☆朝日新聞23日付夕刊、スポーツ欄。NY米野球殿堂のジェイ・アイドルソン氏のイチロー評。

「イチローは、この野球殿堂に過去5回も来た。(中略)私が知るどの大リーガーよりも、彼は米国野球の歴史を深く知ろうとしている。彼以外にあれほど熱心に足を運んで、歴史を学ぼうとした人はいない」

「新しいことを学んだり、有名な選手のバットを握ったりしている時のイチローの笑顔や温かさを見れば、彼が歴史を感じていることは簡単に読み取れる。その姿を見るだけでも、とても温かい気持ちになる。一般の人々はここに見学しに来るけれど、彼は何かを吸収しに来ているんだ」

歴史に敬意を評して、そこから学ぼうとしている人の顔には、奥行きとあたたかさがあるのですよね。「教養」ってそういうことかもしれない。知識が断片的にたくさんあるということではなくて、その蓄積が、イマジネーションの力で、領域を超えて、現在・未来のあらゆる言動のはしばしに、おのずと生かされている、というような。

☆同、25日付求人欄、「仕事力」、岩田弘三さんの巻、「出過ぎてごらんなさい」、その4。

「人間は簡単に、自分が属する業界や居心地のいい仲間の価値観に染まります。(中略) 世の中で認められているマジョリティーの一員であることは、心地良い安心感があるでしょう。しかし、それは仕事の力が削がれていくことにもなります。とがった異分子になることが怖くなり、脳のどこかにある『挑戦』意識にふたをすることになりかねないのですね」

「スティーブ・ジョブズが残した、Think Different, Stay Hungry, Stay Foolishという言葉は、どれも異端児であれ、人とは違う道を考え抜けと私を刺激します。それは、ただとっぴであれというのとは異なります。本質を見つめつつ、常識で良しとされるような分別はやめよということではないか。どのようにささやかなことでも、『人の喜び』を自分の頭でオリジナルに追求せずして、仕事の達成はないとも言えます」

リスペクト。こういうことが大事だと声高に「言う」人は、他にもたくさんいるけれど、実際に静かに行動に移している人はどれほどいるのか。がんがん言ってるひとにかぎって、「いいね」をたくさんもらって安心してるみたいな風情が(苦笑)。ときどきはこのような実績の裏付けある言葉での励ましをもらいながら、だれの承認がなくても、群れを離れて、ひとりで淡々と行動に移していった人が生き残る。フィールグッドな言葉こそ、それを反芻することで満足せず、行動して成果を見せていかないと。いいことばっかり得々と唱えてるだけじゃバカ以下。自戒をこめて。

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