原発問題とファストファッション工場問題
H&Mのカンボジア工場で働く、およそ300人の労働者が劣悪な状況下で倒れた、という記事。英「インデペンデント」29日付。
http://www.independent.co.uk/news/world/asia/hundreds-of-workers-collapse-at-cambodian-hampm-clothing-factory-2345537.html
2日間にわたって二度、トータル284人が気を失った。組合の代表は、工場の劣悪な状況を非難。「中はきわめて暑く、悪臭もひどく、工場からの煙も入ってくる」。それでめまいや頭痛が起きたり、息苦しくなるのだという。
一方、警察側は「集団ヒステリー」と。「一人が倒れると、他の人間まで気分が悪くなるのだ」。
International…
レトロな王道を演じるプロフェッショナリズム
素敵なバー体験、もう一軒は、木曜日に。新宿の京王プラザホテルの地下にある「ブリヤン(Brillant)」。本命は高層階の「ポールスター」だったが、いまは、金曜と土曜しか開けてないのだという。震災後の影響と、節電のため。だいぶ客足は戻ったそうだが、京王プラザにはバーが多いので、できるだけ電気や人手の無駄を省くためにこのようにしているとのこと。ホテル業界も必死にがんばっているのだ。
なぜ京王プラザかというと、2年ほど前にホテルバーメンズ協会主催のカクテルコンテストの審査員をしたときに、京王プラザが、歴代の優勝者を多数輩出していることで有名なホテルであることを知ったのである。そのときに私が花丸をつけたカクテル「紅(くれない)」も、ふたを開けてみると、京王プラザのバーテンダーが作ったものだった(彼はその年のチャンピオンになった)。
この日は、ホテルバーメンズ協会にも関わっている「日本マナープロトコール協会」の理事、明石伸子さんとともに訪れた。明石さんはお仕事柄、ホテルのバー事情に詳しく、ホテルマンにもお知り合いが多いので、さまざまなホテルのバーのスタイルの差異などを教えていただきながら、一味違ったバー体験を楽しむことができた。
京王プラザのバーテンダーは、一目で「あ、この人はバーテンダーだ」とわかる特徴的なヘアアスタイルをしている。なでつけた7×3分けか、リーゼント。やや時代遅れとも感じられる、このレトロなスタイルを守り続けることが、京王プラザの伝統のひとつ。
非日常的なバーという空間を演出するのにもっとも大切な要素は、「人」である。そこで働く「人」の独特のヘアスタイルは、プロ意識の証。そんな考え方が徹底しているので、レトロなスタイルが、いっそ、すがすがしく感じられる。
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「欲を出したら途端に自分の浅さを見破られる」
◇朝日新聞から3つ、面白いと思った記事の記録。ランダムな書きっぱなしで申し訳ないが、引っ掛かりだけでも書いておくと、いくばくかの時間がたったときに、「あ、そういうことだったのか」と、意外なことがらと結びつくことがある。というわけで、まずは25日付、論壇時評。高橋源一郎の「伝えたいこと、ありますか」。
ジプリの小冊子「熱風」表紙になった、宮崎駿による「NO!原発」のひとりデモ、についてのコメントである。
「この面白さは、この写真が醸しだす『柔らかさ』から来ている、とぼくは思った。『柔らかさ』があるとは、いろんな意味にとれるということだ。ぼくたちは、このたった一枚の写真から、『反原発』への強い意志も、そういう姿勢は孤独に見えるよという意味も、どんなメッセージも日常から離れてはいけないよという示唆も、でも社会的メッセージを出すって客観的に見ると滑稽だよねという溜め息も、同時に感じとることができる。
なぜ、そんなことをしたのか。それは、どうしてもあることを伝えたいと考えたからだ。そして、なにかを伝えようとするなら、ただ、いいたいことをいうだけでは、ダメなんだ。それを伝えたい相手に、そのことを徹底して考えてもらえる空間をも届けなければならない。それが『柔らかさ』の秘密なのである」。
◇次は24日付、美の季想。高階秀爾先生による「日本美術の傑作 根底に『鑑賞の美学』」。
西洋の傑作は、芸術家の優れた才能によって生み出されるマスターピース、「創造の美学」であるのに対し、日本では「名」が関わってくる、というお話。
「名所」とは、多くの人が訪れ、歌に詠み、絵に描くなどした場所。「その先人たちの記憶の遺産が『名所』を『名所』たらしめるのである」
「広重晩年の名作『名所江戸百景』では、自然景に加えて、七夕祭りや両国の花火などの年中行事が大きな役割を果たしている。年中行事もまた、繰り返されることで人々を過去の記憶と結びつけ、また参加をうながす。日本人の美意識の根底には、西欧の『創造の美学』に対して、『鑑賞の美学』ないしは『参加の美学』とも呼ぶべきものが根強く横たわっているのである」
……深く納得。語られ、描かれ、繰り返されること。それによって、「名」がつく。
◇最後は、26日夕刊のHeroes…
「心のガラクタは、捨ててはいけません」
「再読してみてやっぱり重要」メモ、もう一つ追加。朝日8月3日付、オピニオン欄、「『断捨離』『すっきり』はリスクが高い」の森永卓郎さんの話。ブームにさえなっている断æ…
専門家の誠実さ & 文明批評が成り立たない時代
切り抜きの山の中から、再読して「やっぱり重要」と思った記事2つのメモ。大部分は、そのときには盛り上がっても、2~3週間後に読むと「流してもいいかもしれない話」になっている。だからこそ逆に、後者のほうがあとから貴重度が増してくるかもしれないので、やはりその都度、何かあとで参照できるようにしといたほうがよいのだとは思うが。時間と体力・気力とのせめぎあい。
◇朝日新聞7月31日付、ザ・コラム 「災害と専門家 『敗北』にたちすくまずに」 by…
技術革新を促進する人間の欲望は
突然の土砂降りの中、「サライ」連載記事のため、「カールツァイス」に取材にいく。今年で創業100年を迎える、ドイツの双眼鏡・単眼鏡・ルーペなどの老舗メーカーである。まったく疎い分野であったが、わかりやすく解説していただき、有意義で楽しい取材になった。ツァイス社の方、ご協力ありがとうございました。
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ゆがみこそが、風雪に耐えるカギ
金沢ついでに、妙立寺を見学。別名、忍者寺として名高いお寺。前田利常が、1643年に、金沢城近くから移築建立したお寺で、戦火にもあわず、今に姿を残している。
外見は、亅
人の表情が、なによりも、「アート」
猛暑の中、金沢21世紀美術館へ。見たかったのが、「レアンドロ・エルリッヒのプール」。
上からのぞいて驚く人、下からそれを眺めて面白がる人、双方の反応を楽しむ体験が、「アート」?
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未来の日本の、希望
富山市の芝園中学校で、ミニ講演会。芝園中学校の校長(石上正純先生)が、小学校6年生のときの担任の先生(しかも教員になりたての新任)だった、というご縁で、急遽、依頼されてお話をすることになった。
「学ぶこと、仕事をすること」をテーマに、作文好きな生徒さん、保護者の方、教職員の方を対象に、自分の仕事から学んださまざまな発見などを、お話させていただいた。熱心に聴いてくださったみなさま、ありがとうございました。サプライズできてくれた、中学時代の卓球部男子部長(現・教育委員会)、高校の同窓生にも感謝。とても充実した楽しい時間を過ごさせていただいた。
富山市は教育環境がすばらしく、芝園中学にも、校長先生はじめ、熱意にあふれたすてきな先生方、スタッフがそろっていた。保護者との連携も理想的で、こんなところで子供を学ばせたいなあ、と誰もが思うであろう素敵な環境。校舎も明るくモダンであるばかりか(全国から見学者が訪れるとのこと)、花やグリーンにあふれているので、明るくあたたかな印象。よく手入れされた植物に迎えられると、「歓迎されている」という気持ちになれる。多感な時期の生徒にとって、この効果はとても大きい。植物はすべて教職員や保護者の方がボランティアでもちより、世話をしているとのこと。写真は、校舎の2階から屋上に向けて伸びやかに育っている「緑のカーテン」。近くで見ると、なかなかの壮観。
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赤いソール裁判のラウンドワン、ルブタンの敗け
クリスチャン・ルブタンが、赤いソールをめぐってイヴ・サンローランを訴えていた件。NYで第一回目の判決が下されました。(「テレグラフ」10日付 Christian Loubtin loses round one…
会話とは、言葉による相互愛撫である
英「インデペンデント」30日付に、興味深い記事。The New York Timesの記者としてパリに赴任したElaine Sciolinoが、アングロサクソン系の視点から「誘惑の国フランス」を観察・分析している。Liberte,…
「根っこさえあれば、何度でも復活できる」
7月13日(水)に行われた、シャネル(株)代表取締役社長、リシャール・コラス氏の特別講演。明治大学商学部主催のファッション・ビジネス特別講演シリーズ、前期の最終回である。
リシャール・コラス氏の今回の講演のテーマは、LUXEのプレイヤー(コラス氏はactorという言葉を使っていらしたが)。ブランドのトップによって戦略が変わるということを、具体的なラグジュアリーブランドの例を引き合いに出しながら、お話いただいた。個人的にはツボにどまんなかというか、大好きすぎるほどの話だったので、わくわくしながら拝聴。「事実」やデータの裏にある、さまざまな人間くさいお話は、やはり「プレイヤー」のひとりでなくては語れない内容。ジョークを交えてのとても楽しい90分で、時にげらげら笑いながら、あっという間に時間がきてしまった。以下、とりわけ印象に残ったお話の概要を、ランダムにメモ。
・Boom,…
「省エネは回収できる投資である」
宮内淑子さん主催の第130回「次世代産業ナビゲーターズフォーラム」に参加。メインの講演は、小宮山宏さんによる「日本『再創造』-『プラチナ社会』の実現に向けてー」…
「それがほんとうの事実であるかどうかは、さして問題ではない」
ブレンダ・ラルフ・ルイス『ダークヒストリー 図説イギリス王室史』(原書房)読了。久々に血が騒いだ歴史本。ノルマン征服のウィリアム王から、ナチのコスプレで世間を騒…
プレッシャーによるトリプルアディクションが生んだ「抜け殻」の罪
「民族・信仰・出自を公然と侮辱した」(=ユダヤ人差別発言をおこなった)かどで訴えられているガリアーノの裁判が、パリで昨日おこなわれ、そのリポートが各紙ファッショヅ
定番服とファッションアイコンの緊密な関係
真夏日の仕事の合間には、眼福本でほっとひといき。 'Icons of Men's Style' by Josh Sims. Laurence King Publishing から出たばっかり。josh Simsは英国各紙のファッション欄でよく名前を見かけるライターである。
ブルゾン、ワックスジャケット、フライトジャケット、トレンチ、ジーンズ、カーゴ、ローファー、デッキシューズ、ボクサーショーツ、ブレザー、ツイードジャケット、ボタンダウンシャツ、ランバージャケット、などなどのメンズの定番アイテムが、「やはりこのアイテムといえばこの男だろう」という直球どまんなかのアイコン(映画俳優だったりスポーツ選手だったり貴族であったり戦士であったり)がそれを着ている写真で紹介される。
ブレザーといえばジョージ5世。ツイードといえばジェームズ・スチュアート。ハワイアンシャツといえばトム・セレック。レイバンにトム・クルーズ。といったべたべたの王道も悪くないし、
パナマハットにミック・ジャガー。Yフロントのパンツにマイク・タイソン。ボンバー・ジャケットにフランク・シナトラ。という意外性もまたよし。
マニアックにはずしていくことがかっこいいと思われているフシもあるけれど、このように世界中のだれもが「ついていける」ような定番ワールドが確固としてあるということが、メンズファッションの強みにして面白さでもあることを、あらためて実感する。
定番アイテムの輝きを永遠にするのは、一時であれ時代の波長をリードしたようなアイコンたちで、彼らは没してのちも永く、そのアイテムとともに記憶のなかに生き続ける。古びることなく。つまり、定番服とファッションアイコンは相互に引き立てあって生き続けている。
.序文より。'Men's…
何も考えてない常套句なら、言わないほうがいいことば
励ましたいのだが、どう声をかけていいのかもわからない、ということが多々ある。一緒に行動できないならば、偽善的なことばなど、かえってしらじらしく聞こえてしまうのではないかと危惧する。でも、少しでも励みになりたいという思いもウソではない。
被災地で日々闘っている人たち、職を失って、あるいは得られなくて絶望しかけている人たち、重い病気と闘っている友人や知人。
「ニューヨーク・タイムズ」に、<病気と闘っている人に対して言ってはいけないことば>に関する記事があった。10日付。'You…
Quis separabit?
◇帝国ホテル広報誌「IMPERIAL」第76号。ロイヤルウェディングの世界について書いています。写真がかなり豪華です。機会がありましたら、ご笑覧ください。
字数の関係もあって誌面では割愛せざるを得なかったケンブリッジ公ウィリアムの新郎姿について、ひとことメモ。
青いサッシュベルトをかけた赤い軍服は、彼が名誉職をつとめるアイリッシュ・ガーズの制服。帽子には、アイリッシュガーズの記章がついているが、そこには連隊のモットー、"Quis…
60年間批判ゼロの「英国紳士スタイル」の秘密
6月10日に90歳の誕生日を迎えたエディンバラ公フィリップ(エリザベス女王の夫君)。そのスーツスタイルをたたえる記事が、英ファイナンシャルタイムズに。6月3日付、Regally restrained.…
赤いソールに独占権はあるのか?
◇「サライ」7月号発売です。連載「紳士のものえらび」でトラヤ帽子店のパナマ帽について書いています。機会がありましたらご笑覧ください。
今月号の特集は「美術の見方」。東西の名画がたっぷりなうえに、デスティネーション美術館の紹介も多数。「ベネッセアートサイト直島」とか「霧島アートの森」とか、名高い「自然のなかの美術館」がきれいな写真とともに紹介されているので、しばし脳内旅行も楽しめる。
◇5月の「ニュース」だけどメモ。「赤いソール」のクリスチャン・ルブタンが、YSLに対して4月、訴訟を起こしていた。それに対し、YSLが反論という記事。5月25日付、英「インデペンデント」、You…

