本音に迫るインタビューをこなす人としてすごいな、と思っていた本橋信宏さんの『心を開かせる技術』(幻冬舎新書)。

こわもての人からAV界の人まで、ふだんはなかなか会えないような人にインタビューをおこなう、そのそれぞれのプロセスに臨場感があっておもしろい本。

とりわけいいなと思ったのが、代々木忠監督へのインタビュー。「あなたに逢えるようにずっと波動を送っていました」というツカミのいい挨拶(これを監督が言う)の言葉もぐっとくるし、

「自分が心のなかでつくったものは自分でしか解決できない」

「対象を否定的にとらえてしまうと、否定したものにエネルギーを与えて肥大化してしまう」

「彼は常に優等生を演じている。だからメスを刺激しない」

「”男は獣”と子どもに言いつづけると、育った子供はそんな男としか出会わなくなる。人間は意味づけしたものしか認識できないから」

などなどの、真実をつく名言の数々にはっとさせられる。

「個性とはその人の使う言葉でもある」、という著者のことばにも、納得。

心を開かせる技術とは? それを一口で言っちゃった「まとめ」は、とても平凡な一般法則なのだけれど、神はそんな抽象論には宿らない。1対1の、一期一会のインタビュー、それぞれの具体例こそがきらきらとしている。

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