脚本家の旺季志ずかさんから、新刊『誰かのためも大切だけど、そろそろ自分のために生きてもいいんじゃない?』(Gakken)をご恵贈いただきました。帯には「どん底からすべてを手に入れる女の過激な生き方マニュアル」と書いてあります。

志ずかさんがこれまで手がけられた脚本(「佐賀のがばいばあちゃん」「女帝」「屋根裏の恋人」「ストロベリーナイト」などなど)から名セリフを紹介し、そのセリフが生まれた彼女の人生の壮絶な背景、そしてそれに対する人生観がつづられています。

ずっと一匹狼、けもの道独歩系で生きている私には「過激」どころかごく正統派の、まっとうな「生き方マニュアル」だと感じました。でももしかしたら、周囲の顔色をうかがいながら生きざるをえない方々にとっては、「過激」に見えるのかもしれませんね。

私が「過激」だと感動するのは、むしろ志ずかさんの変貌そのものなのです。はじめてお会いしたのは、レジーナ・ロマンティコのトークショウで、ゲストとしていらしていた時だったでしょうか。「脚本家の先生」と紹介され、「先生」と呼ばれるにふさわしい(という表現にも私の偏見があらわれておるな。笑)、落ち着いた印象の方だったのを記憶しています。その後、やはりレジーナのチャリティパーティーでご挨拶した時にはたしか金髪になっており、今はSNSで写真をお見かけするのですが、ピンクの髪です。そして文字通り、背中には翼が生えています。なーんと痛快。なんてかっこいいのでしょうか。そしてついに「吉本坂46」の投票で一位を獲得。面白すぎる!

そんなふうに、「不幸のオンパレード」状態からの苦闘の末に獲得した思考を、ことばで書くだけでなく、そのまま自分の人生で「大逆転ドラマ」として体現している志ずかさんですから、説得力がありすぎる。

女優として最初にもらった仕事が「遺体」の役だったころから、どこにいても圧倒的な存在感を放つ現在にいたるまで。その変貌の過程そのものが興味深いうえ、変貌の鍵を握るのが、「自分の心」に他ならなかったというストーリーは、そのまま「ドラマ化」してほしいくらいです。

 

どきっとするセリフがちりばめられていますが、たとえば、

「人間ってのは、人の不幸が楽しくて、『うちの子どもはバカでバカで』って言ってれば人間関係まる~く収まるのよ」

子どもたちが小さかったころ、ママ友ランチなどではこの「自分の子どものバカ自慢大会」が必ずあって、それに乗ってしまう自分自身に心底げんなりして、ママ友ランチ付き合いをすっぱりやめました。それで情報がこなくなって、子供には大変な思いをさせていたかもしれない。情報根回しできなかったためにPTA会長までやる羽目になりました。がまんして付き合っていれば「子供のために」よかったのかどうか、今もわかりません。

でも、嫉妬をおそれるあまり自己卑下をしたり不幸自慢をしたりするメンタリティってやっぱりずるいし、何よりも自分が気持ち悪くなるよね。

いやなことをがまんしなきゃいけないコミュニティでつくり笑いしなきゃいけないくらいなら、孤独の方がはるかにすがすがしい。

 

 

すみません、話が本から飛んでしまい、つい自分の経験を引き合いにだしたくなってしまいましたが、要は、価値基準を自分に置け(志ずかさんの表現を借りれば「操縦席に座る」)ってことですよね。

 

自分や、自分をとりまく世界に幸福や感謝を十全に感じながら、「心」に嘘をつかない表現や行動を続けていけば、現実そのものも自分の心が思う通りに変わっていくはず、と(志ずかさんは実証済み。翻って自分の哀しい現実を見るにつけ、やはり心のあり方が間違っているのだろうかと頭を抱え込むことしきり……)。

 

パワフルなセリフ。もう一つ。

「笑ってるには力がいるねん。その力つけるんは自分にしかでけへんのやで」

自分自身に力をつけるために、まずは「心」に忠実に自分自身を大切に扱い、メイクアップ&ドレスアップも人目を気にせず楽しんで、翼をつけて(!!)、飛べ。そうすることで他人も社会も幸せになっていく。志ずかさんが身をもって示すメッセージ。ますますの、文字通りのご飛躍を楽しみにしています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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