それぞれに頭の切れる、表現力ずばぬけた著者によるおもろい本ですが、2冊を読み比べると、というか読み合わせると、また別のコワ面白さが…。


この本の内容がブログ記事だったころから笑い死にしそうになっていた水野敬也の「スパルタ婚活塾」。恋愛指南本の定説をことごとく覆し、本音で語れるコミュニケーションマスターとなれ、とビシバシ鞭をうつ。「理論」のネーミングセンスがばつぐんにくだらなくて(←ホメ言葉です)、でも根底にものすごく愛があふれている。婚活だけではなく、あらゆる人間関係にいえることが書いてあると思う。リスペクト。

「ファーブルが昆虫を見るような目で男を視よ」というファーブル・ナンパ理論とかもう爆笑。

「SATC臭」も、要警戒ね。くわばらくわばら(死語)。


その敬也がターゲットとして説いている層が、ほぼこちらですかね。『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』のジェーン・スーおよびその愉快な友人。前著もそうでしたが、ときにぐさっときて、でも知的な分析をユーモアたっぷりにまぶしてあるので、からりと笑いとばすことができます。

なるほど~と思った項目はけっこうあるが、そのなかの一つ、「隙がないこと岩のごとし」。隙とはなにか。曖昧な空気を漂わせたままにしておくこと。台本をきめきめにしないこと。「私はよく『しっかりした人』と言われますが、それはあいまいな空気を漂わせたままにしておくことが苦手な、自信のなさの裏返しでもあります。(中略)隙のある状態に耐えられる能力は、あいまいな空気を他者との間に漂わせたままにできる強さです。一見主体性のない女の子の方が、強気な女よりずっと強いと思うことがあるのは、己を漂わせる強さを彼女たちが持っているからです。(たくさん略) グッと曖昧な空気に耐える。そうすると、相手が舵をとって船が進んでいく。隙は作るものではなく、堪えることや任せることや信じることで生まれるもの」

「男女間に友情は成立するか否か問題が着地しました」もケッサク。男女間の友情が成立する派の女の分析というのに、私はみごとにあてはまってる(笑)。 

かように高度に自虐をやってのける知的なおもしろ「女子」と、自虐をするな、自アゲをして価値を高めよと説く敬也の教え。両者読み合わせると、味わい深い…。

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