数日前、大学内で「キャリアと人生」に関するシンポジウムが開かれ、ご指名を受けて、3人の登壇教授のひとりとして話をしてきました。

一人で話すわけではないので、通常のキャリアに関する講演のようにすべて一貫させるように伝えるということは難しかったのですが、いつものように、

「世間が決めるスペックで競うことに向いていないと思ったならば、自分をもっとも活かせる価値基準を作ってそのブルーオーシャンで悠々と泳げるように努力したほうがラグジュアリーな人生を送ることができる」

という趣旨のことを話してきたのですが、最後に受けた質問が不意打ちで、不十分な答え方しかできませんでした。それに対する「階段のあと智恵」的な補足です。

その質問は、このようにして日々、強い「個」を作るための実践をせよ、ということに対して寄せられました。

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こんなふうに「修身」をした結果、強い「個」になってしまったら、多くの日本の企業や組織では、ういてしまって、うまくやっていけなくなるのではないですか? という質問を受けたのです。

そのときは、とっさによい答えが浮かばなかったのでなにやらお茶を濁した感があったのですが。

私の真意は、強い「個」になることは必ずしも突出した個性になることではない、ということです。

自分の中に、根拠不明な世間の基準ではなく、自分が心の底から信じられるような行動基準・価値基準をもっていれば、多少のことには凹んだりすることもなく心安らかでいられる、結果的にそれが本当の意味でのラグジュアリーな幸福を実感できる「強さ」につながるということです。

心のなかにそのような強さがあれば、組織のなかの多少のごたごたは上手に「流して」いきながら、うまく溶け込むこともできるでしょう。また、ここぞのときにほんとうに力になってくれる人というのも、結局、日頃は群れずつるまない「個の強さ」をもった人たちです。つるんでうわさ話などに興じる暇があれば腕を磨く、そうして磨かれた能力が、いざというときに大きな力を発揮して人や組織を助けることができるのです。

そのような本物の強さを育てるために、上に挙げたような日々の「修身」を着実に続けていくというのも一方法なのです。信じられることを見つけるための確実な方法であり、社会における自分の「輪郭」のようなものもわかってきます。

最後の「想像し、愛する」。やはりあらゆる人文学系の学問が、いかなる議論を闘わせるにせよ、最終的に着地すべき境地だと思っています。

Create your own blue ocean.

☆2017年度版、国際日本学部 学部ガイドが発行されました。こちらからご覧いただけます。6ページめに、私が担当するファッション文化史に対する学生のコメントがあります。ご笑覧いただけましたら幸いです。

 

伊勢丹新宿本店の売り場の各所で、『紳士の名品50』がこのようにディスプレイに参加させていただいています! ありがとうございます。

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装丁を赤にしてよかった、とあらためて思いました…。装丁の亀井さん、編集の河内さんとともに、都内の何件かの書店をまわり、メンズファッションコーナーを見た上で、赤がいい、と希望しました。というのも、赤い装丁の本が一冊もなかったからです(前例のないことを選んでみる、というのはすっかり習性になっています)。立体感のある紙を使うことで、また、大型本ではないことで、下品にならず目立ちながら、紳士用品を引き立てる赤の表紙に仕上がったことを、心よりありがたく思っています。

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こうした目に見える形の、あるいは見えない形でも、多方面からご支援をいただき、多くの方々のご厚情に支えられている幸せを実感する日々です。ほんとうにありがとうございます。

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(Click to Amazon)

イギリスのEU離脱が決まり、キャメロン首相が辞任。

世界が騒がしいこんなときだからこそ、KEEP CALM AND CARRY ON. アイザック・ウォルトンのSTUDY TO BE QUIET. 日常の仕事を淡々と続けます。

ヴァルカナイズロンドン ウィメンズ2016AW展示会にうかがいました。

キャサリン妃御用達ブランド、キャサリン・フッカーはますます好調。コートのバリエーションも増えています。テイラードの高度な技術に裏付けられた、かわいらしさとかっこよさを両立させる服。着たとたんにきりっと背筋が伸びます。

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ほかにもゴート、ウィッスルズなどモダンブリテンを代表するブランドの新作の数々を目にして、感覚を更新。

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スマイソンでは、シェイクスピア生誕400年を記念した手帳を発売。表にはシェイクスピア作品から厳選されたセリフが刻まれています。

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グローブトロッターからはリバティとコラボした新色「エミリア」が登場。淡くシックなピンク×グレーです。

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キャサリン・フッカーのコート。セーターなど着こんだときには不向きですが、薄手のワンピースの上にこれ一枚だけ羽織る、というときにはきりっと決まります。こちらのモデルほか、いくつかの新作は受注のみの生産になるそうです。お問い合わせはヴァルカナイズロンドンまで。IMG_2953

 

 

チャーリーが新刊発売記念に開いてくれた、Isetan Men’s Chalie Viceのサロンには、多くのお洒落なゲストがお見えになりました。FullSizeRender (85)
『紳士の名品50』ができるまでの、連載時の裏話や、取材したけれど誌面に書けなかった小ネタなどを紹介し、第一章「外見をつくるもの」にちなんで、現在の「ジェントルマンズ・スーツ」界の状況を簡単に話しました。

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友情出演してくださったのは、ル・パランのマスターバーテンダーの本多啓彰さん。バーでの「紳士なふるまいかた」や「淑女のNG」など現場を知る方ならではのエピソードを交えてお話くださいました。アシスタントの上村拓さんもご一緒にいらして、ゲストのために飲み物を作ってくださいました。初の「出張ル・パラン」です!

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この日のFab4。カウンターにこの4人がずらりとドレスアップして並んだ姿はなかなかの壮観でした。左から、プレゼミ一期生の大橋秀平さん、島地勝彦さんの元・公認書生として有名な(現在は食に関連する会社に就職)金井洋介さん、本多啓彰さん、上村拓さん。

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もうひとり、友情出演してくださったのは、各章扉と表紙・裏表紙にすばらしいイラストレーションを描きおろしてくださった、綿谷寛・画伯。この日は、イラスト原画をすべて額装して持参してくださいました。それぞれの絵に似合う色とサイズの額縁が選ばれているんです。とりわけ、第4章扉のゆかたの紳士は額縁でいっそうチャーミングになってます。

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綿谷画伯は、いまの日本における「紳士」とは?という話を、ゲストのみなさまや私と話をしながら、その場でイメージを描き上げるというパフォーマンスを!! 実はこのイラストは20分ほどで描き上げられたものなのですが(急かしてしまってごめんなさい)、当日、話題に出てきたいろんなエピソードが描き込まれているのです。しばらくの間、チャーリーのお部屋に飾られることになりそうです。

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さらに。私がプレゼンテーション中に、なんと、綿谷イラストのモデルにもなった俳優のTさんが登場! まったくのサプライズでした。しかも、ニコライ・バーグマンの花束を手渡してくれるという夢のようなできごと。あまりの嬉しすぎるハプニングにその場でくるくる回ってしまったという(^-^; ワンコですか。写真撮影は事務所の都合で許されず、次の仕事があるからと風のようにさわやかに去っていきました…。

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Tさん、お忙しいスケジュールの合間を縫って駆けつけてくださって、ありがとうございました。ゲストも、あまりの突然な展開にむしろぽかんとしていらっしゃったような。笑。これは一生、繰り返し語りたい自慢エピソードになりそうです。

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フリーアナウンサーにして大学でも教鞭をとる才色兼備なハンサムウーマン、大平雅美さん(左)、堤信子さん(右)もご来場くださいました。彼女たちのようなスーパーウーマンはとても謙虚で勉強熱心。親しくなっても決してなれなれしい言葉遣いをしないことも共通点です。見習うところ多し。ありがとうございました。

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伊勢丹新宿本店長さまからは山梨のスパークリングワインをご恵贈いただきました。プレゼミOGのキャサリンは、手作りのフラワーボックスをプレゼントしてくれました。Fluer de Catherine というブランド(!)名が書かれた箱をあけるとトルコキキョウとカフェラテという珍しい色の薔薇をメインにしたシックな花々の世界が。そしてユキコさまからは可憐な薔薇。みなさま、ありがとうございました。160618_395
土曜日の午後という貴重なお時間にご参加くださいましたゲストのみなさま、ほんとうにありがとうございました。本多さん、綿谷さん、予想をはるかに超えるサプライズで喜ばせてくださって、ありがとう!! そしてチャーリーのスタッフのみなさま、今回もきめこまやかな準備と演出で盛り上げてくださいまして、心よりお礼申し上げます。おかげさまで、忘れがたい一日となりました。

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後日、ISETAN MEN’S NET に詳しいリポートが掲載される予定です。

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終了後、お礼をかねてうかがったル・パランで。「ホワイトレディ」というカクテルを珍しいティファニーのグラスで出していただきました。「チェイサーはシャンでお願い」とギャグのつもりで言ったらマジでシャンパンのチェイサーを出してくれたわ。笑

朗報は 忘れた頃に やってくる。

2009年に新潮選書として出版した『ダンディズムの系譜 男が憧れた男たち』が、7年目にして増刷されるという連絡を受けました。

版元さんのお言葉を借りれば「稀有なロングセラー」とのことです。

まったく見当違いの方向からとんでくる中傷に耐え、罵倒もやりすごし、いちいちくだらないことで傷つかないための体力と精神力とレトリック力を養い、淡々と日々の自己ベストを尽くしてきたご褒美と受け取ることにします。なんかね、正直、ひどいことを言って足を引っ張ろうとした連中に、心の中で、「勝った」と思いましたよ。笑

真面目な話、弱くて逃げようとしていた自分に「勝った」。ま、とるにたらないささやかな闘いですけどね。

理不尽なことがあろうと、地道にひとつひとつ成果を示し続けていれば、不意にふっと明かりがみえてくる(こともあります)。

If you are going through hell, keep going.

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「Gentry」での連載当初は、「エンサイクロペディア・オブ・ダンディズム」として構想され、ビジュアル豊富に掲載されていました。企画してお話をもってきてくださったのは、当時編集長だった林信朗さん。感謝!

単行本を担当して下ったあぜつまさこさん、7年目にして重版を決めてくださった新潮社に心より感謝します。

応援してくださった読者のみなさまには、いくら感謝してもしきれません! ありがとうございました。

 

 

15日リバティの講座につき、嬉しい反応をたくさん頂戴しています。心より感謝申し上げます。なかでも、ひょっとしたら私以上に内容を理解していらっしゃったのではないか?と思われるほどのすばらしいレポートを寄せてくださった方があり、ご本人のご了解を得て、その一部をこちらに掲載させていただきます。MTさん、ほんとうにありがとうございました。

(以下、MTさまより)

☆☆☆☆☆☆

今回の講座は、限られた時間内でメンズファッション史を概観し、
ビジネスへのインプリケーションとエンタテインメント要素も加えた
アフターファイブ社会人講座としての「最適解」になっていました。
膨大な量の情報とビジュアル資料をよく整理されて、
90分ピッタリに収まったのはさすがです!

中野様がめざしていらっしゃる(と私が勝手に想像する)
壮大なメンズファッション史の構想も見えてきました。
これは、その先行ダイジェスト版、といえるかもしれませんね。

以下は私なりに講座をまとめたノートと感想です。

序章:ファッション学

ファッションとは時代、社会、人を形づくるもの。
そして視点の数だけ歴史はありうる。
「メンズファッションデザイナーを軸とするファッション史」という視点。
まずこれをおさえてからファション史に進むことが大切ですね。

第一部:メンズファッションデザイナー以前

メンズファッションでは、現在のようにデザイナーがトレンドをリードする以前、
映画スターやセレブリティのような、トレンドアイコンの存在が大きかった。

フレッド・アステア、ケーリー・グラント、ゲーブル、ボガート、そして本物のギャングたち・ミリタリーを起源とする機能先行の服と、それを身に着けたセレブリティのイメージ

こういう視点で映画を見直してみるのは楽しかったです。
スチル写真、映像の引用は、ワクワク感がありました。
さっそく「キングスマン」が引用されていて、感激!
でも「トップガン」すら知らない若い世代がいるとは、
時代の流れを感じました(苦笑)
ビートルズ、ミックジャガーもファッション・アイコンとして眺めてみました。

カルダン、サンローランが第二部のデザイナーたちとは違う立ち位置にあった
ことをあらためて認識しました。

私見ですが、70年代アンディ・ウォーホルのタブロイド誌「インタビュー」が
ジェットセッター/セレブリティとファッション・デザイナー/アーチストたちを
同次元にフィーチャーしたのは、デザイナ―全盛時代へ至る過渡期において
次に来る時代を予見していたと思います。

第二部:時代を導くメンズファッションデザイナー

80年代、アルマーニを分水嶺として、デザイナーがメンズファッションの
トレンドをリードするようになる。

アルマーニは、「アメリカン・ジゴロ」(アンコン・ジャケット)、
「アンタッチャブル」(30年代ファッション)などを通して、
映画やレッドカーペットへの衣装提供を戦略的に行った。
また、服を超えてトータルライフスタイルを提案し、
さらにチャリティ商品デザインによる社会貢献のさきがけとなった。

ラルフ・ローレンは、デザインではなくコンセプト(「幻想のアメリカ上流階級」)
を創出することで、ビジネスとして成功。
この時代は他にも、ボロルックで西欧モードを揺さぶったコムデギャルソン、
哲学者のようなコメントを発する山本耀司、
デザイナージーンズとアンダーパンツのカルバン・クライン、
あらゆる境界を取り払ったJ.P.ゴルチェ、
アンファンテリブルのA.マックイーン,etc.・・・
デザイナーの個性がファッションをけん引していた。

いわゆるDCブランドの位置付けがよくわかりました。
デザイナーの創出するライフスタイルが
商品として売られる時代になってきたのですね。
この傾向は、20世紀後半の社会の中流化(といっても一部の先進国ですが)
と密接に関係して、その後のマーケティング志向ブランドへ
少なからぬ影響を与えたことはあきらかです。

一方、メンズファションの一翼を担うビジネススーツ、
正統派の英国紳士服にも、少しづつ変化がみられるようになった。
デザイナー(J.ハケット、ポール・スミス)の手でひねりが加えられたり、
「キングスマン」の衣装を販売するミスタ―・ポーターように、
映画とタイアップした架空のジェントルマンのブランドも登場。
この英国ファションの流れは、それだけで一つのテーマとなりそうな予感です。

さて90年代のミニマリズム(J.サンダーなど)を経て、21世紀のモードはどこへ行く
のか・・・

2000年代初頭に草食系男子を先取りしたエディ・スリマン、
徹底したマーケティング志向のトム・フォード、
半ズボンのトムブラウン。
そしてトランスジェンダー、ノームコア、コンゴのサプール・・・
なんでもあれで予想外の進化をつづけるメンズファッションのトレンドは
今後どのようになってゆくか、要注目です。
SNS時代にファッションのトレンドをリードするのは、
もはやデザイナー以外の人々なのかも。

20世紀に経済成長の恩恵を受けて、「夢」を提示することで発展してきたファッショ
ンが経済格差、環境問題など、社会経済のマイナス影響をどう受け止めて(あるいは笑い流して)進んでゆくか?
その中でデザイナーの立ち位置はどうなってゆくのか?
ファッションビジネスの実学であると同時に、いろいろと現代について考えさせられ
ました。
こういう時こそ、リベラルアーツの出番。
中野様の切り口は、考えるヒント、人生の宝物となるでしょう。

☆☆☆☆☆☆☆☆

 

ほかにも、異業種の方々から、ビジネスや人生を考えるヒントになった旨の嬉しいコメントを数々頂戴いたしました。ファッション史とは服装の変遷ではなく、生きるためのヒントに満ちている豊かな学問であることを広めようとしている身には、たいへん大きな励みになりました。みなさま、あらためて、ありがとうございました!

明治大学リバティアカデミー「時代を導く男性像とモード」、多くの方にご来場いただき、大盛況となりました。

ファッション史はどこに視点を置くかによって、まったく見え方が違います。

戦後のメンズファッション史だけとっても、先週、デイヴィッドが講義してくれたように、ストリートに視点をおいたら「アメトラ」になるし、ファッションイラストレーション講座のように、イラストに視点を置けばまた別のものが現れてくる。ホイチョイプロダクション的にマーケットのトレンドを見据えていくと、さらに違うものになる。

とすれば私ができることはなにか?と考え、スタイルアイコンとデザイナー(やコンセプター)に焦点を絞り、ここ半世紀のメンズファッション史を整理してみました。まとまった本もないので、50人弱のキーパーソンをどう並べて、どんなストーリーを作るか?という点が最大の課題でした。ただ羅列するだけでは「歴史」にならないのですよね。

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用意したスライド、絞りに絞って111点。粗削りなところもあったかと思いますが、ぴたりと90分で終了できたのは神のご加護に違いない……と思うことにします。

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終了後、3人に一人の方が新刊を買っていってくださいました! なんとありがたいことでしょう。涙。

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ご参加くださいましたみなさま、そしてリバティアカデミースタッフのみなさま、撮影してくださった内田栄治さん、ありがとうございました。みなさまのおかげで、達成感を感じられ、お客様にも喜んでいただけた(と思う…)充実した時間となりました。

そしてピンクの可憐な薔薇の花束をお贈りくださった地引由美さん、新刊祝いに大好物のシャンパンをご恵贈くださいましたマリさま、心より感謝申し上げます。

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☆堤信子さんが「ミモレ」で新刊をご紹介くださいました。さりげなく愛がこめられたお言葉に感激です。ありがとうございました。

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ちょっと時間が経ってしまい、恐縮です。大阪のトークショーから一日おいて再び関西へ。3日、京都国立近代美術館で4日より開催されているポール・スミス展の開会式&内覧会にお招きいただきました。FullSizeRender (4)

ちょっと時間が経ってしまい、恐縮です。大阪のトークショーから一日おいて再び関西へ。3日、京都国立近代美術館で4日より開催されているポール・スミス展の開会式&内覧会にお招きいただきました。ポール・スミスの初期のショップから仕事部屋、頭のなか、ありとあらゆる業界とのコラボレーションなど、ポールの世界を見せていく。FullSizeRender (5)
いちめん、ボタンで埋め尽くされた圧巻の壁。

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服が登場するのは一番最後にちらっと。メンズ・レディスいっしょくたにぎっしり、というのはちともったいない気がしました。ここをもっと膨らませたらボリューム感のある展示になったのになあ。FullSizeRender (8)

というか、あらゆる領域に広がっているいまのポールの世界においては、服が占める割合というのはそのくらいなのかもしれないな。などなど考えながら。FullSizeRender (11)
こんなフォトコーナーもあるのもいまどきですね。インスタグラムにアップすると、カードにして印刷してもらえます。この日はポール・スミスの今シーズンのワンピースを着ていきました。彼の作る女性服は、どこかさっぱりしていて、透け感のある素材でもセクシーにならない(笑)。ま、着る人によるといわれればそれまでですが。

 

ISETAN MEN’S インタビューの後編も公開されました。こちらです。

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18日(土)16:00~ チャーリーヴァイスのサロンに友情出演してくださるもうひとりのゲストは、あの「巨匠」。パフォーマンスの内容は当日のお楽しみに! 知・酒・絵・品・心でおもてなしいたします。

 

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中野香織さん「紳士の名品50」トークイベント
「紳士の名品50」の著者中野香織さんが「紳士のもの選び」について語ります。スペシャルゲストの登場も!
□日程:6月18日(土)
□時間:4時~5時
□場所:メンズ館8階=チャーリーヴァイス
□費用:1,500円(税込)ドリンク代
□定員:20名
□ご予約:03-3225-2853(直通)
※参加のお申し込みやお問い合わせは店頭またはお電話にて承らせていただきます。 恐れ入りますが定員になり次第、お申し込み受付を締め切らせていただきます。

 

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土曜日におこなわれた、さつき会主催のシンポジウム「逆境に打ち勝ち、リーダーとして道を切り開くには」。男性の参加者も多く、盛況のうちに終了しました。

4人のパネリスト(元・文部科学大臣、遠山敦子さま、宇宙の母こと大塚聡子さま、朝日新聞の高橋真理子さま、中野)、それぞれの20分間のプレゼンテーションのあと、会場からの質問を受けていくという形式。

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遠山さんは東京大学法学部の学生の中に女性がただ一人、という世代の方。その後のキャリアでは何をなしても「女性初」の冠がつき、それこそ道を切り開いてきたお方。

大塚さんは「エンジニアとして女性はとらない」と公言された時代における女性第一号として宇宙の世界で活躍。

高橋さんは「朝日新聞初の女性記者」として当初はその言動がいちいちニュースになった方。

それぞれの壁や逆境の乗り越え方、考え方を聞いていて、通底するものを感じました。仕事の内容はまったく違えど、目の前の具体的な現実に偏見なく対処していく、前例なしをチャンスと見る、やりきるまであきらめない、周囲の協力を上手に得る、自分がやりたいことではなく社会や他人に貢献できることを考える(そのほうが結果として成果も評価も上がる)、他人の考えはコントロールできないのだから、悩まず行動する、など。

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遠山さんの「仕事ができる男性ほど、きちんと公平に評価してくれ、女性蔑視がない」という指摘にはいたく共感。成果を出せない男ほど妬みがひどく、中傷やら足のひっぱりやらを女に向かってやらかすんです。いつの時代でもどこの世界でも同じなんですね。

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4人のなかでは最年少だった私は、大学院を出た後いったんフリーランスとしてスタートしてから現在までの「前例なし」「学歴逆差別」だらけの経験から得たことを、最終的に会場のみなさまにも共感していただけるよう、ファッション学の教えとして話をさせていただきました。演題は「ブルーオーシャンの泳ぎ方」。大尊敬する遠山さんから、「冒険的な経験をきちんと理論に落とし込んでいてすばらしい」と繰り返しほめていただきましたうえ、終了後、多くのみなさまからおほめのコメントやさらなる講演依頼をいただきました。ありがとうございました。東大⇒一流企業や官庁に就職というコースから外れたとしても、フリーランスでもなんとか生きていける、逆にそこはブルーオーシャンかもしれない(笑)というあまりおすすめできない特殊な例ですが、そんなのもアリと自由におおらかにご自分の人生を考えていただければ嬉しいです。

ご来場のみなさま、ともに登壇させてくださった先輩方、ありがとうございました。このイベントのために入念に準備を重ねてきたさつき会の学生・スタッフのみなさまにも心より感謝します。

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前列左から大塚聡子さん、遠山敦子さん、高橋真理子さん、中野。後列はさつき会のスタッフのみなさまです。

 

ISETAN MEN’S でインタビューしていただきました。前編です

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記事の最後に、チャーリー・ヴァイスのサロンのご案内があります。

サロンには、スペシャルゲストが二人、友情出演してくれます。一人は本の中でもさりげなく名言を披露している、あのオーセンティックなバーの名物マスターバーテンダー。シングルモルトの紳士な飲み方を教えてくれます(たぶん)。

 

以下、ISETAN MEN’S net からのコピーです。

 

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中野香織さん「紳士の名品50」トークイベント
「紳士の名品50」の著者中野香織さんが「紳士のもの選び」について語ります。スペシャルゲストの登場も!
□日程:6月18日(土)
□時間:4時~5時
□場所:メンズ館8階=チャーリーヴァイス
□費用:1,500円(税込)ドリンク代
□定員:20名
□ご予約:03-3225-2853(直通)
※参加のお申し込みやお問い合わせは店頭またはお電話にて承らせていただきます。 恐れ入りますが定員になり次第、お申し込み受付を締め切らせていただきます。

 

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「AMETORA」の著者W.David Marx氏に特別講義に来ていただきました。

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これまで誰も書かなかった戦後日本メンズファッションの通史を豊富なビジュアル資料と流暢な日本語でたっぷりレクチャーしていただきました。6.10.11

質疑応答では「なぜ日本ではみんな一緒にトレンドに群がるのか?」という話題も出て、私が「人と違うのが不安だからでは?」と言うと、デーヴィッドは「みんなで一緒に楽しみたいからでは?」と。やさしいね。笑

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 BEGINチーム(いであつしさん、綿谷画伯、編集の市川さん)も聴講に来てくださいました。その後の取材に立ち会いましたが、アメカジの超マニアのいでさんとデーヴィッドのオタクな知識披露合戦が非常に興味深かったです。

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どんな記事になるのか楽しみ。6.10.3

7日、シスレージャパンでトリートメントを受けてきました。

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アンチエイジングで定評のあるシスレーの製品をたっぷり使い、エステティシャン石宮美幸さんが顔のゆるみから背中のコリにいたるまで力強くケアしてくれます。

ひとりこもって原稿書いたり調べ物をしたりしていると、表情筋はなまけてくるし、知らないうちに歯を食いしばっていたりするらしく妙なところが凝ってたりするんですよね(^-^;

 

しばらく効き目が持続しそうなトリートメントでした。

終了後、スタッフのみなさまからサプライズでバースデーフラワーをいただきました!! J.D.Crossのセンスのいいボックス。予期せぬギフトに思わずその場で文字通り飛び上がって喜んでしまいました。ありがとうございました♡IMG_2805 (2)

シスレージャパンの郡司薫さん(左)、遠山絵里さん(右)。新刊をお持ちしたら、すでに買ってくださっていました。感激。

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スキンケアで有名なブランドですが、メイク用品にも名品があります。今年の2月に発売された「フィト・リップ・ツイスト」はすでに世界中で記録的なヒットをとばしていますが、クレヨンタイプのリップスティックで、輝きも艶も持続し、スキンケア効果もあるという優れた製品。ゼブラ柄のルックスもおしゃれだし、ねじるだけで芯が出てくるので削る必要もない。ペンシルのように輪郭をとることもできてグロス効果まであるので、とても便利。いま、9番のチェストナッツという色を愛用しています。単色のアイシャドウ「フィト・オンブル・グロウ」も使いやすい。パウダーとクリームの中間のような感触で、繊細な輝きが残ります。

すてきなプレ・バースデーを過ごさせていただきました。シスレースタッフのみなさま、ありがとうございました!

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タイトルに書いた「ピークを決めるのは、年齢ではない」というフレーズは、シスレイヤエッセンスのコピー「肌の美しさのピークを決めるのは、年齢ではない」という一文から。

Tasaki の新コレクションDazzle Night Sky。

星を抽象的にアレンジしたアブストラクトスター、回転花火をモチーフにしたスピナー、しだれ花火のスピレア、牡丹花火のピオニー、光の尾が流れるパームグリッターなど。後ろ姿まで美しく見える華やかで繊細なコレクションでした。

クリエイティブディレクターのサクーン・パニチュガルが直々にゲストをおもてなし! はじめて会うサクーンでしたが、あまりにもニュースでよく写真を見ているので、前から知っているようななつかしさ(厚かましい…)。

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大阪トークショーで大反響をいただいた(ありがたいことにいまだ反響が続く)「ファッション学の教え10か条」についてですが、ちらほらお問い合わせをいただいているので、簡単に。

ご参加くださるお相手によって10か条の内容を変えてはいきますが、「日ごろファッションにはそれほど、あるいはまったく関心のない」方々に講演をするとき、たとえば、高校生や、学校の先生方、他業界の方々などに講演をするときには、この「ファッション学の教え」を中心に話します。

私自身はもともと「ファッション界を志向」したわけではなく、ふつうのアカデミズムの王道を行くのは無理と悟り、なんのキャリアプランもないままにいったんフリーランスの物書きとしてゼロからスタートし、目の前にくる仕事の依頼を断らず、夢中でこたえているうちに気がついたら今の仕事をしている(これからもわからない)という、冒険といえば聞こえはいいが、泥縄な仕事人生を送ってきました。自分のやりたいこと、などという贅沢なことではなく、とりあえず目の前にくる仕事を淡々とひとつひとつやり続ける、その連続です。

ファッション史は独学で学び、独自の方法で教えてきましたが、その経験から学んだ最大のことは、コーディネイトとか似会う着こなしとかトレンドの押さえ方といったことではく、ファッションの力で社会を変えてきた人の生き方や考え方です。

そのような、ファッション史を作り出してきた数々のスタイルアイコンの人生や考え方、膨大な歴史のエピソードから抽出できる法則に、自分自身をゼロから「形作る」経験から得た考え方を加えた人生訓というか処世術を、「ファッション学の教え」として話している次第です。それはむしろ、倫理学に近くなります。

高校生、校長先生方からも(自分で言うのもなんですが、すみません、聞いていただければわかる事実なので)大好評を得ています。また、大学生がいちばん「変わる」のはこの話をしたときだったりします。

読者のみなさまにも、どこかでお話できる機会がありますように?

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昨日のバースデーに、次男が「ゲーム代を節約して買ってきてあげた」と恩着せがましく手渡してくれたブーケ。これを飾り、母子二人で淡々と祝いました。普通の日常があるというのは、ありがたいことですね。

6月11日(土)のさつき会主催のシンポジウムは、外部からの問い合わせが多数あったため、枠を広げ、さつき会関係者でなくとも、どなたでも参加できるイベントとなりました。6.11 poster途中入退場も自由です。

お申込みはこちらからお願いします。

6月1日、リーガロイヤルホテル大阪による「エコール・ド・ロイヤル」にて、ファッション学講座を開きました。タイトルは「ファッションスキャンダル~スキャンダルに見る人間の本質と処世術」。ホテルジャーナリストで関西マダムのカリスマ、松澤壱子さんにナビゲートしていただきました。6.1.6

クラウンルームを埋める大勢のファッショナブルなゲストの皆様の熱気で大盛況、一体感を感じられた貴重な経験となりました。6.1.3

女の心を病ませていくジョニデ、センテンススプリングから世紀の大不倫のいくつかのパターン(ロッセリーニとバーグマン、スペンサー・トレイシーとキャサリーン・ヘップバーン、エドワードとウォリスなど)の比較、シャネルとスキャパレリの嫉妬合戦、などの話からヒートアップしていき、後半は、私がファッション史と自分の人生から学んだことから独自に引き出した処世訓「ファッション学の教え10箇条」。

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自分で言うのもあつかましくて恐縮なのですが、控えめに言っても終了後だけでなく、翌日、翌々日まで続々と多くの方から絶賛、大満足の声をいただいています。講演直後はほぼ80%の方が本を買っていってくださいました。なんとありがたいことでしょうか!

ひとえに、関西ノリで深いところに突っ込みながら、デリケートな話もギャグに変えてくれるおもしろ賢すぎるマダム壱子のナビゲート、リーガロイヤルホテルスタッフのきめ細かな準備と演出とサポートのおかげ、と心より感謝しています。笑ったりうなずいたり驚いたりと大いに盛り上げてくださったお客様には最大級の感謝を捧げます。

 

6.1.5
大きな花束を三つも抱えて新幹線に乗る幸せ。苦労がすべてふっとぶ最高の瞬間です。みなさま、ほんとうにありがとうございました。

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