点、点、点。たどって半年前の自分に戻ってみると、誰これ?みたいな(笑)。同じように、半年後、別人になっていればいい。パリ帰りの「サブリナ」のオードリー。パリ帰りのアン・ブーリン。半年後、別人になって帰ってきたヒロインの例は事欠かない。現実にパリに行くわけにはいかないが^_^;、脳内で半年間、留学するつもりになればいいのだ。再会したら変身してた!というほうが人を感動させる。あの猿岩石の有吉くんが、この有吉に化けて戻ってきたのか!(感慨ひとしお)みたいに。細胞は三か月で入れ替わる。そのひとつひとつに変化のタネを植え付けるイメージでいけば、半年で激変する。

脳内を変化させる最大の刺激は、苦味だと思う。苦い思いとか苦い経験、これをほっとかないでなんとかしようとすれば、自分を変えるしかない。もちろん、なんにもしないで苦味を蓄積しておくというやり方も、それはそれで味わい深い。

(こうしよう、とか、こうすべき、なんてことをだれか他人に押し付けたり、推奨したりすることなんて、恥ずかしくてできるわけがない。生き方やコミュニケーションの流儀みたいなものは、そのひと固有の経験と性格から決まってくるもの。)

☆苦味といえば、ヴェスパー・マティーニ。2006年版の「カジノ・ロワイヤル」では、ボンドとヴェスパー・リンドによる、パンチの利いたオトナの会話が。

B:I think I’ll call it a Vesper.(これをヴェスパーと呼ぼう)
V:Because of the bitter aftertaste? (後味が苦いから?)

B:No, because once you’ve tasted it, that’s all you want to drink(一度味わうと、他の酒が飲めなくなるから)

Vesper_martini

「カジノ・ロワイヤル」の原作が書かれたのは50年代半ば。イギリス産のゴードンズ(ジン)、フランス産のキナ・リレ、ソ連産のウォッカ、米国産のレモンピールを混合するというのは、世界平和への願い、なんだそう。(東理夫の「グラスの縁から」)

などとすぐウンチクに走るのが私の欠点ね。わはは。

ボンドとヴェスパーに戻ると、こんな色っぽいセリフが出てくる前の二人の会話も苦み走っている。

カジノに向かう車の中での会話。スイートに一緒に泊まることになったけど、寝室は別、という話の流れの中で、

V: Am I going to have a problem with you, Mr. Bond? (私がいて、なにかモンダイになる?)
B:No, don’t worry, you’re not my type. (心配無用。オレのタイプじゃない)
V:Smart? (アタマいいから?)
B:Single (独身だから)

渋すぎ。半年後、こういう苦みばしった渋い大人の会話を、複数言語(方言含む。笑)で自然に交わせるタフなレベルにまで変身できるかどうか。

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