「英国王のスピーチの真実 ジョージ6世の素顔」。

 

エリザベス2世のドキュメンタリーとかぶる部分も多いのだが、ジョージ6世をめぐる意外な真実が、映像や関係者の語りから明かされる。

・厳しかった父王は、ジョージ6世の幼少時にあらゆる「矯正」を試みた。右利きに変え、X脚を矯正し、どもりを直し…。当時はそれがふつうだった。

・兄のエドワード8世は自信家で国民の人気も高く、ジョージ6世は地味で内気で控えめ。でも父王は兄ではなく弟のほうを高く評価していた。エドワードに対しては「国王になっても一年はもたないだろう」と予言。それが実現してしまった。父王は、ジョージ6世に対して高く評価していることを本人には言わなかった。

・エドワード8世のシンプソン夫人との結婚にともなう退位について。国民の多くは、結婚に賛成だった! ダメと言っていたのはエスタブリッシュメントのみ。タブロイドも「国王は愛する女性と結婚すべき」と。そもそも、退位直前まで、国民はシンプソン夫人のことをそれほど知らされていなかった。

・ドイツとの戦争が終結したときのジョージ6世のスピーチのなかに、「極東にはまだ日本人がいる。彼らは粘り強く、無慈悲だ」というフレーズが出てくる。「粘り強い」日本人を早々に片づける手段として原爆投下が促されたということもあったのではないかと思うと切なくなる。

・ジョージ6世は戦争で一気に老け込み、体調を悪化させる。戦争は国王に「名誉の傷跡」を残した。ジョージ6世は56歳でなくなるが、妃のエリザベス・バウズ・ライアンはその倍、生きた。

 

 

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