レクサス富山主催で2日間にわたりおこなわれたイベント「新しいラグジュアリーを求めて」。

基調講演のほか、4つのトークイベントのファシリテーションを務めました。

この記事では、和菓子職人の渡邊克明さん、ジュエリーデザイナーの胡麻嶋理恵さん、ガラスデザイナーの小路口力枝さん。

和菓子職人・渡邊さんは、陰陽五行の思想で色と味と季節を設計しています。桜は春と塩味、緑は夏と苦味、白は和三盆の甘味、黄色は酸味、ごま塩は旨味。素材は「生成り」のまま扱うため、出ない色を無理には出さないそうです。日本の季節はグラデーションであり、派手さより余白が人の記憶を呼び覚ます、と渡邊さんは語ります。観光庁選定の「T五」やガラス作家とのコラボ「季節のさがしもの」にも、その思想は息づいています。海外ジュエリーブランドやウィスキーブランドとのコラボ展開も進んでいます。

ジュエリーデザイナー、胡麻嶋さんは「色の力」を信じています。服では挑戦しづらい色も、ジュエリーなら一粒で人生に差し色が入ります。高岡の螺鈿は、極薄の真珠層が淡い光をはらみ、重ねた色で虹彩を引き出します。伝統を誇示しない。むしろ隠し味のように溶かし込み、いまの感性に届くかたちにしています。螺鈿×ダイヤなどを使ったファインジュエリーも構想しています。
              (胡麻嶋さんのインスタライブより)

ガラス作家、小路口力枝さんは、むしろ色を削ぎ落として「形と質感」であたたかさを表現します。触れれば指先にやわらかく返る厚み、テーブルに落ちる影の輪郭、そんな美しさ。レストランなど使い手が作品を育てるという謙虚な視点が彼女にはあります。時間が艶を仕上げていく、時間とともにガラスが価値を帯びていくというラグジュアリー観がいいですね。

三人の言葉が重なるにつれ、素材の素顔を尊ぶことから始まる創造の豊かさが感じられ、富山のピュアで静かな高質感が浮かび上がってきます。

*トップ写真左から レクサス富山社長・品川祐一郎さん、小路口力枝さん、胡麻嶋理恵さん、渡邊克明さん、中野です。中野着用の白いジャケットは、豊橋Shuhariの熟練職人さんによるカスタムメイドです。

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