巨匠、綿谷寛・画伯とソリマチアキラ・王子を大学にお招きし、「ファッションイラストレーションを考える」というテーマで、レクチャーをおこないました。

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それぞれのイラストを見ながら、写真ではなくイラストを使う意義、ファッションイラストレーターの仕事の具体的内容、一枚の絵の中に描かれている情緒や思いなどを、丁寧に解説していただきました。バブル期における、イラスト一枚あたりの驚きのギャラの話も出て(!)、さらに最後には学生への貴重なアドバイスもあり、とても楽しく充実した時間になりました。

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色覚に問題があるため美術学校に入れないとわかっても決して夢をあきらめず、自分のやり方で道を切り開いてきた綿谷画伯。「人が見ていないところでも、決して手を抜いてはいけない」との助言に、学生一同大きくうなずく。

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アパレル勤務、バーテンダーなど、さまざまなキャリアを経てイラストレーターとして開花したソリマチ王子。「メンズファッションには決まりごとが多いけれど、もっと夢や情緒があったほうが楽しいよね」。

以下、お話のなかでとくに面白いと思ったことのいくつか。

・ファッションを描くとは、人物を描くこと。ファッションアイテム一つを描くのに、持ち主のいる部屋、しぐさ、葉巻などの小道具、表情、すべてを想像して、スタイリストのように組み合わせ、ふさわしい世界を描きこまなくてはならない。

・写真はよくも悪くもすべてを映し出してしまうが、イラストは本質だけを描くことができること。いちばん大事な分だけを表現できるのがイラストであること。

・海外の高級な雑誌、あるいはある種の広告は、イラストを使うほうを好む。絵の魅力でモノを買わせるのだ。顧客はすでにそのモノの品質を知っている。絵だけで、イメージだけで、理解してモノを買うことができる。見る方にも教養があるからこそできることであって、それは雑誌(広告)にとっても、顧客にとっても、ステイタスとなる。

・何もかも平板に映し出す写真ではなく、本質をデフォルメして描くイラストレーションだからこそ、時代を超えていける。

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背景に映っているのは、メンズファッションイラスト界の草分け的存在、穂積和夫先生のイラスト。「静止画なんだけど、いまにも動き出しそう」な絵に衝撃を受けてイラストレーターになろうと志したという、綿谷画伯。

学生からは熱い感動のメッセージがたくさん寄せられました。お二人のスタイリッシュな装いと紳士的な振る舞いにも賞賛の嵐が。女子学生からのコメントの一部を紹介します。

「綿谷さんが、プライベートのお楽しみで得た知識や技を仕事に生かしているというのは、<男>をめ一杯楽しんでいるように見えました!私が男性に生まれたら、そんな生き方がしたいなあと思います。全身白の中に、紫の靴下が美しいです!」

「ソリマチさんのような素敵なものごしの男性を育てるために女性ができることは何かあるのでしょうか? 将来結婚する相手には、年を重ねるほどに魅力の増す人であってほしいので。笑」

などなどの楽しいリスポンスに、私も笑わせていただきました。一流の仕事をこなす素敵な大人のオーラに直接触れるということが、なによりもいい経験になったことと信じます。

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綿谷画伯のマジウマ系広告イラスト。50年代アメリカの雰囲気に富士山をマッチさせることができるのは、イラストならでは。ギャラを聞いて会場から驚愕の声が(笑)。

Sori_16リゾートの心地よい風が感じられるような、ソリマチ王子のイラスト。

綿谷画伯、ソリマチ王子、ありがとうございました!ますますのご活躍を応援しています。

2 返信
  1. らみい
    らみい says:

    画伯とソリマチさん
    どんな講義になるのだろうかと
    興味深々でしたが
    とてもに白熱した講義でした。
    画伯の真面目系の絵と
    杉並さんとの会食の絵は
    同じ方が書いたとは思えないほど
    バリエーションの幅が広く
    時代も感じながら
    色々なイラスト描き分けていく
    その多彩な表現力に
    プロとしての
    凄さを改めて認識しました。
    又、ソリマチさんは
    バタクのビスポークスーツが
    ビシッと決まる
    しかもその装いはアンダーステイトメント。
    描く絵も非常に写実的な英国紳士から
    思わず微笑む暖かい絵まで
    とても魅力的なもの。
    私もどうしても欲しくなり
    以前2枚ほど入手させて
    頂きました。
    お二人の話はとても興味深く
    写真でなく何故イラストなのか?
    その重要性、意味合いが
    充分理解出来ました。
    とても素晴らしい講義に
    参加させて頂き
    誠にありがとうございました。
    中野さん、画伯、ソリマチさんに
    心より感謝致します。
    らみい

    返信
  2. >kaori
    >kaori says:

    >らみいさん
    ご来場ありがとうございました。
    いたらぬところ多々で恐縮でした。
    また、おやさしいコメントにも感謝します。
    イラストレーターが自身の作品を通して「ファッションイラストとはなにか?」を語ることはあまりなかったのではないかと思います。語るより描け(笑)、の世界ですが、今回、お話を聞いたことで、私自身、イラストの見え方が変わってきました。意義深いレクチャーでしたね。
    また機会があったらどうぞ。その前にIT系の操作を学ばねば(T_T)

    返信

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