ユニークな辞典二つ。一つは、できたてのほやほや、『英和ブランド名辞典』(研究社)。山田政美・田中芳文 編著。

英語の新聞や雑誌を読んでいると、とにかく固有名詞に悩まされる。人の名前もそうだけど、最近圧倒的に増えたのが、企業やブランドの名前。仕事柄、ファッションブランドならばだいたい見当がつくが、ウィスキーの銘柄だとか家電、食料品、洗剤、家具あたりになるとお手上げになる。

ウェブで調べるとだいたい出てくるが、ウェブで用語を調べることの欠点は、行きついたサイトが面白かったら(そして近頃ますます、面白すぎるサイトが増えているのだ)、ついそこに長居してしまい、気がついたらどんどんジャンプしてまったく遠いところまで遊びに行っており、「えっと、わたしはいったい何をしようとしていたのだっけ?」ということになり、結局、仕事がまったく進んでないという事態を招いてしまうこと。その点、必要最低限の情報をさっと教えてくれる、こういうコンパクトな辞典が手元にあると、ありがたい。

もうひとつは、1960年から読み継がれている古典的ファッション辞典の、2010年度アップデート版。Valerie Cumming, C.W. Cunnington and P.E. Cunnington, The Dictionary of Fashion History. 写真やイラストを加え、大判になって見やすくなった。それぞれの用語が、どの時代に使われたものなのか?ということが、きっちりと書いてあるのも心強い。

マイナーであっても、きちんとした仕事を世に出し続けていくことが長期的な信頼につながる、ということを教えられる一冊でもある。

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