ビジネス本はめったに買わないのですが、ルイ・ヴィトン元CEOという文字にひかれて買ってみたら、ドラマを見ているようなハラハラワクワク感で一気読み。マーク・ウェバーの『出世の極意』(飛鳥新社)。タイトルも扇情的ですね。いっそ映画化を希望します。笑

ブルックリン(下層階級)出身、大学もたいしたことなく、コネもなく、でも才覚と献身と圧倒的な努力でフィリップ・ヴァン・ヒューゼン(アメリカのシャツ会社)でCEOまで上り詰めたものの、取締役会と対立して突然の解任。そのどん底から数か月後、LVMHグループの米国法人CEO、その傘下のダナ・キャランCEOに抜擢される。という「ヒーローズ・ジャーニー」をそのまんまいくキャリア。

実名で登場するドナルド・トランプ、ダナ・キャラン、アラン・フラッサー、ベルナール・アルノーなどファッション業界有名人のエピソードも面白いし、成功体験からどん底体験まであらゆる体験を通して得られた「教訓」の紹介も説得力がある。

それにしてもフィリップ・ヴァン・ヒューゼンの取締役会となんで対立したんだろうか。強引すぎたのか。そのあたりを違う立場の方の目線から読んでみたい。30年以上会社に貢献してCEOになっても、あっさりとクビになるということじたいも衝撃だった。ビジネスは戦争だ、というのが誇張ではなく実感できる。

以下は、思わず「みつを」カレンダーのように作りたいと思った「マーク・ウェバー」語録(若干の編集ありです)。

・目指すのは「ゴールの一歩先」がちょうどいい

・操り人形になるか?操る側になるか? 状況をコントロールする側に立ちたければ、興味をかき立てられない分野にも積極的に手を出すこと

・「運」は努力するほど増えていく

・つねに感情をコントロールすること。認められなかったときこそ、その失望をバネに、それまで以上に仕事に邁進すること

・ダントツで勝てる分野で勝負をかけること

・将来やりたい仕事にふさわしい服装をせよ。大勢の人に対して説得力のあるメッセージを伝えるプレゼン技術を磨くこと

・「真の顧客」を知ること

・はじめから「そこそこ」しか求めない人間は、その「そこそこ」さえも手に入らない。「そこそこ」の成功ではなく、圧倒的な成功を目指すこと。そこそこの価値ではなく最高の価値を求めること。圧倒的成功を収めている人は圧倒的な努力を重ねている

・「サンクコスト」(それまでに費やした時間や労力)をあきらめる勇気をもて

・熾烈な競争に直面したときは、大勢が進む方向とは逆をいけ

・他人のために尽くす度合いと、その人が手に入れる成功の大きさは比例する

・どん底の屈辱的状況に放り込まれたら、君自身を徹底的に肯定すること。気持ちを落ち着けて、それまでの自分の実績を心から祝福すること

・人の成功を計るものさしは、頂点に立ったときになにをするかではない。どん底を経験した後でどれだけ這い上がれるかだ

・いかなる時も、自分を安売りしてはならない

・最高のクリエイティブとは「ノー」を「イエス」に変えること

・ファッションは「欲望」のビジネス。ファッション業界は、場面に応じて身につけるものを使い分けるよう、消費者を教育している。大儲けの仕組みだ。欲望をつくりだすこと、これこそがファッションビジネスの真髄である。君は「ほんとうは誰からも必要とされていないもの」を売っている。

・力を貸してくれたすべての人たちに礼を尽くすことを忘れないように。ビジネスの現場では無礼をたしなめてくれる親切な人間はいない。だから無礼な人間は、自分がどれほどの信用とチャンスを失っているか、一生気づくことはない

・いざというときに実力を評価されるよう、常日頃からベストを尽くすこと。自然淘汰が作用する。与えられた仕事をやり遂げなければ、その人はそこで淘汰される

 

すべて私も思い当たることばかり。とくに下から二番目の話には、ちょっと胸のつかえが下りる気がした。私はけっこうお人よしで、仕事上のつながりで、人と人とをお引き合わせすることが多いのです(そんなに多くの知り合いがいるわけではなく、頼まれた時にふと思い浮かぶ顔があれば、という程度ですが)。もちろん、何の見返りも求めないし、話がまとまればそれはよかったと相手のために喜んではいる。でも、あとから、一言のあいさつ(その後、どうなったのかの報告)もないということがあるとさすがにその人の人間性を疑うものなんですよね。それどころか、「すべて自分の能力が高いから請われて行ってやった」というふうに吹聴されると(そんなことが実際にあったのです)紹介した私の立場もなくなってしまう。こういう傲慢で無礼な人は、いくら能力が高くても、早晩、自滅するのではないでしょうか。翻って、自分も知らず知らずのうちに失礼なことはしていないかと顧みる。ほんと、ビジネスの場では、他人は無礼を指摘してくれないのです。ただ、「次はない」で終了。これもまた、自然淘汰ですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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