人の表情が、なによりも、「アート」
猛暑の中、金沢21世紀美術館へ。見たかったのが、「レアンドロ・エルリッヒのプール」。
上からのぞいて驚く人、下からそれを眺めて面白がる人、双方の反応を楽しむ体験が、「アート」?
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未来の日本の、希望
富山市の芝園中学校で、ミニ講演会。芝園中学校の校長(石上正純先生)が、小学校6年生のときの担任の先生(しかも教員になりたての新任)だった、というご縁で、急遽、依頼されてお話をすることになった。
「学ぶこと、仕事をすること」をテーマに、作文好きな生徒さん、保護者の方、教職員の方を対象に、自分の仕事から学んださまざまな発見などを、お話させていただいた。熱心に聴いてくださったみなさま、ありがとうございました。サプライズできてくれた、中学時代の卓球部男子部長(現・教育委員会)、高校の同窓生にも感謝。とても充実した楽しい時間を過ごさせていただいた。
富山市は教育環境がすばらしく、芝園中学にも、校長先生はじめ、熱意にあふれたすてきな先生方、スタッフがそろっていた。保護者との連携も理想的で、こんなところで子供を学ばせたいなあ、と誰もが思うであろう素敵な環境。校舎も明るくモダンであるばかりか(全国から見学者が訪れるとのこと)、花やグリーンにあふれているので、明るくあたたかな印象。よく手入れされた植物に迎えられると、「歓迎されている」という気持ちになれる。多感な時期の生徒にとって、この効果はとても大きい。植物はすべて教職員や保護者の方がボランティアでもちより、世話をしているとのこと。写真は、校舎の2階から屋上に向けて伸びやかに育っている「緑のカーテン」。近くで見ると、なかなかの壮観。
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赤いソール裁判のラウンドワン、ルブタンの敗け
クリスチャン・ルブタンが、赤いソールをめぐってイヴ・サンローランを訴えていた件。NYで第一回目の判決が下されました。(「テレグラフ」10日付 Christian Loubtin loses round one…
会話とは、言葉による相互愛撫である
英「インデペンデント」30日付に、興味深い記事。The New York Timesの記者としてパリに赴任したElaine Sciolinoが、アングロサクソン系の視点から「誘惑の国フランス」を観察・分析している。Liberte,…
「根っこさえあれば、何度でも復活できる」
7月13日(水)に行われた、シャネル(株)代表取締役社長、リシャール・コラス氏の特別講演。明治大学商学部主催のファッション・ビジネス特別講演シリーズ、前期の最終回である。
リシャール・コラス氏の今回の講演のテーマは、LUXEのプレイヤー(コラス氏はactorという言葉を使っていらしたが)。ブランドのトップによって戦略が変わるということを、具体的なラグジュアリーブランドの例を引き合いに出しながら、お話いただいた。個人的にはツボにどまんなかというか、大好きすぎるほどの話だったので、わくわくしながら拝聴。「事実」やデータの裏にある、さまざまな人間くさいお話は、やはり「プレイヤー」のひとりでなくては語れない内容。ジョークを交えてのとても楽しい90分で、時にげらげら笑いながら、あっという間に時間がきてしまった。以下、とりわけ印象に残ったお話の概要を、ランダムにメモ。
・Boom,…
「省エネは回収できる投資である」
宮内淑子さん主催の第130回「次世代産業ナビゲーターズフォーラム」に参加。メインの講演は、小宮山宏さんによる「日本『再創造』-『プラチナ社会』の実現に向けてー」…
「それがほんとうの事実であるかどうかは、さして問題ではない」
ブレンダ・ラルフ・ルイス『ダークヒストリー 図説イギリス王室史』(原書房)読了。久々に血が騒いだ歴史本。ノルマン征服のウィリアム王から、ナチのコスプレで世間を騒…
プレッシャーによるトリプルアディクションが生んだ「抜け殻」の罪
「民族・信仰・出自を公然と侮辱した」(=ユダヤ人差別発言をおこなった)かどで訴えられているガリアーノの裁判が、パリで昨日おこなわれ、そのリポートが各紙ファッショ…
定番服とファッションアイコンの緊密な関係
真夏日の仕事の合間には、眼福本でほっとひといき。 'Icons of Men's Style' by Josh Sims. Laurence King Publishing から出たばっかり。josh Simsは英国各紙のファッション欄でよく名前を見かけるライターである。
ブルゾン、ワックスジャケット、フライトジャケット、トレンチ、ジーンズ、カーゴ、ローファー、デッキシューズ、ボクサーショーツ、ブレザー、ツイードジャケット、ボタンダウンシャツ、ランバージャケット、などなどのメンズの定番アイテムが、「やはりこのアイテムといえばこの男だろう」という直球どまんなかのアイコン(映画俳優だったりスポーツ選手だったり貴族であったり戦士であったり)がそれを着ている写真で紹介される。
ブレザーといえばジョージ5世。ツイードといえばジェームズ・スチュアート。ハワイアンシャツといえばトム・セレック。レイバンにトム・クルーズ。といったべたべたの王道も悪くないし、
パナマハットにミック・ジャガー。Yフロントのパンツにマイク・タイソン。ボンバー・ジャケットにフランク・シナトラ。という意外性もまたよし。
マニアックにはずしていくことがかっこいいと思われているフシもあるけれど、このように世界中のだれもが「ついていける」ような定番ワールドが確固としてあるということが、メンズファッションの強みにして面白さでもあることを、あらためて実感する。
定番アイテムの輝きを永遠にするのは、一時であれ時代の波長をリードしたようなアイコンたちで、彼らは没してのちも永く、そのアイテムとともに記憶のなかに生き続ける。古びることなく。つまり、定番服とファッションアイコンは相互に引き立てあって生き続けている。
.序文より。'Men's…
何も考えてない常套句なら、言わないほうがいいことば
励ましたいのだが、どう声をかけていいのかもわからない、ということが多々ある。一緒に行動できないならば、偽善的なことばなど、かえってしらじらしく聞こえてしまうのではないかと危惧する。でも、少しでも励みになりたいという思いもウソではない。
被災地で日々闘っている人たち、職を失って、あるいは得られなくて絶望しかけている人たち、重い病気と闘っている友人や知人。
「ニューヨーク・タイムズ」に、<病気と闘っている人に対して言ってはいけないことば>に関する記事があった。10日付。'You…
Quis separabit?
◇帝国ホテル広報誌「IMPERIAL」第76号。ロイヤルウェディングの世界について書いています。写真がかなり豪華です。機会がありましたら、ご笑覧ください。
字数の関係もあって誌面では割愛せざるを得なかったケンブリッジ公ウィリアムの新郎姿について、ひとことメモ。
青いサッシュベルトをかけた赤い軍服は、彼が名誉職をつとめるアイリッシュ・ガーズの制服。帽子には、アイリッシュガーズの記章がついているが、そこには連隊のモットー、"Quis…
60年間批判ゼロの「英国紳士スタイル」の秘密
6月10日に90歳の誕生日を迎えたエディンバラ公フィリップ(エリザベス女王の夫君)。そのスーツスタイルをたたえる記事が、英ファイナンシャルタイムズに。6月3日付、Regally restrained.…
赤いソールに独占権はあるのか?
◇「サライ」7月号発売です。連載「紳士のものえらび」でトラヤ帽子店のパナマ帽について書いています。機会がありましたらご笑覧ください。
今月号の特集は「美術の見方」。東西の名画がたっぷりなうえに、デスティネーション美術館の紹介も多数。「ベネッセアートサイト直島」とか「霧島アートの森」とか、名高い「自然のなかの美術館」がきれいな写真とともに紹介されているので、しばし脳内旅行も楽しめる。
◇5月の「ニュース」だけどメモ。「赤いソール」のクリスチャン・ルブタンが、YSLに対して4月、訴訟を起こしていた。それに対し、YSLが反論という記事。5月25日付、英「インデペンデント」、You…
人の能動性を引き出す技術開発やデザイン
◇「RED」をDVDで。ブルース・ウィリス、ジョン・マルコビッチ、ヘレン・ミレン、モーガン・フリーマンがRetired Extremely Dangerous(引退した超危険な)スパイとして、自分…
「白人は、みんなが同じ顔になるように、わたしたちを丸めこむ」
ナンシー・ウッド『今日は死ぬのにもってこいの日』(めるくまーる)。ネイティブ・アメリカンの思想とファッションについて書く必要が出てきたので、読んだ資料。宇宙的な…
「被災地じゃねえ正念場だ。」
19世紀に大英帝国の拡大とともに世界に広がったのが、英語とスーツとジェントルマン理念。その余波が今に及ぶ。スーパークールビズを考えるときには、「ではそもそもなぜいったい亜熱帯に住むわれわれまでが、寒いヨーロッパで生まれたスーツを着ているのだ?」という原点から見直してみなくてはならないと思うんだが。
英語とスーツとジェントルマン理念のように、言葉と衣装と理念は、完璧と思える三位一体になると、強い影響力を及ぼすことがある。
ここで引き合いに出すのはヒンシュクものと感じる人がいるかもしれないが、「言葉と衣装と理念」が一体になった強力なメッセージとしても心打たれた、盛岡の広告マンらによる「復興の狼煙」プロジェクト。力強いことば、服と表情、そして「被災地じゃねえ正念場だ。」の心意気。被災地に対するウェットな感情を飛び越え、アート作品としても敬意を捧げたくなる。
http://fukkou-noroshi.jp/
ポスターを買えば、義援金となる。
また、ここで一緒にしたら狼煙プロジェクトには申し訳ないかもしれないが、この名(迷)コピーと服とスピリットも、つきぬけている。FBで山口淳さんに教えてもらったもの。メンズナックルなどでやっていたアレが、さらにバージョンアップした感じの、ホストナックル編。
http://matome.naver.jp/odai/2125566699177299415
服+パワフル(すぎる)言葉+スピリットで、無敵なヒトたち。ホストだって生き残りをかけて闘わなくてはならない。中途ハンパでは誰も見向きもしない。「これが人間を超越した先にある奇跡の世界だ」「神の視点でしかオレを理解できないぜ」……た、たしかに。
対象に「なり潰れる」
あの「PRESIDENT」誌が「幸せになる練習」特集。それほどいま「不幸」感を抱えている人があふれているということの反映か。実際、自分も思わず反応して買ってしま…
サギング・トラウザーズは、なぜすたれないのか?
一時期、日本の若い男の子の間でも流行った「ズボンの下げ履き」。英「ガーディアン」に最近の状況を伝える記事が出ていた。5月9日付。'Belt Up, youg man' by Alex Needlam. 以下、面白いと思った部分を大雑把に抜粋。
Sagging…
「知性に肺活量をつける」
鷲田清一『わかりやすいはわかりにくい?―臨床哲学講座』(ちくま新書)。これまで読んできた鷲田先生の本と重複する部分も多々ありながら、やっぱり「知性の王道」だなあ…
サヴェッジ・ビューティー
キャサリン妃がウェディングドレスに選んだことで再評価の機運も高まっているブランド、アレクサンダー・マックイーン。NYのメトロポリタン・ミュージアム・オブ・アートで創始者の故アレクサンダー・マックイーンの作品の回顧展が行われている。NYタイムズにスージー・メンケスの記事(5月2日付)と、ほんの少しの作品だが、スライド写真あり。
http://www.nytimes.com/slideshow/2011/05/02/fashion/fmet03.html
死のイメージ、血、野蛮、SM、闇、プリミティズムなどの、ダークなロマンティシズムを洗練の「美」に昇華して、気持ちをざわめかせたり、苦くて甘美な感情をかきたてたり、思考を促したりしてくれる。
悪名高い「バムスター」(下げ履きパンツの元祖になった)が、サヴィルローのテイラードの技術があったからこそ可能だったという指摘に、なるほど、と。基礎的な力量ががっちりあるからこそ、想像を自由にカタチにできるのだ、たぶん。
ガリアーノのほうは、現在、裁判がおこなわれている。数週間前に弁護士を「解雇」していたりと、あまりはかばかしい進展ではないようだ。(ともにイギリス出身のマックイーンとガリアーノは、同じめまぐるしいモードのシステムの犠牲になったデザイナーではないかと思い、ついセットにして考えてしまっている)。

