米山隆一氏に関する週刊誌報道、それに便乗した「エリート」バッシングの記事などを目にするにつけ、残念でなりません。

東大医学部を出て医者になり、さらに弁護士資格も取得し、政治家に転身して新潟県知事にまでなった方とあれば、その頭脳は日本の宝。報道されていること以上のことはわかりませんが、本人の釈明が正直なものであるとするならば、女性に対する接し方があまりにも無知で無防備、ナイーブだったことに起因した不祥事だったようにも見えます。

今回のような、バランスを欠いたエリートの失脚事件を残念に思うゆえ、また、同様の社会的な損失を二度と出さないためにも、かねてから書いたり話したりしてきたことを今一度、提言したいと思います。

男性は、人生のどこかで、「ソーシャル・グレーセズ」(Social Graces)を学んでおくことが絶対に必要です。紳士として世界のどの場面でも敬意を払って扱ってもらえるような、社会的な品格のことです。それを感じさせるための社交術といってもいいかもしれません。

女性が身につけておくべきSocial Gracesに関しては、フィニッシュング・スクールやマナー・スクールなど民間に教育機関が多々あり、また女性は好奇心も行動力もあるので自ら学びとっている人も多い。しかし男性、とりわけ高学歴エリート男性となると、そんな暇もないどころか、そもそも学ぶ必要性すら感じていない方も多い。女性、というかそもそも「人」に対する接し方ひとつ知らないまま仕事に明け暮れてしまう結果、今回のような落とし穴にはまってしまうケースが生まれたらとしたら、それまでの膨大な努力も一瞬で泡になってしまう。本人にとって悲劇であるばかりではありません。長期間にわたり彼に対して費やされてきた莫大な教育資本が無駄になってしまうのですよ。社会的な損失は計り知れません。

高校時代までは学ぶ機会も動機もなく、社会人になってからは学ぶ時間がとれないということであれば、大学の教養課程のカリキュラムに押し込んでしまうという方法もあります。まずは東京大学から教養課程で「紳士のためのソーシャル・グレーセズ(Social Graces)」を必修としてみたらいかがでしょうか。世界の舞台で恥をかかないスーツの基本着装法に始まり、プロトコル、フォーマルのルールはもちろんのこと、レストランや各種社交のシーンでの振る舞い方、女性に対する接し方にいたるまで。表層のハウツーや決まりを教えるのではなく、なぜそうするのか? その起源はどこにあるのか? その行動をとることによって(あるいはとらないことによって)どのような結果の違いが生まれるのか? 国や地方による違いがあるのかないのか、それはなぜなのか? というところまで踏み込めば、十分、アカデミックな講義になるでしょう。

海外のエリートは、といっても国によりさまざまですが、たとえばイギリスのエリートに関していえば、パブリックスクール⇒オクスブリッジという教育環境(校内だけでなく、そのソサエティの社交場面を含みます)や、家庭環境のなかで、ごく自然に社交のルールやスーツの着こなし、女性のエスコート方法などを学んでいます。日本のエリートにそのような環境が欠けているとするならば、早いうちに学んでおく環境を大人が作ってあげるのも手です。

 

 

東京大学に対する世間の偏見を思うと嫌味に聞こえたら申し訳ないのですが、決して自慢でもなんでもなく淡々とした事実として、私は学部から大学院博士課程までトータル12年間、東大で学ばせていただいたうえ、英語の非常勤講師として6年ほど教育に携わる機会もいただきました。だから、東大にはとても感謝しているのです。お世話になった母校の名前が、こういった不祥事のときにここぞとばかり軽蔑や揶揄の対象にされることに、日本の「東大嫌悪」を痛感して、いたたまれない思いがします。一学年3000人も入学するので、実にバラエティに富んだいろんな人がいます。ただ、女性が圧倒的に少ない環境であったために(今はずいぶん改善されていると聞きますが)、女性との普通な接し方がわからないまま女性をいくつかの種類にステレオタイプ化して見てしまう男性も少なくなかったように思います。

エリートによるセクハラや、それに対するエリートによる時代錯誤的な反応、あるいはエリートによる「女性との交際における過誤」を見るにつけ、このような状況を今後、現出させないためにも、ぜひとも、社会的品位も身につけた紳士エリートを東京大学から輩出してほしいのです。もちろん、東大ばかりではありません。家庭でそうした教育を十全におこなうことが難しいとなれば(実際、私自身がひとりで息子たちを教育することには苦労していますし、限界も感じています)、各大学あるいは各専門学校においても、社会的品格のための教育の機会をなんらかの形で設けるべきです。問題が表出した事件はおそらく氷山の一角。10年後、20年後の未来を見据え、Social Graces教育は必須です(ひょっとしたら教員世代の教育から始めたほうがよいのかもしれませんが)。

 

 

“There’s a certain pattern that exists with geniuses – an eccentricity, a lack of social graces and an inability to really communicate with mere mortals.” (By John Noble)

 

ソーシャルグレーセズを欠いていてもコミュ力がなくても、場合によっては人を魅了することもあるんですよね。天然でおそろしくチャーミングな天才であるとか、あるいは人類の「進歩」(があるとすれば)に多大な貢献をするような度はずれた研究成果を出す大秀才であるとか。こういう人材をざくざく輩出していただくなら、上の提言、もちろん撤回です。

 

 

 

 

 

 

「名探偵コナン ゼロの執行人」。


ゴールデンウィークの定番、安定の面白さ。真実vs.正義というテーマを立てながら、公安と警察の違いやら、送検のしくみやら、日頃縁遠いテーマも筋を追いながら「学べる」仕組みになっている。

 

最後はアニメならではの荒唐無稽なアクションの連続で、大サービス。このメリハリがあって飽きさせない。

毎年一本、高品質な作品を提供し続けて22年。すばらしい。製作者のみなさまにほんとにありがとうと言いたい。ここまでくると「終わらせ方」もそうとう意表をつくものでなければ観客は満足しなくなりますが。でももはや黒幕の正体はどうでもよくなってきた。ただただ続いてほしい。

“There is no end. There is no beginning. There is only the passion of life. ” (By Federico Fellini)


経営者の友人たちと会食でした。二子玉川「ゆうき」にて。4人のうちの一人の行きつけということでお招きいただきましたが、アトホームな和食に癒される、よいお店でした。

これまで会社経営というのはなかなかピンとこなかったのですが、この4月から株式会社を立ち上げてみて、経営者の言葉をあらためて吟味してみると、ようやくそのリアリティが理解できます。私などはまだ個人事業主が株式会社になった程度ですが、今後のことは、これまでぼんやりしていた数字の問題も含めて、ひとつひとつ明快に決めていかねばなりません。

 

シビアなリアリティの一つは、「人」でしょうか。去る人、新たに寄ってくる人、おそろしいほどわかりやすくがらりと人が変わる。人の本性がよくわかるし、人が自分のことをどのように見ていたのかもわかる。その話をしたら、一人が「あたりまえじゃないですか。人とはそういうものですよ」と淡々と。人に恵まれるかどうかは、やはり自分の仕事次第なのだとあらためて覚悟しました。よい人と出会いたかったらそれにふさわしい仕事をしていくのが最短確実な道ということですね。

 

五里霧中の迷走だし、これまでとは違う神経を使わねばならないだろうし、当面、おぼつかないことも多々あると思いますが、読者のみなさまにもお気づきの点がありましたら、忌憚なくご指摘いたければ幸いです。どうぞご指導をよろしくお願いします。

“This is the key to time management – to see the value of every moment. ” (By Menachem Mendel Schneerson)

立場が変わっても、態度をまったく変えず接してくれる知人と過ごす時間はとびきり貴重に感じられました。時間の価値をこれまで以上に貴重なものにしていかねば、ですね。

読売新聞夕刊連載「スタイルアイコン」。今月より金曜夕刊掲載となりました。

本日は、ニューヨーク知事選への出馬を表明した、シンシア・ニクソンについて書いています。


(New York Times より引用させていただきました。ありがとうございます)

ドラマ「Sex and the City」のミランダ役で知られる方ですね。

本文で触れているこのTシャツはもちろん、ディオールの”We Should All Be Feminists” Tシャツを踏まえて作られたもの。

 

お近くに読売新聞がありましたらどうぞご覧くださいませ。

 

<追記>

ビジネスランチで、ザ・プリンスさくらタワー東京の「チリエージョ」にお招きいただきました。

コンテンポラリージャパニーズをイメージしたインテリア。

窓一面から見える日本庭園の緑に癒される素敵な空間で、イタリアンをいただきました。お料理の味も見た目もすばらしい。上の写真は前菜です。

Yonka社長の武藤興子さんにご助言を多々いただきました。ありがとうございました!

 

“If you do what you love, it is the best way to relax.” (By Christian Louboutin)

東京芝ロータリークラブから昼食会の卓話講師としてお招きいただきました。東京プリンスホテル「ゴールデンカップ」にて。

「スーツをめぐる誤解と真実」について話をさせていただきました。

スーツを着慣れていらっしゃる錚々たるロータリークラブのメンバーの方々ですら、意外と「誤解」の多い、スーツをめぐる「常識」や慣習。ましてや、多くの方々は、「慣習」だからととくに意識を向けることもなく着られているのだと想像します。


ご紹介くださったのは、プリンスホテル東京シティエリア統括総支配人の武井久昌さんです。ありがとうございました。

東京プリンスホテルのフロントロビーのお花。ロビーに漂うアロマの香りにもいやされます。

 

その後、日比谷ミッドタウンで行われるイベントでの基調講演の打合せや、来年の新刊の打合せなど。ワクワクする機会を与えていただけるのは本当にありがたいかぎりです。未来への種まきのチャンスをいただけるときにこそ足元で進行中の仕事も着実に終わらせていかないとですね。日々綱渡りですが、一歩ずつ正確に歩むことを忘れずがんばります。

“Custom is second nature.” (By Saint Augustine)

首都圏エリア9つのプリンスホテルで、スペインフェアが開催されています。

24日(水)にはザ・プリンス・パークタワー東京にて前夜のレセプションがおこなわれました。

 

小松原庸子さん率いる舞踏団によるフラメンコ、


駐日スペイン大使を含む関係者によるテープカットもおこなわれ、

料理やお酒もスペインムード一色で期待が盛り上がり。


なんと闘牛のイメージから牛をかたどった巨大なチョコレート彫刻も!


エグゼクティブシェフ パティシエの内藤武志さんが作るチョコレートも絶品。スペインのオリーブオイルを使ったチョコなど斬新ながらあとをひきます。

 

5/10(木)~5/12(土)には、ザ・プリンス パークタワー東京「レストラン ブリーズヴェール」において、スペイン・マドリードの2ツ星レストランのシェフ、オスカル・ベラスコ氏を招聘した特選ディナーを楽しめるイベントも開催されます。
33Fから望む夜景もすばらしいですよ。

詳細はこちら

 

 


スタッフのみなさまと記念写真。胸元につけているのはスペインの国旗をイメージした黄色と赤の薔薇のコサージュです。

エリザベス2世の92歳の誕生日(21日)に続き、昨日はケンブリッジ公爵夫妻に第三子が誕生。おめでとうございます。

5月にはハリー王子とメーガン・マークル氏の結婚式も続き、お祝いごとの大盤振る舞いといった印象の英王室。

「おそろしい一年」と女王が振り返ったほどの災難続きの年もあれば、お祝いごと続きの年もある。

苦難の時期も騒がずじっくり耐えてやるべきことを淡々とやり、お祝い事が続いても驕らずはしゃがずにこやかに受けとめていく。こういう女王の姿勢がほんとうにお手本になりますね。笑われるのを承知で言いますが、なにか面倒なことや問題にぶつかったとき、私は「女王だったらどう振る舞うか?」と想像してみることがあります。もちろん必ずしもその通りに行動できるわけではなく、状況次第では、「女王だったらそうはしないだろう」という選択をすることも多々ありますが、ただ、<困った時、選択に迷った時の振る舞い方>の一つの「基準」として、そんなロールモデルを心の中に秘めておくのも、悪くないですよ。

 

イギリスで放映されたテレビドラマ「ヴィクトリア」のDVD版を見始めました。英語字幕のみついています。エピソード1は、即位してまもない19歳のヴィクトリアがおかしてしまった臣下に対する致命的な失敗の話。若さゆえの拙速な判断。女王だって、こういう苦い「経験(=失敗)」や試練をいくつも乗り越えて「成長」していくのですね。「女王」思考を学べます。

 

“Think like a queen. A queen is not afraid to fail. Failure is another steppingstone to greatness.” (By Oprah Winfrey)

Ready Player One. オープン間もない日比谷ミッドタウン内のTOHO シネマズにて。

これは!! 140分の長さを全く感じさせない。過去の映画やアニメ、ゲームへのオマージュに、夢と教訓をぎっしり詰め込んではじけさせた、最新テクノロジー駆使による王道のハリウッドストーリー。

主人公タイ・シェリダン、ヒロインのオリビア・クックはじめ「ハイ・ファイブ」のメンバーもすばらしく(モリサキ・ウィン!)、大スターがいなくてもこれだけ魅力的な若い俳優たちがバリエーション豊かにそろえば文句なしですね。彼らのアバターもミレニアルズセクシーというか、新しい感覚のかっこよさで。

クライマックスの戦闘シーンは半分笑いつつ。メカゴジラ!ガンダム!そしてチャッキー! スピルバーグの映画ならみんな登場したいよね。笑

宝探しの旅においては、探求する対象にとことん心を寄せて想像と行動の限りを尽くすことでしか道は開けないという「メッセージ」も、若い人の心に響くのではないか。SFながら、近い将来、ほんとうにああいう社会が実現するおそれありという警鐘もあって、いろんな語り方ができる映画。

“In the form of my avatar, Anorak the all knowing. I created three keys. Three hidden challenges test worthy traits, revealing three hidden keys to three magic gates. And those with the skill to survive these strengths will reach the end, where the prize awaits. ”

 


TOHO シネマズロビーからの光景。夏日でした。

大安吉日の18日、リッツカールトンホテル東京において、一般社団法人日本フォーマルウエア文化普及協会 (Japan Formalwear Culture Association) の設立記者会見および記念パーティーが開かれました。

この協会は、タキシード専門店「ロッソネロ」の横山宗生さんが理事長となって組織されました。日本独自のフォーマルウエア文化を普及させるとともに世界に発信し、同時に日本の伝統文化や伝統産業の継承および発展に寄与し、地域経済の活性化に貢献するというミッションを担います。(伝統的な繊維産業は、続々と閉業の危機に見舞われています。)

ファッションショーも行われました。衣装もさることながら、音楽もパフォーマンスもセンスよく、新しい時代のリズムを感じさせます。写真で伝えきれないのがもどかしいですが。

日本ならではの着物フォーマル。


モデル勢ぞろいの図。


(理事と顧問、記念写真)

私は横山さんからのご依頼を受けて、協会の顧問としてお手伝いさせていただくことになりました。私自身がこれまで新聞はじめ各メディアで発信し続けてきた疑問点の数々。それを時代に合った形で解消し、これからの日本のフォーマルとして具体化しつつ発信できることに貢献できれば嬉しく思います。「批評」を机上で書くだけなら簡単。問題点を実際に変えていくとなると、現場の力をお借りすることがぜひとも必要です。150年前に迎合や忖度で決まってしまった慣行、戦後にアパレル会社が定めた便宜的な「ルール」を見直す時が来ています。熱意にあふれるメンバーとともに、グローバル時代に合ったフォーマルウエアの意識改革を進めていければ幸いです。同時に、伝統織物の産地に需要が生まれるような仕組みを作ることができればいいですね。貴重なレガシーがどんどん失われていくのを傍観していくのではなく、お役に立てるのであれば、微力でも何らかの貢献ができるよう考えていきたく思います。みなさまからのご助言、ご提言もぜひお寄せくださいませ。

 

 

モデルのみなさまと。私が着ているドレスは「ロッソネロ」の横山さんデザインです。「ロッソネロ」では、4月からドレスの制作も始めています。女性洋装モデルが着ているのも、豪華な西陣織や米沢織、桐生織の着物地をドレスに使ったもので、至近距離で見るとうっとりする美しさです。

横山さんのご人徳もあって、夜からの一般パーティーは大盛況でした。このバタフライポーズは「蝶ネクタイ」の象徴、ということで。

 

さっそくlivedoor newsにとりあげていただきました。こちらです

 

 

イラストレーターの綿谷寛・画伯の画集が出版されますよ。小学館より、5月10日発売です。

イラストレーター生活40年の集大成を還暦の年というタイミングで出版されること、本当にすばらしく、心より祝福したいと思います。

『紳士の名品50』で描いていただいたようなロマンティックタッチから、本物よりも本物そっくりな(!)マジタッチ、そして「ナウのれん」路線のマンガタッチにいたるまで。40年間にわたって第一線で活躍し続けている綿谷画伯の幅広い筆力を堪能できる待望の一冊です。

(『紳士の名品50』のために描いていただいたイラストのなかの一枚。イメージモデルは谷原章介さん?! )

私も巻末に解説エッセイを寄稿したほか、各章の英文タイトルを作りました。

画伯による、執筆者の似顔絵です。穂積和夫先生、世耕弘成大臣、谷原章介さん、いであつしさん、そして中野香織がそれぞれの角度から画伯&画伯の絵について論じています。(それぞれのアトリビュートとして描かれている飲み物の違いに注目)

これはもう、楽しみすぎるでしょう?(笑)

 

 

 この本でも表紙のカットはじめ、上の例のようなロマンティックな「紳士修行中」男子のイラストを数点、描いていただいています。

 

<追記>アマゾンでの予約も始まりました。画像をクリックするとアマゾンに飛びます。

ビジネスランチでパレスホテル内のフレンチ「クラウン」にお招きいただきました。

前菜の雲丹のお料理は、本物の雲丹の殻に入っています。貝殻で作られた特製スプーンでいただけるようになっているという配慮。

すくすく育ったアスパラ。旬ですね。トリュフの風味が効き、絶品でした。

仔牛のフィレ。やわらかくて美味。下に敷かれている日本庭園のようなのはバジルクリーム。フィレとよく合います。

お料理の写真を撮ることは遠慮することもありますが(これでも)、今回、あまりにも美しいお料理で、「写真を撮りたくなるほど喜んでいただけたらこちらも嬉しい」とレストランの方にもおっしゃっていただき、調子に乗って撮影。

 

デザートは柑橘系でさっぱりと。好みですが、こういうさっぱり感で締めることができると嬉しいですね。ほかにもプチフールやレストラン名物のケーキなども。サービスも洗練されてあたたかく、Forbes ファイブスターの底力を拝見した思いがしました。最高レベルというのはこのようなレベルという基準を学ばせていただきました。

こういうレベルを感じていただく仕事を基準としてめざさなくては!

“If there be no enemy there’s no fight. If no fight, no victory and if no victory there is no crown. ” (By Thomas Carlyle)

 

 

 

 

エイジングケアに定評のあるsisley から新しいヘアケアブランドが誕生しました。

ヘアサロンBeautriumとのコラボで生まれた、Hair rituel by sisley。

頭皮もまた顔の皮膚の延長にあるわけだから、顔の皮膚をケアするのと同じように、頭皮もケアしたほうがよいですよね。

頭皮だけではなく、毛髪を再構築する成分も配合されています。毛髪内部を強くするコットンプロテインとセラミド様物質の複合成分。さらにキューティクルを整えるための各種ナチュラルオイル。

 

グラフィックなデザインが、従来のシスレーのイメージをよい意味で裏切り、新鮮な印象を与えてくれます。

また、シスレー特有の、植物由来のよい香り。癒されながら気分が上がり、深呼吸したくなります。この香りの成分は、芳香性濃縮成分(アクティブ コア フレグランス)といい、香りをもたらすだけでなく、毛髪に栄養を補給し、頭皮全体の活力を高め、血管内皮細胞増殖因子の生成を促進するというもの。具体的にはヒノキのエッセンシャルオイル、ミモザオイル、ローレルのエッセンシャルオイル。そこにバーベナやレモン、ビーチブロッサム、アンバーがブレンドされて、全体としてシトラス・ウッディ調の癒しの香りに仕上がっています。バスルーム全体にこの香りが広がります。乾かしたあとの残り香も心地よい。

 

頭皮用美容液⇒シャンプー⇒コンディショナー⇒ドライヤー前のヘアオイル、とトータルで使ってみましたが、ここ数年では最高レベルと思われる艶が出て、たじろぎました。まずこの艶に慣れるよう、気持ちがついていかないとダメですね(笑)。

 

5月31日まで、Beautrium Aoyama St. および Beautrium 265において、シャンプーの際にヘアリチュアルを体験できるとのことです。

いずれにせよ、美髪は一日にしてならず。なんでもそうですが、儀式のように毎日繰り返すことこそ、達成への着実な道ですね。

Rituals build brands. (by Martin Lindstrom)

 


“Dior, The Art of Color “展が表参道のSo-Cal Link Gallery で開催されています。11日のプレオープンにお招きいただきました。

 

ディオール・ビューティーの歴史は、1949年に始まる。この年、ディオール本店で「ルージュ ディオール」が限定品として紹介されたとのこと。

1967年からセルジュ・ルタンスが、1980年からはティエンが、アーティスティックイメージディレクターに就任。

現在はピーター・フィリップスがディレクター。ディオールメゾンの真髄である「カラー」のすばらしさを表現。上のアイシャドウパレットは、今回の展示において数量限定で発売されます。


アートブック、The Art of Color は2016年に刊行されています。今回の展示では、このアートブックで紹介されている、ディオールの歴史を築いてきたアーティストたちの作品と言葉が堪能できます。


こんな「カラーレス」メイクも、ディオールの手にかかるとゴージャスですね。

ビューティーの可能性があらゆる角度から追求されており、脳内に多彩な美のイメージを蓄積するには格好の展示です。本も買えます。巨大ですが、コーヒーテーブルブックとしてひときわ存在感あります。

(Click to amazon)

 

Dior Art of Color

4月12日(木)~21日(土) 11:00~19:00 土曜のみ21:00まで。

会場 表参道SO-CALL LINK Gallery

#diortheartofcolor

 

 

“Pink isn’t just a color, it’s an attitude!” (By Miley Cyrus)

 

 

北日本新聞発行 未来へ進む若者応援マガジン “Future” 2018 に取材していただきました。

「これまでなかったお仕事。」というテーマです。


こういうのでもなんとか半世紀は生きていけたという、世界の寛大さにたまたま短期間守られたきわめて珍しい例としてご笑覧いただければ幸いです。よい子は絶対に真似しないでくださいね。

堅実に将来計画を立てて、着実な道を歩み、安定した人生の幸せを獲得していただきたいと切に願います。

 

これから未来を考える若い方には、ぜひこの三部作の読書をお勧めします。

本多静六さんこそ、あらゆる意味で人生の勝ち組なのだと思います。徹底的に意志が貫かれたすばらしい生き方や考え方を心底、尊敬しているのですが、私はことごとく本多さんが出す「間違った道を行っている人の例」にあてはまるようです。

唯一、同じレベルに達したかなと思われるのが「仕事の道楽化」のみ。お仕事が楽しくてしょうがないので、頼むから私から仕事の時間を奪わないでくださいという変態レベル。

そのほかはやはり選択を間違ったなあと悔やまれること多々。早いうちから本多さんのやり方にしたがっていれば、公私においてバランスのとれた、充実した人生が送れるでしょう。

みなさんの前途が、希望に満ちた明るいものでありますように。

You cannot escape the responsibility of tomorrow by evading it today. (By Abraham Lincoln)

 

新高輪プリンス「飛天の間」といえば、松田聖子さんがディナーショウをしたりFNS歌謡祭がおこなわれたりする、1000人収容の華やかな会場なのですが、なんとそこでレクチャーをするという幸運に恵まれました。

この天井の迫力ときたら。それこそ「天に飛ぶ」ようにテンションが上がります。

ギリシア建築かという柱、豪華絢爛なシャンデリア、靴がめりこみそうなカーペット。昭和の豪奢といった雰囲気の会場でお仕事できたのは、ラッキーなことでした。

1時間のレクチャーのためにかなり念入りにたっぷりと資料を用意していったのですが、このようなスケールの会場では、「何を話すか」もさることながらむしろ「どのように話すか」のほうが重要なのだと気づきました。

スピード、間、抑揚。内容をやや減らし気味にしても、「どのように」の工夫と努力に時間を費やした方が届きやすい時もありますね。

頭ではわかってはいるつもりでも、実際、現場で仕事をしてみると、本当の意味で身にしみて「わかる」。反省点も多々ありましたが、経験は次の機会に活かします。

集中が続いた仕事のあとの一杯は、また格別ですね。

新高輪プリンスホテルのロビーは、「コンテンポラリージャパン」をテーマに、セクシーな空間に生まれ変わっております。Design Studio Spin が手がけられたお仕事。Zakuroの改装や、Table 9はじめ、国内外のラグジュアリーな空間のデザインを手がけていらっしゃいます。

プールを囲む庭園の眺めも、昼と夜で一変し、脳内別世界につれていってもらえます。

It’s impossible to explain creativity. It’s like asking a bird, ‘How do you fly?’ You just do. (By Eric Jerome Dickey)

北日本新聞別冊「まんまる」5月号発行です。

連載「ファッション歳時記」第79回「生首とジベリーノ」をテーマに書きました。

以下、本文に注としてつけたい写真です。

グッチの生首。

ドラゴン持ちも。

そしてジベリーノ。 貴婦人が手で持つ「アクセサリー」。

 

 

 

上は、昨年、ロンドンでダイアナ妃のデザイナーだったポール・コステロ氏にインタビューしたとき(日本人初だそうです)に、コステロ氏が「記念に」とその場でさらさらと描いてくださったデザイン画です。A3サイズだったので縮小してコピーし、データ化しました。もちろん原画は宝物として残しておきますが、やはり多くの人に見てもらってこそいっそう価値が上がるものもあります。

 

☆☆☆

読者や視聴者のご意見から、予想もしなかった面白い視点を与えられることがあります。最近もっとも印象に残ったのは、銀座ローターリークラブの会長さんからの、私の講演後のまとめのお話でした。「ホリスティックにファッションをとらえていらっしゃるので、生活のあらゆる側面に意識を向けることにつながり、また、これだけ多くの観点からファションというものを考えていれば、生涯を通じて楽しくご研究を続けていけることでしょう」という趣旨の話でした。

「ホリスティック」という言葉は医学ではよく聞きますが、こういう使い方もできるのか、という発見がありましたし、なるほどたしかに、ここまで視野を広げておくと、重点をその時々でホットになる観点に移せばよいので、飽きるというはなさそうですね。

 

何度か掲載していますが、私が自分のFashion Studiesにおいて定義している「ファッションの構成要素」です。↓

 

既成の定義がキュウクツだ、と感じたら、誰にも迷惑をかけないかぎりにおいて、自分で書き換えればよいだけのこと。「リベラルアーツ」の起源は、人を奴隷状態から解放するための学びであったことを忘れずにいたいですね。

 

People and land need healing which is all inclusive – holistic. (By Allan Savory)

 

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆トークショーのご案内です☆☆☆

「半・分解展」東京・名古屋、各会場で、世界にも類を見ないこの展覧会をプロデュースする長谷川彰良氏とのトークショーに登壇します。

「体感するファッション史 ~半・分解展の現在~」 Save The Date!

<東京会場>

日時 5/26(土)14:00~15:30 (受付け開始 13:30)

会場 東京都渋谷区桜丘町23-21 10F 文化ファッションインキュベーション

聴講料 2,000円

お申し込みは、こちらからお願い申し上げます

 

<名古屋会場>

日時 6/17(日)13:00~14:30 (受付け開始 12:30)

会場 愛知県名古屋市東区大幸南1丁目1−1−10 カルポート東 4F ギャラリー矢田 第一展示室

聴講料 2,000円

お申し込みは、こちらからお願い申し上げます

 

2014年、2015年ごろのリシェスの連載を中心に、新しくpdf化したアーカイブ記事です。なぜだか「magazine」欄のタイトルからpdfに飛べなくなってしまったので、問い合わせ中です。まずはこちらにまとめてアップしておきます。

富裕層向けの雑誌なので、内容も浮世離れしておりますね。

お時間のゆるすときあれば、ご笑覧ください。

 

 

<連載:リシェス・オブリージュ 富の品格>

リシェス創刊号からの巻頭連載です。

第1回 富の品格

第2回 富裕層とエリート教育

第3回 ファーストレディの責務と愛

第4回 音楽とチャリティ

第5回 『富と名声』が向き合う環境問題

第6回 ブランドによる伝統技術の保護

第7回 人々の幸福と植物

第8回 スポーツを取り巻く支援

第9回 未知を求めた旅の果て

第10回 人は、与えるものによって人生を作る

 

<連載: 世界のソーシャルカレンダー>

世界の富裕層はこういうカレンダーに沿って地球を移動しているというお話です。

2015 spring 国際会議

2015 summer リゾート

2015 autumn 

2016 winter ファッションとアート

 

(こちらはリシェスではありませんが、ホワイトハウスコックスのファンブックに寄稿した記事)

・2016年11月16日 「ジェントルマンと馬とブライドルレザー」(Begin編集部特別編集 Whitehouse Cox Fan Book、世界文化社)

昨日の朝日新聞の鷲田先生コラム。

「渋好み」を説明するのにこのめんどくさい感じ、いいですね。渋い。

 

 

☆☆☆

以下は、最近、目に余るなあと思うことに対する苦言。

広報やマーケティングの方法に唯一絶対の正解はないけれど、明らかにこれは逆効果だろうと思われることが横行しています。

一度、名刺を交換しただけの人に、メルマガばりに不特定多数向けの広報メールを勝手に送りつけること。よかれと思って送っている方、ほんとうに宣伝効果があると思っていらっしゃいますか?

正直に申し上げますと、早急に返信の必要な仕事の大量のメールの合間に、この手の宣伝メールが入ってくるのは、決して好感をもてることではありません。

「名刺交換させていただいた方にお送りしています」という注意書きが入っていることが多いですが、こんなことが常態としておこなわれるならば、名刺交換することさえ恐怖になります。「一斉メールは不要です」といちいちお断りするのも気を使い、せっかくお会いした方なので、その旨を丁寧に書きますが、それはそれで時間もとられます。

ほんとうにその企業なり人なりのコアなファンで「ぜひ読みたいから送ってください」という顧客の方にのみお送りされたらいかがでしょうか? それこそお金を払ってもメルマガとして読みたい、というくらいのファンであれば効果的かもしれませんが、そうでない場合、かえって企業のイメージは、宣伝メールが送りつけられてくるたびに、「コミュニケーションの何たるかも知らない迷惑な会社」として、下がるばかりです。(ご自分が受け取る立場になって想像してみれば、すぐにわかることだと思います。)

迷惑メールが来ないかぎりにおいて、御社のご発展を心よりお祈り申し上げております。

“There is a time and place for publicity, but to stay a sane person, you must have a personal life. ” (By Liam Hemsworth)

 

 

 

日本経済新聞 日曜版Nikkei The Style .

本日は、ブランドの事業継承について書いております。データを集めるのにかなり苦心し、実際におこなった取材も涙をのんで紙幅の都合などでカットし……という幾多の苦労を乗り越えての凝縮された1ページです。ご協力を賜りながら泣く泣く取材内容をカットしなくてはならなかったブランドのご担当者さま、ほんとうにごめんなさい。お話は無駄にしないよう、なにかの機会に活かします。心より感謝申し上げます。


DVF。期待されたジョナサン・サンダースもあっという間に退職。

RL。ステファン・ラーソンは多額の退職金と共にすぐに退職。

CK。ラフ・シモンズを得て、うまくいっている例。

 

でもこういう記事をいくらたくさん書いたところで「業績」の足しにもならない、と面と向かって言われたこともありましたね。

 

いろいろな価値観があります。どうも私はだれか知らない人が作った制度や価値観のなかで「そういうものだ」と言われるままに収まっていることが耐えられないようです。

 

そんな世界もあるし、違う世界もある。今日の記事は苦労して凝縮しただけあって、一字の無駄もなく、面白いと思います。読んでみてくださいね。

<追記>
スキャンした記事をアップしますね。

 

 

 

☆☆☆

ところで、プロフィル写真を4年ぶりくらいに更新しました。

このギャグすれすれな「(笑)」という感じ、どこまで伝わるかわかりませんが。撮ってくださったのは日比谷のフォトスタジオOPSISです。マリア・カラス風のイメージでお願いしたら、こうなりました。不評だったらその時はその時、また別のバージョンで撮ればよいわ。同調から抜けられず口先だけ多様性を唱える社会に対してうんざりするのも飽きたので、一人多様性。笑


“Diversity: the art of thinking independently together.” (ByMalcolm Forbes)

日本経済新聞土曜夕刊連載「モードは語る」。

本日は、日本特有の礼装「カップルなのに男性はモーニング、女性は黒留め袖」の起源について思うところを書きました。ぜひ、読んでみてくださいね。

参考文献は、先日ご紹介いたしました小山直子さんの著書です。

 

みなさん、あの和洋混合の礼装を奇妙だと思っていないんでしょうか? 式場に和洋とりどりの装いの方がいらっしゃるというのはとても素敵だと思いますが、カップルなのに和洋別々、というのは何なのでしょうか。「そういうものだ」というふうに式場から言われるから、まわりがみんなそうしているから、よけいなエネルギーを使わないように従っておく、という方が圧倒的なのではないのかと憶測するのですがいかがでしょう…。

私はそういうのが耐えがたいのですよね。なぜ明らかに奇妙な組み合わせなのに「みんながそうしているから」「これまでそういうものだったから」という理由だけで従わなくてはならないのか。

せめて起源を知りたい、最初に「決めた」のは誰なのかを知りたい、そんな奇妙な組み合わせを平気で「そういうものだ」ということにしてしまえるメンタリティの仕組みを明らかにしておきたい、と考えながら読んでました。

 

それにしても、「みんなそうしているから」という意味不明の理由だけで周囲と同じことをするなんてまったく理解できない、という性格ゆえに、しなくてもいいソンをしてしまっていること多々でした(今もだが)。自分ひとりだけだったらすがすがしく生きていられるけど、子供までそんな背中を見ているから「巻き添え」にしてしまったな、と哀しく思うこともあり。

がっちり日本的な組織人が言う「個性が大事」「多様性が云々」は口先だけのことが多い。今年初め、あるファッション関連の団体のパーティーに出席したら、1000人ほどの出席者のうち女性は一割もいなくて、全員、誰が誰だか見わけがつかないダークスーツ。そして壇上でスピーチする、ダークスーツ軍団の中の一人が「多様性に向けて……」とか話している。シュールでした。

 

<追記 アップしますね>

 

☆☆☆

さて。フォーマルウエアの話題ついでに、以下、お知らせです。

「一般社団法人日本フォーマルウエア普及協会 (Japan Formalwear Culture Association)」の設立記念パーティーがおこなわれます。

前半はプレス向けですが、夜の部はフォーマルウエアに関心のある方でしたらどなたでもご参加できます。

4月18日(水)19:00~21:00 ザ・リッツカールトン東京 2階グランドボールルームにて。

詳細は協会の専務理事、赤木南洋氏までお問い合わせください。m.akagi@nifty.com

 

 

グランドプリンスホテル高輪の貴賓館にて、「観桜会」2018。貴賓館の歴史は1911年までさかのぼります。竹田宮家の邸宅として建てられました。

こちらは氷の彫刻です。桜のはかなさ、氷のはかなさを思うと、最高の一瞬の美しさを愛でられるのはなんと幸せなことかと思う。

東京シティエリアの各プリンスホテル(品川プリンス、グランドプリンス高輪、新高輪プリンス、ザ・プリンスさくらタワー、東京プリンス、ザ・プリンスパークタワー、ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町)のシェフが、一堂に会し、自慢のお料理をその場でサービスしてくださるなど、すばらしいおもてなしでした。

オリジナルの桜カクテルも美味。各種の珍しいお酒もふんだんに用意されておりました。

なによりも統括総支配人はじめ、各ホテルの支配人がタキシードで、そして女性の統括や広報担当者はお着物姿でゲストをお迎え。マーケティング担当の男性社員は、桜色のネクタイやポケットチーフでもてなしてくださいました。女性の華やかな装いはもちろんなのですが、男性が美しく正装していてくださると、場の格が一気に上がりますね。


レイチェル・チャンさんの明るい名司会によって各GMの個性も引き出され、トークも盛り上がり。

統括支配人の武井久昌さん(中央)はじめ、各ホテルの支配人。ダークダックス風のポーズで。実は各ホテルに社員によるミュージックバンドがあるそうです。こんなポーズが一瞬で決まるのもさすが。

General Managers はじめプリンスホテルの社員のみなさまやスタッフの方々と記念写真。「華麗なる一族」風に。笑


おみやげはチョコレートサロン高輪のオリジナル、桜のチョコレート。美味。

ゲストとホストの間に、楽しさとあたたかさが親しく共有された、華やかなでした。

 

Let a hundred flowers bloom, let a hundred schools of thought contend. (ByMao Zedong)

 

藤巻百貨店プロデュース、過去最大級の江戸切子展が、いよいよ今日から3日間、開催されます。

銀座東急プラザ キリコラウンジにて。

匠の技のバリエーションを間近に体感できるまたとない機会。切子で日本酒も楽しめますよ。

ラリックを思わせるこの作品も、江戸切子。ウェブ投票でも人気のあった作品のひとつ。色を合わせるのがなかなか大変なのだそうです。価格もびっくりですが、それだけの価値あるものなんですね。ぜひ会場でご覧ください。

切子をイメージして作られたキリコラウンジも一見の価値あり。

 

新たにアーカイブ入りしたpdfです。順不同。お時間の許す時あれば、ご笑覧くださいませ。その他アーカイブに関しては、「etc.」でご覧いただけます。

・2017年5月6日 「ネイビーは勝利の色」(Men’s EX 6月号)

・2016年5月24日 「世界に影響を与える指導者はトラッドなのです」(Men’s Club 7月号 No. 665)談

・2011年12月6日 「『カントリー・ジェントルマン』とはいったい何者だったのか?」(鈴木文彦さんとの対談 Men’s Precious 2012年1月号)

・2009年7月1日 「モードがマンガに接近中って、本当ですか?」(VOGUE  7月号 No. 119)談

・2011年7月1日 「インディアンの自然観から学ぶもの」(Equus 8月号)

・2017年4月27日 「ロイヤル婚のレジェンド、美智子様とグレース公妃の魅力」(25ans 6月号)

・2011年4月27日 「英国王室のラブ・ストーリーは、なぜこんなにも人々を惹きつけるのか?」(25ans 6月号 No. 381)

・2011年4月6日 「なぜ、今、『王室御用達』なのか!?」(Men’s Precious 2011 spring)

・2011年4月6日 「英国人にとってロイヤルワラントとはいかなる意味を持つのか」(Men’s Precious 2011 spring

・2010年12月25日 「ケイト・ミドルトン、ウィリアム王子との愛」(25ans 2011年2月号)

・2017年7月28日 「没後20年記念特集:ダイアナ妃という伝説」(25ans 9月号)

・2012年11月1日 「私はわが道を行き、ふさわしいスタイルを貫く。」(チャールズ皇太子特別寄稿『私のファッション論』翻訳 / GQ 11月号)

・2012年11月1日 「プリンスにふさわしい風格」(ビル・プリンス寄稿”Fit For A Prince”翻訳/ GQ11月号)

・2012年11月1日 「時代がようやく追いついた」(GQ 11月号)

・2011年2月26日 「ランヴァン クリエーティビティとリアルを共存させる稀有なるメゾン」(25ans 4月号)

・2011年5月 「人生をまるごと仕事として生きたココ・シャネルに学ぶ『自立』と『自由』」(松竹製作 日生劇場ミュージカル「ガブリエル・シャネル」パンフレット

・2015年6月27日 「師にして姉にして親友の『25ans』と歩んだ35年」(25ans 8月号 No. 431)

・2016年7月1日 「輝いている女たち 第一回 中野香織」(Brilliant Glanz 2016 summer issue)

・2016年12月7日 「ゲラン 美学の結晶『オーキデアンペリアル』洗練の美肌伝説」出演(Precious 2017年1月号 別冊付録)

 

またこちらでは、マンガのキャラとして登場しています。(綿谷画伯×いであつし文豪の「ナウのれん」100回記念号です。)

・2016.12.16  「ナウのれん」100回 (Begin 2017年2月号)本来、もっと長い記事ですが、登場しているところだけ掲載させていただきました。

 

 

 

 

こちらは、先日のTae Ashida コレクション会場での一枚。オフィシャルカメラマンが撮影してくださったもので、オフィシャルインスタグラムにアップしてくださってました。ありがとうございました。ブロンズのドレスは今シーズンのTae Ashidaです。袖は繊細なレースになっています。ブロンズは、昼間の平明な光の下で服だけを見ると派手な印象ですが、夜間の照明の下だと意外に肌になじんでしまいます。

なんでもそうですが、照明しだいでいかようにも見え方が変わりますね。どのように光をあてるかによって見え方が変わるということは、もちろん仕事はじめ人の営み全般について言えそうです。

ファッション誌を見ていて湧いてきた疑問。

なぜ、「知的なファッション」となると、無彩色だったり、ミニマルだったり、反・色気だったりに偏るのでしょうか?

カラフルで、デコラティブヴで、セクシーな「知的ファッション」だっておおいにアリでしょう。

私が「この人、痴的なフリして知的だ!」と感動する人はみな、セクシーでカラフルでデコラティブなんですよ。

ミニマルな無彩色が「知的」なイメージを伝えやすいというのは、わかる。そのコンセプトに異を唱えるものではありませんが、ステレオタイプなイメージの枠どまりになっていることそのことじたいが、想像力の貧しさを感じさせる。

 

 

“All genuinely intellectual work is humorous.” (By George Bernard Shaw)

 

 

 

超大型本です。届いてびっくり。フォトグラファー、クリス・ムーアが60年にわたって撮り続けてきたファッションショーの写真のなかから、時代を象徴するような写真が選び抜かれています。

ココ・シャネルの最後のショーから、ミュグレー、ガリアーノ、マックイーン、ヴェルサーチェといったドラマティックなデザイナー、そして2017年にいたるまで。

ところどころにアレクサンダー・フューリーのテキストが添えられています。

ミュグレーのイマジネーション、開花。

ため息をつくしかない美しいライン。2003年のグッチ。現在の「生首グッチ」からは想像もつかないエレガンス。

サンローラン、1992年。モデルが上着をとったときの衣ずれの音まで聞こえそうな。

問答無用のクリスチャン・ディオール時代のガリアーノ。クレジットを見なくても「ガリアーノ!」とわかる作風。オートクチュールはこうじゃなきゃね。

カメラのフラッシュ、フラッシュ、フラッシュ。これがショーのテンションを上げるんですよね。

けた違いにグラマラスなおよそ500ページにわたる世界。一枚、一枚の写真が、ひとつひとつの作品が、ここまでやるのかという情熱を伝えてくる。

なにか生み出そうとするとき、この写真集はモチベーションを上げてくれる。なまぬるく「こなす」のでは仕事にならない、圧倒的にエネルギーを注ぎ込まなくては人の心はつかめないし、永久に残る作品にはならないのだと戒めてくれる。

350ページほどある本格的な学術書で、この手の研究書を読み慣れていない方にはハードルが高いかもしれないのですが、興味のある向きにはお勧めです。小山直子さんの『フロックコートと羽織袴 礼装規範の形成と近代日本』(勁草書房)。

次回の日本経済新聞の連載「モードは語る」にこの本のことについて、またそこから感じた「日本人の、変わらぬメンタリティ」について書きました。しばし、お待ちくださいませ。

「礼服」に含まれた真の意味、和洋混合フォーマルの起源を丁寧に検証し、明らかにしてくれたよい本でした。御茶ノ水大学に提出した博士論文がもとになっている本とのことです。小山直子さん、リスペクト。

 

地元の桜も愛でておかなくては。月の初めのお参りついでに、車で数分の寺家ふるさと村です。悠々とした時間が流れている場所です。以下、写真集です。

“The greatest discovery of all time is that a person can change his future by merely changing his attitude. ” (By Oprah Winfrey)


“Real nobility is based on scorn, courage, and profound indifference. ” (By Albert Camus)


“Elegance is not a dispensable luxury but a factor that decides between success and failure. ” (By Edsger Dijkstra)

“You don’ t buy luxury to enter a community, but to set yourself apart from others.” (By Francois-Henri Pinau)


“Be Impeccable With Your Word. Speak with integrity. Say only what you mean. Avoid using the word to speak against yourself or to gossip about others. Use the power of your word in the direction of truth and love. “ ( By Don Miguel Ruiz)

Sakura icecream. Yummy.

The Greatest Showman.

19世紀の興行師PTバーナムの伝記ミュージカル。六本木ヒルズのスクリーン7(+200円の大きなスクリーン)がほぼ満席で、終了後、熱のこもった拍手が起きていた。映画館で、しかも試写じゃない一般劇場で、さらに公開からずいぶん時間がたった映画で、終了後に拍手を聞いたのはおそろしく久しぶり。(というかほぼ記憶がない)

ふだんは退屈そうにしている次男も「これは面白かった」と夢中になって観ていた。スクリーンからパッションと幸福感があふれ出しているような、力強いエネルギーにあふれたミュージカル。

生涯、世の中を楽しませ、騒がせながら、波乱の人生を送ったバーナムのエピソードをもれなく詰め込みながら、「ヒーローズジャーニー」にも通じるストーリーとしてまとめあげ、誰が見ても楽しめるエンターテイメントに仕上げた制作者がすばらしい。出演者もそれぞれに見せ場があって、それぞれに魅了される。チャリティ役のミシェル・ウィリアムズの善良さと賢さ、見習いたい。チャリティのお父さんも、ひどいことを言うのだけどなんだかんだと娘と娘婿を信じているような行動をとっているのがいい。新聞記者が”Celebration of Humanity”と表現していたが、まさにそんな感じで、「多様化」へのうねりがある時代だからいっそう支持されるのだろう。

“Hyperbole isn’t the worst crime. men suffer more from imagining too little than too much.”(誇張は罪ではない。人は、想像しすぎることよりも、想像しなさすぎることによって苦しむ)

何が起ころうと自信家で楽観的なバーナムは、ヒュー・ジャックマンによってかなり美化されてはいると思うけれど。

 

元ネタになっているバーナムさんは、こちらのお方。Phineas Taylor Barnum. 1810-1891.

バーナムのことは、10年ほど前に調べてエッセイを書いたことがあった。占いにおける「バーナム効果」や、成功本(自己啓発本)の元祖であるということについて。バーナムについて書いたことだけ覚えていて、何を書いたかは忘れていたので、あらためて読み返してみる。

 

「バーナムは『万人に通用する共通の法則がある』という信念のもと、人間動物園のはしりのような展示をしてみたり、サーカスと動物園とフリークスショウをいっしょくたにした『地上最大のショウ』を巡業させたり、アフリカ象『ジャンボ』を呼び物にしたり……と人間の好奇心を巧みに刺激して稼ぎに稼いだ人である。

『ぺてん王子』とも呼ばれたが、人々は見たことがないモノを見るためならば喜んでお金を払った。『お金を稼ぐ黄金の法則』『苦闘と成功』という彼の著書も売れた。

『想像の中のリッチで成功した自分の姿』というのも大衆にとっては『お金を払っても見てみたい、見たことのないモノ』の一つ……とバーナムならば考えていたと思われる」(中野香織『愛されるモード』、中央公論新社)

 

『お金を稼ぐ黄金の法則』の原題は、”Art of Money” 、1880年の本である。
“The best kind of charity is to help those who are willing to help themselves. ” (最良の慈善は、自分自身を助けようとしている人を助けることである)なんていう、今に語り継がれる名言もある。

 

実在のバーナムさんはテイラーの息子ではないが、映画ではテイラーも、テイラーの息子もtrash扱い。当時はそういう職業だったのね。いまどこかにある偏見だって、ずっと後の時代になったら「なんて狭量な」と一蹴されて終わるはず。

 

この日は満月。東京タワーと満月と満開の桜。


 

桜満開の季節ですが、六本木ヒルズはすでに季節を先取り。チューリップを植えていた。このセンスがさすがね。

夕食は東京プリンスで。3階テラスから望む満開の桜と東京タワー。こちらも安定の絶景。