
Chavs: The Demonization of the Working Class
先日ご紹介した「エスタブリッシュメント」に先立つオーウェン・ジョーンズの衝撃のデビュー作、「チャヴ」。
最初の作品だけあって、こちらのほうが鮮烈に、よりエモーションをゆさぶる筆致で描かれている。翻訳もうまい。
サッチャー主義こそが、地域のコミュニティの団結と、労働階級の美徳や倫理を壊してしまった。その結果、もたらされた「自己責任論」。弱者はますます虐げられ、かつてあった労働者階級の美徳はどこへやら。今はまったく新しい、くず扱いされて当然という「チャヴ」という階層を生み出すに至った。
チャヴの生態、チャヴをめぐる数々の事件の描写もすさまじいけれど、そういう階層は人間以下だから虐げて当然、というイギリスの中産階級以上の階層の態度や言動はさらに信じがたい。人種や宗教や性的嗜好が異なる人は寛大に受け入れるし、差別を許さないけれど、同じ民族の下層階級チャヴはいじめほうだい。なんだこれは……。労働者階級の味方であるべきだったニューレイバーも、結果として同じ「エスタブリッシュメント」側としてチャヴ増殖に寄与していたことが示され、空恐ろしくなる。
新自由主義の結果、似たような状況がおそらく世界中で起きている。日本でも。
なんでもかんでも民営化、規制緩和してしまい、自己責任ですべて片づけられてしまう社会というのは、こういう末路をもたらすのか。
ブレグジットの国民投票の結果がああなってしまったのも、原因の源をたどればサッチャー主義にあることを気づかされる。
もう「キングズマン」のエグジーをこれまでと同じ目では見られない。これを読めばエグジーの家庭や育った地域がなぜああだったのか、痛みとともに理解できる。
現代のイギリスに関して何かを語るためには、これを読んでおかねば話にならない。弱者にツケを回し、「自己責任」でなんとかやれという現代日本の行く先を考えるときにも、たいへん参考になる。それほどの必読書。読んだのが遅きに失した感もあるけれど、でも読むことができてよかった。
(Click…

お悩み相談 回答者デビューしました
北日本新聞の高校生向け新聞"Future" vol.7 にて、お悩み相談室の回答者デビューしました。
それにしてもこの回答者のラインナップ。自分ではごく平均的な常識人だと…

Inspiration source: Peaky Blinders
ロンドンファッションウィークメンズ開催中。デイヴィッド・ベッカムが一部所有するケント&カーウェンは、戦前ドラマ「ピーキー・ブラインダーズ」とコラボしたコレクションを発表しました。詳細は「ガーディアン」のこちらをご参照ください。
Special…

Glory and Darkness / Style Icon Alexander McQueen
今年最初のスタイルアイコンは、アレキサンダー・マックイーンです。
読売新聞のこの連載もこの秋に100回を迎えます。連載開始当初は50人もいるかな?というおぼろげな感じだったのですが、100回の区切りが見えてきたというのは感慨深い。秋までおそらくあっという間。気を引き締めて一回一回、着実に重ねていきます。
春公開になるドキュメンタリー映画は、スピード感もありドラマティック。お勧め。
「マリー・クヮントとヴィヴィアン・ウエストウッド」コラム掲載のEnglish…

Women in Congress
アメリカの議会における歴史的瞬間。初のムスリムの女性、初のネイティブアメリカンの女性、最年少の女性……。晴れやかでファッショナブルな多様性は未来の希望を感じさせる。「男性のスーツに準じる」服を無理に着る必要なんてまったくないのだ(そういう服を着て安心するならもちろん着ればよいのですが)。NY…

A Happy New Year 2019
あけましておめでとうございます。みなさまにとりまして、2019年が素晴らしい一年となりますよう、お祈り申し上げます。
旧年中のあたたかなご交誼、ご支援に心より感謝し…

イギリスファッション史を彩るデザイナー / English Journal Feb.2019
今年は新しいご縁にも多々恵まれた一年でした。そのひとつ、English Journal が年明け早々に発売になります。ヴィヴィアン映画がきっかけで、執筆依頼を頂戴いたしました。
2019年1月5日発売です。amazonでは予約受付が始まっています。
特別企画「イギリスファッション史を彩るデザイナー」。そのなかで、「マリー・クヮントとヴィヴィアン・ウエストウッド」についてそれぞれコラムを書いています。
ポップでカラフルな全4ページ。写真もほかではあまり見られない個性的なものが選ばれています。ヴィヴィアンの映画中のセリフの一部も収録されています。付録のCDでこれを聴くこともできますよ。
発売前につき「予告編」のみですが、映画とイギリス文化と英語が好きな方はぜひ、年明けにお手にとってみてくださいね。
マリー・クヮントのことを知らない人(コスメやポーチのブランドだと思っている人)は、1月5日から公開される「マイ・ジェネレーション ロンドンをぶっとばせ!」を観てばっちり学んでくださいね。
ほかにもコリン・ファースとレイチェル・ワイズのインタビュー記事はじめ、世界を取り巻くリアルな英語事情の解説など、お楽しみからお役立ちまでよい記事が満載です。「女王陛下のお気に入り」の解説がさっそく載っていたのもうれしかったな。(「英国式庭園殺人事件」を連想したのは私だけではなかった!)
English…

Thank you for listening J Wave
23日は新高輪からそのままJ Waveへ。Diana Shows New Look に出演、ヴィヴィアン・ウエストウッドの映画について語ってきました。
話したいことが多すぎてなんだか詰め込み過ぎたし、話しておかねばと思うあまり早口になったりとちったりしたな、という反省。
ナビゲーターの玄理さんもとても映画好きな方。
こういう番組では「内容」そのものよりも聞いたときの心地よさが優先されるのよね。自分が求めるものがそうだったりする。出る立場になるとそれをすっかり忘れてしまう。そのジレンマの解決は、次の課題です。というかこの前も同じ反省をしていたような気がしないでもない……。
23日の生放送、25日の収録分と、二度にわたって機会をいただきましたこと、とてもありがたく、心より感謝します。
さて。
このプレスシートに掲載されている私のエッセイは、本HPのetc.…

Tatsuya Ishii Dinner Show
Merry Christmas.
あっさりとクリスマスのご挨拶を終え。
22日、石井竜也さんディナーショウに伺いました。。新高輪プリンスホテル「飛天」にて。
飛天の間はアプローチか…

芦田淳先生追悼 / 毎日新聞
毎日新聞12月17日(月)に掲載されました、芦田淳先生の追悼文です。
ことばの使い方から始まり、顧客を大切にする姿勢など、お仕事への向き合い方から多くのことを学…

The Story of Japanese Textiles / Mikimoto Hall
銀座ミキモトホールにて、西陣織の老舗、細尾さんによる「美しい日本の布」展が開催されています。
細尾真孝さんが日本全国を巡り集めている美しい織物。一枚一枚…

Vivienne Westwood:Punk.Icon.Activist. / 新聞コメント&ラジオ出演のお知らせ
Vivienne Westwood 映画についてのコメントが、朝日新聞12月20日夕刊に掲載されました。
さらに、ラジオ(J-wave)でも語ります。
☆12月23日(日) 11:30~11:40 「DIANA Shoes New…

McQueen
来年4月公開ですが、スミマセン、一足早く拝見しました。
40歳で自殺したイギリスのデザイナー、アレキサンダー・マックイーンのドキュメンタリー映画です。
伝説…

東京藝術大学大学院 博士審査会 & ルーベンス
東京藝術大学大学院の博士審査会(公開)で副査を務めさせていただきました。審査対象は清水千晶さんによる「衣服と環境の同化」をテーマにした論文と、「アナザートーキョーシナリー(もうひとつの東京の風景)」という作品です。
…

東京會舘 新本舘開場記念特別晩餐会
東京會舘が来年1月8日、新装オープンします。17日夜、新本舘開場記念特別晩餐会にお招きいただきました。
能楽の三番叟と老松からはじまる、古風な様式を踏ま…

ヴィヴィアン祭り
「ヴィヴィアン・ウエストウッド 最強のエレガンス」のパンフレットにコメントを寄せました。
2パターン提案しました。王道の、本質をすくいとって称揚するコメント。私が得意とするいつものパターンですね。
もうひとつは、他の方々が絶賛ぞろいだろうから、ちょっと外したパターン。
結局、外しパターンのコメントが採用されているという次第です。やはり他の大御所のみなさまは絶賛コメ。
ヴィヴィアンのこの映画に関しては、GQに書き、プレスシートに書き、来月出るEnglish…

Tuxedo Look 2018
昨日は尾原蓉子先生の「ブレイク・ダウン・ザ・ウォール」出版記念講演会でした。80歳の尾原先生、ますますお元気で、お話の内容も講演スタイルも情熱が感じられてすばらしかった。多くの方々がお祝いに駆けつける盛会でしたが、これも尾原先生のご人徳の賜物ですね。80歳になったときにどんな風になっているのだろう…?と想像するときに、尾原先生のように現役で、人に囲まれてご活躍されているロールモデルがいるということは、どれほど心強いことか。70歳になる横森美奈子さんも会場で一段と華やかな存在感を放っていらっしゃいました。こういう素敵なロールモデルがもっともっと増えてほしい。
さて、もう一か月も前の話になってしまったSuits…

The Favourite 「女王陛下のお気に入り」
The Favourite 「女王陛下のお気に入り」試写。
Emma Stone stars in Fox Searchlight Pictures' "THE FAVOURITE."
18世紀初頭、アン女王時代のイギリスの宮廷が舞台。豪華絢爛な衣裳に身を包んだ女性3人のバトルの行方が、当時のイギリスの歴史を背景に描かれる。いやもう濃厚で過激。野心羨望嫉妬駆け引き憎悪淫猥愛情怨恨野蛮滑稽孤独哀愁陰謀下劣凄絶といった印象でしょうか。もう単語と単語の間に「・」もつけられないみたいなね。終始、カメラワークも音響も不安をかきたてる。女優3人の演技もすさまじい。18世紀初頭の宮廷衣裳、メイクもすばらしい。衣装デザインはサンディ・パウエル。
Rachel…

紳士のためのジュエリー / Men’s EX January
Men's EX 1月号では、紳士のためのジュエリーに関するエッセイも寄稿しています。
どのようなジュエリーがあるのか、他のページでは写真もご覧いただけます。ミキモトの社…

「信じる道を一筋に進む」/ 芦田淳先生 お別れの会
帝国ホテル孔雀の間にて、芦田淳先生の「お別れの会」が開かれました。
ご遺影に向かって一輪ずつ献花するスタイルの、芦田先生にふさわしいエレガントなお別れの会でし…

