中島敏郎『英国流 旅の作法』(講談社学術文庫)を読み返していたら、ペデストリアン・ツアーについて書かれたところで「スーツにリュック」の源流と思われるイラストに遭遇した。

(以前も見ていたはずなのだが、現代生活のなかでス―ツにリュックを不思議な光景として見ていたので、意識の中に入ってきたのでしょうね)

1780年代のイングランドでは、歩いて移動することは、貧しくて階層も下であることのあらわれと見られていた。ところが10年経った1790年代には、少数の上流階級の人々が歩き出した。ただ、歩く人は散策で歩いている「しるし」を服装であえて示さなくてはならなかったとのこと。それがこのリュックでしょうか。

「スーツにリュック」は決して21世紀の日本特有の光景ではなく、源流は1790年代の「自然」にロマンを求め始めたイングランドの徒歩ツアーに源流がある、ということで。

図のクレジットは次の通り:Sylvanus [W. M. Thackeray], Pedestrian and Other Reminiscences at Home and Abroad: with Sketches of Country Life (Longman, 1846), frontispiece.

 

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