9月19日の国葬の日にNHKニュースウォッチ9で放送された内容が文字化されました。「イギリス エリザベス女王 ファッションに込めた思いとは」。

時間の都合で番組内で話しきれなかった内容も盛り込まれています。

23日、鎌倉にブリティッシュ・アンティーク・ミュージアム(BAM)がオープン。17日におこなわれたプレオープンのイベント&パーティーにお招きいただきました。

デザインは隈研吾さん。館内では、館長となる土橋正臣さんが長年かけて集めた本物の英国アンティークの展示がご覧いただけます。
一階はミュージアムショップ
二階はジョージアンルーム
三階はシャーロックホームズルーム、
四階はヴィクトリアンルーム

時代ごとのアンティークを設えた部屋に、よくぞ集めたというマニアックなコレクション。とくにホームズの部屋にはファンなら血が騒ぐアイテムが満載です。昆虫のコレクションとか、ちょっとありえないくらいのマニアっぷり。レセプションには駐日英国大使、鎌倉市長も出席、挨拶。土橋さんのとてつもない熱量と意志が夢を実現させ、多くの人を動かしています。まっすぐに信じた道を突き進む姿には、ほんとに刺激を受けます。レセプションにて。左上が土橋さん。右上は靴磨き界のプリンス長谷川裕也さん。左下はBLBG 代表の田窪寿保さんです。テーブルはイギリス×メンズファッションの関係者がご一緒でした。窓から鶴岡八幡宮が見える。そのように設計されています。廊下には絵がぎっしり。レセプションで同席だったスローンレンジャートウキョウの大西慎哉さんが撮影してくださいました。

周辺も美しく楽しいスポットが多々あります。鎌倉観光のルートにぜひ組み込んでみてください。

金沢・兼六園。10代の頃に何度か来ているはずですが、すっかり忘れており、まるで初めて来た場所のような感慨。

品格ありながら、気取ったところがなく、親しみやすい。歴代の加賀藩主の栄光がしのばれます。

金沢ではタクシーの運転手さんも「前田の殿様」とか「加賀藩の」「参勤交代の時に」という表現をしばしば使います。京都で「戦後(=応仁の乱の後)」という言葉を聞くときと似たような渋い笑いがこみあげてきます・・・。焼き払われず歴史が保たれたところは、時の感覚が違うようです。

今回、宿にした一軒貸し「兼六」のホストのお勧めではいってみたのが、第13代藩主斉泰が母親の真竜院のために建てた隠居所、成巽閣。

赤い門から入ります。撮影不可なので写真はないのですが、鮮やかな彩色の花鳥欄間や柱のない廊下など、ワンダーランドでした。なかでも、ラピスラズリを染料として贅沢に使った、群青の間。武家屋敷のインテリアに鮮やかな青。武家にラピスラズリというのが意外でしたが、ほんとうにしっくりなじんでいました。

残暑のなか歩いてかなりサウナ効果あり。疲れたあとのおやつは最高です、金沢城は遠くから拝むだけにとどめました。2日間、快晴に恵まれて充実した取材旅行になりました。お世話になった方々に感謝します。

帰りの北陸新幹線では、<普通席をグランクラスにする>遊び。グランクラスで出されるシャンパンより高価なシャンパン(←そこでマウントとってどうする笑)を紙コップで飲む! 厳密にはイギリスで作られているので「スパークリングワイン」ですが、シャンパンと同じ製法で作られている「ウィンザー・グレートパーク・ヴィンヤード・ブリュット」。保冷して持ち歩くのが一仕事でした・・・。

金沢、ひがし茶屋街あたり。

街並みは情緒があり、写真映え最高です。

映画のセットかと見まごうような…。

照明も考え抜かれています。高い美意識を感じます。

川縁はフィレンツェかという趣きです。

このあたりは本格的な料亭街。へたすると看板も出ていない。

ちょっとなにか食べたり飲んだりしようとすると、痛い目に遭います。歩く分には美しいですが、一見さんが「中に入る」には非常にキビシイ町でございました…。

備後木綿の着物と帯状ベルトは、大阪の音遊。
バッグは京都のカドゥ・ド・ラ・パート・ド・京都。

着付けができなくでもベルトで簡単に着られるように作られてます。そういうカジュアルきものなので、きものポリスさんのチェックはナシでお願いしますね。

1888年建築の「兼六」は屋根裏部屋まで面白い。

加賀藩の武士の家だったので、屋根裏には武家のお宝がざくざく残されているのです。全部ほんものです。ホストの小西さんがひとつひとつ面白く説明してくれる。美術館を訪れた体験と同じ感覚。

これは一体何かと思って上の取っ手を持ちあげると……。

のびてのびて、このような提灯?があらわれます。いやもう、一軒貸しの古民家宿は、こんなお宝にふれることまでできてやみつきになりそうです。ふつうのホテルでは絶対に味わえないユニークな体験が欲しい時はこんな宿を探すのもよいですね。当たりはずれがありそうなのもスリルがあります。(信用できる人の口コミはだいじ)

登録有形文化財に指定されている金沢町屋兼六は、一日一組、一軒まるまる貸しますというタイプの宿です。


奥行きのある二階建て建築です。キッチン、バス、ランドリーも備え、水回りは最新設備にリノベされているので、快適に「暮らす」感じで滞在できました。バスは五右衛門風呂型!お風呂へ向かう廊下。湿気が室内に入らないような工夫だという。
アメニティなどひととおり用意されているほか、1880年代から使われてきた食器類も揃い、歴史の凄みを体感できる。ホストの小西さんがユニークな方で、細部の歴史など教えてくれる(ホストは説明が済んだらお帰りになるので、家はゲストが独占します)。

積み重ねられてきた歴史を、いたるところで感じることができます。

新鮮で学びの多い、個性的で快適な宿でした。永遠に金沢の記憶と結びついて忘れないことは間違いない。

エリザベスII世からチャールズIII世へと治世が変わり、時代の空気も一気に変わる予感がします。

チャールズIII世は筋金入りのエコビジョナリーです。世間がまだバブルに沸いていたころから有機農業を始め、地球環境を説いていました。現在もこの分野で積極的にリーダーシップをとっています。

チャールズ新国王についても、おびただしい量の記事を書いてきました。いくつかは本サイト「ウェブ記事」でもリンクをはっています。書籍にもまとまっていますので、もしよろしかったらご参考に。(表紙がいまいちなのですが、カバーをとると品の良いネイビーのチェック柄の本が現われます。私はカバーをとって本棚に飾っています。)

昨日はエリザベスII世のファッションについてメディアからの取材をいくつか受けました。NewsPicksではコメントランキング1位……。こんなところで1位というのを狙ったわけでも嬉しいわけでもないのですが、ただ、日本人が英国女王の訃報にこれだけ反応するということにあらためて深い感慨を抱きました。

ファッションもさることながら、私はエリザベスII世を究極の「ラグジュアリーブランド」としてとらえています。そのありかたは、ウォルポール(英国のラグジュアリー統括団体)も「ブリティッシュ・ブランド」の模範としています。ウォルポールによる2022年度のBook of LuxuryにはBe More Queen という記事もあり、最後のまとめとして、エリザベスII世の顔の隣にこんな言葉が書かれています。拙い訳ですが、つけておきます。

Know what you stand for & against.

Know what is authentic, unarguable & unreplaceable about you.

Never be tempted to forget what you stand for, or try to be something you’re not.

Be authentic.  Be credible.  Be personal.  Be adaptable.

あなたが体現することと、相いれないことは何か、自覚せよ。

あなた自身について確かなこと、議論の余地なく取り換えのきかないことは何か、自覚せよ。

あなたが体現することを忘れてはいけないし、自分ではないものになろうとしてもいけない。

本物であれ。信頼に足る人であれ。個性的であれ。柔軟であれ。

 

 

メディアの方は、服の色がどうしたとかバッグのブランドがどこかとかスタイリストは誰かとかだけで話を終わらせないで、その先に見える本質として、エリザベスII世のラグジュアリーなありかたの方に焦点を当てた報道をしていただけると嬉しく思います。

*トップ写真は2~3年くらい前に書いた「English Journal」のイギリス文化論特集の1ページ。

 

 

日本経済新聞「モードは語る」。先週、有松に取材したことのなかから書きました。。900字くらいではなかなかすべてを書ききれないのがもどかしいところではありますが。電子版でもお読みいただけます。

サディ・フロスト監督のドキュメンタリー英語「マリー・クワント スウィンギング・ロンドンの伝説」パンフレットに寄稿しました。

イギリス文化、60年代、ファッション、ヘアメイク、社会改革、アパレル産業、スタートアップ、夫婦で起業、アートスクール、といったキーワードにピンとくる方々は必見の、中身の濃いドキュメンタリーです。

11月26日、bunkamura ル・シネマでロードショー。

 

「ココ・シャネルは私を嫌った。理由もよくわかる」、とマリーは言います。シャネルは膝は醜いもの、と考えて決して膝を出すようなデザインはしませんでしたからね。そうした思い込みに反旗を翻したのがマリーでした。

suzusanのある有松を散策。

歴史的な建物が保存されながら、それぞれ中では今日的なビジネスがおこなわれています。町全体がこのような感じなので、タイムスリップしたような不思議な錯覚におそわれます。とはいえ、村瀬さんたちにとっては「子供のころからふつうにこういう環境のなかにいたので、あたりまえの光景」なんですよね。その「あたりまえ」は、村瀬さんがいったん海外に出てみることで、新しい価値を帯びることになった。自分がもっているものの価値は、いちど「外」の目にさらしてみることでよくわかる。内にこもって同じ価値基準内の評価ばかり気にして小さくまとまり停滞するくらいなら、全然違う価値観のなかに飛び込んでみるのもいいですよ! 私はそればっかりやっているので永遠にアウトローなんですけどね(笑)。