2018年9月4日
ガーディアンの記事。フランスのファッション業界の内情を告発した本が話題になっていると。こちらです。
ファッションの主要なブランドはフランスにあり、ファッション産業はフランスにおいて、車に次いで高い利益を上げている(€15bn)。にもかかわらず、実は、その内部で働く人にはまともに賃金は支払われておらず、ブランドのお買物券で支払われる(ことが多い)。
1週間の労働の「賃金」が€5000のブランドのお買物券。しかし、ファッション業界で働いているということはつねに最新のファッションを身に着けて美しくしているのを見られるということでもあるので、当人は喜んでお買物券を受け取る。
シャネルの靴を履き、プラダのバッグをもっている業界内部の人も、実は現金で賃金を支払ってもらってないために家賃も電話代も払えない状態であるという衝撃の告発。
それでも「ファッション業界で働いている」ということがフランスでは特別に重要な意味をもつので、多くの内部の人は明日に希望をつないで喜々として働いている。
バングラディッシュや中国の工場でのエシカルな働かせ方や製造のやり方が問われているファッション産業なのだが、実はもっともブラックな搾取が行われているのが、足元のパリだったという。
本の著者はGiulia Mensitieri. フランス語で書かれたph.D論文がもとになった本のようです。”Le plus beau métier du monde. Dans les coulisses de l’industrie de la mode”. 世界でもっとも美しい仕事の内幕。読んでみたいな。翻訳出版希望。
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