高野登『リッツ・カールトンと日本人の流儀』(ポプラ社)。

 アメリカに渡り、皿洗いからスタートしてリッツ・カールトン日本支社の社長になるまで、どのようなリーダーと出会い、いかなる学びを得て、どんな努力をしてきたのか。前半はその苦労や学びの話が主で、エピソードがいちいちかっこいい。

後半は日本の会社の具体例をとりながら、日本的なおもてなしの心の話、リーダー論など。以下は、個人的なランダムな備忘録です。どんな仕事に就いても適用できる考え方だと思う。

・成長するとは、「人の心に寄り添い、人の思いを感じる力」がつくこと。

・お客様とスタッフ、スタッフ同士が尊敬し合い、人間同士として認め、認められてこそ、仕事に対する誇りも喜びも感じることができる。そのためには、スタッフも紳士淑女としての堂々とした立ち居振る舞いや豊かな教養、瑞々しい感性を身につけること。

・目指す年収の5%を自分に投資すること。(目指す年収の、というところがポイント)

・誰もがやっていることを、誰もがやらないレベルでやる。

・「倒されし竹はいつしか立ち上がり、倒せし雪の跡形もなし」

・チップには必ず「Thank You」とひと言書かれた小さなメモが添えられている。使用したシーツやタオルもきれいに整頓されている。さらに、チェックアウト後に手土産を渡す(チェックインの時だと、お返しを気遣わせるので)⇒こんな客だと「この方のためなら」とスタッフの感性にスイッチが入る。サービスを超えさせてしまう瞬間。(こんな客にならなくてはね)

・トップが語る確かな言葉が、心を動かし、人を動かす。

・バックヤードで働くスタッフを、裏方とは呼ばない。「ハート・オブ・ハウス・スタッフ」と呼ぶ。普段から、「私はこのホテルのハートを支えているスタッフなんだ」という意識で仕事に向かう姿勢がプロの仕事を磨き上げていく。

・トップになるときのコミットメント(腹の決め方)は3つ。Love, Passion, Courage。とりわけCourageが最も難しいゆえに重要。

・ブランディングとは、お客様のライフスタイルやプロフィールにリッツ・カールトンを取り込んでいただくこと。(そこで食事をする、宿泊する、打ち合わせをする、ということを取り込んでいただくために、何を求めているのかに気づく感性が重要。徹底的に研究し、考え、創意工夫をし続けながら価値を創造する、それがブランディング)

・信頼関係はたくさん言葉を交わすことで築かれる。

・人生はウェイティング・ゲーム。

・社長という役職はあるが、リーダーという役職はない。リーダーは「何をするか」ではなく「どんな人か」。生き方そのものが問われる。語るべき確かな言葉を持たないリーダーは、理念や社会で果たすべき役割を社員に示せないため、社員が誇りを持てず、その能力を発揮するこたができない。マネジメントはできても、夢を語り、人を巻き込み、引っ張っていく力がない人はリーダーとは違う。

・一所懸命生きていると、良い方向へ導いてくれる良き人との出会いがある。人生の「あみだくじ」の横棒が惹かれていく。そうして段々と人から「ほっとかれない」人間になっていく。

本書に登場する伊奈食品工業の新人研修にならい、百年カレンダーのなかで、「自分の命日」に印を入れてみる。そこから逆算して、どんな物語を作るべきなのか、考えるよい契機になった。

 

 

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