アジア圏初の(!) ナジワ・カラームのインタビュー、後半です。

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―――ナジワさんは、日頃常にパパラッチに追われる生活を送っていらっしゃいますが、今回、プライベートでの初来日で、パパラッチを意識しなくてもいい数日間を過ごされていますね。そのギャップは、失礼ながら、どのように感じていらっしゃいますか?

「いい面とよくない面があるわね。いい面は、自由でいられること。良くない面は、いつもつきまとうものがなくて物足りないこと(笑)。私は母国でファンやカメラマンに追いかけられると、彼らからの愛を感じるの。それがないと、ちょっとさびしいわ」

ここで、彼女の親友が少し補足します。ナジワはファンのために、いつ、どのような頻度で、どこに現れると効果的なのかということをよく考えているのだ、と。ファンにとっての「プレザンス・ヴァリュー(存在の価値)」を常に頭に入れて、意識的に行動しているのだそうです。

これはスターの責任感というものを通り越して、もはや愛ですね。ファンからの愛に応える思いやり。それを伝える行動。

―――ここでちょっとナジワさんの恋愛観を聞いてみたいと思います。男性に自分を追いかけさせ続ける秘訣のようなものがあったら教えてください。

「それは男性に聞いてみないとわからないけど(笑)。リレーションシップにおいて大切なものなら、お答えできるわ。男女間にもっとも必要なのは、信頼(trust)ね。お互いに率直で何も隠すものがない(clean and clear)、という透明性から生まれる信頼、そして謙虚さは、リレーションシップに不可欠よ」

謙虚さと透明性。これは仕事で成功をおさめる多くの一流の人々の哲学にも通じるもの。

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(By Courtesy of Najwa )

さらにここから、彼女の幸福論が展開していきます。まったく予想もしていなかったこの展開。途中で、私も、ナジワ自身も、他の同席者も、思わず涙ぐむシーンがあったりもしました。すべてを書いていると非常に長くなりますので、かいつまんでご紹介することをお許しください。

「女性は守られているという安心感が必要。一方、男性は女性を愛したいと思っている。男性は、仕事で成功するために、そしてよりよい人間になるために、愛を必要とするんです。この両者のバランスが大切なの。女性はどんなにキャリアを積もうと、決して男のようになってはいけません。女性は、どんなにリッチになろうと、有名になろうと、地位が高くなろうと、忙しかろうと、常に女性であることを忘れず、女性らしさを保ち続けなくては。女性らしくあること、これがすべての根本になるのです」

「樹は、根っこをしっかりと地中に張ることで、どんなに高くなっても、嵐に負けません。女性らしさは、根っこのようなもの。中身(substance)がきちんとあって、かつ、女性らしさを根本として保ち続けることができれば、どんな障害にも負けない強さを手に入れることができるのです。まずはあなたが主体となって女性らしくいようとすることで、リレーションシップをうまく機能させることができ、ひいては、自分自身を強くすることができるのです」

―――仕事や子育てや社会奉仕に没頭していると、つい「男」になってしまう身には、耳が痛い話です……。女性らしくい続けたいと思っても、仕事とのバランスをとることは、本当に難しいと感じます。どうすればいいのでしょう。

「目覚めること(awakening)ね。自覚すること(awareness)! それがすべて」

まずは女性が女らしさをきちんと自覚して、それを根本として保つこと。愛情を注ぐこと。これこそが、リレーションシップにおける幸福をもたらし、ひいてはそれが仕事上の成功をももたらし、人生全般の幸せを感じられる秘訣である、というこの考え方、というか古くて新しい「智恵」。人類に普遍的な「智恵」としてどの文明にも古くからあった考え方であったと思うのですが、女性の解放が進むうえで、いつのまにか「古い」ものとされてきた。でも、いま、自分自身を含むあらゆるところで進行しているアンハピネスを救うのは、まさにこの「智恵」、そして女性がそこに「目覚める」ことなのではないか。

見ないようにしていた痛いところを直撃され、それこそ目覚めをもたらしてくれたような経験でした。

ナジワの歌やファッションばかりではなく、ニューフェミニズムと呼べそうな哲学も彼女の魅力を構成しており、このようなマインドを持つからこそ、彼女がかくも長きに渡り大スターとして活躍し続けられるのだということが実感できました。

今回、同行した彼女の親友がナジワを表して、「One of a kind」(ほかに代わりがいない)と表現したことが印象的でした。
4.6.6

屋形船のパフォーマンスから得たインスピレーションで、日本とアラブの音楽をミックスしてなにかできないかと真剣に考えているそうです。次回の来日では、ぜひそのような音楽を聴きたい!

さらに、彼女のコミュニケーション手段として、香水があります。もうね、ほんとうによい香りがするんですよ。ナジワの人がら、女らしさを、ことば抜きに、ダイレクトに伝える香り。アラブの香水と、西洋の香水数種類をコンバインして作る、オリジナルな香りだそうです。ご自分の名を冠した香水ブランドを作ることも考えているそうで、こちらも楽しみ。

次の来日を指折り数えない理由はないでしょう?

4.6.7
それにしても今回のきらめくようなご縁には、ただただ感謝するしかありません。ナジワの左は、彼女の親友のビジネスパートナーであるニッケイグローバルの代表、皆見友紀子さん。2月のブガッティのパーティーでお会いしたのが、ご縁の始まりでした。彼女の通訳っぷりがあまりに大胆すぎて面白く、場もわきまえずわははと笑ってしまったのが打ち解けるきっかけでした。だってほんとに面白いんだもん。次回来日時もお会いしましょう、と言っていたのが実現したわけですが、それにしても今回、彼らがまさかこんな大スターを伴っていらっしゃるとは誰が想像できたでしょうか。

ソウルメイト云々の言説を持ちだすとうさんくさくなりますが、しかしほんとうに、スピリットというかソウルとかマインドと呼ばれるようなものを淡々と地道に磨き続けていると、時に、予想もできないような出会いがプレゼントされるものなのですね。目の前の人にフェアでオープンであること、自分の心にも目の前の人にも率直であること、ジャッジせず寛容とユーモアで包み込むこと、こちらがひとつ大きめのギフトを差し上げるつもりで接すること。心がけてきたのはそんなことでしたが、ナジワがまさにその理想型のような人でした。しかも究極の「ザ・ウーマン」!これからは「女性らしくあること」も心がけなくてはね。言葉遣い、心遣い、香水使いも含め、あたたかで愛ある「ウーマン」の余韻を残していくこと。ナジワから学んだことはとても大きい。

 

 

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