横浜トリエンナーレでも観に行こうとのこのこ出かけたら、横浜美術館のチケット売り場に見たこともないほどの長蛇の列! 美術館前にはいろんな表情のモニュメントが。コワかわ系。

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チケットを買うだけで一時間以上待つ勢いだったので、トリエンナーレはいったんあきらめ、これまで「いつでも行ける」と思ってスルーしていた観光スポットなどにあらためて行ってみる。

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ランドマークタワー展望台からの眺め。下、ピンクのインクで書かれた、たくさんのハートの願いごとたち。どさくさにまぎれて一枚書いてみる(笑)。

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帰途、車の中で聞いていたFM東京で、たまたま「未来授業」というのをやっていて、講師が宮台真司さんだった。声も話し方も素敵で、話の内容も面白く、ついつい真剣に引き込まれる。なにせ運転しながら聞いていたのでところどころ集中力を欠いているが、印象に残ったことは次のようなこと。

・エネルギーの代替問題を論じるより前に、まずは私たちがどういう社会を築きたいのかを論じることが大事。そのビジョンに応じて、必要なエネルギーが決まってくるはずだ。

・「任せてブーたれる」、という日本人特有の政治文化では、幸せな社会など訪れない。「幸せではない」と感じるのは、自分たちが一体何をやっているのかという実感や手ごたえがないから。「引き受けて、自分たちが決定する」というやり方にシフトしないと、幸せな社会など訪れない。

・第二次世界大戦開戦の直前を回顧して、意志決定に関わった多くの人が「今さら止められるような空気ではなかった」と言っている。原発の推進に関わった人たちも、「今さら止められるような空気ではない」と同じことを言っている。私たちにはこのように、空気に流されてしまいがちな傾向があることを意識し、止めるべき時には、空気に逆らってでも止めるための行動をとらねばならない。

・コンビニエントで快適な社会、取り換え可能な人やモノが簡単に手に入る社会をめざしてきたわけだが、それは結局、私たちを幸福にはしなかった。これからは、不便であろうと「取り換えのきかない」共同体の絆を築いていかなくては。スローフードの概念も実はそれだった。顔が見える生産者から、知っている土地のものを、少々高くても買う。自分たちの共同体の幸せ、ひいては自分自身の幸せのために。

ナビゲーターの茂木健一郎さんのシメも、短かったが、印象に残る。「脳が完全にいい状態で働くためには、まずは自分で自分自身を受け入れていることが必要になる。ずんぐりむっくりのどらえもんのようであっても、そういう自分をまるごと認めて受け入れることで、脳が完全に働き始める。宮台さんが言った<取り換えがきかない>というのはまさにそこにも通じる問題。カワイイとか、お金持ちとかという属性ではなく、<取り換えがきかない>あなたでなくてはだめだ、という人間の絆を築くことが、幸せのためには大切になってくる」というような趣旨だったかと思う。拡大解釈だったらゴメンなさい。とにかく、偶然にこのお二人からうけとったメッセージは以上のようなこと。

<取り換えがきかない>あなたでなくては、と思った人に拒絶されたり去られたりする不幸、という問題がまあ、現実には多々起きるわけだが。それはそれで乗り越えるほどにタフになっていけるのでしょうかね……。答えの出なさそうな問題だが、少なくとも、それを機に、モノゴトを考えるようになる。喪失感を埋めるかのように。

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