カール大帝、ドイツの美を「発見」
「カール大帝」ことシャネルのデザイナー、カール・ラガーフェルドがフォルクスワーゲンのテレビコマーシャルに。
パリ生まれのスタイリッシュなカーだと感心していたら、アシスタントが「ドイツ製です」とささやく。カール、シックとドイツは両立しうることを発見、みたいな流れ。
カールは自身がドイツ人であることをあまり喜んでおらず、「自分はヨーロピアンである」と常々公言していた。だからこそ、「パリの美ではなくて実はドイツの美だった!」のCMが生きる。
http://www.youtube.com/watch?v=MAsIUVUQv1Q&feature=player_embedded
完璧にマンガのキャラのようになっている自分自身を楽しんでいるカール。インタビューでも必ず皮肉のきいた(カールしか言わないような)ひとことを言ってくれるし、演じてもユーモアが立ち上ってくる。年と共に、鋭さに磨きをかけながら、ああいう余裕の貫録を備えていくのは、いいなあ。
モードなボクサー
ドルチェ&ガッバーナがイタリアのボクシングチーム、「ドルチェ&ガッバーナ ミラノ・サンダー」15人のユニフォーム(というのか、サテンのボクサーショーツとガウン)をデザインしたことにちなみ、スポーツとファッションブランドの「ドリーム・チーム」にふれた記事。英「ファイナンシャルタイムズ」23日付、記者はマリオン・ヒューム。
ドルチェ&ガッバーナはボクシングだけでなく、すでにイギリスのサッカーチーム「チェルシーFC」と3年契約ずみ。オフィシャルスーツを作っている。スタンフォード・ブリッジの西側スタンドには「ドルチェ&ガッバーナ ラウンジ」があり、インテリアにいたるまでドルガバ色で染めている。こうなる前には、「アルマーニ・カーサ」のインテリア用品で整えられていた。
ファッションブランドがスポーツと手を組む。古くは1920年代、ジャン・パトウがテニスのスザンヌ・ランランのウエアをデザインしたことから始まるが、マーケッティング的にスポーツとスタイルを結びつけたのは、ジョルジオ・アルマーニ。1995年、アルマーニはサッカー選手を「現代の新しいスタイルリーダー」と位置づけ、リバプールのゴールキーパー、デイヴィッド・ジェイムズをエンポリオ・アルマーニのゲストモデルとして歩かせ、下着の広告にも起用。デイヴィッド・ベッカム、クリスティアーノ・ロナルドも「チーム・アルマーニ」に加わる。最近ではテニスの世界チャンピオン、ラファエル・ナダルも。アルマーニは、「アルマーニ・ジーンズ・ミラノ」というバスケットボールチームも所有している。
トッズはイタリアのサッカーチーム「フィオレンティーナ」を所有。
ロロ・ピアーナはポロチームと組んでいる。自身が「ポロ」をするラルフ・ローレンは、実は自分のチームをもっておらず、「ブラック・ウォッチ」チームのスポンサーをする。
エルメスは4月、パリのグランパレで、ショウ・ジャンピングのコンペティション、'Saut…
「アジアのクールはもはやトウキョウにはない」
「ウォールストリートジャーナル」アジア版で、2010年メンズのトレンド、トップ5の紹介。22日付。記者は、ジェイソン・チョウ、おそらく中国系の方? 今の「アジアのクール…
JFKは、サヴィル・ロー
加藤和彦『エレガンスの流儀』(河出書房新社)。メンズファッション誌のスター、とりわけ日本人となると、かなり限られてくる。白洲次郎ブームがひとしきり続いたあと、近…
ゆで蛙になるか、黄金期のヒーローになるか
14日火曜日に参加した、宮内淑子さんオーガナイズによる第124回次世代産業ナビゲーターズフォーラム。講師は(株)日本総合研究所 副理事長の高橋進さんで、テーマは…
「冥土までの、極上の暇つぶし」
島地勝彦さんの本三冊まとめ読み。『甘い生活』(講談社)、『乗り移り人生相談』(講談社)、『愛すべきあつかましさ』(小学館101新書)。購入とほぼ同時に、「メンズ…
華麗なる「似た者同士」
スティーブ・マックイーンのスーツの着こなしについてコラムを書く必要があって、「華麗なる賭け」DVDで。ノーマン・ジュイソン監督、1968年の作品。99年にはピア…
「鴨長明の呪い」
湯山玲子『四十路越え!』(ワニブックス)。あまりの衝撃に、2日の間で3度読み返してしまった本。湯山さんのエネルギーにあやかるべく、味の素に「グリナ」を注文し、ヒ…
「痴情のもつれがフランスの歴史を大きくねじ曲げる」
鹿島茂『「ワル姫さま」の系譜学 フランス王室を彩った女たち」(講談社)。445ページの大著。フランス史を動かしていたのは、宮廷に出入りする艶女と、その女たちをめ…
「草食系男子は、想像上の生き物である」
◇「オーケストラ!」DVDで。BUNKAMURAで上映していたとき、のこのこと行ったら満席だった映画。DVDになってやっと観て、人気のほどを納得。やはりこれは劇場で見ておく…
「顰蹙を買わないと、本は売れない」
車谷長吉『妖談』(文藝春秋)。あさましい「業」に憑かれた人々を描く、掌編小説が34篇ほど。
金銭欲、復讐欲、性欲、所有欲、ただの執着、なんだかわけがわからないけ…
地獄か、砂漠か。
中村うさぎ+マツコ・デラックス『うさぎとマツコの往復書簡』(毎日新聞社)。
「幸せを感じるかどうかは、自分の心次第」みたいな最近のゆる~い自己欺瞞ブームにきびし…
アメリカは濾過器、日本は研磨機
玉村豊男『食卓は学校である』(集英社新書)。食卓からはじまる比較文化論、現代社会批評、人生論。玉村先生が、朝礼にはじまり、1時間目から6時間目まで、やさしい口調…
ジャパンブルーは、黒潮の色。
大学のファッション文化史の授業に、ISSEY MIYAKE クリエイティブディレクターの藤原大さんをお招きする。日本発のクリエイションについて、ISSEY MIYAKEのワールドワイドなお仕事の具体例を通じてお話いただく。
藤原さんは、ISSEY…
「マカロニ」を生んだ「チチスベイ」と「カストラート」
岡田温司「グランドツアー 18世紀イタリアへの旅」(岩波新書)。グランドツアーに関するイギリス側の事情は読んだことがあったが、この本ではおもにイタリアの話が紹介…
大量生産もコピーもできない、世界にたった一つの靴
大学のファッション文化史の講義で、靴作り&靴デザインのエキスパートをお招きしてスペシャルトークセッションをおこなう。NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」にも出演経験のある、オーダーメード靴界の第一人者、「ギルド」の山口千尋さんと、「JILAレザーグッズデザインアワード」グランプリ受賞の気鋭のデザイナー、串野真也さん。串野さんは京都から。
山口さんは5000年前の靴の話に始まり、革のすぐれた特性、人間の足の構造、靴と足の不思議な関係など、基本的な事柄に見えて案外知らない靴のお話を丁寧に解説。「足の形のまま靴を作ると、実はゆるい」という意外な事実。人間の足には56個もの骨があること。「履くときにはすっと抵抗なく履けなくてはいけないが、いったん履いてしまうと脱げては困る」というパンプスの不思議。「自分に合った一足」を見つけることの大切さを学ぶ。写真はオーダーメイドのブーツを手に講義する山口さん。
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「けちけち野郎」のテープ
◇「サライ」記事のためロングホーズの取材@新宿伊勢丹。プレスルームでバイヤーの方にお話を聞いたあと、メンズ館靴下売り場でロングホーズの存在感やメンズ靴下の現状な…
「前きらめきを慎む」
小笠原敬承斎先生『誰も教えてくれない男の礼儀作法』(光文社新書)。小笠原流礼法の解説。第一章の「男のこころ」は、武士道における心のあり方を説いているが、ジェント…
「月給よりも、時給の方がエロい」
◇リリー・フランキー二冊。まずは『エコラム』(マガジンハウス)。分厚い。久々にたっぷり、リリーワールドを堪能。下ネタばっかりといってもいいくらいなのだが、リリー…
「人間は空想に殺される」
◇名越康文先生二冊。まず『心がフッと軽くなる「瞬間の心理学」』(角川SSC新書)。自殺寸前、ウツ(への助走期間)にある人々にとっては処方箋とも読める本。地獄は外…