昨日の取材のあと、渋谷ついでに、「ブリューゲル版画の世界」@BUNKAMURA。150点を超える圧倒的な展示で、真剣に見入っていたら、最後はほとんど足も疲れ、頭も朦朧としてくる。ゲイジュツにも体力が必要。

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予想したよりも一点一点の作品の大きさは小さい。だが、一点一点のなかに、予想したよりもはるかに豊穣な世界が、これでもかというくらい過剰につめこまれている。

おびただしい数の作品のなかでも、ワクワクするほど面白かったのは、「七つの原罪シリーズ」や人間の愚行を描く版画、そして諺をビジュアル化した世界。

「貪欲」「傲慢」「激怒」「怠惰」「大食」「嫉妬」「邪淫」、それぞれの中にみっちりと描かれるディズニーランドの建物のようなオブジェ、どこからイメージがでてくるのだろうかというグロテスクで奇怪な生き物たちは、ブキミを通り越して、魅惑的である。

実際、会場のなかでは、ヘンな生き物たちは、ひとつひとつ抽出されて、壁の垂れ幕に描かれていたり、ソファの柄になったり、デジタル化されてスクリーンの中で動いていたりしたが、かなり「かわいい」のである。一緒に見た次男は、「昔のポケモン?」と言っていた。たしかに、足のある魚や、手と翼をもつモンスター、甲羅をかぶり、頭から尻尾を生やし、手で歩く顔のキャラクターなどは、そのまんまポケモンになってもぜんぜん不思議ではない。

さまざまな動物、楽器、モノの象徴性など、はじめて知ったこともたくさん。というか学びきれないほどの情報量。人間の愚行が400年前と今とほとんど変わらないということも、あらためて実感する。

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