ロンドンのフレグランスメゾン、ミラー・ハリスの調香師、Mathieu Nardin マチュー・ナルダンが来日、新製品のプレゼンテーションを行いました。

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マチューはフレグランスの聖地グラースで生まれ育ち、家族がほぼ全員フレグランスに関わる仕事についており、自分も当然のように香水の仕事をすると信じてごく自然にパフューマーになったという人。13歳のときからすでにロベルテで研修を始め、31歳の現在は、ニューヨークで活躍中です。若きベテランですね。

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ミラー・ハリスは良質なボタニカルの原料を使い、ロンドンのハイストリート感を基本に、ひねりのきいたパリ風の洗練を加えて独自のニッチブランドの地位を確立しているモダンブリテンを象徴するメゾン。

イラストを描くのは日本人のボタニカルアーティスト、Mio Matstumotoさん。この日は裸足でライブペインティングのパフォーマンスをおこないました。

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マチューが手がけた2種類の新製品「ルミエール ドーレ」と「エチュイ ノワール」は、相反する要素でありながら、ふたつでひとつのセットになるというコンセプトをもちます。光と影。昼と夜。陽と陰。オレンジと革のジャケット。なるほど、それぞれ単独でも際立った特徴をもつすばらしい香りですが、ふたつ重ねると、いっそう深みが増します。実際、試すとミステリアスで、心臓の鼓動が早まります。

香りの構成要素を色で視覚化してみせるという手法もユニークでわかりやすい。納得。

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ルミエール ドーレはトップにビターオレンジ、ミドルにネロリ、ラストにオレンジのフローラルウォーターと、光り輝くオレンジのイメージ。これからの季節にぴったりで、日本人ウケもよいはずです。上級者にはエチュイ ノワールとの重ね付けをおすすめします。レザーノートに、高価なイリスがアクセントを添えています。二つ重ねると、相反する二面性をもつ神秘的な魅力を放ちます。8月24日発売です。

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調香師マチューと記念写真。

発表会後、SPURの秋の香水大特集に関し、香水の歴史について取材を受けました。香水好きな人と香水の話をしていると時間を忘れます。以下、私が愛読する匂い関連の本(本棚の一角をがっちり占めていますが)のなかから3冊ご紹介します。

こちらはもう絶版ですが、香りの記憶に関する多くの著名人によるエッセイ集。新潮社編。復刻を希望します!

 匂いに関する面白ネタが満載。一時、流行した匂いつき映画「オドラマ」をめぐる攻防の話が結構好き。
 調香師でもある名文家、鈴木隆さんの本。鈴木さんにはほかにも「匂いの身体論」ほか匂いに関する興味深い本があります。鈴木さん、また書いてくださーい!

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