近日中にラグジュアリービジネスのウェビナーをすることになり、理論から勉強しなおし。ラグジュアリーをビジネスパーソンに対しても説得力をもって語るには、やはりそれなりのボキャブラリーやデータが必要。いかにこれまで感覚だけで曖昧な話をしてきたのか、叩きのめされる。これからでも遅くない。やらないよりはいい。

 

Adventure is not outside man; it is within. (By George Eliot)

 

読売新聞夕刊連載「スタイルアイコン」。29日付では台湾のIT大臣、オードリー・タンについて書きました。

日本も風通しの良い成熟した社会(いかなる障壁もなく、相応しい人が最適な場所で活躍できる社会)であってほしいという願いをこめて。

 

 

JBpress autograph で新連載「モードと社会」始まりました。

第1回~3回は、「コロナの時代のモード」です。

 

コロナ禍が始まってラグジュアリーブランドがどのように反応したのか、今後、ラグジュアリーの意味はどのように変化していくのかを考えました。写真は、ブルガリのお弁当プロジェクト。

こちらからご覧いただければ幸いです。

 

 

〇文化通信社さんの書店応援企画に参加させていただきました。こちらです。がんばれ本屋さん。

 

“I’ve learned that people will forget what you said, people will forget what you did, but people will never forget how you made them feel.”   (By Maya Angelou)

 

 

 

集英社季刊文芸誌「kotoba」6月5日発売、予約が始まりました。

連載「スポーツとファッション」。第2回は、紳士のスポーツとファッションについて考えてみました。サッカーとラグビー、起源は同じなのに、サッカーシャツがファッションアイテムにならず、ラグビーアイテムのみプレッピースタイルに取り入れられたりしているのはいったいなぜか? 7000字ほどの長めの論考です。

 

 

 

 

マニアックなチョコレートラボ。

SOCORA。住宅街にあるので、ほとんど目立たない。

5粒ほど買ってみたら、なんというか、これまで食べてきた高級系チョコレートのなかでも、おそらく最高レベルの芸術的なチョコレート。

 

これはなにごと。

調べて見たら、社長の西山浩平さんは、ジャン=ポール・エヴァンで修業、ミシュラン2つ星のレフェルヴェソンスでデザート担当、マンダリンオリエンタル東京でスーシェフ、その後独立というとんでもない経歴の方でした。

ビスポーク・チョコレート・ラボ、チョコレートのOEMをうたい、現在、リッツカールトン東京やマンダリンオリエンタル、CITABRIAなどなど、錚々たるお店やホテルとお取引き中とのこと。

そんなチョコレートラボが徒歩圏内にあったとは。知らなかった。コロナ禍のおかげで近所を歩くようになったメリットですね。

ラボで作りたての極上チョコレート、エヴァンより美味しいし、エヴァンより安い。通ってしまいそうでコワい。

 

All you need is love. But a little chocolate now and then doesn’t hurt. (By Charles M. Schulz)

 

23日(土)に掲載された日経新聞連載「モードは語る」です。

 

緊急事態宣言の解除、まずはひと段落ですね。あちこちで営業が再開され、すっかり混雑が戻っています。第二波を警戒しつつ、新しい日常。

 

ファッション系のショップはいきなり春夏もののセールから始まっているようですが、それでは好もしくなかった元のサイクルに逆戻りでは。状況がそれどころではないということも理解するのですが、できれば適切な定価での販売時期をせめて7月いっぱいまで延ばせないものだろうか。価格に対する信頼を、ニューノーマルではぜひ回復してほしいと願います。

 

 

 

 

 

 

ご近所イタリアンGreenhouseのテラス。一時間ほどのランチで片腕だけ日焼け。油断した。

 

 

“Character is power; it makes friends, draws patronage and support and opens the way to wealth, honor and happiness.”  (By John Howe)

 

〇JB press autograph で「モードと社会」という新連載が始まります。最初の3編はコロナ禍にあるモードの話で、特別バージョン。あとは月1回くらいの予定です。公開までしばしお待ちくださいませ。

現在の連載媒体は、「日本経済新聞」「読売新聞」「北日本新聞」「婦人画報.jp」「LEON」「kotoba」です。これにJB press autographが加わり7媒体になりました。どれも手薄にならないよう、気持ちをこめて取り組みます。

 

 

〇国の状況がすさまじすぎてどこからどう怒っていいのかわからない。驚愕のできごとが日々起きている。14世と16世の区別もつかない(おそらく学んだこともない)教養もモラルも良心も責任感も指導力もまったく示すことができないトップの支持率がまだ三分の一くらいあるってどういうこと。未来を担う若い人たちへの影響ははかりしれない。いつも白い服を着てアイメイクぱっちりのお人形さんみたいな大臣の言葉も表情もだんだん本物のお人形さんに近づいている。怖いな、大丈夫かな。

 

 

〇Netflixの「青い海の伝説(Legend of the Blue Sea)」観了。人魚と詐欺師の愛、と聞いてあまり期待しないで見始めたのだが、数百年前の宿縁がからみ、家族のおそろしい陰謀が明らかになるにつれて、中盤以降から一瞬も目が離せない面白さになってくる。ありとあらゆる感情をゆさぶられた。観終ってしばらく感情が疲れて寝込んでしまった。脚本はもとより、ファッションも音楽も俳優もインテリアもロケ地もすばらしい。イ・ミンホほどの美しい男性はいまどきのハリウッドにもいないのではないか。「愛の不時着」のヒョンビンもそうだったが、恋人にはこうあってほしい、という男性像をドラマの中で期待以上に見せてくれる。だからみんなハマるんですね。笑 2016年のドラマ、全20話。韓国の文化力をまた見せつけられた。

 

再起動を始めたところが増えてきましたね。

 

薔薇が最高にきれいな季節です。Have a nice weekend.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

NewsPicks インタビュー第3回(最終回)です。こちら。


日本ブランドが世界でブレークする条件:ココシャネルに学べ。

3回とも、ジャンルを超えて読者が明日への希望を持てるように意識して語っております。よろしかったらぜひお読みになってみてください。

本日の読売新聞夕刊文化欄です。『アパレル全史』もご紹介いただきました。

アパレル業界の暗いニュースが続いていますが、この記事の最後に引用された黒木亮さんのことばを、アパレル業界で働く方々に届けたい。

「アパレル業界は不滅で、人々の暮らしや社会の変化とともに、生々流転を繰り返す」。

出口の先には、揺り戻しが必ずあります。私のような者がこんなことを言うのもおこがましいかぎりですが、どうかみなさま、この時期をなんとか乗り切ってください。

 

“A man may die, nations may rise and fall, but an idea lives on.” (By John F. Kennedy)

NewsPicks 短期連載第2回です。こちら

 

“Comfort and prosperity have never enriched the world as much as adversity has.” (By Billy Graham)

Newspicksから取材を受けました。本日より3日間、記事が連載されます。

ポストコロナ時代のファッションビジネスについて語りました。


こちらでお読みください。会員限定の記事になり、恐縮です。第一回は「『トレンド』のない世界へ」

婦人画報.jp フォーマルウェア連載第7回

今年は、アメリカ文学史に燦然とその名を刻むF・スコット・フィッツジェラルド(1896~1940年)の没後80年に相当します。また、ジャズエイジの輝きと退廃を描き出した彼の代表作『グレート・ギャツビー』(1925年)が出版されてから95年という節目の年でもあります。

このアニバーサリーを祝い、映画化された『華麗なるギャツビー』1974年版、2013年版、それぞれの映画で表現される“喧騒のジャズエイジ”のフォーマルスタイルを読み解いてみました。こちらです。


コロナ禍でフォーマルイベントがなくなっても、フォーマルウェアの連載を続けなくてはならないという試練。とても鍛えられます。

北日本新聞別冊「まんまる」6月号発行です。

 

連載「ファッション歳時記」第105回は、「人との距離をとるためのファッション」です。


物理的距離はとっても、心の距離は密接に。

 

“One sees qualities at a distance and defects at close range.” (By Victor Hugo)

佐藤賢一さんの『黒王妃』が集英社文庫になりました。カトリーヌ・ド・メディシスの凄絶な半生を、彼女の一人称語りを織り交ぜながら描く歴史小説です。

実際のカトリーヌ・ド・メディシスは、現在のファッション誌のコンテンツに多大な影響を及ぼしています。ファッション、香水、ランジェリー、グルメ、スイーツ、テーブルマナー、エンタメ、建築、星占い、そしてハニートラップ。巻末の解説に書き込みました。

読んでみてくださいね。5月20日発売です。アマゾンでは予約受付中。

 

 

〇Men’s EX 5月号映画特集の巻頭に寄稿したエッセイがウェブ版にも掲載されました。こちらです。

Disney 公式Disney DAILY でのプリンセスのドレス分析。第二回目は「美女と野獣」のベルです。もしかしたら会員登録(無料)しないと読めないかもしれませんが、こちらです。

18世紀の実際のコスチューム、アニメ、実写版と比較しつつ、たっぷり語っております。ディズニーロスで寂しい思いをしていらっしゃる方(私か?!)の束の間のお楽しみになれば幸いです。

*追記:こちらから入ると、会員登録しなくても読めるようです。

 コロナが終息したら行きたい旅先というのを妄想します。まずはコモ湖! ドーヴィル! サントリーニ島! などなどきりがありませんが、「ブックカバーチャレンジ」で英国建築家の小尾さんがアップしていたのを見てつい購入した本のおかげで、あらたな妄想候補地がぞろぞろ。イギリス貴族のマナーハウスが20館、カラーとモノクロの美しい写真で紹介されています。見ているだけで目が洗われるようです。今の季節は緑も冴え冴え、薔薇に囲まれた古城のなんとロマンティックなことか……。このうちの5カ所くらいを泊まり歩く旅行というのを計画してみたい。

(現実はいろいろシビアですが、妄想だけなら自由ですから。)

旅行業は終息後、きっと盛り返します。上海のディズニーランドは今日から再開。

長期戦になりましたが、ゴールはそんなに遠くない。時折、息抜きを作りながら、今週も無事に乗り切りたいものです。みなさま、どうぞお健やかにお過ごしください。

“I like nonsense; it wakes up the brain cells.” (By Dr. Seus)

〇ジェンダーフルイドについて、GQ JAPANに寄稿した記事がウェブ版にアップされました。こちら

 

 

〇私はいかなる党派にも属していませんが、検察庁法の改悪案には、反対します。よりによって国民の多くが苦しい思いをしているこのタイミングで、まともな議論もなく、あからさまに身内を守るための姑息なことをやって、政府関係者は、国民にきちんと顔向けして説明できるのでしょうか。法務大臣には、プライドというものがないのでしょうか。日本でどさくさに紛れて法案を通そうとしても、世界中が注視しています。この数年間、不正や虚偽や欺瞞がこんなにも歪んだ形でまかり通る世の中であることをすでに子供たちは目の当たりにし続けており、トップがこういう現状なのに、どうやってまともな倫理教育をしていけるのでしょうか。NY州知事のクオモ氏のポロシャツの胸元につけられる州章をもう一度アップしておきます。アメリカに倣えというわけではありません。この標語が、すべての「公務員」にとって、普遍的な基準となると思うからです。

Performance Integrity Pride  I Work for the People. 「行動 誠実 誇り 私は人々のために働く」。

国会議員のみなさま、どうか党派にかかわらず、良識のある判断をしてください。

 

 

散歩ルート途中にある近所の公園も、初夏の新緑が映えるようになりました。


池の中央の岩がなにやらうごいているように見えました。


亀が甲羅干しをしているところでした。

“Take a walk with a turtle. And behold the world in pause.” (By Bruce Feiler)

一時停止中のプロジェクトも、こんな感じです……。

 


すっかり人間慣れしているハトは、至近距離に行ってもまったく動じません。

 

 

〇コロナ禍のもとの自粛要請の結果、人にリアルで会わない日が続くと、意味をなさなくなってきたものがあります。

ジェルネイル(ペディキュア含む)
まつげエクステ
エステ
ハイヒール
イブニングドレス

とはいえ、人間にとって完全に不要かといえばまったくそういうわけではありません。WWII終結2年後にディオールがニュールックを大ヒットさせたように、終息後しばらくしたらまた復活する要素だとは思います。

 

 

〇Netflixで「母なる証明」。ポン・ジュノ監督。人間の底知れなさを描く重たいミステリーで見ごたえがあった。まさかのどんでん返し。のあとに現れるとんでもない真実。しばらくあとを引きそうな奥深さ。

 

 

Men’s EX 6月号7月号合併号発売です。

避暑地特集にて、エッセイ「古今東西に通ずる避暑文化とは」を寄稿しました。


避暑どころではない現状ではありますが、脳内に少しでも避暑地の風を感じていただければ幸いです。早乙女道春さんのさわやかでダイナミックなイラストとともにお楽しみください。

 

 

Netflixの「梨泰院クラス」観了。ストーリー、音楽、ファッション、キャラクター造型、俳優の魅力、どれをとってもすばらしく、一週間ワクワクさせていただきました。多様性社会、復讐物語、青春群像物語、ラブストーリー、と多くの見方ができますが、とりわけラブストーリーとして見ると、従来の定型を破るZ世代的な新パターンなのでは。まさかの、でも当然の大逆転の展開には、感動ひとしおでした。パク・セロイの強さにも勇気づけられますが、賢く愛を貫くチョ・イソのかっこよさったらない。”No matter who my opponent was, I eventually won.  So, I’m not giving up.”

 あっという間に読み終えられる分量ですが、まさに今世界中の人が経験している状況と心情を、美しく力強い言葉で書き留めています。パオロ・ジョルダーノの『コロナの時代の僕ら』。

思えば森林火災は人類に対する地球からの最後の警告だったのですね。どんなに警告されても環境破壊をやめない、利益追求のためならどこどこまでも搾取を続ける人類への。行き場をなくしたウィルスが、人類を襲ってきた。

コロナ禍がおさまっても、「もとの世界」に戻してはいけないものがたくさんあります。パオロ・ジョルダーノに倣って、「戻したくないもの」を書き留めておきたくなりました。今、現在感じている、まったくの個人的見解です。

<ラグジュアリーファッション、モードに関して>

・すでにサンローランがコレクションを脱会すると発表しましたが、年4回もファッションショーをするというのはやりすぎ。膨張しすぎ。ただ、ライブでショーを見る喜びや感激というのは確かにあるので、年1~2回でいい。

・6月にすでに夏物セールというのは異常。8月にはすでに夏物がなく、秋冬のコートが並んでいるという事態は業界の都合でしかない。それで「服が売れない」とか、あたりまえだ。実需要があるときにきちんと季節に応じた商品を販売するというまともなシステムを作るべき。

・同じようなものをそもそも作り過ぎていた。結局、予想通り売れ残って大量廃棄。こういうやり方も戻さなくていい。ついでに「トレンド予測」は意味不明。たんに「たくさん市場に出ていて、供給側が売りたいもの」が紹介されていた。

・新商品お披露目会に本業不明なインスタグラマーを多数招き、彼ら・彼女らにきれいな写真を撮ってもらってアップし、宣伝してもらうという空疎なシステムも戻らなくていい。いっせいに同じパーティー風景、同じ商品がずらずらと並ぶ気持ち悪さったらなかった。PRとしては、逆効果でしかなかったと思う。戻さなくていい。

・各メディアの編集長を、遠いところまで旅行させ、さんざん接待して記事を書いてもらうというPRのやり方は、もう舞台裏が透けて見えるので、戻さなくていい。

・ラグジュアリーブランディングとは、どれだけ派手に資本を投下してPRをするか、という問題になっていた。これは戻さなくていい。

 

とはいえ、なんだかんだといって終息後2年ほどすれば、さらに巨大化した(中小が絶滅して巨大資本に守られるブランドのみがいっそう巨大化して生き残るのは目に見えている)ラグジュアリーブランドが、コロナ前と同じようなことをやっていく未来も可能性としてうっすら想像できてしまうのが空恐ろしいです。

 

緊急事態が5月末まで延びることになり、がっくり落胆どころか、ぷつんと気持ちが切れてしまった方も少なくないと思われます。NYのクオモ知事のように、毎日、明確な数値を出し、自分たちがいまどの段階にいて、どこを目指しているのか、そのグランドデザインのようなものを明瞭なファクトベースで示せないものなのか。これ以上、どの地点を目指してどう頑張れというのか。ニュージーランドのアーダーン首相、ドイツのメルケル首相、台湾の蔡英文首相など、思いやりと際立った決断力を両立させるリーダーの手腕が伝わってくるからこそいっそう、日本の行政の冷酷な無責任ぶりと意味不明な迷走ぶりにやるせなくなる。

何も貢献できない自分の立場ももどかしいですが、せめてこの時期にあぶり出された諸々を「忘れない」ために書き留めておくことは、文筆に携わる仕事をする人間に課せられた義務のようにも思えてきます。

 

 

 

 

 

Day 7 は最後なので、「バトン、どうしよう」。今は不寛容がひろがっているようで、決して何かをひけらかすつもりはないのですが、万一、自慢くさく不快に聞こえたら適当にスルーしてくださいね。答えが出ていないつぶやきです。

ご縁あって、日本に入ってきて4代の方々に受け継がれてきた英文学の初版本などを「お預かり」しています。「トマス・ハーディ全集」1902年刊、「エドガー・アラン・ポー全集」1904年刊、17世紀に書かれたサミュエル・ピープスの日記復刻版、そして「台湾誌」1704年刊などなど……。100年以上、ときに300年以上、受け継がれてきたこうした本たちの背表紙(今でいう「表紙」には何も描かれていない)に囲まれていると、「ニューノーマル」となる時代に、この伝統のバトンをどうやって次の世代へ引き渡していけばよいのか、考えこんでしまいます。

ニューノーマルの時代には、英文学のみならず、あらゆる伝統的なジャンルにこそ「意味のイノベーション」が必要になりそうですね。タコつぼ的な研究ではなく、内輪だけでわかりあっているマニアックな話ではなく、もっと多くの人の心のどまんなかに届くように、新しい時代にも必要とされる価値や意味付けを、何らかの形で与えなくてはならないのではないか。

受け継いだバトンっていろんなことを考えさせられますね。
ブックカバーリレーのバトンをお渡しくださった干場弓子さん、丸川夏央留さん、神山敦行さん、穂積和夫さん、そして神足裕司さん、ありがとうございました

ファッション関連の本は、分類をはじめると「千夜一夜物語」になるので控えました。

 

Day 6 です。そろそろ飽きた……というタイミングかと思われますので、適当にスルーしてくださいね。本日のテーマは「見立ての快楽」です。

一時期、「荒俣宏」になりたくて文体模写までしていたことがありました。「マグナカルタ」の連載は、「荒俣宏だったらダンディズムをどう書くか?」と想像しながら書いたもので、文体は「帯をとくフクスケ」風です。

いったいどこから集めてきたのかというほどの圧倒的な量の資料を積み重ね、一見、何の関係のなさそうなものをとんでもない「見立て」の能力で連携させていき、最後は予想もしなかった結論に跳躍する、という独特の快感を与える荒俣論法。最後の最後にすっとぼけた感じで笑わせるのも「すぐれた論理を披露してしまったことへの恥じらい」みたいなものを感じさせて最高です。

選んだ4冊はそれぞれテイストも内容も異なりますが、企業研究をしたい学生さんには「広告図像の伝説」をお勧め。森永のエンゼルマーク、グリコの万歳マーク、カルピスのあのマーク、キリンのマーク、はたまた三越のライオンなどなど、おなじみの大企業のロゴやシンボルがいかにしてできあがったのか、企業理念や企業の歴史が「絵」とともに鮮やかに記憶されます。

「エロトポリス」は「スーツの神話」を書くときに多大なインスピレーションを与えてくれた本。

荒俣宏の高みにはまだまだ遠いですが、目指す高峰があるというのはありがたいことですね。

みなさま、どうぞよい週末をお過ごしください。

#BookCoverChallenge
#Day6
#FourBooksforFourBatons
#StaySafeStayHealthy

Day 5 のテーマは、「恋愛の技法」。

これを読んで実践したらモテる、というハウツーものではありません。また、現実にモテてモテて困るほどの方は本など読むヒマも必要もなかろうと思われます。

古代ローマの社会事情を反映する恋愛事情、
中世・近世の文学者たちのラブレターの解説、
19世紀末から20世紀にかけての「フラート」(恋愛の戯れごと)のマナーとタブーの歴史、
そして結婚せず愛人となった古今の有名女性124人のエピソード集です。

全部読むとさすがにぐったり、げんなり、お腹いっぱいになりますが、丁寧に人やことばを掘り下げているだけあって、どれひとつとして「同じような話」はないんですよね。人の数だけ恋愛の形は存在し、単一の「法則」などありえないのだということを思い知らされます。また、人間はこの分野ではそれほど進化しないらしいということも。

コロナ禍のもとでは、会いたい人にもなかなか会えず、苦しい思いをしていらっしゃる方もいるかもしれません。「恋愛書簡」の中条省平さんによれば、相手の不在あってこそ恋愛書簡という貴重な文学が生まれたとのこと。相手の不在にどのような心の変化が起きるのか、「鏡」として読んでみるのも面白いかもしれません。

外の現実に目を向けると不安や辛さや焦りに押しつぶされそうになるコロナ禍ですが、一日のうちの少しの時間でも、心を潤すことができますように。

#BookCoverChallenge
#Day5

#FourBooksforFourBatons

#連休もなく働き続ける医療関係の方々に感謝します