昨日の試写後、日比谷線ついでに出光美術館に寄り、「日本美術のヴィーナス―浮世絵と近代美人画」展を観たときのメモ。

Photo

江戸時代の浮世絵から昭和初期の美人画まで、「和美人」を堪能。美人はS字曲線で描かれる。美人はすっと筋が通っているが、力みがない。美人は押し出しが強いのではなく、引き込む力が強い。などなど、日本人が「美人」として描いてきた絵を眺めながら、つらつらと考える。

西洋のドレスが足元にも及ばない和服の美しさも再発見する。幾重にも重ねられた繊細な布のちら見せ、大胆な色と柄の組み合わせ(組み合わせは無限にあるから、同じものがふたつとない)、ドレープの美しさ。帯の立体感。扇子や傘などの小物のあでやかさ。扇子をお盆にして盃を運ぶ、だなんて。

明治・大正・昭和初期に活躍した近代美人画の画家たちに出会えたことも大収穫だった。鏑木清方の「五月晴」、伊藤深水の「通り雨」、上村松園の「冬雨」など、絵の前から離れがたいほどの艶めかしさ。

上村松園のミニ画集も購入。「一点の卑俗なところもなく、清澄な感じのする香高い珠玉のような絵こそ私の念願とするところのものである」という松園のことばの引用あり。納得。伝統的和美人のエッセンスも、「清澄で、香高い珠玉」かなあ、と。

久々に来た丸の内界隈、いつのまにかおしゃれになっていた。三菱一号館美術館(あいにく休館中)も入るブリックスクエアに、ジョー・マローンの店舗も発見。うれしさ半分、あんまりあちこちに店舗を作ってほしくない感じも半分。どこででも手に入るようになると、便利な反面、ありがたみも薄まっていくので・・・。

Photo_2

0 返信

返信を残す

Want to join the discussion?
Feel free to contribute!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です