新しい世界に導いてくれるのは、「ご縁」
◇「ワイン王国」7月号、巻頭アペリティフで、エッセイを書いています。ペリエ・ジュエの会でのご縁つながり。ワインの話を活字で書くのはほとんどはじめてのことで、肩に…
どこでなにがつながるか
◇本はいったん世に出たら「読者のもの」である。どこでだれがどのように読むのか、作者はコントロールすることなどできない。ときどき、思わぬところで意外な読み方をされ…
ドレスが、歴史的アイコンになるとき
◇英「テレグラフ」19日付で、ここ50年間での「アイコン的」なドレス、ベスト10の発表。
1.スパイス・ガールズのひとり、ジンジャー・スパイス(Geri Halliwell)が着た、ユニオンジャックのミニドレス(これはデザイナーものではなく、ミニドレスにティータオルを縫いつけただけのものだった)。
2.エリザベス・ハーレーが「フォー・ウェディング」のプレミア(1994年)で着た、ヴェルサーチェの安全ピンドレス(これで一躍ハーレーは時の人に)。
3.マリリン・モンローが「七年目の浮気」で着た、白いドレス(地下鉄の通風孔の上でふわっ)。
4.オードリー・ヘプバーンが「ティファニーで朝食を」で着た、ブラックドレス(何度もコスプレの対象に)。
5.レディ・ガガが「ブリットアワード」で着た、白い衣装。
6.ダイアナ妃のウェディングドレス。デザイナーはエマニュエル夫妻。
7.カイリー・ミノーグが2000年の「スピニング・アラウンド」のビデオで着た、ゴールドのホットパンツ。
8.ジェニファー・ロペスがグラミー賞授賞式で着た、グリーンのヴェルサーチェのドレス。
9.ビヨークが2001年のアカデミー賞授賞式で着た、白鳥ドレス。デザイナーは、Marjan…
「迷ったら、やる」
視察を終えたあと、代表取締役グループ代表、南部靖之さんのご講演。
表向きのテーマは「これからの働き方はどうなるのか」ということであったのだが、話題はじつに多岐にわたった。アーバンファームをつくるまでにいたった具体的な経緯、ご自身が受けた教育の話やご両親のこと、アメリカの教育観との比較に基づいた今後の教育の話、現在の日本の労働問題やそれを解決するために実行していること、仕事を続ける上での哲学、などなどが、お笑いをまじえ(関西の方であるなあ)、大きな身ぶり手ぶりで、パワーポイントなんぞ一切なしの話術だけで、ドラマティックに楽しげに語られる。笑えるばかりでなく、内容もぎっしり充実している。何をどこから書いていいのかわからないくらいの圧倒的な情報量だったのだが、とりわけ印象的だったことがらを、以下、ランダムにメモ。
★座右の銘は、「迷ったら、やる」。ビル内で稲作をするというプロジェクトも、最初はだれもが「できっこない」と反対した。でも、やろうと思って、「なぜ、できないのか?」を調査した。その分野のエラい先生が、1000ページにわたり、「できない理由」をぎっしり書いた論文を書いてくれた。ところが、あるとき、「農業従事者」の方に「これだけ資金を投資して環境を整えても、ビル内で米が実らないのはなんでかね?」と立ち話で聞いてみたら、3つ、理由を教えてくれた。
1.雨が降らん (水分の問題じゃない。雨があたった瞬間、空気が稲に入ることが大事なのだ。だから、空気を送り込め)
2.風が吹かん (嵐や台風も必要だ。一方からじゃなく、あっちからもこっちからも。強風を双方向から交互に毎日、一週間送りこめ)
3.あんた、関西人で、ケチやろ (ぎっしり苗を埋め込むな。30センチ間隔をとるべきところ、あと15センチほど広げ、せめて40センチほどに、間隔を広げたらいい)
この3つの助言が、突破口になって、実現したという。立派な学者先生の1000ページの論文より、実際の農業従事者の3つの助言。
★丸の内と大手町には、ベランダのあるビルはない。窓も開けられない。でも、ベランダがほしかったし、窓も開けたかった。だから、地道に、ひとつひとつ、交渉を重ねていった。
ベランダに関しては、「ベランダと思わずに、でこぼこの壁やと思うてくれ」ということで、表向きは「でこぼこの壁」ということになっているベランダをつくることに成功。窓に関しても、交渉を重ねに重ね、結果、窓も開いてベランダもある、という思い通りの環境を実現。
当初ムリだと言われた理想が実現したばかりか、ビルを視察した大臣が「補助金を出そう」とまで言ってくれ、東京都からも補助金が出ることになった。
★子供のころ、大きなお花畑の中に入りたい、という夢があった。その夢を実現すべく、現在、ポピーの花畑をつくってその上にガラスを張り、そのガラスの上で音楽会を開くというプロジェクトを計画中。お花畑の中の音楽会、というわけである。多くの人の「子供のころの夢」だからこそ、実現したら多大なPR効果も発揮する。
★ご両親は、南部さんに、価値の多様性を教え込んだ。算数が100点、ピアノがうまい、絵が上手、これらはすべて同じ価値がある、と。南部さんは絵を描くのが好きだった。お母さまは、南部さんの絵を、10円で買ってくれた。算数で100点をとるお兄様の絵は買わないのに。「勉強で負けても、絵で勝つことができるんや」。この経験が、大きくなって、勇気に変わった。
★高校時代、数学の点数があまりにもヒドイので恥ずかしがっていたら、お父様が一喝。「試験の点数が悪いのは、恥ではない。人に迷惑をかけたときが、恥なんや」
★経営者とは、お金を儲ける人。創業者とは、お金を使う人。(経営者は多いが、創業者は、少ない。)
こうしたい、こうすべき、と思ったら、他人を批判したりせずにまずは自分で実行する。そんな姿勢が南部さんの道を切り開いてきたということがわかるエピソードは、ほかにもたくさん紹介されたのだが、なかでも印象的だったのが、若い人たちの雇用問題に関し、鳩山首相に手紙(というか大時代的な筆字の巻き物!)を書き送ったというお話。
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「第四次産業」としての農業
第118回次世代産業ナビゲーターズフォーラムに参加@大手町パソナグループ本部。
パソナ本社の「アーバンファーム」を視察したのち、ファームの採れたて野菜を使ったサラダをいただき、社長の南部靖之氏の講演(「これから働き方はどうなるのか」)を聴くというプログラム。
パソナ本社に一歩足を踏み入れただけで、そこは別世界。一面の稲が迎えてくれる。
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チャブ台の語源が
こどもの日ということで、次男のリクエストにこたえ、横浜・桜木町。
新しい施設もオープンしていて、かなり混雑している。遊園地のお決まりコースをひととおりまわった後、横浜みなと博物館と帆船日本丸の探訪。いつも外から見るだけだったが、中まで入るのは初めてのことであった。
思わぬ収穫も多かった。「ポンコツ」の語源がpunishment、「チャブ台」のそれがchop…
政治家のスーツスタイルは、メタファーである
英各新聞のメンズスタイル欄に最近頻繁に登場しているのが、ニック・クレッグ。野党第二党のLib Dem(自由民主党)の党首で、童顔の43歳である。先だってのテレビ公開討論…
ファッション界をゆるがした映画
「ファッション界をゆるがした25の映画」という記事、英「タイムズ」21日付。
「セックス・アンド・ザ・シティ2」の公開を盛り上げる記事である。この映画(&ドラマ…
「家庭の天使」の心の闇
移動の途中やネイルの間などにちょこちょこと見ていた「マッドメン」、シリーズ1を全部見終える。第4話あたりからペースがわかってきて、がぜん面白くなっていった。
ひと…
「エロカジ」を中国語にすると
中国のファッション誌、「端麗」で三か月集中連載を始める。私が日本語で書いたエッセイを、先方が中国語訳して、ふさわしい写真を選んでレイアウトしてくれるのだが、あま…
「本当に<腹が減った>という思いをしたことはあるか」
先週、11日(木)に宮内淑子さん主催の「21世紀ナヴィゲーターズ・コミッティー」に参加したときのメモ。このコミッティーはなんと17年目になるという。私はほんの数回…
アレクサンダー・マックイーンの訃報
英デザイナー、アレクサンダー・マックイーンの訃報にショックを受ける。11日朝10時に、グリーンストリートのフラットで首を吊った姿で発見されたとのこと。母の葬式の…
ロールスロイス、カントリーの邸宅、そしてサヴィル・ロウ
サヴィル・ロウにお仕立てスーツを作りにくるミュージシャンの話、英「フィナンシャルタイムズ」1月30日付け。いつか役立ちそうな話だったので、備忘録まで。
始まりは…
「花の香りじゃなくて、女の香りがほしいの」(by シャネル)
◇「クロワッサン」の仕事でビューティージャーナリストの倉田真由美さんと対談する@白金のスタジオ。最近注目のブースターコスメがテーマ。
メーカー側としては、手持ち…
美醜の基準をゆさぶるモデル
2009年イギリスの「ベストモデル」に、ミック・ジャガーの娘、ジョージア・ジャガー(17)が選ばれた、というニュース。
http://www.independent.co.uk/life-style/fashion/news/strolling-stone-micks-daughter-named-britains-best-model-1837386.html
「インディペンデント」のコメント欄には、「彼女の顔が<魅力とはほど遠い>ように見える自分は頭がおかしいのか?」というような投稿がのっていた。
やや出っ歯ぎみ(しかも歯の間隔がはなれている)の口元、目じりさがりぎみの目は、パパのミックゆずりかな。ミックだってけっしてハンサムではなかったかもしれないが、そんな基準をけちらす濃厚なカリスマで目をひきつけた。ジョージアも、美人の基準にすんなりおさまる美人ではないからこそ、なにか目を離せないようなこってりしたものを発している(ように見える)。少なくとも、ジョージアの「代わり」はいない。
イギリス発のモデルは、そもそも、わかりやすい美醜の基準をゆさぶってきたからこそ別格なのである。ツイギー。ケイト・モス。アギネス・ディーン。
ジョージアが今後どう化けるか、あるいは消えていくのか。
ベスト・ラベルとしてはバーバリー。納得の受賞である。クリエイティブ・ディレクターのクリストファー・ベイリーは、今年、ほかにもファッション関連の賞をいくつかとっている。
「アウトスタンディング・アチーブメント(傑出した業績)」を評価されたデザイナーは、ジョン・ガリアーノ。ずっとエネルギッシュに先頭を走り続けているガリアーノには、いつも驚かされっぱなし。枯れない才能に感嘆する。
「人生は、息をのんだ瞬間の数で計られる」
次世代産業ナビゲーターズのメンバーのひとり、服部崇さんから『APECの素顔』(幻冬舎ルネッサンス)をお送りいただき、さっそく読む。服部さんは経済産業省の、いわゆる「官僚」さんなのだが、巷の官僚のイメージ(実像を知らないでいうのもなんだが)をこころよく裏切る、さわやか系好青年である(世間の年齢基準では中年かもしれないが)。大学の同じ学部の後輩でもある。
この本は、服部さんがシンガポールにあるAPEC(アジア太平洋経済協力)事務所に勤務していた、2005年から2008年までの3年間の個人的な記録である。
公的文書ではない。かといって、個人的な思いの垂れ流しでもない。APECの活動が、「公人」であり時に「一個人」でもある服部さんの視点から、具体的に描かれる。公的文書的な硬さはやや残るのものの、APECの活動記録の合間合間に、個人としての熱い思いや考えやつぶやきが、ちらりちらりとはさまれる。
個の出し方が控えめである分、「APECっていう組織は、具体的にどのような活動をしているのか?」ということを知りたい一般読者にとっては、いやみなく読み進めることができるAPEC入門書ともなろう。政治・経済に疎い私でも、APECの活動に親しみを感じることができ、「アジア太平洋地域」と一口にいっても圧倒的な多様性があることを思い知らされた。ただ、一物書きとしては、どうせ個人の記録として書くなら、もっと遠慮なく「官僚の胸の内」をセキララに書いてもらってもよかったのに、と(笑)。
知らなかったことがずいぶんあった。以下、とくに勉強になったことをメモ。
・APECでは、参加国・地域を、「エコノミー」と呼ぶ。「国」じゃなくて、「エコノミー」!
・APEC事務局員もチャリティをする。事務局員が、それぞれがもちよった品をガレージセールで販売してお金を集め、それをベトナムの孤児院に寄付したというエピソードにはちょっとじ~んときた。
・ペルーのカソリック教会のマリア像の形状についての話。マリア像はドレスのスカートを大きく左右に広げて、二等辺三角形の形になっていて、さらにマリアの頭上に後光が差しているかのようにつくられているそうだ。これは、「かつてアンデスの山々を崇拝し太陽を拝んだインディオたち被征服民に、カソリック教会のマリア像を礼拝させるために編み出されたもの」であるらしい。
・熱帯のシンガポールでもマラソン大会がある! 気温28度、湿度85度だ。走るか?同僚のアドバイス、として書かれていた三箇条が、ウケた。「1.最初からとばさないで、ゆっくり走ること 2.途中で走るのをやめないこと 3.美女の後を追うようにすること」。
「美女かどうかは後ろからはわからないではないか」という服部さんのぼやきがおかしい。
・オーストラリアのケアンズのナイトマーケットで見かけたステッカーに書いてあったことば、として引用されていたフレーズ。『人生は息をした数ではなく、息をのんだ瞬間の数で計られる(Life…
「手先が器用になると生きるのが不器用になります」
「王様の仕立て屋」4巻~7巻。服×人生のエピソード、よくこれだけ考えられるなあ・・・と感心しつつ、楽しむ。とくに印象に残ったことばをメモ。
・4巻<ミラノの春>
「ナ…
服は、人工臓器
◇「フラウ」12月号発売です。連載「ドルチェを待ちながら」で、近頃浮上してきたサステナブルなキャビアについて書いています。機会がありましたら、ご笑覧ください。
◇た…
「人まじわりしたら血が出る」
開高健『人とこの世界』(ちくま文庫)読み終える。ケンさまが選んだ「人物」12人を、その作品とインタビューを通して描いた、ことばによる肖像画、といった感のあるノンフ…
「人類の発展を阻害してもいい」
堀井憲一郎さんの『落語論』(講談社現代新書)読み終える。ディープに落語について書かれた本ながら、日本文化の見方をめぐるヒントや、広くパフォーマンスや表現に関する…

