◇「25ans」6月号発売です。ロイヤル婚特集にて、歴代の英王室のロイヤルウーマン5人分のラブストーリーと総論、「スローニー」ファッション特集にて扉の解説コラムを書いています。合計7本分のエッセイ&コラムですが、心血注いで書いてます。機会がありましたら、ぜひご笑覧ください。

◇朝日新聞27日付朝刊、斎藤美奈子の文芸時評。「原子力村と文学村 勇気を試される表現者」。さすが斎藤氏、他の「村」の人々にも訴えかける、タイムリーな問題提起をしていた。

伊坂幸太郎の「PK」を論じての結び。

「誘惑や脅しに屈しただれかの諦めと妥協と挫折の結果がたとえば戦争であり、原発事故ではなかったのか。先の戦争の後、『文学者の戦争責任』が取りざたされた時期があった。ならば『文学者の原発責任』だって発生しよう。安全神話に加担した責任。スルーした責任」。

続いて、川村湊が『福島原発人災記』を出したその態度を褒めたあとの結び。

「今月の文芸誌にも震災をめぐる作家の言葉が多少は載ったが、高橋源一郎が連載小説の丸々一回分を費やしてこの震災と先の戦争との薄気味悪いほどの類似を語ったのが目についたくらいで、多くはモゴモゴとした『文学的』な内省を語るのみ。文学の人は文学だけを追求してりゃいいんだよ、という態度は、『文学村』の内部の言語である点において、『原子力村』と同質ではないか?」

最後に、「PK」のフレーズを引用し、文学村に向けてハッパをかける。

「『臆病は伝染する。そして、勇気も伝染する』。ほとんど少年漫画のせりふである。でも『つながろう日本』よりはずっといい。(中略)いま必要なのは、『勇気の伝染』なのではないか。文学村から放たれるシュートを待ちたい」。

「文学村」ばかりではなく、ほかのさまざまな「村」からのシュートも待たれている(自戒をこめて)。

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