丹後 立岩 倭文(しどり)神社
丹後に取材旅。職人さんにお話を伺う合間のプチ観光です。今回のご案内役をお引受けくださった「Design Week Kyoto」の代表理事、北林功さんにご案内いただきました。
まずは「…
スパイバー社関山社長インタビュー ウェブ版公開
「ゼロニイ」7月号に掲載された、スパイバー社関山和秀さんのインタビューがウェブでも公開されました。こちらからご覧ください。
ファッションのための繊維は当初の目的…
善い人が良い糸をつくる 「なぜこんな人が上司なのか」
桃野泰徳さんの『なぜこんな人が上司なのか』。具体例がふんだんに詰め込んであって、エピソードとエピソードをつなぐのに「話は変わるが、」というお約束の話法。目の前で…
移民2世時代のロンドンが舞台の青春B級アクションコメディ 「ポライト・ソサエティ」
「ポライト・ソサエティ」試写。これが今のロンドンを舞台にするイギリス映画ということにまずは衝撃を受ける。パキスタン系家族を中心に脇はアフリカ系が目立つ。給仕と校長はアングロサクソン。
かつてなら悪ガキ3人組大活躍という青春Bコメディが女の子に置換された現代感がある。豪華フォーマル衣裳でのカンフーは眼福でした。監督はニダ・マンズール。
8月23日(金)公開
★2023年 英国インディペンデント映画賞 最優秀新人脚本家賞
2023年 フロリダ映画祭 観客賞
2023年 パームスプリングス国際映画祭 Directors…
朝なのにタバコとレザーのヘミングウェイ 「スフロ」
ミラー ハリスから「ストーリーズ コレクション」。発表会にお招きいただきました。ヴァルカナイズロンドンにて。
このコレクションは、物語から抜粋した一節に着想を得たフレグランスシリーズ。
オレンジの印象が強い「スフロ」は、アーネスト・ヘミングウェイの『日はまた昇る』。パリのリュクサンブール庭園での早朝の散歩の記憶を再現しているそう。朝なのにタバコとレザーの余韻が残るグルマンフローラル。
グリーンの印象を放つ「セラドン」は、曹雪芹の『紅楼夢…
小さな悩みは大きな幸福にとって「誤差」 スパイバーCEOインタビュー
北日本新聞ゼロニイ 7月号が発行されました。鶴岡市のスパイバー本社に伺い、CEOの関山和秀さんに取材した記事を書きました。
関山さんは最高にかっこいい方です。人類にとっての普遍的価値を紡ぎ出す、と決めているのですから。
なお、スパイバー社は、日本から唯一オートクチュールウィークに参加するYuima…
MIKIMOTO ”The Bows” の現代性とドラマ性
MIKIMOTOがパリ・オートクチュールコレクション期間にハイジュエリーのコレクション"The Bow"を発表しました。
中央はトルマリン。前後どちらでもつけられるというのもいいですね。後ろにつけたときの、この絶妙なVライン。
伝統のリボンモチーフです。とはいえこの現代性と芸術性とドラマ性はなにごとでしょうか。トップ写真のボディジュエリーのドラマティックな洗練ときたら。
ドラマティックといえば、このジュエリーを引き立てているドレス。オートクチュールデザイナー、Yuima…
ルビーとダイヤモンドで作る歓迎の紅白チューダーローズ
天皇皇后両陛下、チャールズ国王主催の晩餐会出席に際し、カミラ王妃はビルマのルビー(Burmese ruby)のティアラを着用されましたね。エリザベス女王が1973年にガラードに製作を…
「カルティエと日本」展レビュー 「結び」の威力
JBpress autographに開催中の「カルティエと日本」展のレビューを寄稿しました。
多くの意味で「結び」の威力を感じさせる展覧会です。個人的に驚いたのは、画家・北野武さんを…
グラッパとトリフアイスクリーム(とエスプレッソ)
散歩の途中で立ち寄ったサイゼリヤで嬉しかったことがあったので書いておきますね。
グラッパとトリフアイスクリームを頼んだのです。300円以下でグラッパを気軽に飲める…
孤独・疲労の日常から生まれるおぞましさ 「ニューノーマル」
韓国映画「ニューノーマル」試写。最初から最後まで、予測不可能。見たことのない種類の映画である。オムニバス形式で、4日間の間にソウルで起きている殺人事件、失踪事件…
「美食家ダリのレストラン」 カオスのなかの光と愛に満ちた佳作
「美食家ダリのレストラン」試写。邦題がゆるいので大きな期待はしていなかったゆえに感動が想定外でした!
シュールレアル、革命、ダリ、エル・ブジ、カオス、狂信、地…
日経新聞「モードは語る」 パリ・オートクチュールの意義
日本経済新聞夕刊「モードは語る」。本日は、来週から始まるパリ・オートクチュールコレクションの意義について書いています。
運営に詳しいブラッドリー・ダン・クラークスと、日本から唯一、ゲストメンバーとして参加する中里唯馬氏にインタビューしました。
電子版はこちら。(有料会員限定で恐縮です)
紙版コラムもよろしくね。
写真は、Andrea…
稀少で由来のたしかな幹細胞培養上清液
STEMCELL & Co.株式会社の代表取締役、石川和彦さんにお招きいただき、銀座7丁目の幹細胞培養上清液エステサロン「STEMCELL & Co. GINZA」に伺い、お話を聞きました。
いまで…
SPUR初開催 ベスト・フレグランス・アワード 2024 ss
SPUR 8 月号発売です。
SPUR初開催のベストフレグランスアワード2024 ss (上半期)。上半期に発売された100種類くらいの香水を試香し、そのなかから部門ごとに選びいくつかにつ…
アウグスティヌス・バーダー教授来日
アウグスティヌス・バーダーとソフィア・コッポラがコラボしたティント・リップバーム発売に際し、バーダー教授とシャルル・ロゼCEOが来日、トーク。「私のクリームを使…
ジョン・ガリアーノ 天才の栄光・崩壊・転落・贖罪・復活
「ジョン・ガリアーノ 世界一愚かな天才デザイナー」試写。原題は"High & Low - John Galliano"
高級な世界からホームレスな世界まで。キングとなった栄光の絶頂からどん底まで。ハイ&ローを生き抜いている天才ガリアーノのドキュメンタリー。最高にきらびやかなハイなショー世界から、暴言をはく現場を撮影されるローな世界まで、観ているほうの心もアップダウンする。
あの栄光の陰で心が壊れていっていたのだ。作品が輝かしいだけに、いっそうつらくなる。
ガリアーノも、アレキサンダー・マックイーンも、グローバル化の勢いにのるフランスのコングロマリットに酷使され、人生を破滅させられたイギリス人だった。イギリスのエキセントリックな創造性にコングロマリット式量産は合わないのかもしれない。
生き方も含め、後世まで神話的に語り継がれるであろう天才デザイナー。
『ジョン・ガリアーノ…
『ザ・ムーン』 宇宙視点から人類を見たい
韓国映画『ザ・ムーン』試写。「韓国映画×宇宙」にするとこうなる、という情緒に訴える感動ヒューマンドラマ。視覚効果もリアリティがあり、宇宙に放り出されたような没入感があります。
イデオロギーも国境も超えた人類愛という宇宙視点(スフィリズム)は、今こそ必要ですよね。宇宙から見ればアリほど小さな地球上での諍いの愚かしさ哀しさ…
話は卑俗になりますが。
一部の銭湯などで更衣室に監視カメラがつけられていることが話題になっていました。防犯や、安全(急に倒れる人もいる)のためには必要、という論理もあるのでしょうか。不愉快な話ではありますが、日常のいろんな場面でどんな瞬間がスマホ撮影されているかわからない、という現状まで考慮すると、もう、なんというか、天の監視カメラがいつどんな時でもあなたの行動を見ている、というつもりで行動したほうが間違いがない時代になっていますね。
*月の写真はWikimedia…
ブランドが築くカルチャー帝国:オリジナル原稿
東洋経済オンラインに寄稿した記事に関し、誤解を受ける場面が発生しました。
原因はシンプルです。「ファッションに疎いと感じる読者のため」と配慮がなされ、編集部に…
英ウォルポールによる仏コルベール委員会インタビュー
ECCIA(European Cultural and Creative Industries Alliance、欧州文化創造産業連合)という組織があります。イタリア、フランス、スペイン、スウェーデン、ポルトガル、ドイツ、そしてイギリスの7か国の欧州メンバーで構成され、ラグジュアリーセクターの共通の価値観をシェアし、協力しています。
英ラグジュアリー統括組織であるウォルポールが、各ECCIAメンバーのCEOを紹介し、それぞれの国のラグジュアリーセクターについて情報を発信しています。以下、翻訳していきます。原文はこちら、ウォルポールの公式HPをご参照ください。
シリーズの最初の回では、ニック・カーヴェルが、フランスのコルベール委員会のCEOであるベネディクト・エピネイさんにインタビューした記事を執筆しています。
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ウォルポール:コルベール委員会について教えていただけますか? 組織には何人のメンバーがいて、会員資格の要件は何ですか?
ベネディクト・エピネイ:1954年にジャン=ジャック・ゲランによって設立されたコルベール委員会は、公益を目的とした非営利団体です。現在、93のフランスのラグジュアリーメゾン、17の文化機関、そして6つのヨーロッパのラグジュアリーメゾンが平等に参加しています。すべてのメンバーが共通のビジョンを共有しています。「フランスのサヴォアフェールと創造を情熱的に促進し、持続可能に発展させ、忍耐強く伝えることで新たな驚きの感覚(センス・オブ・ワンダー)をもたらす」という私たちの存在意義に表現されるビジョンです。この存在意義が私たちの日々の活動の基盤となっています。
コルベール委員会に応募するには、国際的に著名なフランスのラグジュアリーブランドである必要があります。その他の基準は機密事項です。各応募は2名のメンバーによって推薦される必要があり、「最上級のもの」が認められるよう、長期間の審査プロセスを経ます。
ウォルポール:フランスのラグジュアリーセクターの特徴と特質は何ですか?
エピネイ:フランス国内外でこの産業がリーダーシップを発揮し、CAC…