銀座ミキモトホールで本日より、「The Eyes and Hands ―クラフツマンの感性―」展が始まります。

内覧取材に伺いました。

このディスプレイも美しい。ひとつひとつのボールのなかに、ジュエリーが浮いているんです。海の上にうかぶ宇宙みたいな。

ミキモトの芸術的なジュエリーを支える熟練技術を備えたデザイナーやクラフツマンが、その作業工程を惜しみなく披露してくれました。
(8月7日、14日、20日に一般公開のデモンストレーションイベントがあります)

ミキモトのジュエリーデザイナー、松原澄子さん。デザイナーはイメージを絵にするだけではなく、立体まで構想し、具体的な完成品の模型を創り上げていく。歯医者さんが使う成型用のプラスティックまで駆使するそうです。

クラフツマンによるミル打ち技術の披露。ミキモトのクラフツマン、増田泉さんです。正確に間隔を作っていく感覚は、「手が覚える」。一人前になるのにかつては10年かかったそうですが、現在では専用の顕微鏡はじめテクノロジーのおかげで3年でできるようになるとか。それにしても精緻な作業です。

工具はひとつひとつ、それぞれのクラフツマンの手の長さや指の幅に合わせて作られています。

ミキモトでは、お箸をもつのと同じ持ち方で工具をもつよう指導されます。こうすると手が疲れにくいそうです。

デザイン画から完成品までのプロセス。次第にリアルで美しい形に完成していくのがスリリングです。

写真ではわかりづらいのですが、葉っぱのあたりに「ケシ定め」の技術がほどこされた超絶技巧作品。芥子粒ほどの真珠を、金属で一粒一粒、落ちないように留めていくのですよ!ボンドで貼ってあるわけではないんです。

真珠の選別作業。まずは「ピンク系」と「グリーン系」に色分けしていく。デモンストレーションしてくださるのは、ミキモト鳥羽工場の瀧野ゆりさん。

ネックレスの中心部分にやや大きめのサイズの真珠がくるようなイメージで、並べていく。素人目にはどれも同じに見えてしまいますが、ミクロ単位で見ると違うんですね。

「完成」したネックレスは、さらに2度、検品を経て、粒のそろわないものがはじかれていくそうです。

これは40種類の大きさの真珠を組み合わせた傑作。真珠の「襟」ですね。柔らかくしなるのです。すべて手作業で行われていると思うと、気が遠くなるとともに深い感慨にとらわれます。

ミキモトのThe Eyes and Hands は9月2日まで開催中。なんと入場無料ですよ。クラフツマンとジュエリーデザイナーのデモンストレーションは日時が限られているので、ミキモトのホームページでチェックしてからお出かけくださいね。www.mikimoto.com/eyesandhands

クラフツマンたちに会えなくても美しい真珠の世界は堪能できますよ。

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