双子座が新月に入る。願いごとを書くチャンスですね。仕事上の願いごと(というか、こうするという意志)を決めた直後に開いた朝日新聞に、たまたま天啓のような記事がふたつ。

その1。6月7日(金)付の天声人語。DJポリスさんのお話。知らなかったので、Youtubeでチェックしたらたちまち現場の映像がでてきた。なんという便利な時代になったの。

サッカーの日本代表がW杯出場を決めた4日夜の、渋谷交差点を埋めた大群衆を指揮車の上から誘導し、けが人も逮捕者も出さなかった快挙をなしとげた「おまわりさん」の話。

「警備にあたっている怖い顔をしたお巡りさんも、皆さんと気持ちは同じです。皆さんのチームメートです。チームメートの言うことを聞いてください」「お互い気持ちよく、きょうという日をお祝いできるよう、ルールとマナーを守りましょう」「声援もうれしいですが、皆さんが歩道に上がってくれる方がうれしいです」。

遅まきながら、映画みたいなあっぱれなお仕事ぶりに感動。理じゃなくて情。対立構造じゃなくて、協力をよびかける。威嚇じゃなくて、共感。権威じゃなくて、個の自由。思い込みや偏見を覆されて、なんだかものすごく自由で爽快な視界が開けてきた感じ。「琴線に触れる」ってこういうこと。

天声人語の書き手は、「どうやって自立した選手になって『個』を高められるか」(本田圭祐)にDJポリスの気概を重ねて結んでいたが、まさしく同感。

Voix Populi: DJ Police keeps order with flair

その2。9日(日)付「仕事力」。リシャール・コラスさんの第2回目「ブランドの『腰に立つ』」。

・「創業者のココ・シャネルは、上流階級の女性ではなく活動的なキャリアウーマンでした。(…)シャネルは短髪にし、動きやすいスタイルで仕事に没頭していました。ショルダーバッグ、ジャージ素材の服、筒型の口紅、パンツルック、日焼け止めなど、全ては働く女性のために、シャネル自身が機能を追求した発明です。私はそのキャリアウーマンの志をもっと日本で広めるべきだと主張しましたが、これが難航しました。猛反発の理由は、『高級ブランドとして確立した価値を下げてしまうのではないか』という懸念です。しかし、そのように守りに入って、次にどんな成長が望めるでしょうか。『守る』という姿勢で閉鎖的に思考停止してしまったら、あとは死にゆくのみ。私はそう強く主張して『ブランドを活かす』方針へ舵をとりました」

・「会社のブランドと共に自分の力をどう伸ばしていくか。必要なのはまずブランドが社会の中で求められているポジションや、価値をつかみ、徹底して自社のフレームを学ぶことです。そしてちょうどストレッチをするようにそのフレームを引っ張って広げていくイメージをもつこと。(…)一人ひとりが自分の仕事の中で、時代を読みながら、どんなに小さなことでも冒険的に新しい発想をしていくことが必要なのです。あいさつ文の一行を考え抜いて変える、お客を楽しませるイベントを企画する。どんなことでも、ブランドのために動こうとする視点が必ずあなたの仕事力を育てます」

・「腰の真上に立つ。腰に重心を置く。重心を決めて胸を開いて座ると、自分の体がしっかりと落ち着き、オープンに自由に動けるのです。『ああ、ブランドと同じではないか』と思いました。スピリットという土台に腰を立たせると、上半身は自分らしく解放されるのにぶれないからです」

DJポリスさんがやったことと、リシャール・コラスさんがなしとげていることには、共通点がある。大きな組織の一員ではあるのだが、そのゴールを見極めて、目的のために、個のパワー全開にして、自由に冒険していること。その結果、ブランド(機動隊なり、シャネルなり)の社会的な価値も高まっていること。

新月のタイミングで見せていただいた、すてきなお手本二例。

Richard Collasses: Sold on brand Japan

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