An inspiring book by Prof. Ayumu Yasutomi. “Who I really am”.

I, as a fashion historian, share the idea written in this book:  Beauty is a gold mine of your own, which could be found only by digging yourself.

This is exactly what I am talking in the lecture of Fashion Studies.  Fashion is not about decorating you, nor shaping you into the trendy stereotype .  It is about  liberating you. Giving you confidence to become who you really are. That is why I believe Fashion Studies can be one of the last fort for the Humanities.

☆☆☆

女性装で活躍している男性(ゲイではない)、東大教授の安冨歩さんの『ありのままの私』(ぴあ)。

美しさの追求には勇気が必要だったが、それが安冨先生の精神にはてしない安らぎを与えていったという、体験から生まれた話に非常に説得力がある。

「『自分は、美しさなどとは無縁だ』と思いこんでいた男装時代、そのことが、私を深く傷つけてきたことに気づきました。それは、女性装するかどうかは、関係ありません。男性として生まれたら『美』とは関係ないよ、ということそれ自体が、男に対するひどい暴力なのです」

「美しさは、作るものではありません。掘り出すものです。自分自身という金鉱を探し出して掘り当てる。そうすると人は美しくなるのではないでしょうか」

「自分自身がある、そのあり方のままに生きることが、人間に与えられた唯一の使命だと信じています。そのような生き方は、さまざまの外部の力とぶつかりますが、それを恐れずに勇気をもって生きるべきであり、その試練から学び、成長することが、人間にとって最高の倫理だと思っています」

日本はもともとトランスジェンダーには寛容で、両性を具有し、越境できる異能の人は、神と人との仲介者扱いされていたという指摘も興味深い。日本語の「性同一性障害」って、あきらかに間違ってることばですよね。Gender Identity Disorderを訳したものだそうですが、「障害」じゃないの。トランスジェンダーなの。レアTを見よ。アンドレイ・ベシックを見よ。唯一無二の、かっこいい存在なの。

 

この本を読みたいと思ったきっかけは、次のインタビュー記事でした。
東大教授、安冨歩さんのインタビュー記事より。

「他人から道でジロジロ見られることは、今でも多いですよ。もしも理論的に何も考えられなかったら、怖かったかもしれません。でも、親しい友人知人はもちろん、初対面であっても、まともな人なら、女性の装いをしているからといって、私をジロジロ見るような失礼はしないんです。

たとえば、黒人を差別的な眼差しでジロジロ見る白人がいたら、問題は黒人じゃなくてその白人の中にあるんですよ。自分とは違う奇妙な人間を露骨に見たりする人は、その人自身が問題を抱えているということを露呈しているにすぎないんです。

つまり、白い目はそれを向ける人自身の中に問題がある。そのことを思想的に理解していたので、視線の暴力に怯えるようなことはありませんでした。むしろ、そのような視線を実際に体験できたことは、私の思想に大きな影響を与えてくれました」

「それよりも考えなければならないことは、フランツ・ファノンという思想家が指摘したことですが、差別される人々が、自ら帯びかねない暴力性です。なぜならこのような白い目にさらされて、それを自分が原因だからだ、と思っていると、深く傷つきます。そして残念なことに人間の本性として、自分のせいで傷ついたと思い込んでいる人は、その傷から発生する暴力を、我が身に帯びてしまうのです。その暴力は無意識のうちに発動し、自分に向かえば自傷してしまい、他人に向かえば、他の人を差別したり、暴力を振るったりしてしまいかねないのです」

だから各人が自分を解放し、ありのままを生きること、他人がそれを寛容に受け入れることは、暴力のない社会を作ることにもつながるんですよね。ひいては万人の幸福としてかえってくる。「自分を掘り出すことで形づくる=ファッション」は、そのあり方を、導くことができる。

女性装といってもさまざまで、たとえば20年前からこのような格好で活動しているお福さん。サロン・ド・シマジではじめてお会いしたのがきっかけでしたが、先日、変身前の長谷川高士さんとしてお食事をご一緒して、お話をうかがい、多くの気づきを得られました。人生のどん底にあったときにお福が「降臨」し、美しいお福になりきることで、長谷川さんの人生が好転していったという。もうダメだということきに、違う自分になることで元気になり、救われる。トランスジェンダーを意識的におこなってみることは、無意識のうちに人を縛る偏見から自分を自由に解放する第一歩でもあるのかもしれません。ofuku

 

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