2012年、公私にわたり、ご厚誼を賜ったみなさま、読者のみなさまに感謝します。

今年書いたエッセイは約60本、そのほかウェブや週刊誌でのインタビュー、テレビ、ラジオ、講演、トークショー、と多くの仕事を与えていただき、そのつど120%の力をだしきるつもりで臨んできました。大学にも、エネルギッシュな知人たちにゲスト講師として来ていただき、教室が一体となって白熱するすばらしい化学反応を目の当たりにしました。目の前に次々に飛んでくるボールをを片っ端から打っていた感もあり、空振りも多々ありましたが、その経験も次につなげていこうと思います。来年は延び延びになっている単行本の仕事にエネルギーを注ぎます。

図は、常に私の中にあるロードマップです。「ヒーローズ・ジャー二―」。古今東西1000人のヒーローを分析した神話学者、ジョセフ・キャンベルの「千の顔をもつ英雄」がベースになっています。神話のなかの主人公は、常に、不本意な冒険の旅に出ます。「願った通り」「予想通り」の道を行く人なんて一人もいない。その旅の道程で、師に出会い、敵と闘い、友人と会い、愛を知り、一度は死にかけ、絶望の淵から蘇り、贖罪を得て、アイデンティティと「人類を救うお宝」(あくまで喩えですが)を獲得して、元の世界に戻ります。

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私のような仕事をする者にとって、仕事の醍醐味は、予期せぬ出会いの驚き、「圏外」と思っていた人や仕事と想定外の反応が起きてしまった喜びにあります。今年は、去年まで「圏外の仕事」と思いこんでいたトークショーの現場を10回近くこなしていくなかで、神話のロードマップの意味が少しわかりかけた、記念すべき年でもありました。あるトークショーの終わりにプレゼントしていただいた、奇跡の青い薔薇アプローズ80本(写真)。これを抱え、高貴な香りに包まれた帰途の、神意にふれたかのような喜びを忘れることはできません。

Hankyu

そうそうそう、くじびきで不本意にあたってしまって、やらざるをえなくなったPTA代表職にもまた、「神意」を感じました。くじびき組がほかにもいて、ほとんどがフルタイムの仕事をもっている。時間を十分にPTA活動にあてられないなか、業務を見直し、ばっさばっさと「慣例」を削減していき、役職を超えて「できる人がやる」という風通しのいいPTA運営委員会を実現することができました。結果的に、私がいちばんラクすることになったかもしれないですが<m(__)m>、すてきな仲間に出あえたことに、感謝します。

プライベートでも、たくさんの楽しい友人に恵まれ、印象的な社交の場面をかつてないほどたくさん経験して、「脱皮」できたかな。なかでも、巳年連合(暴走族ではありません)とコットンクラブのメンバーのひとりひとりには、感謝してもしきれないほど。そのなかのひとりが忠告して曰く、「脱皮後の、表面が柔らかい時がいちばん危険」。気をつけます。畏友サツキさんは、変わらぬ大きな友愛で、破綻すれすれの私の日常を支えてくださいました。パワーウーマン8人の女子会では、「根拠なき<自信のなさ>」を喝破され、これまでうまくいかなかったあれこれの、決定的原因に気づくことができたかな。神戸ブランメル倶楽部の皆様にも、社交を通じて多くのことを教えていただきました。他にも、多くの方々とすてきな時間を共有できたこと、記憶に鮮やかに残っています。痛く悲しい思い、悔しい思いも多々経験しましたが、それも含めて、ほんとうに、いい出会いに恵まれた年でした。

ご支援いただき、見守り、助けてくださったみなさま、愛読してくださったみなさまに、心から愛と感謝を捧げます。ほんとうにありがとう。

よい年をお迎えください。

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