新年度の「ファッション文化史」開講。午前の日本語版、午後の英語版、あわせて500人近い受講者。ほとんどの新入生は「大学でファッションって、何やるのかな~? ファッションチェックでもしてくれるのかな~? かっこよくなれるかな~」という物見遊山気分で来ている。ほかの専門的な講義よりもラクに単位がとれそうだしね。

そういうニューカマーに対し、例年は、「ファッションチェックやスタイリングという分野とは、カテゴリーを異にします」とお断りするところから始めていた。自分の本でも「ファッションチェックはやりません(できません)から」と何度も書いている。軽視しているのではなく、大学で扱う学問とは違うジャンル、ということで自分で一線を引いていた。

でも、今年は「脱皮」の年でもあり、自分が勝手に決めた枠を取り払ってみることにした。彼らの偏見にまず乗っかってみて、「じゃあ、ファッションチェックから、やってみようか!」と始めてみたところ、学生が挙手して壇上に出てきてくれ、自分の装いを語ってくれて大盛り上がり。

そこから「こちらの土壌」に引っ張っていくのもアリね、と実感できた貴重な体験でありました。

にしても、無意識のうちに、自分に課している「枠」というのが、実はずいぶん多いんですよね。それに気づいて、少しの勇気でもって取り払ってみると、世界の見え方がちょっとだけ違ってくる。

写真は、できたてほやほやの大学図書館。まだ中には入れないが、外観はなかなか素敵。景観や環境は、思考や感覚に知らず知らず大きな影響を及ぼしている。

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