文化の盗用神経症

2015年8月11日

8日付、ボストン美術館のキモノウェンズデー中止についての記事に関しては、通常の300倍以上のアクセスがあり、やや驚いています。フェイスブックにあげた同じ記事には、まさかの1200を超える「いいね」と、260を超えるシェア。超有名人でもないかぎりこんな数字は見たことありません。国内でそんな大きなニュースにはならなかったゆえに、いっそう関心が持たれたのでしょうか。

この件に関して、ショーン先生からのご指摘で、さらに補足しておいたほうがよいと思ったこと。以下、フェイスブックのコメント欄にショーン先生が書いてくださったコメントを、勝手ながら私のほうで少し編集して、ご紹介します。

「現在の、社会的正義を気にする若いアメリカ人のなかには、文化の盗用に対する過度な不安(ニューロシス)があります。

彼らの考えでは、西洋人や白人は、非西洋文化やマイノリティー文化に対して主導権があります。西洋人や白人は、他国の文化を盗用することにより、人種差別やオリエンタリズムを助長する、と彼らは考えています。非西洋文化やマイノリティー文化の伝統的な服を着ることじたいが、人種差別、オリエンタリズムに該当する可能性があるというのです。

たとえば、ハロウィーンのコスプレパーティーに関して、ソーシャルメディアで69,000人にシェアされたブログがあります。「あなたのハロウィーンのコスプレは人種差別にあたる?」。そのなかでブログの書き手はルールをこのように説明します。「あなたのコスプレは他の人種や民族や文化からヒントを得たものですか? もしそうであれば、それは人種差別かもしれません」と。先住アメリカ、東アジア、日本やアラビアの伝統的な服のコスプレは、人種差別にあたる可能性があるというのです。


着物を海外のマーケットで販売することを視野におくにあたり、さまざまな課題に直面すると思いますが、アメリカの「文化の盗用ニューロシス」はまさに課題の一つだと思います。http://everydayfeminism.com/・・・/is-your-halloween・・・/ 」 Thanks to Shaun Odwyer sensei.

文化の盗用神経症。なんだか<優越した>立場にある彼らが正義を過剰に意識することで、逆に非西洋社会のほうが迷惑をこうむってる感じですが。そんなことを気にしすぎたらもうなんにも着られない!とツッコミをいれたくなるのをぐっとこらえて。こういう神経症が白人社会のなかにある、ということを、私たちは意識の片隅においておくべきでしょう。

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