
ラグジュアリーの「政権交代」 marie claire 2026.1.29 / The Age of Elegance
maire claire 2026.1.29でラグジュアリービジネス業界における近年の激しすぎるデザイナー交替をどう読むか?という記事を書きました。
美学の刷新型/ブランド人格の再構成型/揺…

25ans 3月号「ロイヤルの肖像」 ヨルダン:ラーニア王妃
25ans 3月号発売中です。
連載「ロイヤルの肖像」Vol. 3ではヨルダンのラーニア王妃について書いています。本誌でご覧いただければ幸いです。

謝罪会見のスーツ
プルデンシャル生命保険(日本)の社員および元社員 約100人以上が顧客約500人から不適切に金銭を受け取っていたことが明らかになりました。顧客への投資話の持ちかけや、個人的な貸借の名目で金銭を受領していたケースが含まれ、…

石材業を思想へ変えた大蔵山スタジオ
北日本新聞「ゼロニイ」2月号、「ラグジュアリーの羅針盤」Vol. 39は大蔵山スタジオについて書きました。
大蔵山スタジオの山田能資さまには雅耀会でご講演いただき、その後…

ヴァレンチノ・ガラヴァーニ(1932–2026)
イタリア・モードの神話的人物のひとり、ヴァレンチノ・ガラヴァーニが93歳で逝去されました。彼はファッションという芸術を「美の秩序」として信じ抜き、半世紀以上にわたって世界にエレガンスの理想を示し続けました。
1932年、ロンバルディア州ヴォゲーラに生まれたヴァレンチノは、若き日にパリのエコール・デ・ボザールとジャン・デッセのもとでクチュールの基礎を学んでいます。その才能が真に花開いたのは、1959年にローマに自身のメゾンを開いたときでした。古都ローマの建築と光が、彼のデザインに特有の「クラシックとロマンの均衡」を与えたのです。
(アニタ・エクバーグが「甘い生活」の中で着用した伝説のドレスもヴァレンチノ)
彼の作品世界には常に構築と儚さの対話があります。精密に設計されたラインの上に、呼吸をするように揺らめくシフォンやオーガンザ。そこには建築的論理と感情的詩情が共存しています。そして何よりも象徴的なのが、彼自身が「唯一、女性を真に照らす色」と呼んだヴァレンチノ・レッド。深く華やかな赤は、情熱ではなく品格の炎として、時代を越えたアイコニックな色となりました。
(ジャクリーヌ・ケネディは再婚式にあたりヴァレンチノのホワイトコレクションからドレスを選びました)
ヴァレンチノの顧客リストは、20世紀のセレブリティリストそのもの。ジャクリーン・ケネディがオナシスとの再婚式に彼のレースのドレスを選びましたが、「再出発の気品」がそのドレスに託されています。オードリー・ヘプバーンやエリザベス・テイラー、グレース・ケリー、そして離婚後のレディ・ダイアナに到るまで。
彼は生涯、商業と芸術、流行と永続の間にバランスを保ち続けた希有なデザイナーであもあります。1970年代以降、プレタポルテが台頭し、ファッションが即時性を競うようになっても、ヴァレンチノはクチュールの理念——時間と手に宿る価値——を守り抜きました。「美は慎みと意思の結果である」という信念のもとに。
プライベートでは、長年の伴侶であり共同経営者であったジャンカルロ・ジアメッティとの絆が知られています。二人が築いた「メゾン・ヴァレンチノ」は、愛と友情、そして創造の連帯によって支えられたひとつの芸術共同体とみなされています。
2008年に引退後も、彼は自身の名が冠された「ヴァレンチノ」が新たな世代によって解釈される様を、遠くから静かに見守りました。今日、メゾンのコレクションに漂う繊細なロマンス――花びらのようなチュール、儀式のような正確さを特徴とする裁断の影には、なおヴァレンチノ本人の精神が息づいています。
ヴァレンチノ・ガラヴァーニは、人間の品格を芸術的に格上げする、息をのむようなエレガンス、めくるめく圧倒的な王道の華やかさを見せてくれました。
ご冥福をお祈りいたします。
(写真はすべてItalian…

ほんとうにどうでもいい、肩書についての話
ほんとうにどうでもよいことなのですが、私は名刺にもHPにもずいぶん前から「服飾史家」という肩書は一切、記していません。自分では名乗っていないのです。もともと、2000年…

曖昧な女性の礼装 毎日新聞で解説しました
本日の毎日新聞(有料記事)「小野田紀美氏が投じた一石 専門家も驚いたモーニング姿」
に、服飾史の専門家として取材協力しました。
記事では、伊勢神宮参拝の場で女性閣僚がモーニングコートを着用したことをきっかけに、
・なぜ「女性の正礼装」はこれほど曖昧なのか
・礼装は性別ではなく「役職や機能」に基づいて考えられないか
・日本社会に残るジェンダー規範と服装慣習のズレ
といった点を解説しています。
単なるファッション論争ではなく、「誰が、どの立場で、公の場に立つのか」というリーダー像や制度の問題を、服装から問い直しています。礼装は個人の趣味ではなく、社会の価値観を映す装置。
その変化の兆しを読み解いた内容になっています。
有料版の内容はシェアが難しいこともあり、今回考えたことを基に、英語圏の方々のために英語版でエッセイを作成しました。When…

朝日新聞でも掲載 高知信用金庫ビジネスウェア
高知信用金庫で2022年より展開しているビジネスウェア創造プロジェクト、昨年12月の記者会見が今年1月の朝日新聞でも紹介されました。こちらです。
ビジカジは「軽装化」で…

たとえば「ターザン」
現在、ディズニー服飾史を執筆中です。テキストはほぼ全部完成している段階です。ですが、政治的な問題や著作権問題などで掲載できない原稿がいくつかでてきました。たとえ…

銀座・和光に学ぶ商いの美学 瞬間で完売です
今年初の雅耀会イベントは、銀座・和光の庭崎紀代子社長のお話を伺い、和光をご案内いただくというワクワクの夕べを企画しました。
なんと、本日、SNSでの告知を出した瞬…

日本のラグジュアリー 2026
今年も雅耀会(日本の文化・伝統工芸をラグジュアリー文脈の中で考える会)のアドバイザーを務めるほか、新しいラグジュアリーの考え方に対する著述や講演、取材、海外発信を行っていきます。以下は、私の基本的なスタンスです。取材や議論を重ねるうちに少しずつ変化していく可能性もありますが、このような姿勢で取り組んでいくという備忘録を兼ねて記しておきます。
まず、世界のラグジュアリー市場の現状から共有します。イタリアの高級品業界団体であるアルタガンマによる最新の「アルタガンマ・コンセンサス2026」では、世界のラグジュアリー市場は今後も年率5〜6%成長すると予測されています。地政学リスクや物価高、消費の二極化といった不安要素がある中でも、ラグジュアリーは依然として「選ばれ続ける産業」である、というのが世界の共通認識です。
では、この世界の成長の中で、日本はどのような立場で挑むべきなのか。
結論から申し上げます。日本は追いかける側に立つ必要はありません。むしろ、勝てるポジションにいます。
ただし、そのためには、ひとつ大きなマインドの転換が必要です。
それは、環境が整うのを待つ受け身の姿勢から、自ら市場をつくるという積極的な姿勢へという転換です。
いま世界で評価されているブランドは、「景気が良くなったら」「需要が戻ったら」動くブランドではありません。自分たちで「良い天候をつくる」ブランドです。市場環境を言い訳にせず、なぜ今、自分たちの価値が必要なのかを語り、需要そのものを形づくっています。
次に重要なのは、「行く理由」「選ぶ理由」を明確にできているかです。高品質であること、丁寧につくられていることは、もはや前提条件です。それだけでは、世界では埋もれてしまう。
いま求められているのは、「そこに行かなければ体験できない」「それを選ばなければ得られない」という特別な体験です。
日本には、本来この点で圧倒的な資産があります。場所、季節、時間、身体感覚、自然観。それらを「商品説明」で終わらせず、体験として編集できるか。ここに、経営の意思が問われます。
三つ目は、顧客との関係性です。いまのラグジュアリー顧客は、「教えられる存在」ではありません。国籍も世代も流動的で、非常に学習意欲が高い。重要なのは排他性ではなく、信頼に基づいて共に学び成長するという伴走のマインドです。
価値を丁寧に説明することは、「このブランドは誠実だ」という信頼を積み上げる経営判断です。
四つ目に、価格について申し上げます。価値とは、安さではありません。単なる希少性でもない。
誰が、どんな思想で、どんな時間をかけ、どんな未来につながるものとしてつくっているのか。価格とは、物語と倫理と美意識の総和です。この説明責任を果たせるかどうかが、日本のラグジュアリーの分水嶺になります。
最後に、日本ならではの強みについて。
日本の本当の武器は、「古さ」でも「伝統そのもの」でもありません。それらを現代に翻訳し、編集し直す力です。保存ではなく更新。懐古ではなく、いまを語る勇気。
世界は、日本が「自分たちの言葉でラグジュアリーを語る」ことを待っています。
日本のラグジュアリーがいま問われているのは、規模でも、豪華さでもありません。
意味をつくれるか。自分たちの価値を、自分たちの言葉で定義できるか。
それができたとき、日本はこの成長市場の中で、「追随者」ではなく「指標」になる。
私は、そのように信じています。
As…

ディルマCEOインタビュー ウェブ公開されました
連載「ラグジュアリーの羅針盤」、ディルマCEOにインタビューした記事がウェブ公開されました。こちらです。
お正月にお世話になったウェスティン横浜でもディルマの紅茶…

神楽坂石畳 職人さんの粋
神楽坂のかくれんぼ横丁でハートの石を発見♡
28000個の石(舗装材)のなかの唯一のハートだそうです。職人さんの遊び心、素敵ですね。
(この場所にあるというわけで…

プレミアムカフェ 「ファッション」
NHKプレミアムカフェ 3回分の収録でした。
テーマは「ファッション」で、公開予定は2月2日(月)サンローラン、2月3日(火)アントワープ、2月4日(水)ヨウジ・ヤ…

高知県立美術館でビアズリー展
東京で混雑を避けているうちに見逃してしまったビアズリー展を、なんと出張先の高知で堪能することができました。
ゆったりと鑑賞できた高知県立美術館は、建物もアート…

宇宙基地のようなキノコオブジェ
愛車が故障して車が使えず、いつも車移動のところを徒歩で移動する日々。
車で通っていると見逃してしまうような裏通りのあれこれにも目がいくのが楽しいですね。
奈良…

山下公園の薔薇力
1月にこれだけ咲かせる山下公園の薔薇力。
まさかこの季節にこれだけの薔薇に出会うことができるとは思いもせず、寒さのなか来てよかった。幸運でした。
薔薇は見…

A Happy New Year 2026
あけましておめでとうございます。
みなさまにとりまして、お健やかでお幸せな一年となりますように。
旧年中はたいへんお世話になりありがとうございました。本年もど…

2025年 ありがとうございました
本年も多くの方々のご協力のおかげあって、多岐にわたる領域の仕事の成果をおさめることができました。年頭には全く予想すらしていなかった機会をいただき、大きな展開があった例もあります。動画の仕事、および海外の専門家とのつながりが増えたのも今年の大きな特徴でした。いずれのケースにおいても、ひとつひとつの仕事に対し、心を込めて大切に扱ってまいりました。感慨深いです。心より感謝申し上げます。
<書籍>
『「イノベーター」で読むアパレル全史 増補改訂版』(日本実業出版社)5月
<連載>
・「ラグジュアリー・ルネサンス」(日本経済新聞)4月~7月
・「ラグジュアリーの羅針盤」(北日本新聞「ゼロニイ」)通年
・「ロイヤルの肖像」(25ans) 11月~
・…

ディズニー服飾史 ブックリスト⑬⑭⑮⑯⑰
ディズニー服飾史のためのブックリスト、第一弾の最後となります。
⑬チャールズ・ソロモン著、宮川未葉訳『ディズニープリンセス 白雪姫からモアナまで 創意あふれる美と個性』。静山者、2021年。
これは!豪華な箔飾りで彩られた大判のコーヒーテーブルブック。上質な製本、ゆったりと配置された絵と写真。めくるたびに心がうきうきするロマンティックな本です。
⑭ジョン・ケインメーカー他著、小宮山みのり訳『ディズニー 伝説の天才クリエーター マーク・デイヴィス作品集』。講談社、2017年。
10人以上の書き手が、あらゆる側面からジョン・ケインメーカーの仕事について書いています。マーク・デイヴィスという存在すら知らなかったという初心者なので、驚きと発見の連続。絵が豊富な大型本ですが、扱いやすく製本されています。
⑮デイヴ・スミス/…

