昨日は、藤巻百貨店一周年の祝賀パーティーでした。おめでとうございます。
匠の技とすばらしいアイディアをもつ職人、メーカーの方々が
全国から集まった、熱気にあふれた会でした。
大勢の人を惹きつけ、盛り上げ、つなぎ、行動に駆り立てる藤巻さんのお人柄とエネルギーにあらためて感動。
日本を元気にしていくリーダーとしてのますますのご活躍を応援します。
美しい日本製品の数々は、機会をとらえて、ふさわしいメディアで紹介していけたらと思っています。
不意打ちのスピーチ指名にしどろもどろ、みなさんごめんなさい。まったく自覚と経験と修行が足りなすぎです。あとから、言うべきことはやまほど出てきたのに。ほんとに情けない……。
記念撮影は、同じ「香織族」の安田香織さんと。オスカープロモーション所属でいらっしゃいます。会場で何人にも「姉妹ですか?」と聞かれました。親子ほど年は離れてはおりますが^_^; 似ている印象を与えるようです。藤巻さんつながりでお会いするのは二度目ですが、同じモンダイというか弱点を抱えることが判明、このあと二人でディープに飲みに。「香織族」の切実な悲哀(これについては、機会をあらためて、勇気が出たら、書いてみたいと思っています)を共有し、課題克服を誓い合う。戦友に年齢関係なしですね。
26日は、パルファン・クリスチャン・ディオール主催のディナーでした。新生ルージュ・ディオールのお披露目記念。おめでとうございます。フランス大使公邸にて。ルージュ・ディオールのミューズであるナタリー・ポートマン、駐日フランス大使ご夫妻もご一緒でした。
ナタリー・ポートマンは高校時代に日本語を習っていたそうです。
でも今覚えている日本語はこれだけ、と紹介してくれたことばが…
…
「(私は)トリドシデス(酉年です)」
ポートマン、楽しすぎる!
雨の中、ライトアップされた広大な庭園はなんとも幻想的でした。
同じテーブルでご一緒したパワフルな方々。画家の松井冬子さん、ミュージシャンのシシド・カフカさん、そして映画監督の安藤モモ子さん。
一見、クールな印象の方々ですが、それぞれに率直で愛らしくお話楽しく、その魅力的なギャップに、私が男だったら間違いなくホレていました(笑)。予想外に盛り上がり、別れがたい気分に。
ディナーが始まる前のカクテルタイムでは、テラスにて、メディアでお見かけするものの初対面という美女(&美男)の方々に大勢お会いしました。
左はヴァイオリニストの松本蘭さん、右はビューティージャーナリストのSAKURAさん。二人とも、吸い込まれそうな、凛とした魅力の持ち主。
野宮真貴さんとも「クロワッサン」での対談以来、久しぶりにお話することができました。いつまでも年をとらない妖精のようにチャーミングな女性です。
そんなこんなの花も実もあるパワフルな美女たちとお話をして、日本女性の頼もしい底力を感じた日でもありました。
昨夜はダイナースクラブ イタリアンレストランウィークのレセプションでした。イタリア大使館にて。和洋がいい感じで折衷した、広大で美しい庭は眼福もの。
レストランウィークは11月2日(土)~17日(日)。参加レストランは関東を中心に114店舗。
「ラ・ベットラ」の落合務シェフと記念撮影などしつつ(天然ミーハー…)、
いろいろな方々とおしゃべりを楽しんでいるうちに、抽選会となり・・・。
なんと、アリタリア航空さんがご提供くださった、イタリア往復ビジネスクラスの航空券を引き当ててしまいました。 神様ありがとう! 昨年もPTA代表というでかいクジを引き当てましたが^_^; 「PTAおつかれさま」の天からのギフトかな?と思いたい。笑。さらに世の中に3倍返しのつもりでがんばらなくてはね!
今年は「日本におけるイタリア」年なのだそうですが、「日本におけるイタリア」といえばこの方、ファッションディレクターの干場義雅さん。大学にも講演に来ていただいたことがありますが、会場で久しぶりにお目にかかりました。男性誌・女性誌の枠をはずした男女セットのライフスタイル誌、クルーズの雑誌の創刊準備中だそうです。
昨日発売のWWD Vol.1753、ギャッツビーナイトが載ってました。
ドン小西さんのとなりにいますが、これはそれぞれの写真を合成したコラージュ^_^; 上の川島なお美ご夫妻だけはセットかと。
この号の最後の「ファッションパトロール」に「おフェロ」という新語が。メスガールを生み出した雑誌「アール」が7月号のセクシー特集で「おフェロなワンピ生活」を提案しているのだそうです。「エッチでキュートに生きるためのフェロモンたっぷりのワンピース」。笑。エロ五段活用がすっかり飽きられた後に登場した、おフェロ。このゆる~くて楽しげなコトバの感覚、脱力しながらも、いいですね。
ブルックスナイトに戻ります。どさくさにまぎれて、この日、着ているのは、ソフィー・ヒュームというイギリスの新進デザイナーのセットアップ(ノースリーブトップ+スカート)です。表面は、恐竜柄のカットワークだけで作られています。その合間から、下のシルクのライニング(?)が見えるという、奥行きのある面白い作り。ライトが当たっている下の写真だと、恐竜柄がはっきりわかるでしょうか…。昨年、ヴァルカナイズで出会い、この時代にこれだけのものを作ろうとするデザイナーの心意気を応援したくなって、「投票」のつもりで買いました。着るのに緊張を強いられる技巧的カットワーク+ティラノザウルスは、おフェロには程遠いですが^_^;-。
朝日新聞本日付求人欄、「仕事力」。リシャール・コラスさんの最終回「ラグジュアリーに挑め」。
25ans誌上であつかましくも「ラグジュアリー・クエスト」なんて連載記事まで書いていたことのある身ではありますが、ラグジュアリーの定義を万人に納得してもらえるように書くというところまでつきつめて探求してはいなかった。コラスさんの定義は明確にしてシンプル、力強く説得力あり。
「ラグジュアリーというのは、何万年も前から人間が求めてきた本能であり、それは、心の豊かさを求める行為だからです。例えば一万5千年も前にクロマニヨン人が描いたラスコー洞窟の壁画には、様々な色を用いて牛などの動物が描かれていますが、すでに絵画が日常を楽しく豊かにしていたことが伝わってきます。ラグジュアリーとは、自分の心が安らいだり、楽しみを発見できたりする状態のことだと、私はその本質をそう捉えています」
「見栄でもなければ、金額でもなく、その人なりの日常のベーシックな衣食住がかなって、それから、何か『ときめく』ことを見つけるのがラグジュアリーです。別の空気が流れたり、ささやかな憧れに歩み寄れたりすること、と言い換えてもいい」
「定義ができれば応用ができます。あなたが手がけている仕事に、ラグジュアリーという視点を入れていくとどうなるでしょうか」
(若い人のクールジャパンは自然な勢いに任せておけばいい、というハナシのあとで)「それよりも、何千年も続く、日本人の遺伝子に組み込まれた繊細で豊かな仕事力こそ、世界に類を見ない能力です。(中略)優雅な『エクセレントジャパン』を商品として売っていくことです」
「ビジネスは合理的にするべきだと考えている男性は特に、人の暮らしに目を凝らし、自分の中に潜むその感覚を引き出して欲しい。これから10年、20年と生き残る仕事力は、そこから生まれてくるでしょう。恥ずかしがったり、言い訳したりして、自分が作ってしまっている壁を守るのではなく、壊せない壁はないと静かに心に決めてください。日本人はラグジュアリーな仕事で、勝ち残っていくと思います」。
…「壊せない壁はないと静かに心に決めてください」。この一言にいたるまでの静かな説得力に、泣けました。地に足がついた、建設的で優雅なエクセレントラグジュアリー。遠慮や負い目を感じることなく、むしろ、堂々と推進していくべき誇らしい価値。いずれ少数派かもしれないラグジュアリークエストを続けていこうとするならば、こういう世界をめざさないとね。
HPと名刺のデザインを作ってくださっているのは、(株)アークコミュニケーションズさん。CEOの大里真理子さんが大学の文学部で一緒だったというご縁でお願いしています。
30年前の互いを知るだけに^_^;、直視したくない真実をきっぱり言ってくれる貴重な友人でもあります。南青山の「モザイク」にて久々にランチ。
クラウドファンディングによる奨学金制度を実現させた実行力の持ち主でもあります。東京大学に進学したいけれど経済的に困難、という地方の女子学生を対象とした奨学金制度です。出資者(寄付者)は卒業生。昨年度は、退職金をすべて寄付してくださった方もいらしたそうです。
お心当たりの女子学生が身近にいらっしゃれば、ぜひ、この制度を教えてあげてください↓
http://www.u-tokyo.ac.jp/stu02/h02_12_j.html
☆その後、ほかの仕事の打ち合わせ。アルマーニ表参道に併設されたカフェにて。カプチーノを頼んだらドルチとビスコットもついてきてちょっとうれしい。インテリアもアルマーニらしくて楽しく、気分が上がってしゃべりすぎ。反省。
点、点、点。たどって半年前の自分に戻ってみると、誰これ?みたいな(笑)。同じように、半年後、別人になっていればいい。パリ帰りの「サブリナ」のオードリー。パリ帰りのアン・ブーリン。半年後、別人になって帰ってきたヒロインの例は事欠かない。現実にパリに行くわけにはいかないが^_^;、脳内で半年間、留学するつもりになればいいのだ。再会したら変身してた!というほうが人を感動させる。あの猿岩石の有吉くんが、この有吉に化けて戻ってきたのか!(感慨ひとしお)みたいに。細胞は三か月で入れ替わる。そのひとつひとつに変化のタネを植え付けるイメージでいけば、半年で激変する。
脳内を変化させる最大の刺激は、苦味だと思う。苦い思いとか苦い経験、これをほっとかないでなんとかしようとすれば、自分を変えるしかない。もちろん、なんにもしないで苦味を蓄積しておくというやり方も、それはそれで味わい深い。
(こうしよう、とか、こうすべき、なんてことをだれか他人に押し付けたり、推奨したりすることなんて、恥ずかしくてできるわけがない。生き方やコミュニケーションの流儀みたいなものは、そのひと固有の経験と性格から決まってくるもの。)
☆苦味といえば、ヴェスパー・マティーニ。2006年版の「カジノ・ロワイヤル」では、ボンドとヴェスパー・リンドによる、パンチの利いたオトナの会話が。
B:I think I’ll call it a Vesper.(これをヴェスパーと呼ぼう)
V:Because of the bitter aftertaste? (後味が苦いから?)
B:No, because once you’ve tasted it, that’s all you want to drink(一度味わうと、他の酒が飲めなくなるから)
「カジノ・ロワイヤル」の原作が書かれたのは50年代半ば。イギリス産のゴードンズ(ジン)、フランス産のキナ・リレ、ソ連産のウォッカ、米国産のレモンピールを混合するというのは、世界平和への願い、なんだそう。(東理夫の「グラスの縁から」)
などとすぐウンチクに走るのが私の欠点ね。わはは。
ボンドとヴェスパーに戻ると、こんな色っぽいセリフが出てくる前の二人の会話も苦み走っている。
カジノに向かう車の中での会話。スイートに一緒に泊まることになったけど、寝室は別、という話の流れの中で、
V: Am I going to have a problem with you, Mr. Bond? (私がいて、なにかモンダイになる?)
B:No, don’t worry, you’re not my type. (心配無用。オレのタイプじゃない)
V:Smart? (アタマいいから?)
B:Single (独身だから)
渋すぎ。半年後、こういう苦みばしった渋い大人の会話を、複数言語(方言含む。笑)で自然に交わせるタフなレベルにまで変身できるかどうか。
7日(金)、大学にゲスト講師として生駒芳子さんをお招きし、エシカルファッションの最前線についてレクチャーしていただきました。題して「エシカルを着た悪魔」。
21世紀のファッション産業革命のキーワードとなる「エシカル」。その黎明期から現在、そして未来の展望にいたるまで、情報を網羅しながら、無駄なく、しかも楽しく充実したすばらしいレクチャーでした。学生にはもちろんのこと、聴講にいらした社会人の方々にも大好評でした。いちばん楽しんでいたのは私かも^_^;
ファストファッションについても、現在、いかに各社が「エシカル」に取り組んでいるのか、そのポジティヴな面を中心に解説。悲観・批判しないのがファッショニスタ魂ですね。
具体的なキーワードや固有名詞、新語、人についても、多くを学ばせていただきました。
たとえば「バイコット Buycott」。ボイコットの反対語。ある企業やお店に対し、不買運動をおこなうのではなく、行列を作ってまで買うという行為をおこない、それによって賛同の意を表明して企業を応援すること。
「アップサイクリング」。ただのリサイクルではなく、さらに価値を上げていくようなリサイクルのこと。
社会起業家の代表格のようなイヴォン・シュイナード氏。「革命を起こすためにビジネスをする」。
女優エマ・ワトソン。「私は社会貢献をするために女優をやっている」。日本ではあまりそのエシカルな側面は報じられていない。
モードとファストファッションの違い。モードとは、クリエーションのあるファッションのこと。ファストファッションはコピーであってクリエーションはそこにない。その中間にコンテンポラリーブランドがある。
「悪魔」とは欲望が強い状態。エシカルを推進するには、ファッショニスタの欲望をかきたてていかなくてはならないこと。かっこいいエシカル、欲望を刺激するようなエシカルであれば、自然といい方向へ進んでいく。今後、めざすべきはこの方向。
ファッション産業に可能な被災地支援のひとつとして、いちはやく東北コットンプロジェクトもおこなった。オーガニックコットンは、土地の塩分など余分なものを吸収してくれる。津波で塩分が増えた土地を健康に戻すにあたり、このプロジェクトが多大な貢献をしている。
ちなみにオーガニックコットンが高価なのは、落葉剤を使わないから。葉っぱの間から綿花をつむのによけいな手間がかかる。でも、作業をする人は、手が荒れないという。
……などなど、学びは尽きず。
講義後の記念撮影。たまたま二人のモノトーンのコントラストが、いい感じでした!笑。
私も超ポジティヴなほうだと思っていたが、生駒さんは私を上回るウルトラスーパーポジティヴ。講義後、ランチをご一緒しましたが、同席した方が、私たちがあまりにも同調しているのを見て、「お二人は20年来の友人同士みたいですねえ」とタジタジしておりました(大先輩に対して、かなり厚かましいですが)^_^;
ほんの一例、以下の会話…。
生駒さん「グローバルな人材を養成するには、教育の現場から変えないと。英語を小学生からうんぬんじゃなくて、マインド。学生が、臆することなく意見をがんがん言うことを、激励しなくちゃ。海外の会議では、手を挙げてとにかく意見を言わないと、存在しないことになっちゃうのよ。だからとりあえず手を挙げて、意見はそれから考えろ、と(笑)!」
中野「今の学生は浮くのを恐れるんですよ。小人数だと意見を言うけど、大教室となると、手は挙げない。シャイなうえに、目立って浮いちゃうと仲間に入れてもらえなくなりますからね。「ボッチ」って言って、一人で授業にすら出られない。私は常々、『一人で凛としてるのは最高にかっこいい』『一人はモテる』とか言って、一人行動を奨励してるんですが、どうも一人だと『友達がいない人』と見られて、それが恥ずかしいことになってるみたいです」
生駒さん「じゃあ、バッジ作ればいいのよ。<私は妊婦です>みたいなアレl、あるじゃない。電車のなかで席ゆずってもらえるやつ。<私は一人が好きです>みたいなバッジ。あれをキャンパス内でつけとけばいいじゃない。みんな<ああ、この人は一人が好きなのね>って納得するわよ!」
中野「笑。彼らは一人でご飯も食べられないんですよ。それが昂じて、ひとりでトイレの個室にこもってご飯食べる<便所飯>までやっちゃう。どこの大学でも問題になってるほど。グローバル人材育成問題と、便所飯問題は、つながっているんです」
生駒さん「あ~ら、じゃあトイレの個室にソファなんか置いて、<弁所>にすればいいのよ!」
中野「わははっ。なんでも否定や禁止するんじゃなくて、肯定アンド励ましのほうにもってかないと、ですね!」
こんな超陽性の方が第一人者として各現場の人と人をつないでいってくだされば、ファッション産業の未来も明るく感じられる。最高に楽しかったです。ありがとうございました!
双子座が新月に入る。願いごとを書くチャンスですね。仕事上の願いごと(というか、こうするという意志)を決めた直後に開いた朝日新聞に、たまたま天啓のような記事がふたつ。
その1。6月7日(金)付の天声人語。DJポリスさんのお話。知らなかったので、Youtubeでチェックしたらたちまち現場の映像がでてきた。なんという便利な時代になったの。
サッカーの日本代表がW杯出場を決めた4日夜の、渋谷交差点を埋めた大群衆を指揮車の上から誘導し、けが人も逮捕者も出さなかった快挙をなしとげた「おまわりさん」の話。
「警備にあたっている怖い顔をしたお巡りさんも、皆さんと気持ちは同じです。皆さんのチームメートです。チームメートの言うことを聞いてください」「お互い気持ちよく、きょうという日をお祝いできるよう、ルールとマナーを守りましょう」「声援もうれしいですが、皆さんが歩道に上がってくれる方がうれしいです」。
遅まきながら、映画みたいなあっぱれなお仕事ぶりに感動。理じゃなくて情。対立構造じゃなくて、協力をよびかける。威嚇じゃなくて、共感。権威じゃなくて、個の自由。思い込みや偏見を覆されて、なんだかものすごく自由で爽快な視界が開けてきた感じ。「琴線に触れる」ってこういうこと。
天声人語の書き手は、「どうやって自立した選手になって『個』を高められるか」(本田圭祐)にDJポリスの気概を重ねて結んでいたが、まさしく同感。
Voix Populi: DJ Police keeps order with flair
その2。9日(日)付「仕事力」。リシャール・コラスさんの第2回目「ブランドの『腰に立つ』」。
・「創業者のココ・シャネルは、上流階級の女性ではなく活動的なキャリアウーマンでした。(…)シャネルは短髪にし、動きやすいスタイルで仕事に没頭していました。ショルダーバッグ、ジャージ素材の服、筒型の口紅、パンツルック、日焼け止めなど、全ては働く女性のために、シャネル自身が機能を追求した発明です。私はそのキャリアウーマンの志をもっと日本で広めるべきだと主張しましたが、これが難航しました。猛反発の理由は、『高級ブランドとして確立した価値を下げてしまうのではないか』という懸念です。しかし、そのように守りに入って、次にどんな成長が望めるでしょうか。『守る』という姿勢で閉鎖的に思考停止してしまったら、あとは死にゆくのみ。私はそう強く主張して『ブランドを活かす』方針へ舵をとりました」
・「会社のブランドと共に自分の力をどう伸ばしていくか。必要なのはまずブランドが社会の中で求められているポジションや、価値をつかみ、徹底して自社のフレームを学ぶことです。そしてちょうどストレッチをするようにそのフレームを引っ張って広げていくイメージをもつこと。(…)一人ひとりが自分の仕事の中で、時代を読みながら、どんなに小さなことでも冒険的に新しい発想をしていくことが必要なのです。あいさつ文の一行を考え抜いて変える、お客を楽しませるイベントを企画する。どんなことでも、ブランドのために動こうとする視点が必ずあなたの仕事力を育てます」
・「腰の真上に立つ。腰に重心を置く。重心を決めて胸を開いて座ると、自分の体がしっかりと落ち着き、オープンに自由に動けるのです。『ああ、ブランドと同じではないか』と思いました。スピリットという土台に腰を立たせると、上半身は自分らしく解放されるのにぶれないからです」
DJポリスさんがやったことと、リシャール・コラスさんがなしとげていることには、共通点がある。大きな組織の一員ではあるのだが、そのゴールを見極めて、目的のために、個のパワー全開にして、自由に冒険していること。その結果、ブランド(機動隊なり、シャネルなり)の社会的な価値も高まっていること。
新月のタイミングで見せていただいた、すてきなお手本二例。
青山迎賓館の入り口にはレッドカーペット。
ジャズの生演奏もあり、バーテンダーによるフレアもあって、
中はそのまんまジャズエイジの雰囲気。
シャンパングラスまでフルート型「ではなく、20年代(風)。
プールまであって、映画のように飛び込みたくなる衝動にかられる。笑。
バズ・ラーマン版ギャッツビーのコスチュームデザイナーは、キャサリン・マーティン。実際に映画のなかで着用されていたコスチュームが展示されていました。
メンズはブルックスブラザーズのアーカイブからインスピレーションを得てマーティンがデザイン、さらにそれをブルックスが製作したものだそうです。
「ルレ・エ・シャトー・ジャパン2013」のレセプションでした。
会場は、国立近代美術館内のレストラン、L’art et Mikuni(ラー・エ・ミクニ)。テラスもある、こんなにモダンですてきなレストランが美術館内にあったとは!
「オテル・ド・ミクニ」の三國清美、「ラ・ベガス」の渋谷圭紀、「サン・パウ」の岡崎陽介、「古今青柳」の小山裕久、「神戸北野ホテル」の山口浩、「柏屋」の松尾英明、各シェフが勢ぞろいしたお料理に、「あさば」「強羅花壇」「ホテルアナガ」「扉温泉」「明神館」「べにや無何有・別邸」「仙寿庵」といった超有名お宿(どちらにも宿泊したことはありませんが……^_^;)のオーナー各氏がホストし、さらには今年のアンバサダー、サルヴァトーレ・フェラガモ夫妻がおもてなしくださいました。 フェラガモのワイン、IL BORROもおいしく、きらびやかな一夜でした。
ミーハーに、フェラガモご夫妻と記念撮影。長身ですてきなカップルでした。奥様はオフホワイトよりのベージュを華やかに着こなし、ひときわ目立っていらっしゃいました。イタリアンマダムの貫禄ですね。
ご参考までに、「ルレ・エ・シャトー」とは。
1954年にフランスで誕生した、世界的権威を誇るホテルとレストランの会員組織。5Cで表される基準による厳格な審査をクリアしたホテルとレストランのみに加盟が認められてきました。
選択基準となる5Cとは。
Courtesy (心のこもったおもてなし)。Charm (洗練された魅力あるスペース)。Character (特色や個性あるスタイル)。Calm (落ち着きやリラックスできる場所)。そして、Cuisine (質の高い料理)。この5つの要素を見たし、5つの要素すべてにおいて、「ホンモノ」であることが求められる。「世界のどこにおいても、世界にただ一つ」であることが、その精神で、似てるところがどこもない、というのが特徴。
2013年には、世界60カ国で、520のホテルとレストランがメンバーになっているそうです。
香水を語るときに不可欠な「エモーション」「センシュアル」、これを正しく翻訳できる日本語が存在しない、ということ。
日本で香水を売るときには、ポエトリーや情緒を語ってもダメで、「やせる」(グレープフルーツの香りで)とか、「結婚できる」とか、ダイレクトな「対費用効果」を語る必要があるということ。
…
日本のメンズのおしゃれ度は実は世界一で、ヨーロピアンが今、日本の若い男の子のファッションをフォローしているということ。
日本の若い女性のウルトラミニスカート、キャミソールドレスは、ヨーロッパでは娼婦の装いと見られてしまうこと。
日本では成熟した、品のいい「セクシー」の表現が下手だし、あまりそれが評価されていないこと。
などなど、お話は尽きませんでした。
ヴィーヴ・ラ・マリエ。ウェディングの華やかさと格式と楽しさを兼ね備えた、素敵な香りです。「婚活フレグランス」としていかがですか。笑。これからの方も、二度目の方も、三度目の方も…。
5月27日、各方面で大活躍中の二大おしゃれ巨匠、綿谷寛・画伯とソリマチアキラ・王子を大学にお招きし、「ファッションイラストレーションを考える」というテーマで、レクチャーをおこないました。
それぞれのイラストを見ながら、写真ではなくイラストを使う意義、ファッションイラストレーターの仕事の具体的内容、一枚の絵の中に描かれている情緒や思いなどを、丁寧に解説していただきました。バブル期における、イラスト一枚あたりの驚きのギャラの話も出て(!)、さらに最後には学生への貴重なアドバイスもあり、とても楽しく充実した時間になりました。
色覚に問題があるため美術学校に入れないとわかっても決して夢をあきらめず、自分のやり方で道を切り開いてきた綿谷画伯。「人が見ていないところでも、決して手を抜いてはいけない」との助言に、学生一同大きくうなずく。
アパレル勤務、バーテンダーなど、さまざまなキャリアを経てイラストレーターとして開花したソリマチ王子。「メンズファッションには決まりごとが多いけれど、もっと夢や情緒があったほうが楽しいよね」。
以下、お話のなかでとくに面白いと思ったことのいくつか。
・ファッションを描くとは、人物を描くこと。ファッションアイテム一つを描くのに、持ち主のいる部屋、しぐさ、葉巻などの小道具、表情、すべてを想像して、スタイリストのように組み合わせ、ふさわしい世界を描きこまなくてはならない。
・写真はよくも悪くもすべてを映し出してしまうが、イラストは本質だけを描くことができること。いちばん大事な分だけを表現できるのがイラストであること。
・海外の高級な雑誌、あるいはある種の広告は、イラストを使うほうを好む。絵の魅力でモノを買わせるのだ。顧客はすでにそのモノの品質を知っている。絵だけで、イメージだけで、理解してモノを買うことができる。見る方にも教養があるからこそできることであって、それは雑誌(広告)にとっても、顧客にとっても、ステイタスとなる。
・何もかも平板に映し出す写真ではなく、本質をデフォルメして描くイラストレーションだからこそ、時代を超えていける。
背景に映っているのは、メンズファッションイラスト界の草分け的存在、穂積和夫先生のイラスト。「静止画なんだけど、いまにも動き出しそう」な絵に衝撃を受けてイラストレーターになろうと志したという、綿谷画伯。
学生からは熱い感動のメッセージがたくさん寄せられました。お二人のスタイリッシュな装いと紳士的な振る舞いにも賞賛の嵐が。女子学生からのコメントの一部を紹介します。
「綿谷さんが、プライベートのお楽しみで得た知識や技を仕事に生かしているというのは、<男>をめ一杯楽しんでいるように見えました!私が男性に生まれたら、そんな生き方がしたいなあと思います。全身白の中に、紫の靴下が美しいです!」
「ソリマチさんのような素敵なものごしの男性を育てるために女性ができることは何かあるのでしょうか? 将来結婚する相手には、年を重ねるほどに魅力の増す人であってほしいので。笑」
などなどの楽しいリスポンスに、私も笑わせていただきました。一流の仕事をこなす素敵な大人のオーラに直接触れるということが、なによりもいい経験になったことと信じます。
綿谷画伯のマジウマ系広告イラスト。50年代アメリカの雰囲気に富士山をマッチさせることができるのは、イラストならでは。ギャラを聞いて会場から驚愕の声が(笑)。
リゾートの心地よい風が感じられるような、ソリマチ王子のイラスト。
綿谷画伯、ソリマチ王子、ありがとうございました!ますますのご活躍を応援しています。