ディズニー服飾史のためのブックリスト、第一弾の最後となります。
⑬チャールズ・ソロモン著、宮川未葉訳『ディズニープリンセス 白雪姫からモアナまで 創意あふれる美と個性』。静山者、2021年。
これは!豪華な箔飾りで彩られた大判のコーヒーテーブルブック。上質な製本、ゆったりと配置された絵と写真。めくるたびに心がうきうきするロマンティックな本です。
⑭ジョン・ケインメーカー他著、小宮山みのり訳『ディズニー 伝説の天才クリエーター マーク・デイヴィス作品集』。講談社、2017年。
10人以上の書き手が、あらゆる側面からジョン・ケインメーカーの仕事について書いています。マーク・デイヴィスという存在すら知らなかったという初心者なので、驚きと発見の連続。絵が豊富な大型本ですが、扱いやすく製本されています。
⑮デイヴ・スミス/ スティーヴン・クラーク著、唐沢則幸訳『ディズニークロニクル1901-2001』。講談社、2001年。
ウォルト・ディズニー100年を記念して作られた、ハードカバーの大型豪華本。クロニクルというだけあって、年代ごとのディズニーの進化をたどっていくことができます。
⑯Frank Thomas and Ollie Johnston, The Illusion of Life: Disney Animation. Walt Disney Production, 1981.
写真と絵と大量の英語テキストでつづられるディズニーアニメーションのすべて。すべての文献のなかでもっとも重くて大型です。持つのにもページを参照していくにも体力が要ります。ディズニーの偉業にふさわしい重厚感のある一冊。
⑰<DVD> Once Upon a Time: Walt Disney ~ディズニーアニメーション、創作のルーツ~。ウォルト・ディズニー・スタジオ・ホームエンターテイメント、2006年。
文献シリーズ第一弾の最後は、本ではなくDVDです。48分でたどる創作のルーツ。
こうしたディズニーサイドの資料も参考にしつつ、服飾史の目線を軸として貫いて、ディズニーワールドを読み解いていきます。企画が決まってから半年以上経過し、テキストはほぼ完成しているので、あとはいかにアニメとテキストを調和させていくか。
つい抽象化して専門情報をこれでもかと盛り込んでしまいたくなるのが私の習性で、そのために一般読者がついてこれない問題がときたま発生します。日頃文章をほとんど読まない層にどの程度アピールするのか。専門性とクセ強めの見方をどの程度、極めるのか。悩ましいところですが、大きなチャレンジの機会をいただいていることに心より感謝します。











































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































品行方正で倫理的な王室メンバーばかりではない。むしろ人間くさくどうしようもなく愚かなところを見せてくれるからこそ、注目を浴び続け、愛されてきたような一面が英国王室にはあります。かつては英語を話せない国王もいたし、ハニートラップとしか思えない状況で国王をやめてしまった王もいた。この程度のスキャンダルは、むしろ「圏内」のように見えます。生涯を国家に捧げると誓ったとてつもなく安定した気質のエリザベス2世の威光と、問題児アンドリュー王子や反乱児ハリー王子夫妻の影。この対極あってこそ歴史家やジャーナリストは筆をふるい、人々の関心をひきつけ、「家族とはなにか」「王室の存在意義は」という議論が盛り上がったりする(関心のない人はとことん無関心だし)。英王室は多民族からなる複合国家の象徴でもあり、複雑化・多様化する社会や家族像の反映にもなってきました。ファミリーの反逆児はどの家庭も抱える問題。それに対して家長がどのように対応するのか、反逆児はその後どうなっていくのか、すべてがリアルな人間的関心の的です。だからこそ、英王室は各時代のクリスマスツリーのてっぺんの飾りのような存在であり続けることができるのです。あとからふりかえって、このファミリーの問題をきっかけに時代を語ることができる。そんな存在、貴重です。
次の国王となる予定のチャールズ皇太子は、故ダイアナ妃をめぐるスキャンダルでいろいろ非難も浴びましたが、いまは地球環境問題において世界でリーダーシップをとる存在です。当初、悪女呼ばわりされたカミラ夫人も、誠実に公務をこなして今では好感度も高く、女王までもが「未来にはカミラにクイーン・コンソート」の称号をと言っている。ひとりひとりの人間の成長はこうやってもたらされ、人の評価というのはこのように変わるのか……ということを考える人類共通のネタ(失礼)をも提供してくれています。