日曜12時からジョン・ローレンス・サリヴァンのショー。大勢の人、人、人。バブル期に人気を博したブランドというイメージもありましたが、今また盛り返しているようです。テーマはポスト・パンク&クール・ウェイブといった音楽を含むカルチャーを背景とするファッション。

定番アイテムをオーバーサイズにすることで挑発。


どこか破壊された服なんだけど、きれいな印象。これが「ポスト・パンク」?


レディス?が何気なく混じっている。写真ではわからないのですが、胸元はニプルまで見せています。


クールウェイブ?


ボディに響く音楽との相乗効果で、なんともしびれるショーでした。最後にちらっと出てきたサリバンは歓声と喝采を浴び、熱気のなかに終了。

 

ランチは会場から歩いて数分のサヴォイホテルの中にあるサヴォイ・グリルで。

日曜なのでサンデーローストがおすすめ、というわけでローストビーフをいただきました。コーディネーターYumiさんによれば、ゴードン・ラムジーが関わるようになってからこのレストランも格段においしくなったとのことです。

またしてもボリュームに泣きそうになりましたが、向こうのテーブルに座っている父子に癒されました。プチ紳士といった風情の坊や、しっかり気取って紳士の振る舞いをしていたのがなんともかわいかった。

サヴォイホテルのサービスも雰囲気もさすがにすばらしい。次の機会があればぜひこんなホテルでゆっくり過ごしてみたいものです……。

日曜。ホワイトオムレツに懲りたので、朝食はイングリッシュブレックファストにしてみました。これで一人分…。小食なのですべて少量でお願いしますといってこの分量。マッシュルームが巨大すぎて怖い。甘いペストリーが山盛りに(トーストを選ばなかったためではありますが)。ベリーミックスにも焼き物のプレートにもエディブルフラワー(食べられる花)が散らしてある。贅沢な不満だとはわかっているのですが、この巨大な量、むだなおしゃれ演出に、そろそろ泣きたくなってきました……。

さて、気をとり直して朝11時スタートだったはずのアストリッド・アンダーソンのショーに行こうとしたら、直前にスケジュール変更があり、10時にスタートしており、見逃してしまう羽目に。

さらに気を取り直し、ロンドンのキングズカレッジ内で行われていたDanshanのインスタレーションに。ぷちぷちで作られたトラウザーズが目をひく。


でもこれだけ!?

不完全燃焼感が残り、隣接するコートールド・インスティテュートで、印象派展を開催していたので、こちらで気持ちを持ちなおすことにする。ファッション展がしばしばおこなわれている館内でもあるので、それを見ておくためにも、というわけで。


麗しき天井画。

ピアノのふたにもアート。


天井画、シャンデリア、宗教画、暖炉、カーペットというのは、この種の「カルチュア&ヒストリー」の迫力で威圧するための必須アイテムと見えました。


館内のカフェから眺める広々とした中庭。ここでもしばしばファッションショーが行われるそうです。メイン会場の隣とは信じられないほどのゆったりとした時間が流れていて、休憩中のファッションジャーナリストやブロガーらがコーヒーを飲みながら談笑している。イギリスでは紅茶、というのは昔のステレオタイプ。時間が止まってほしいくらいの平和で豊かな光景。

フォートナム&メイソン、セリフリッジ百貨店についても最新のディスプレイを見ておかねば。というわけで駆け足で訪問。

店舗内のディスプレイは、とてもわかりやすく、眺めているだけでも楽しいミュージアムのようになっていました。


フォートナムメイソンの入り口では、トップハットのドアマンがいい味だしています。日頃はとなりのおじさんのような装いなのだと思います。お仕事のためのコスプレ。

セルフリッジ百貨店入口にて。入っていきなり広々とした香水売り場で、文字通りむせ返りそうな匂いに迎えられます。入口に香水売り場があるのは、においを外に逃がしやすくするためだそうです。日頃はブティックでしかお目にかかれない、各ブランドのエクスクルーシブラインがすべてそろっているのもセルフリッジならでは。すべて3万円超えクラスの香水。またとないチャンスなのでいろいろ試香してしばし夢の時間を過ごしてしまいました。

靴売り場が顕著でしたが、こちらもミュージアムのように商品を並べており、一点一点、デザイナーの作品を比べていくのは、まさに美術館体験と似ているように感じました。


ヌーディストのサイクリストたち。文字通りフルヌードで自転車に乗っている人もいるんですよ。驚愕でした。一瞬で走り去っていくので、不快なものを見たという気はせず、眺める人たちも寛容な笑顔で。

メンズファッションウィーク期間は、メイン会場だけなくロンドン全体がお祭りを盛り上げる。メンズの聖地、ジャーミンストリートでも道路でファッションショーをしたり、特別なインスタレーションをおこなったりしています。



ジャーミンストリートの守り神といえばこの方。ボー・ブランメルさま。


ルー・ダルトンの店では、ショーウィンドウに生身のモデルが入り、動いたりおしゃべりしたりしながら最新コレクションをアピール。ルー・ダルトンは女性のクリエイティブディレクターです。モデルはみなつるんとして「かわいい」印象の男の子たち。


写真を撮る人、撮られる人があちこちにいて、地味な賑わい感。


ターンブル&アッサーは長く続いた外壁の修復もようやく終わり、少しリフレッシュされた外観。


おなじみのブランドの「本店」「ジャーミンストリート店」というのはやはり心ときめくものですね。


連日、快晴に恵まれています。スーツでやや汗ばむくらいの暑さ。


ジャーミンストリートから少し外れたところには、ロック帽子店が。「キングスマン」にも登場した、世界最古の帽子店です。



大きな古時計と並ぶ、クラシックな帽子の数々。そして美しい帽子ケース。


上階は女性用の帽子やファシネーターが並びます。ロイヤルアスコットも近いので、帽子を売るには最適なシーズンですね。

試着しているうちに、明日夜のイベント用に最適なハットと遭遇。買ってしまいました。
六角形の素敵なハットボックスに入れていただきました。しかしこれはさすがに日本に持って帰れないので、箱はコーディネーターのYumiさんに引き取ってもらい(収納ケースとしても使え、お部屋のアクセントになるそうです)、帽子はかぶって帰ることに。帽子はかぶりなれないと「じゃま」と感じることも多いのですが、それにゆえにたぶん、帽子とのつきあい方を学ぶよい機会。

11日。Me Londonの朝食、モーニングのメニューに「ホワイトオムレツ」というのがあったので、どんなだろうと思って頼んでみた。クリームソースでもかかっているのかと想像していたら、なんと、卵の白身だけを使ったオムレツだった。見た目はおしゃれすぎるほどなのですが、ありえない味でした。


すべてにおいておしゃれすぎる、というのもやや疲れるものですね……。ホテルに入ると、ホテル自慢のオリジナルのアロマが迎えてくれるのですが、これも狙いすぎの最先端で、疲れて帰ってくるとややついていけない感に襲われます。ホテルのホスピタリティも実に多様。よい経験をさせていただいています。

気をとりなおし、ホテルから歩いて3分の、ロンドンファッションウィークメン、メイン会場へ。

このスーツもアトリエサルトの廣川さん作。今回の出張のために、前回の型紙を使って、途中のフィッティングを省いて超特急で作ってもらいました…。廣川さん、ありがとうございました。

フロントロウに座ってファッションショーに参加するには、やはり空気をぶち壊しにするわけにはいかず、それなりの配慮が必要なのですね。

まずはE. Tautzのショー。
こんな打ちっぱなし風のショー会場。



少しゆるい空気感をただよわせるテーラードを中心に。ハイウエストで、ややオーバーサイズ気味の太めのラインが特徴。


クリエイティブディレクターのパトリック・グラントが、最後にちらっと登場。喝采を浴びていました。デザイナーというよりもむしろマーケッターという印象。E. Tautzを立て直した敏腕”ビジネスマン”としてBBCに特集されたこともあるそうです。

会場には熱烈なグラントのファンが詰めかけていました。ひときわ目をひくイケメンさんがいるなあと思ったら、モデルのデイヴィッド・ギャンディでした。LFWM(London Fashion Week Men’s)のアンバサダーもつとめるスーパーモデル。あちこちで記念撮影に応じていました。

サンダーバ―ドから飛び出してきたようで、あまりにも美しすぎてリアリティがない。笑。

ファッションウィークでは、日頃メディアでしか見かけない有名人が何気なく混じっているのも面白いですね。

10日、午後7時でまだ明るい。一日が長いとなかなか仕事も終われない。かなり体力もきつかったのですが、ソーホー地区に新しくオープンしたRag & Boneのパーティーへ。

店内はラグ&ボーン的なファッションの男女でひしめく。

テラスの壁には一面に骨の絵。

道路にあふれるゲスト。

ストリートファッションに関しては、一時、ソーホーの勢いが減じていたのですが、最近、再び盛り返しているそうです。キティスカートの男子も、何でもないようにしっくりと風景に溶けこんでいます。


午後8時過ぎでもまだ明るく、パブでは人が外で立ち飲み。


今回の取材、ロンドン編は、ロンドン在住のYumi Hasegawaさんにお願いしました。きめ細かにアレンジしていただき、ありがとうございます。


帰途、9時半ごろでようやくこのくらいの暗さになる。夜のロンドンも照明が美しく、ムード満点です。


 

その後、いよいよダイアナ妃展へ。詳細に関しては、後日、活字媒体で書きますので、こちらではさらっとね。



社交界デビューに際し、ハロッズで買ったというドレスからスタート。



学芸員のマシュー・ストーリー氏の解説のもと、ダイアナ妃が社交界デビューから晩年にいたるまでに着たドレスやスーツ、それぞれにまつわるエピソード、デザイナーと結んだ関係、およぼした社会的な影響を学んでいきました。

これまでにかなりダイアナのファッションについては書いたり話したりもしてきたのですが、それでも新たに発見したことが多々。




写真で何度も見て、よく知っていたはずのドレスであっても、細部の工夫のすばらしさはやはり、肉眼で見ると初めて心に迫ってくるものなのですね。

それにしても背の高い方だったのだわ。

原稿はどこから何を書くべきか……。字数制限のあるものを、いざ書いてしまうと、「書けなかったこと」がどうしても出てくるのです。それが気になるとなかなか仕上がらなかったりするのですが、最後には、割愛分もまた書かれたことの厚みにつながると自分を無理やり納得させるしかないのですね。

10日、夕方はケンジントン宮殿へ。ダイアナ妃展が目的ですが、その前に、宮殿内を見学。広大な庭園でくつろぐ人々がけっこう多くて、公園と勘違いしそうなのですが、ここは「パーク」ではなく「ガーデン」。あくまでも、宮殿内の「庭」なのです。




柳のように下に垂れさがる大木。夜に遭遇したらかなりコワそう。


ケンジントン宮殿とは、1689年以来、イギリス王室の王や女王らの住まいとなってきた「ステート・アパートメンツ」です。ジョージ2世とキャロライン王妃、メアリ2世、ヴィクトリア女王、ダイアナ妃らがこの「アパートメンツ」のなかで過ごしました。


天井も壁も、隙間なく美術で埋め尽くされております。



窓から見えるガーデン内の白い像はヴィクトリア女王。その先には広大な池が。


18世紀、ロココスタイルの宮廷衣装も展示されています。間近で見ると、ぎっしりと宝石や刺繍がぬいつけられていることがわかります。壮麗というか、これはまさしく権力を見せつけるための衣装だったのですね……と理解できる。かなりの重さだったことがうかがわれます。



こんな豪華なタペストリーも。保存状態がかなりよい。


ハイテンションの勢いで、「女王の椅子」というのに座ってみました。笑


シャフハウゼンのときも感じましたが、ヨーロッパの曇って3G的というか、厚みがある。

10日、エドワード クラッチリーのショウ。場所はバービカン、シャフツベリープレイス、アイアンモンガーホール。


歴史的価値のある建物で、どんなショウが行われるのか、かなり期待が募ります。


時間、国、ジェンダー、肌の色、文化、全てを越境して紡ぐ、最高級素材を使った斬新なルックが続々登場。


バックステージに紛れこんで話を聞きました。次世代の鬼才ですね。



配られたメモから。”The irrelevance of gender; the relevance of sex.  Prog-rock Mediaeval rivivalism.  The role of Wakashu in Edo-era Japan. Poetry, not romance.”

荒唐無稽に見えますが、すべては一点ものの、彼のために特別に作られたテキスタイルから作られています。間近で見ると、リッチで豪華なのです。

マックイーンやガリアーノを生んだ、これがロンドンの底力。

ダイアナ妃関連の取材。パーソナルデザイナーとしてダイアナ妃のドレスを作っていたアイルランド人デザイナー、ポール コステロ氏にインタビューしました。

こちらが日本人だからこそ初めて語ってくれた、アイルランド人の目から見たダイアナ妃像。日本人ジャーナリストとしてのこの話題でのインタビューは初めてとのことで、記念にさらさらとデザイン画まで描いてプレゼントしてくださいました。貴重なお話の数々、必ずよい形で世に伝えます。

 

 

オフィスの前。立っているのは、息子さんでPRのロバート。

実はポールは現在、復興支援として釜石とコラボレートしてアクセサリーも作っています。


ケースの上に彫られているのは、アイルランドの「愛」の象徴。

 

詳しくは後日、活字で。

今年の誕生日はロンドンで迎えることになりました。

たまたまイギリスの総選挙の日とも重なり、テレビのインタビュークルーなども町の中にちらほら見かけます。

今回の訪英の目的は、ロンドンメンズファッションウィークの取材と、ダイアナ妃展関連の取材です。インタビュー、ショウ、展示会、イベント、パーティーなどの予定がぎっしり詰まっています。

(ホテルにはすでに大量のインビテーションが届いていました)

到着してすぐ、瞬間で着替えてイベント2件のはしごから。


コベントガーデンにあるBeastにて、グローブトロッターのパーティー。


グルーミンググッズや香水なども扱われていて、今どきのセレクトショップという感じでした。グローブトロッターのデザイナー、シャーロット・セドンと久々に会い、喜びあって記念写真。
テロへの警戒も高まっているロンドンですが、「できるだけいつも通りに日常生活を過ごすことこそが、テロリストへの最高の復讐」だそうです(グローブトロッター社長談)。平常を保つということ。Keep Calm and Carry On. これにはやはり強い心と意志が必要ですね。私にしても、「何も今、行かなくてもいいのではないか?」と心配してくれる家族の言葉に後ろ髪をひかれる思いでしたが、どこにいても多かれ少なかれ危険はあります。恐れすぎず、楽観しすぎることもせず、いただいた仕事のチャンスがあれば謹んで応えていくのが務めかなという思いです。

二軒めは、ロンドンメンズコレクション5周年を祝うパーティー。とあるジェントルマンズクラブ風の建物のなかで行われていました。

写真は遠慮して撮らなかったのですが、とりわけグルーミングにおいてスタイリッシュな方々がひしめいていて、やはり同じ国の人でも場所によって「人種」(誤解を生みそうな表現かもしれませんが、肌の色による人種分けや社会階級分けとは違う、装いに対する意識が生む見かけの違いという程度の意味です)が全く違うということをあらためて実感。

建物自体も一室、一室、とても凝ったインテリアで、トイレの中にもクラシックな本がぎっしり飾られていました。

インドにかかわるモチーフが集められていた、赤が印象的な部屋で、誕生日の記念写真。着ているのはTae Ashidaです。

向かい側にはパブ。木曜の夜にパブに集う人々。夜9時過ぎでも明るいですが、夜は肌寒く、コートを着ている人も。


今回の滞在はコベントガーデンにあるME Londonという5つ星ホテルです。進化形スタイリッシュ&グローバルなモダニズムを意識した、おしゃれ(すぎる)ホテルで、広々としたクイーンサイズのベッドをおく最先端テクノロジーを搭載した部屋には身体が全部入る長さと深さのバスタブもついており、水回りも快適で、移動の疲れも癒せました。ただ、一人で使うのが相当もったいない……。

 

北朝鮮のミサイルが今朝もまた発射されました。情勢がいっそう緊迫していることを感じますが、直接、私が交渉に行けるわけでもなければ抗議行動をしてどうなる相手でもない。外交・防衛を担うプロフェッショナルの方々に最悪の事態を防いでほしいと希望を託しつつ、Keep Calm and Carry On.  恐れてばかりいても何もならず、避難といってもどこにどんな危険が飛んでくるのか全く読めない状態。知人のなかにはすぐに上海に飛べるような用意をしているという方もいますが、私は海外に頼れる知人がいるわけでもないし、家族をおいていきたくもない。こんな時の最善の過ごし方は、日常の業務をいつも以上に丁寧に務め、会う人に笑顔を向けていくこと、という気がしています。たとえ能天気に見えようと、とりあえずは淡々といつも通りの日々を過ごすこと。不安のなかでこそ意識的にこのように心がける一日の終わりと、その翌日の始まりが平穏だと、心から感謝したくなります。本当に大切で必要なものとそうでないものがはっきりとわかってくるのも、実は「今日を生きることができた奇跡」を実感するこんな時だったりしますよね。

さて、少し時間が経ってしまいましたが、せっかくの貴重な機会をいただきましたので、シャフハウゼンDay 3 のその2、写真と個人的な印象を中心に、記録だけ残しておきます。

Gerberstubeでのランチを済ませたあとは、再びIWC本社へ。

CMO(マーケティング最高責任者)のフランチェスカ・グゼルとの会談です。マーケティングのプロフェッショナルとしてチョコレートの「リンツ」でも働いた後、引き抜かれてIWCに来た女性です。今回の同行者のなかにマーケティングのプロが二人もいた(竹尾さんと武井さん)ことで、とりわけ質疑のときにはきわめてハイコンテクストな会話が交わされていました。

私が深く共感を覚えたのは、男性社会において女性が最高責任者としてリーダーシップを発揮するための条件の話になったときです。振り返ってみれば私も同じことを感じていたし、他の同行メンバーも大きくうなずいていたので、スイスも日本も変わらないのだなと思いました。これについてはまた別の媒体で機会をあらためて書きます。

(左から谷本有香さん、中塚翠涛さん、フランチェスカ・グゼルさん、中野、武井涼子さん、竹尾純子さん)

少し休憩をはさんだあと、いよいよ「シャフハウゼン会議」。フォーブス副編集長の谷本有香さんの司会のもと、今回、シャフハウゼンであらゆる角度から時計文化に接した4人が、「時」「プロフェッショナリズム」「美」「これからの時代に求められる価値」などをテーマに議論を交わします。詳細はフォーブス7月号に掲載されますのでここでは書けませんが、それぞれの分野を極めた結果、越境して仕事をすることになった4人の見方は各自においては一貫しているものの、互いにまったく違うもので、非常にエキサイティングでした。

まだまだ語り足りない状態でしたが、時間がきてしまい、続きは後に、移動の車の中や食事の時などに交わされることになります(笑)。実際、今回のメンバーがとてもユニークだなと思ったのは、表層的な世間話がまったくなかったことと、女子会的な同意のノリ(「そうよね~」「わかるわかる」)が皆無だったこと。いきなり「本題」的な話が始まり、「いやそれは違う」から次の議論へ続きます。それぞれの人格と貴重な時間を尊重するからこそ、そうなるんですよね。意見に違いがあるからこそ、面白い。相手の人格を尊重し、信頼するからこそ、「違う」と言える。唯一の人格から出てきた、かけがえのない他人の「違う意見」と、同じように唯一の人格から生まれた「自分の意見」を、どのように掛け合わせ、昇華させていくか。その醍醐味を知るからこその深い会話が、なんとも楽しかったのです。


(自由時間はほとんどないに等しかったのですが、熱い会議のあと、少しだけ町に出てビールを一杯、のセルフィ―)

レストランやカフェは道路までテーブルを出し、こんな光景がちらほらと。平和で穏やかな時間が流れていることの、ありがたき幸せを実感します。

 

 

 

 

 

3日目の朝の第一部は、IWC本社前で誌面用の撮影の後、
シャウハウゼンの町ツアーから。

ガイドさんに付きしたがって、街を歩きます。
修道院の庭。


修道院だった建物の天井の梁にはとげとげがびっしり。鳩除けだそうです。


水量の多いライン川が交通機関として機能し、商業が発達して、また傭兵も多かった地域。その名残が随所に見られました。
噴水の上には傭兵の銅像。


延々と坂を上り、要塞に向かいます。


中はこんな感じの空洞。敵が攻めてきたらこの中に避難するんですね。


ひんやりした石造りの空洞は声の響きもよく、ここでオペラ歌手でもある涼子さんがワンフレーズ歌ってくれました!

屋上には砲台もありました。屋上から見渡す町の、統一感があって美しいことときたら。

翠涛さん、有香さんと屋上でセルフィ―。

町に降りて、ほぼ休む間もなく、クリエイティブディレクター、クリスチャン・クヌープによるDa Vinciのデザインに関するプレゼンテーションを聞きます。

美しさは論理的に作り上げることができるというその明快な議論に衝撃を受けました。こちらも、詳しくは別の媒体で書きたいと思います。

 

本社近くのイタリアンレストラン、Gerberstube でランチ。ピンクの壁、天井の彫刻、大きな時計、鐘など、インテリアがすばらしかったです。お料理はシンプルで力強いイタリアン。

 

午後のプログラムに向けて、再びIWC本社へ。

2日目の最後のアクティビティは、実際に機械式時計を分解し、組み立ててみるという体験。

一切のほこりが入らないよう、白衣を着用し、靴にもカバーをかけて、専用の部屋に入ります。机も特注で、高め。こうするとルーペをつけて時計を見た時に、ちょうど作業がしやすい姿勢になります。

機械式時計はぜんまいばねと歯車で動きます。これが複雑にかみあい、さらに何層にも重ねられていく。膨大な数の数の、しかもひとつひとつ違いのある小さな部品を、人間が削り出し、磨き、人間が手で組み立てているのですね。

 

くしゃみでもすれば吹き飛んでいきそうな細かすぎるねじなど。専用のねじ回しの使い方も教えていただきます。

部品の精密さもさることながら、それらの部品を作ったり磨いたりするための道具もすべて開発されているんですよね。気の遠くなるような叡智の結晶だと感じます。

レクチャーしてもらい、いったん分解した後、その逆の手順で組み立てていきます。不思議なもので、コツがわかると面白くなってきて、もっとやりたくなってしまいます。隣では現役の時計師が見守り、戸惑ったり間違ったりすると、さりげなくやり方を教えてくれます。


全員、無事に修了証書をいただきました! 本当に楽しかった。でもこの作業を朝から夕方までやれと言われると眩暈がしそうになりますが。

みっちり充実したプログラムをすべて終了したあと、ようやくディナー。


Sommerlustという、庭園の美しいレストランです。夕陽を浴びる庭をながめながらのすばらしいお料理を楽しみました。

スイスの夏の夜。ゆったりと豊かな時が流れています。

 

クルト・クラウス氏とのランチのあと、IWC本社に併設されているミュージアムへ。


IWCの歴史が、豊富な資料とともに時の流れに沿ってわかりやすく展示されています。IWCのホームページにも概要がありますので、ぜひご覧になってみてください。

案内をしてくださったのは、キュレーターのデイヴィッド・セイファー。左は、IWCジャパンの広報、南出留理さんです。今回の旅のコーディネートすべてをおこなってくださった、とても感情細やかで聡明な女性です。IWCにはもう7年目とのこと。IWC愛がとても深く、私たちにもその愛はことあるごとに伝わってきました。

素人写真ではなかなか迫力が伝わらないのですが、当時の広告と並べて展示される貴重な時計は、一点一点が重厚な存在感を放っています。

「アクアタイマー」のコレクションでは「2000メートルまで潜ることができる」ことが謳われているのですが、肝心の人間は2000メートルまで潜ることができない。笑。そこにこそ時計のロマンがあるのですね。


父から子へと伝えられていく時計。時の流れを継承する、という意味でも。

その後、本社の会議室へ移動。Da Vinciコレクションを含む、IWCのすべてのコレクションを、すべて直接手に取って眺め、時には実際に着けてみます。

(このたび発売された、Da Vinciコレクション。IWCのホームページより)

 

これだけたくさんの時計に触れていると、自分が好きな時計というのが、ほぼどのタイプかわかってくるんですね。歴史家の目で見ると、だんぜん男性用の複雑時計がすばらしいと思うのですが、実際に着けてみると、サイズも雰囲気もまったく似合わないことがわかります。

全員が「似合う」と言ってくれたのが、ダイヤモンドがケースにセットされた36ミリ女性用のポートフィノ。自分でもきらきらがついているとしっくりくるのがわかります。笑

 

 

ライン川の滝の間の崖の中にしつらえられたエレベータ―に乗り、頂までのぼると、なんとも瀟洒なレストランが現れます。

 

「シュロス・ローフェン」。

快晴で風も心地よいので、外のテーブルでランチをとることになりました。

伝説の時計師、クルト・クラウスとのランチです。クルトさんは現在82歳ですが、IWCの旧開発部門トップでした。あの「永久カレンダー」の実現に成功した方で、クオーツ革命の打撃を受けていた時計業界を救っただけでなく、その後の徳のあふれる行動もあいまって、世界中の時計関係者から尊敬されている時計史におけるレジェンドなのです。

インタビューの内容についてはフォーブズ誌に掲載される予定です。また、それとは別に、私なりの視点からもこのレジェンドについて機会をあらためて書こうと思います。しばしお待ちくださいませ。(「まんまる」次号に書きました。)

謙虚で気取りなく、質問を真摯に聞いて、よく考えてから的確な答えをくださる頭のよい方で、その場にいた全員はクルト・クラウスの大ファンになりました。

その後、車に乗って再びIWCの本社へ向かいます。午後もみっちり時計の世界を多角的な視点から学ぶことが予定されております…。(その3に続く)

 

#IWC × Forbes Japan “Code of Me”

 

 

鳥の鳴き声で目覚め、ライン川を眺めながらの朝ごはん。

昨夜かつてないほどのボリュームのシャリアピンステーキをいただいたはずでしたが、ブッフェ形式で用意されたすべてのメニューが最高でした。とりわけ、半熟卵をお願いしたら、こんなかわいいウォーマーのなかに入れられてサーブされました。

午前中はまずIWCの本社へ。
本社前で記念写真。

今回の旅のメンバー。左から、マーケティングのプロフェッショナルにして二期会オペラ歌手の武井涼子さん、書家の中塚翠涛さん、中野、円谷プロダクション取締役の竹尾純子さん、そしてフォーブズジャパンの副編集長にして経済キャスターの谷本友香さん。全員、越境型のプロフェッショナルです。
まずは広報担当の方から、IWCの歴史のレクチャーを受けます。

これがとても興味深く、ブランドとは何かという問題を考えるヒント満載なのですが、内容については長くなるので、あらためて別の機会で書きます。

その後ファクトリーへ移動し、それぞれの部門でどのように時計が作られているのかを間近で観察し、ときには作業を体験させてもらったりします。カメラマン以外撮影禁止の場所も多く、そのあたりの具体的な話は、後日、フォーブズジャパン誌が詳しく報じる予定です。ルーペで見なくてはわからない細かな部品をすべて人の手が創り出し、人の手が磨き、人の手が組み立てていく。およそ400人の人が従事するその工程を見たあとは、時計に対する見方が一変しました。

ファクトリーがランチタイムに入り、一行はラインの滝へ。



ボートに乗って至近距離まで行くのですが、滝の轟音、水しぶき、迫力、美しさ、すべてにおいて形容などとてもおよばない圧倒的なスケール。

 

滝の間から魚がぴょんぴょん出てきたりして。


接近すると、かなり水しぶきを浴びます。晴れててよかった。

ラインの滝の水まで売ってるあたり、さすが観光地。


ちなみに今回の旅にはカメラマンが二人、同行しています。上は翠涛さんのセルフィ―ですが、後方に二人、カメラマンがいます。左はスティルカメラマンの原田康平さん。上はパリ在住のムービーカメラマン、小田光さん。写真右の美女は、IWCの広報担当の方です。
そしてランチをいただくレストラン目指してひたすら上へ上へと昇っていきます。(その2に続く)

Forbes Japan と IWCの共同企画、「The Code of Meの旅」にお招きいただき、スイスのシャフハウゼンに来ています。

 

シャフハウゼンはIWCの本社を擁する美しい街。スイスの国境にあり、宿泊は国境を越えたドイツのオーベルジュです。これから毎日、国境を越えて(といっても警護がいるわけでもなく、いたってのんびりとしたもの)取材に行くことになります。

ホテルは「レストラン&ホテル アルテン ラインミュール」。高級ヒュッテのようなインテリアのレストランからは、豊かな自然とともにあるライン川の流れを眺めることができます。


部屋に入ると、IWCからの美しいチョコレートとカードが。

部屋のなかはきめこまやかなあたたかさを感じられる居心地のいいインテリアです。水回りも快適で広々としており、ハイテクは一切ないのですがコージーな雰囲気でくつろげます。

 

初日の夜は、今回のメンバーである円谷プロ取締役の竹尾純子さん、オペラ歌手にしてマーケティングのプロフェッショナルである武井涼子さん、書家の中塚翠涛さん、Forbesの谷本有香さん、そして動画・スティールのカメラマンである小田光さんと原田康平さん、そしてIWCのプレスである南出瑠璃さんと顔合わせのディナー。今の季節は日が長く、21時ごろまで明るい夕日が照らすライン川の風景を楽しみながらの食事で盛り上がりました。

細部まで手の込んだおいしいお料理でした。とりわけシャリアピンステーキが最高でした。ハーフポーションでも二度に分けて供され、それぞれのボリュームもたっぷりで、やや日本人には多すぎるかもしれない
…。しかし絶品。

 

雲と空のバランスが刻々と変わり、雨が突然落ちてきて、止んだと思ったら虹が現れ、その虹が二重になり、それぞれがさらにライン川に映され、4つの虹を見ることができたという幸運。

ライン川の流れは思ったよりはるかにスピードを感じさせ、夕日の照り返しを受けて木々の色がドラマティックに変わっていきます。幻想的な光景でした。

翌日からハードにスイス時計文化の取材が始まります。

遅まきながらようやく伺うことができました。横浜美術館での「ファッションとアート 麗しき東西交流展」。

絵画から陶器、アクセサリー、衣装、小物、家具、カトラリー、テキスタイルなど211点。発見の多い展覧会で、やはり写真では伝わらない本物の迫力のオーラを全身で浴びました。19世紀のヨーロッパに日本のキモノが与えた影響は、想像していた以上のものだったように思います。


写真撮影可能なコーナーはほんの一角ですが。


ついでに家族サービス。ファミリーで泊まるにはここの適度なゆるさがいい感じなのです。眺望最高なこちらのバスルームには癒されます。


潮風も心地よく、陽ざしも快適で、花も緑も美しいベストシーズンですね。

ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町を訪れました。「ラグジュリー・コレクション」と謳うだけあり、都心にありながら別世界にいるような贅沢な時空を体感できる、あらゆる意味で最先端のホテルでした。ホテルのデザインは、マドリードのデザインディレクター、エヴァ・ロンゴリア。

紀尾井町のガーデンテラス・タワーの30階から36階がプリンスギャラリー。この日はクラブフロアの34階でした。

館内はなんともいい香りがして、聞いてみると、プリンスギャラリー専用のオリジナルアロマを漂わせているとのこと。樹木の香りにフランキンセンス、さらにベルガモットなど柑橘系の香りもブレンドされています。フロントでも購入できるとのことでしたので、即決で購入しました。笑。 フランキンセンスはキリスト生誕のときに東方の三賢者が贈った3つの贈り物のひとつ。なにか清められるような感覚があり、脳内から神聖な世界へ連れていってもらえます。

2.18.28

部屋に入ると、統括総支配人の武井久昌さまより、ウェルカムフルーツが届いていました。感激! ありがとうございます。

2.18.1
ツインルームで42㎡、ベッド幅もたっぷりのゆとり。

2.18.3

窓際はこのような作りになっていて、ガラス越しとはいえ、外の景色とダイレクトにつながり、天空のなかにいるような感覚を味わうことができます。

2.18.7

見下ろすと、真下には衆議院と参議院、それぞれの議員宿舎が見えます。

2.18.2

室内の家具は、テレビをはじめとして最先端のテクノロジーとデザインが駆使された高級品で、場所をとらないのにきわめて効率のいい働きをしてくれます。悠々とリッチなバスルームの壁はガラスばりで、明るく広々とした印象をさらに強めていますが、スイッチひとつでくもりガラスに変わり、入浴時には外から見えなくなります。今はこんなことまでできるんですね。

ホテル内の説明はすべてアイパッドひとつでスマートにわかるようになっていますし、ルーム内のあらゆるスイッチもハイテクなタッチパネルになっています。シンプル&リッチ。

2.18.3

アメニティは高級スパラインのRemede(ルメードゥ)。これでシャンプー&トリートメントをすると、つやつやでコクのある髪になります。ボディローションの香りもアロマティックで癒されます。

2.18.8

女性用の基礎化粧品セットをお願いしたら、なんと資生堂最高ラインのクレ・ド・ポーのミニサイズのセットが! 嬉しすぎます。

表面だけを見ると一切の無駄も余分な装飾もないのですが、引き出しや扉をあけるとゴージャスな食器や調度品などが収められていて驚きます。お茶のセットが入った引き出しには、南部鉄器の急須が。

2.18.26

東京の絶景を眺めながらのクラブラウンジも居心地がよく、カクテルタイムには、ルイ・ロデレールのシャンパーニュはじめ、おいしいワインとお料理やおつまみが用意されています。

2.18.14
夕食は「蒼天」でお鮨をいただきました。ここはほかにも鉄板焼きはじめ多種類の日本料理を扱っています。鮨専用カウンターは、アーティスティックなインテリアで天井も高く、なんともよい空気感。しかも、お鮨にあうワインの品ぞろえも豊富で、これはワイン派にはなんとも嬉しい限りです。今回は、シャブリとともにいただきました。好みや苦手に合わせてスマートに最高のディナーを供してくださった東山淳二さん。大満足でした。

2.18.18
2階分を吹き抜けにしたスカイラウンジ、レヴィータは、天井から床まで光の滝が流れているようなイリュージョンを見せてくれます。外国からのゲストも多く、多国籍というか無国籍な雰囲気。

2.18.17
フロントのインテリアはじめソファや椅子の配置においても、過剰な装飾は一切ないのにすべてが上質なのであかぬけた品格があるという、現代のラグジュリー感覚を押えた王道をいっている印象。英語でいう、Sleekな感じ。なめらかで優雅で最先端感がある、というような。

2.18.15
スパには、ガラス張りのプールや浴場があり、サウナからも外を見ることができる作りなので、閉塞感とは無縁で、別天地のリラックス感が堪能できます。邪魔にならない程度のBGMが流れているんですよね。タオルやバスローブの感触もよく、エステルームから香るスイスの高級化粧品ラインの香り(たぶん)も心地よいので、五感すべてがおもてなしされている感覚に満たされます。

2.18.29
就寝前に部屋に戻ると、総支配人の大森伸翁さまからのメッセージとともにチョコレートとお菓子が用意されており、あたたかな気持ちで眠りに入ることができました。

翌朝は、ビル群の向こうに見える東京湾からのぼる朝日を眺めながらのスパと朝食。

2.18.23

交通費をかけず、遠いところまで旅行に行って帰ってきたようなトリップ感を楽しめました。ザ・プリンスギャラリーのスタッフのみなさま、心づくしのおもてなしをありがとうございました。2月もあと1週間、よいエネルギーをチャージできて、なんとかがんばれそうです。現代における最先端のラグジュリー感覚も体感できました。今後の仕事にも生かしていきたいと思います。

少し時間が経ってしまいましたが、まだ感動の余韻が続いております。11月1日夜、パークハイアットホテル東京のスイートルーム見学会にお招きいただきました。

客室階に向かうエレベーターや廊下も落ち着きのあるリッチなグリーン系で統一されており、期待を盛り上げてくれます。デザイナーは、開業のときからずっと、John Morford氏だそうです。

この日に案内されたのは、「ロスト・イン・トランスレーション」のロケにも使われたパークハイアットが誇るスイートの中から、3部屋。まずは「2番目に大きなスイート」こと50階のTokyo Suite。220㎡、1000冊のライブラリやアートが飾られる、ちょっとした邸宅のようなスイートです。プライベートキッチンや住みたくなるようなバスルーム。隅々まで徹底的に行き届いた美意識。あまりの贅沢感とシャンパンのおいしさ(!)に写真を撮ることも忘れ、気持ちのいい空間にどっぷり浸る幸せを味わいました。

次にご案内いただいたのが、「3番目に大きなスイート」こと、Diplomat Suite。160㎡。グランドピアノがごく自然におかれ、300冊のライブラリやアートピースが品よく飾られています。本の配置も、インテリアデザイナーのJohn Morford氏が一冊一冊すべて決めています。トーキョースイートの1000冊の蔵書も同様で、適当に置かれているように見えますが、背表紙の色や高さで選ばれているそうです。それもMorford氏のこだわりで、彼の「アート」なのですね。12人座れる会議室もありますが、東京全体を爽快に見下ろせるこの部屋なら、滞る案件もよい結論が出るのではないかと思ったり。

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そして最後に案内されたのが、51階にある、最大の広さを誇るPresidential Suite。290㎡。ホテルのスイートルームというよりもむしろ、豪奢な邸宅といった趣き。アートがふんだんに飾られます。

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南東に面したガラス張りのバスルームは、想像をはるかに超えるゴージャスな迫力でした。

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バスルーム、というカテゴリーに入れていいのかわからないほどのリッチな空間。

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あまりの広さと贅沢さと高さに迷子になる。where am I? という気分がよくわかりました……。この3種のスイートルームのほかに、スタンダードスイートルームは各階に、ディプロマットスイートは48階、49階にもあるとのこと。

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会場で偶然、一緒になった堤信子さん(左)と、PR会社経営の藤井裕子さん(右)と、記念写真。

“Lost in Translation” のなかのシャーロットのセリフ。”Let’s never come here again because it would never be as much fun. “(もう二度とここには来ないことにしましょう。これ以上楽しいってことは絶対ないだろうから)。

おそらく東京のホテルのなかでも最高峰にあたるであろう3つのスイートを周遊できるのは貴重な経験でした。また訪問できるかな?笑

各スイートルームの詳細は、こちらに。

 

Spaecial thanks to all the staff of Park Hyatt Tokyo, especially Ms. Sayako Ishikawa.

“All real education is the architecture of the soul.” (By William Bennett)

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最終日の最後には、卒業セレモニーが用意されていました。つい先ほどまでのレッスン風景の写真が、感動的な動画になっていて(結婚式の最後に流れる動画のように)、いつの間に撮ったんだ!?という無防備な写真ばかりですがいっそうジワっとくるものでした。髪を巻いているヒマなどあるはずもなく、毎日、文字通りのノーメイクでトレーニングに没頭していましたが、それもまたよい思い出。ca 71

ひとりひとり、修了証書を授与されたあと、並ぶスタッフそれぞれにハグや握手でのお別れ。アメリカ式ですね。

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今回、中心的に面倒を見てくださったUCIのインストラクター。左から、Roger Dupuy, Michelle Ryan, Chris Stillwell, Karl Kottman。彼らは自称「Crazy Americans」でしたが(笑)、ほんとうにオンオフの区別なく、きめ細やかに、こちらが気付かない深いところまで親身になって、的確に面倒を見てくれた。

さらに、ひとりひとりがスピーチ。ca 46

原稿もなく心の準備もなく、いきなりの英語でのスピーチというのは、かつてなら怯んでいたでしょうが、完全ではなくても、勢いでなんとかなっちゃうものでした。それはやはり、オーディエンスとの信頼関係も大きい。この人たちの前だったら、別に恥をかいてもかまわないというか、多少ミスをしても本意は伝わるはずという安心感があったから。日頃の教室でも、そのような雰囲気を作り上げることが大切なんですね。

Discover, Engage, Transform を地で行く濃密な一週間でした。思い通りに表現できない悔しさにも泣きましたが、かつて味わったことのないマインドセットの「変容」の経験をさせていただきました。これまでただ学生による授業アンケートの評価に安住していた自分がいかに生ぬるかったか。上には上がまだまだある。この経験をこれからの現場に生かしていきます。素晴らしいプログラムを用意してくださったUCI, そして明治大学国際連携部に心より感謝します。また、「たまには家事を忘れて思い切り勉強してこい」と背中を押してくれた息子たちにも感謝。留守中の彼らをそっと見守っていてくれた優しい友人・親戚にも。みなさまのおかげです。

 

 

 

朝一からクリスのハードなレッスンとワークショップ。効果的な質問の仕方、ディスカッションの仕方を実践的に学んでいく。「Yes / No 」で答えられる質問はしない(そこで議論が止まるから)”Do you understand?” “Why don’t you understand?”なども悪い質問例。ca 51

(Prof.Yuichi, Prof. Suzanne, Prof. Keisuke.)

ではどうするのかといえば、パラフレーズ(言い換え)を続けていく。”What I am hearing you say is……” とか、”It sounds like you are saying……”とか。本人に答えを見出させるのが目的であって、決してこっちが答えを押し付けるような真似をしてはいけない。このあたり、カウンセリングの手法ですね。

学生に答えを作り上げさせるこの手法を、Constructivism  というそうです。=Let students help themselves という考え方。演劇みたいですな。

そして教師は常に能動態でクラスに臨めと。Surprise, Make Think, Make Laugh, Scare(笑)など。

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なかでも基本となる能動態動詞が、Create.  Create the happy place for everyone.  クラスの全員すべてが、自分は受け入れられていると感じるような雰囲気を作ること。これまで学んだすべてのテクニックがそのためである、と。もし、クラスの雰囲気がネガティブなものであったら、それはほかならぬ教師の責任。環境は自分が創り出しているのだということを忘れるな、という厳しい指導に身が引き締まる思い。

そうですよね、これは大学の教室のみならず、あらゆる場面で言えること。周囲はいつだって私自身の態度の鏡だ。たくさんの人に囲まれているように見えてコミットしてくれるような人が一人もいないのは、コミットするようなことを私自身が面倒と思って避けているからですね。思い当たることいろいろ。自分のマインドセットや態度が、環境を決めていく。

とにかくクリスもロジャーも、教授法を超えて、本当の意味でコミュニケートするとは、エンゲージするとは、どういうことなのか?を本人たちが実例となって示してくれるのだ。

 

その後、ひとりひとりがファイナルプレゼンテーションをおこなう。月曜と比べ、それぞれが劇的に向上したり、よりその人らしさを発揮したりしている。なんだか感動。私はやはり繊細でこみ入った表現をしたいときにスピードが追いつかずにもどかしく思うこと多々、まだまだ英語のスピーキング力が足りないと思う。これはもう、口まわりの筋肉を慣らしていくのみ。卓球の練習をしていたときのように、ひたすらこまぎれの時間を見つけて実践的なトレーニングあるのみ。

とはいえ、ハッピープレイスを作るためのさまざまなインタラクティブな方法は、まだ「間」が悪いが、できるかぎりやってみた。今後、さらに工夫してやっていけそうなことも多々。

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思えば、大学教師をつとめて何年にもなるけれど「教え方」をこのように専門家から教わったのは初めてのことだ。他の参加者もそのように言っているし、日本の多くの大学の先生がそうだろうと思う。小中高の教師は教育実習なるものを受けているが、大学の教師にはそのような機会はない。自分の教え方を客観的に指導されることなんて、経験している人はほとんどいないのではないか。多くが我流。ないしは師の方法の継承とか。それはそれで味わいもあるけれど。

このたびのEMIのプログラムは、英語で教えるための訓練だったが、すべてのテクニック、考え方、戦略は、日本語で教えるときにも役に立つ。多くの場面で、さっそく応用・挑戦してみたい。

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引き続き、朝8時からガチなレッスン。クリスは、大量の情報のシャワーを休む間もなく与えながら、私たちにグループディスカッションをさせる。それを組み合わせて(ジグソー)、クラス全体の結論を創り出していく。話させる書かせる質問させる考えさせる答えさせる。だからほんとうにあっという間に時間が経ってしまう。レッスンに飽きているヒマもないという感じ。話したことはすべてクリスがすさまじい速さでパワーポイントに書きこんでいく。

こうしてみんなで作り上げた情報でもあるパワーポイントは、その夜のうちにメールで届く。いま、見るとほんとうに宝物、情報の宝庫だ。うわっつらの、というかすでに権威がつくったフィクスしたものではなく、その場、その時、そこにいた人々が、その空気のなかでのみ発することができた、生きたことば、ライブな知恵の集積なのだ。

今回、参加した同僚もすばらしいのである。みな、ホームに帰ればその道で有名な一流のプロフェッサーである。だから質問は鋭いし、教師や仲間をいじって笑いをとるのもお手のものだし、なによりも知的好奇心にあふれていてエネルギッシュ。個性的な彼らからも多大な刺激を受け続けている。日頃、ほとんど接点のない同僚とこうして「クラスメイト」として一日中一緒にいて、互いにファーストネームで呼び合い、課題をクリアし続けていると、戦友のような、不思議な連帯感も生まれてくる。こんな思わぬメリットが生まれるのも、海外集中研修ならではですね。

学んだ詳しい情報をすべて公開しているととうてい追いつかないので、また機会があるときにでも、追々に。

 

また、ランゲージレッスンでは、ボディランゲージを学ぶ。ついでにサイレンスやボディタッチ、アイコンタクトの意味なども。ぐっときたキーフレーズ、「ホンモノになるまでフリをせよ」。

 

午後後半は、各自メンターとのフリーの面談というスケジュールになっていたが、カリフォルニアまで来てビーチを見ていかないのはまちがっている(笑)という声が誰からともなく出て、スタッフとも相談したら快く協力してくれた。スタッフのカールとミシェルの車で、ビーチまでサンセットを見にいく。車で20分くらいのドライブ。

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超高級住宅がずらりと並ぶビーチは圧巻。テレビ番組のロケも。ca 23

夕陽の美しさは壮大で、左のほうに、太陽と同じくらいの大きさの七色に輝く球体が見えた。「シーボール」と呼ぶのだそうで、めったに見られないとのこと。天からの激励として受けとめました。ca 68
みんな黙り込んでしまうほどの、圧倒的に美しいサンセットでした。機会を作ってくださったUCIのスタッフに感謝。

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サンセット後は、UCIの教授お二人も合流して、近くのおしゃれなパブレストランでワインを飲みながら食事。大学のこと、研究のこと、映画のこと、日本文化のこと、人生のこと(笑)などなどを語って、よく笑った、楽しい夜だった。

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Photo of professors.  左端にいらっしゃるのはアフリカン・アメリカン・スタディーズのProf. Chandler。右端は日本文化を研究するProf. Willam Bridges。ウィルは日本語がぺらぺらで、日本文学にやたら詳しい。専門だからあたりまえなのですが。私の名刺をコースター代わりにしていたので怒ってみせたら(ジョークでね)、日本人のように「キョウシュク」していたのがおかしかった。

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そろそろ疲労もピークに達しているのですが、あと一日……。

 

 

 

 

ロジャーことロジャー・デュプイのドラマチックなレッスンからスタート。いきなり、「スターウォーズ」の台本読みのシーンから開始。スクリプトがいかに大切であるかということを印象づけられたうえで、Thinking in Pieces という考え方、そしてFlipped Learning の実践的方法を学ぶ。

Thinking in Piecesを具体的に理解するために、A4の紙を8つに折らせる。それぞれのセクションにスクリプトを書いていくのだ。

1. Metadata  2. One Important Term  3. Definition  4.Picture  5. Sentence of Reason (Why the learning of this topic is important)  6. Tell a Story  7. Mention the Term again  8. Metadata

1ピースに1テーマ。このようなピースに分れたスクリプトを作っていくことで、話すほうもロジカルに話を進めていくことができ、聞く方もわかりやすくなるという仕組み。

Flipped Learning は、20世紀的な授業の進め方を反転する学習方法。これまでは、学生は学校で先生の話を聞き、家でホームワークをする、というやり方だった。それを反転させる。つまり、学生は家でパソコンなどを通して学び、学校では議論をしたり作業をしたりする。

これによって、学生をUnleashする! 束縛を解いて自由にする、という感じでしょうか。

従来、プロフェッサーのイメージは、知識を一方的に授ける賢人であった。しかしこれはもう時代遅れ。インターネットに知識があふれているような現代では、学生の理解を導くガイドであることが求められている。

そのために、学校は、インタラクティブな作業や議論をする場にしなくてはならない!

というわけで、インタラクティブな場にするための、雰囲気の作り方、学生のコントロール、よい質問の仕方、グループワークの方法、必ず挙手させる秘訣、ときどき立って運動させる具体的な方法、などなど、ユニークな方法をたっぷり学ぶ。

そしてなによりもやはり、このようなやり方だと、教師のヒューマニティーが否応なく問われるのですね。

ロジャーはHumanity is Charm. と強調し、どんどんあなたらしさを出していきなさい、英語が完璧でなくても。そのほうが活発なクラスになっていく、と話す。たしかに。

20世紀的な「プロフェッサーらしさ」というものに、あまりにも私はひきずられていたかもしれない(これでも。笑)

賢者からガイドへ。このマインドセットの大転換は、一種の革命……。300人クラスでこれをやるのはビッグチャレンジだ。

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UCIのモットーは、Discover Engage Transform. 発見せよ。深く関われ。変容せよ。インストラクターたちのエンゲージの度合は、想像以上に深い。それゆえ、こちらも感化されていやおうなく変容する。

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午後は、今になって時差ボケが出て、ハードなスケジュールの疲れもかさなり、ややつらかった。おまけにこの研修のためにわざわざ買っていったマイクロソフトのSurfaceの電源が入らなくなった。同僚にアダプタを借りても、ネットで調べた再起動の方法その他もろもろを試してもダメだった。なんだよマイクロソフト。

 

それでもなお、刺激的なレッスンに頭が冴える。実践的なディスカッションの方法、シラバスの作り方、クラスルールを設定するメリットなどなど、おびただしい量の情報を、感動とともに学ぶ。

 

 

ランゲージ運用レッスンのあと、UCIの教授に面談。ラテンアメリカ文学を専門とするDr.ホレーシオ・レグラスにお話をうかがう。

スペイン文学や映画の話、授業の進め方、大学の制度など。なんという贅沢な時間。

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ランチはUniversity Centerで。ここも美しくてレストランのバリエーションが豊富。

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たっぷりの野菜サラダに肉(ビーフかチキン)、少しのパン、というのが「定番」になりつつつある。日本にいるときよりも大量多種類の野菜を食べていてヘルシーな気がする。ただ、昼休みが一時間しかなく、広大なキャンパスの移動時間も考えると、あわただしい。

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午後はクリスことクリストファー・スティルウェルによるスピーディーなレッスン。

EMIの問題点を政治的な側面、大学運営的な側面、教育的な側面、学生からの視点、教師からの視点、それぞれを通してすべて洗い出していく。参加者からどんどん出てくる意見をクリスが驚異的な速さでパワーポイントに打ち込んでいき、それが現前に「書かれた文章」となって表れていく。パワーポイントのデータはその日のうちに、各自にメールで送られてくる。だからメモをとることに気をとられず、議論に集中することができる。このやり方、いいなあ。ただクリスは毎日そのために夜遅くまで準備している。情熱と体力が半端ではない。

さまざまな議論と、それに対する対策が出たなかで、私が授業のやり方として取り入れるべきと感じたのは、コミュニカティヴな方法。教師が一方的に知識を授けるという昔ながらのやり方ではダメ、双方向的にコミュニケーションをとりながら進めていくべき、と。

そのためのクラスの雰囲気の作り方の具体的方法、質問の方法、議論の方法などを学んでいく。実に細かく、実践的だ。いままでぼんやりとしていて「あえて学ぶ必要もない」と思わされていたことを、明確な言葉と、インストラクターであるクリス本人の態度そのもので、はっきりと教えられる。

でも私の授業は一クラス200~300人だ。ホールでの講義。小人数ならいいけど、これにどうやってインタラクティブな方法を取り入れていくのか? いくつか試したいと思った方法があるけど、果たしてうまくいくのか? これからの課題。

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ハードな一日を終えて帰りのシャトルバスを待つの図。Prof. Yuichi, Prof. Keisuke.

オスカーセレモニーに次いで、スーパーチューズデーもアメリカで体験できたのは幸運。下は翌朝のUSA TODAYの一面。大学のスタッフは、「毎朝ドナルド・トランプの顔を見なくてはいけないという状況にうんざり」と言っていた。

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“Let us absolutely clear about one thing: we must not confuse humility with false modesty or servility.” (By Paulo Coelho)

“It is not serving, but servility, that is menial.”(By Hortense Odlum)

“Servility always curdled into rage in the end.” (By Tina Brown)

一日目の午後は、参加者8人それぞれの模擬授業、10分~15分。

英語でのプレゼンテーションのやり方もさることながら、8人それぞれのアカデミックな研究領域の具体的な内容も知ることができる。奴隷制度、ガヴァナンス、映像表現、Kawaii、視覚文化、マーケティングなど。各分野の専門用語のシャワーを浴びたことはなかなか新鮮な体験で、ひるがえって、自分の専門領域のこと(ファッション文化史)をどのように英語で説明していくとわかりやすいのかということを考えるヒントをたくさんいただいた。

インストラクターのクリスとロジャーからのコメントばかりではなく、参加者からの手厳しい(笑)コメントももらえて、これまで自覚していなかったことがあぶりだされてくる。

とどめは、やはりスタッフのひとりであるカールが撮ってくれたプレゼンテーション中のビデオですね。これを見て反省点などを書く課題が出されるのだけれど、自分の姿が正視に耐えない。

ひどく落ち込む。

金曜日の最終日に、改善点をふまえてファイナルプレゼンテーションをすることになる。

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同僚のProf. Connie, Prof. Keisuke, Prof. Yuichi, Prof. Takane. インストラクターたちはすぐに私たち全員の名前を覚え、ひんぱんにファーストネームで呼び、コールドコール(いきなり指名すること)をしたりする。一秒の気も抜けず、時間を忘れるほど集中しているうちにあっというまにレッスンが終わる。

初日は、自分のダメさ加減ばかりが目についてほんとんど卑屈になりかけるが、卑屈と謙虚はしっかり区分せねばとぎりぎりの自尊心を保つ。

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UCIのシンボル、アリクイ。ca 62

キャンパス内はとにかく花と緑にあふれて、胸がすくほどに広大で、癒される。

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ホテルの部屋から見下ろすとプールが見えるが、早朝から夕方までのレッスンと、大量の宿題で、なごむ時間もなく。ca 79

 

 

 

UCI (University of California, Irvine)での研修初日。これから一週間は朝8時開始、夕方5時終了というハードなスケジュールでみっちり「学生」として学びます。ca 44

今回の研修は、EMI (English as Medium of Instruction) プログラム。「英語を母国語としない」教師が、それぞれのアカデミックな領域を、「英語を母国語とする学生も含む多様な学生」に対し、英語で教えるための戦略や技術を学ぶ、あるいはよりブラッシュアップするための集中コースです。大学の国際化にともない、英語を母国語とする学生、留学生もますます増加の傾向にあります。そんな学生に対し、英語で専門科目を教えるということがあたりまえの能力として求めらる時代に入っています。

UCIのエクステンションではこの分野を専門的に研究し、教えているスタッフがいて、今回は彼らが明治大学のためにつくった特別プログラムに参加させていただくことになりました。

最初のオリエンテーション講義からマインドセットを変えるものでした。

インストラクターの一人であるロジャーは、ホワイトボードに、「これまでの人生でもっとも教育上、大きな影響を与えてくれた人」の名前を書かせます。

8人の参加者、それぞれが、自分の父だったり、母だったり、小学校の先生だったり、高校の先生だったり、アドバイザーであったりと、「自分の教育にもっとも影響を及ぼした人」の名前を書いていきます。

ロジャーは次に、「では、どのような意味で、そう思うのか?」をひとりひとりに説明させます。

「経験が豊かで、現実に対処する方法を教えてくれる」「科目への愛があふれていて、先生が好きになるあまり科目まで好きになった」「好奇心を刺激してくれた」「自分の才能を信じさせてくれた」「寛大だった」「自分自身になることこそが人生の目的だと教えてくれた」などなど、理由が続々と出てきます。

ホワイトボードに書かれていく理由を見ているうちに全員が実感すること、それは、

偉大なる教育者であった人は、決して莫大な知識の持ち主ではなかった、ということ。

むしろ、偉大なる教育者は、すぐれたヒューマニティの持ち主であった、ということ。

講座の締めくくりに、ロジャーは言うのです。

「いつか、あなたの学生が、このように、ホワイトボードにあなたの名前を書く。そんな日が来ますように」。

技術や戦略や知識も学んでいくのですが、それ以上に、教育にとって必要不可欠なのは、教える側の人間としての人柄や心の豊かさであること。それをプログラムの最初に叩きこまれたわけです。

 

 

学生のカフェテリアでは多彩な料理のなかから食べたいものを選んでいく。野菜をたっぷり使ったヘルシーな料理も充実。ca 39

久々に「学生」に戻ると、教室で「学生」として過ごすときの気持ちもあらためてよくわかる。

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学内には、このように、スター教授のポスターが掲げられている。社会的な貢献をなしとげた女性の教授が、さながら女優かなにかのように。こりゃあ、研究者のモチベーションも上がるなあ。研究者に憧れる女性も多いという社会的な空気も、こうやって醸成されていくのかもしれない。

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” I thank you all for this amazing award tonight. Let us not take this planet for granted. I do not take tonight for granted. ” (By Leonardo DiCaprio, at Oscar Winning Speech)

One day off before starting a hard week.
Visited Fashion Island, New Port Beach, 15 minutes drive from Costa Mesa.FullSizeRender (9)A kind of theme park about American Fashion.

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Heaven or Hell?FullSizeRender (15)FullSizeRender (12)FullSizeRender (11)

After returning to Hotel, watched Oscar ceremony.  Congratulations to Leo! This was his night.

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オスカーセレモニーを同じカリフォルニアで(テレビですが)同時刻の夜に見られるというのはなんという幸運。この日は世界中がレオの受賞を待ち、讃えた日、という印象でした。スピーチも貫禄。冒頭に引用しましたが、「この地球環境をあたりまえに与えられたものと思わないようにしましょう。ぼくも今夜のことをあたりまえのものとはせず、とても貴重なものとして大切に守ります」というニュアンスを感じました。もっと若くして受賞していたら、果たしてこれだけのことばが出てきたでしょうか。総立ちで彼を讃えるオーディエンスの表情に、映画業界全体の、レオへの敬意と愛情を感じました。

“When I despair, I remember that all through history the way of truth and love have always won. There have been tyrants and murderers, and for a time, they can seem invincible, but in the end, they always fall. Think of it–always.”
(By Mahatoma Gandhi)

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Came to Orange County, CA.  To attend the Oscar ceremony.

Joking.

I shall go through some program at University of California Irvine Extension.

大学の研修で、カリフォルニア大学アーバイン校で一週間どっぷり過ごすことになりました。オレンジカウンティあたりは治安の良さにおいてアメリカでもトップクラスだそうで、見た目は品のいい人が多いという印象。親日家も多く、滞在ホテルのそばには日本系スーパー「Mitsuwa」があったりします。およそ日本のスーパーと同じ品ぞろえ。

それにしても広い。今回は同僚8人とともに来ていますが、そのなかの一人、K先生いわく「どこまで行っても自然を征服できないというこの広さに、人は絶望するんじゃないか」

人込みの中の孤独がもたらす絶望とは違う、延々と自然の光景が続き、どう人間ががんばってもこれにはかなわないという絶望。それにも負けず淡々と開発してきたパイオニアのおかげで今があるんですよね。

コスタメサのショッピングモールも、延々と続きます。地図だとすぐですが歩くと20分とか。

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コスタメサのモールのなかのレストラン、 Hamamori で頼んでみたカリフォルニアロール。海苔が外側に巻かれていないことと、アボガドがポイント。美味。ca 5
同じくHamamori のビーフサラダ。食べても食べても終わらない。

 

 

富山にはあまりゆっくり滞在できなかったのですが、イベントの日の夜と翌日の昼に、友人たちに駆け足で富山新スポットを案内していただきました。

できたてほやほやの市立図書館、「キラリ」。建築家は隈研吾さんだそうです。
8.24.6

そしてレトロモダンな街並みに変身中の岩瀬。8.24.1日本酒の満州泉の製造・販売を手掛ける桝田さんが、岩瀬じゅうの家を買い取って改築し、若い才能あるアーティストを招いて安価で家を供与し、岩瀬の町の、内実も外観もアーティスティックに変えている。8.24.3電線はすべて地下に埋められている。改装された家々は(銀行までも)「町屋」風でどこかモダンな景観はとても落ち着くし魅力的。桝田さんのやっていることは、芸術のパトロン、メディチ家みたい。8.24.2

1日はチャーリー・ヴァイスのバースデーパーティーの前に、花園神社で花見。伊勢丹メンズ館靖国通り側入り口のすぐ目の前にあるのに、きちんと参拝したことはありませんでした。4.1.16 境内にはメインの拝殿のほか、芸能浅間神社、威徳稲荷神社が。芸能浅間神社は社の隣に藤圭子の「夢は夜開く」の歌碑があったり、芸能人の名前が書かれた札がずらりと並んでいたりと、ミーハー心が刺激される。4.1.13 名札の行列の奥には二宮尊徳の像。才能を開花させるにも日々の勤勉が大切、と教えているような。4.1.12威徳稲荷神社の社は、小さな鳥居を20くらいくぐってたどり着く。恋愛や結婚や子宝などにご利益のある神様だそうです。4.1.11 神社の隣には新宿ゴールデン街が。日の明るいうちに歩くとなんだか沢田研二主演の「悪魔のようなあいつ」なんかに出てくるドラマのセットを歩いているような気分になる。4.1.10 近くには廃校となった小学校を事務所にしている吉本興業が!!異次元にまぎれこんで旅をしてきたような不思議な感覚で満たされたパワースポットでした。近辺を歩くとさらに昔の文豪の小説やエッセイに出てくる有名なバーの看板もぞろぞろ発見したりして、4.1.19

年度初めのお参りにふさわしい最高のお花見だったかもしれません。

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イタロに乗って、ミラノへ北上。イタロとは、フィアットの会長とトッズの社長が共同出資して作った鉄道会社が走らせる特急電車。私鉄ですね。塗料の赤はフェラーリの赤と同じものを使っているらしい。内装もスタイリッシュで、なんといってもwi-fi無料というのが助かった(イタリアのホテルではすべて時間制で高く課金されました)。

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待合室までスノッブな感じ。スタッフもみな赤い制服。

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ミラノの中心部はショッピングをする人でかなりの混雑。LEONで見るような、リッチなおやじと若いモデル風美女のカップルというのは都市伝説かフィクションだと思っていたが、ほんとうにごろごろ歩いていたので、お前は場違いと言われているようで居心地が悪かったです(笑)。結局、人と街を観察することに終始して、何も買わず。基本的にあまり買い物に時間を費やすことが好きではないのですね。日本でも、「ウィンドウのあれください」で、試着せずに買うこと多々(~_~;)

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日本と比べると、ショッピング街での男性比率が高いように見受けられました。

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何度か遭遇した武装軍団。ローマでは黒い制服の武装警察を見ましたが、ミラノでは、オリーブドラブのアルファ・ロメオに乗ったベレー帽の武装警察に目が釘付けになりました。車体に見える文字はGuardia di Finanza、経済事件専門の武装警察ですね。税務署からこの出で立ちでやってこられると思うと恐怖ですね。イタリアでは税務署がマフィアと闘ってきた歴史があって、武装する必要があるのだとか。そういえばイタリア系マフィア、アル・カポネも脱税で挙げられてましたね(アメリカの話ではありますが)。ベレーのかぶり方も決まりがあるようで、角度や密着度がばしっと統一されています。

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少し中心部をはずれると、八重桜が満開。

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ミラノでは中心から少し離れたプリンチッペ・ディ・サヴォイアというドーチェスター系のホテルに。

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どこもかしこも「ポッシュ」というか、フィレンツェの重厚ラグジュアリーとはまた異なる、モダンでスノッブな今どきミラノテイストで圧倒されました。バスルームも当惑するほど広く、アメニティはアクア・ディ・パロマ。

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ホテル内のスパにはこんなテラスもあり、ミラノ市内を見渡せる。サウナはハーブミストとドライ、二種類あって快適だったのですが、男女兼用で、バスローブをフックにかけておくことで、「誰かが入ってるのかいないのか」を察して行動せよ、という仕組み。

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イタリアのホテルは、そういえば、どこもアメニティとして歯ブラシを置いていませんでした。ほかはありとあらゆるアメニティが充実しているのに、歯ブラシセットだけが、ない。客室係にお願いすると、デンタルフロスまでついた立派なセットを持ってきてくれましたが。日本の旅館が「なにはなくとも歯ブラシだけはサービス」するのと、対極にありますね。

ここのホテルのレストランもモードな装いの笑わぬ美男美女(笑わないこと、これかっこよさには重要なのかもですね)であふれ、動くファッション誌のように楽しませてもらいました。

などなどと書いててなつかしきデジャブ感。そういえば30年ほど前、私は「レジャーアサヒ」の旅行ライターとしてデビューしたのであった。メキシコ、グアム、沖縄、奄美、国内温泉地などなど、旅しては書く、ということが天職だと思っていた時期があった(笑)。天のはからいで原点に還らせていただいた気分です。

ダイナースクラブさま、アリタリア航空さまに、あらためて心より感謝します。

北上してフィレンツェ。空気がゆったり澄んでいて、波長に合う。飛び込みで入るリストランテやバールがどこもおいしいし、人が親切。タクシーも正直(笑)。ようやく寛げる街に来たという感じ。Firenze_3

街全体がオレンジ色で、夕刻になるとオレンジ色の照明が灯り始め、あたたかみのあるいい雰囲気になる。アルノ川沿いを散歩しているうちにあっという間に夕刻から夜。

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フィレンツェではウェスティン・エクセルシオールに二泊。

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ロビーも重厚で広く、部屋もヨーロッパのラグジュアリーとはなにかを教えてくれるような快適で美しい空間でした。ホスピタリティもすばらしくて、なによりもチップを出しても受け取らないスタッフがいる(!) ローマで抱いたイタリア人不信を、フィレンツエで完全回復。

夕食はホテル最上階にあるSE.STOというレストランでとったのだが、インテリア、セッティング、サービス、味、雰囲気(窓の外にはルネサンスの眺め)、すべてにおいて、これまでで最高のレストラン体験をさせていただきました。

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背景に広がる空間は、なんとガラス張りになっているテラス席。客層もかなりよいと思われ、思わず見とれてしまうような美男美女のカップルやらグループやらでほぼ満席。

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日曜の朝。部屋から見る朝日。定時に鐘がなりひびくのも、情緒があります。

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こんな自転車おやじ軍団にも遭遇。レースかなにかだったのでしょうか。

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アルノ川の対岸には、釣りを楽しむ人たち。みごとに等間隔に並んでいたのが、イタリア人っぽくなく(?)面白いな、と。Firenze_10

フィレンツェではいわゆる「観光」をせず、ホテルまわりでゆったり過ごした。有名なポンテ・ベッキオは、駅に向かうタクシーの中から鑑賞。

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ローマからバスでヴァチカンへ。ローマ教皇が統括するカトリックの総本山となればやはり見ておきたいと思って。

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宮殿の威容にも圧倒されたけど、なんといっても美術館が、ケタ外れのスケール。500年分、歴代の教皇の収集物が延々と続く。

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ガイドさんに解説してもらいながら4時間も歩く。足も目も痛い。とにかく神々の像がいたるところにあり、

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床はモザイク、天井も壁も空間恐怖のように絵が書き込まれている。

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回廊と回廊をつなぐ中庭にもなにげなくバンバン美術品が置かれている。

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 巨大な松ぼっくりの像も。なぜに松ぼっくり。

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クライマックスが、システィナ礼拝堂。ここでコンクラーベが行われる。根比べ?と疲労のあまり気が遠くなって、ほとんどおやじになっている。ミケランジェロが描いた天井画の「最後の審判」とか、側壁のキリストとモーゼの生涯の絵なんかは、キリスト教徒が見たらまた違う感慨なのだろうな…とぼんやりと見上げる。文字が読めない人も、こうやってキリスト教を学んでいくことができたのか。基本、写真はどこを撮ってもOKだけど、礼拝堂のなかだけは撮影禁止。下の写真はウィキペディアよりシェアさせていただきました。

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しばらく美術は見なくていい、というほど満腹。

ちょうどこの日、オバマ大統領もここに来ていた。警備のために道路に通行制限がかかり、それを理由にまたタクシーにぼったくられた…。油断もスキもないイタリアのタクシー。

気分を和ませてくれたのは、ローマのカラスでした。ツートーンカラー。カラスまでおしゃれね。

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通りは各国からの大勢の観光客であふれていました。このあたりで撮った自分の写真を見たら、疲労とぼったくり警戒のあまりおそろしい顔をしていた(^_^;)

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天からのギフト、幸運のイタリア往復チケットの期限は3月末でした。活かさなくては天罰があたると思って、なんとか3月最後の数日を確保してイタリア駆け足縦断の旅をしてまいりました。

アリタリア航空の往復チケットがあるのみで、ホテルの手配はじめ、すべて自分でやらなくてはならないというのは、実は初体験でした。たいへん勉強になりました…。

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到着地ローマ。映画の舞台になった場所を中心に「来た。見た。撮った。」シリーズ。まずはスペイン階段、「ローマの休日」。

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パンテオンは「テルマエ・ロマエ」でも使われてました。

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トレビの泉で「ドルチェ・ヴィータ」。タイミングの悪いことに投げるべきコイン持ち合わせていなかった…。最初で最後の、甘い生活。

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ナヴォーナ広場の角には、マルチェロ・マストロヤンニとソフィア・ローレンの「昨日、今日、明日」の舞台に使われたアパートが。

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ナヴォーナ広場の、オベリスクを囲む四つの大河の擬人像。「天使と悪魔」ではここで殺人事件が起きました。昼間見てもド迫力、夜はかなりおどろおどろしいだろうなあ。

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コロッセウムは当然、何度も見ている大好きな傑作、「グラディエーター」。

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お約束の「真実の口」。「ローマの休日」で有名になった観光スポットは、なんと写真を撮るのに30分待ち…。待ってる間、イタリア美女のガイドさんとおしゃべり。最近はポルトガルとブラジルからの観光客が増えているとのこと。

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ホテルの中ではヴィスコンティの「山猫」ごっこをしてみました(笑)。

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スペイン坂の上にある、「インターコンチネンタル・ド・ラ・ヴィレ・ローマ」という、旧貴族の館を改造したホテルで、

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滞在中には、ちょうどギリシアの大統領も訪れていた格式のあるホテルです。ものものしい警備のわりには、あっさりとホテルの前に路駐されていたギリシア大統領の車。

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内装が完璧に美しい、快適でラグジュアリーなホテルではありましたが、悲しいことにここで盗難にあいました。たいした被害はなかったのですが、タクシーにも二日間の間に二度ほどぼったくられました。イタリアではよくあることらしいですが、よほどお人好しなカモの風情だったんだと思う。ローマを経つ頃には人間不信のあまり、かなり険しい顔になってました(~_~;)

ま、恨みは忘れて、いいことだけを覚えていよう。「グラディエーター」のラッソーが演じていたマキシマスのセリフ。

"What we do in life echoes in eternity." (われわれが人生で行うことは、永遠にこだまのようにはねかえってくる)