2011年春夏のパリ・ファッションウィークにおいて、ピエール・カルダンが10年ぶりにコレクションを発表したというニュース。カルダンは88歳である。

60年代にスペース・エイジのコレクションで時代を方向づけ、形作った、すでにヒストリカルな伝説の域に達しているデザイナーである。車のインテリアからチョコレートまで、ライフスタイルを幅広く「デザイン」し、ライセンスビジネスを手がけた元祖でもある。

復活コレクションは、蛍光色や原色の宇宙飛行士風ボディスーツや男女おそろいのビニールコート、ラバーのアクセサリーや眼鏡(?)、UFO風帽子、幾何学的なミニドレスやサイバー風味の入ったパニエつきドレスなどなど、60年代のカルダンを21世紀風にアレンジ、といった感のあるコレクション。

レディ・ガガも最近、カルダンによるメタリックなコスチューム&帽子を着用したというし、最初のブームから50年たっていたら、今の人の目にはまったく新鮮に映っているかもしれない。

そんなことよりも、88歳で、10年ものブランクを経てパリコレに「復活」したカルダンの意志と情熱と行動力に心を打たれた。ココ・シャネルも80歳で「復活」している。周囲の嘲笑などものともせずに。50前ですっかり挫折した気分になってたのが、心底恥ずかしくなる。

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