
一枚のドレスは女性を変容させ、永遠に記憶に刻む力をもつ
「記憶に残るドレスは、ただ見た目が素晴らしいだけでは不十分です。それは、わずか数ヤードの布や、前と後ろのスケッチにすぎないものではありません。そのドレスには、着る女性を魅了し、心を躍らせ、変容させるだけの十分な魅力と神秘を織り込まなければならないのです。なぜなら、ドレスを忘れがたいものにする最も重要な要素は、ほかでもなくそれを纏う女性だからです」("100…

グレートジーンズ 偉大な遺伝子
アメリカの若者向けカジュアルブランド、アメリカン・イーグルが公開した新しい広告が話題でした(すでに次の広告が登場)。出演したのは、人気急上昇中の女優シドニー・スウィーニー。
「Great…

kindle版発売 『「イノベーター」で読むアパレル全史 増補改訂版』
キンドル版でもお読みいただけるようになりました。
夏休みの読書にお役立てください。一節、一節がミニストーリーになっているので、気になるところだけ拾い読みしても…

ラグジュアリー・マネジメントの教科書
夏の定番、シェラトングランデ東京ベイのガーデンプール。
夏がくるとやはりここで一度は滝潜りをしたくなってしまいます(成長していません…)。
いつ来ても解放感があって、広々とした空間の中で気持ちが伸びます。
みなさま、素敵な夏をお過ごしください。
さて、本題です。秋から始まるプロジェクトのために、読み進めている本のご紹介。
J.G.・パーンウェル&ケリー・メン・パーンウェル著…

豪奢と素朴は大地でつながる
北日本新聞「ゼロニイ」連載「ラグジュアリーの羅針盤」Vol. 33 「豪奢と素朴は大地でつながる」。
アラン・デユカス氏のお話と著書、そして料理からインスピレーションを得…

「現実を変える」もっとも確実な方法
人生を変えたい、変わりたい、という願望をよく耳にする。スピリチュアル系が人気なのもそんな願望に応えているのでしょうね。
私も変革者が大好きなので、そんな願望に共感するのですが。
ファッションの領域での変革者を研究し、本にも書いている立場から何か言えることがあるとすれば、現実レベルで地味にも見える行動をある一定期間変わらずに続けてきた人が結果として人生を変え、時に社会まで変えている、ということ。
エルメスの創業者ティエリー・エルメスは、13歳のときパリをめざし500キロの道のりを一人で淡々と歩いた。
MIKIMOTOの創業者、御木本幸吉は…

Issey Miyake Men 2026 SS Dancing Texture
Issey Miyake Men 2025 SS 展示会。一点一点の作品が力強く魅力的。
ダイナミックながら繊細なシルエット、凝りに凝った素材感に、目を惹きつける磁力がある。
テーマはDancing Text…

サスペンダー 隠すか見せるか
河野太郎選対代理が辞表提出。 いまのところ河野氏だけが選挙の結果の責任をとる意図を示す具体的行動をとった形。
以下、政治に関する意見とは無関係の、ホントにどうでもいい話ですが、
河野氏はサスペンダー姿で会見しました。
伝統的なビジネスマナーにおいてサスペンダーは「下着の一部」とされ…

まだ名もない光が、ようやく灯る
ラグジュアリー視点で考える日本の文化と工芸の記事を英語にして、noteで淡々と発信し続けて2年近く経った。そもそも取材の経費はすべて自分もちで原稿料など微々たるもの(英語版では完全にゼロ)、取材先に喜ばれるわけでもないし、反応も薄い。日本にはこんな埋もれた技術やローカルな思想があり、それに従事するユニークな職人がいるよということが海外の伝わればという思いから始めたことではあったが、こんな状態ではまったく誰得なのか、エネルギーと時間の無駄遣いだよなあ……と心折れかけていた。
ところが。先日、イギリスの某有名大学で教鞭をとる、ラグジュアリーマネージメントの専門家から連絡をいただき、昨日、オンラインで話をした。彼女は私の英語の記事をすべて読んでいる、と言ってくれた。そのうえで、ある提案をしてくれた。私一人では絶対に出てこないアイディア、しかしおそらく(こんな利益にもならず、日本では見向かれもしないことを愚直にやっている)私にしか協力できないグローバルなプロジェクトの構想だった。
全く予想もしなかった、不意打ちの大きなリウォードだった。暗闇を孤独に彷徨ってる迷走感が続いていたが、ようやく少し扉が開かれ、光明が見えた思いがする。
本当の奮闘はむしろこれから、なのだろう。
前例もないし、実現するかどうかもわからない。
ただ、この扉を大きく開いて、せめて後に続こうという若い人達が希望を失わないでいられる程度の光は届けたい。
報われない思いがする仕事を淡々と続けているすべての方に、どうかあきらめないで、誰かがどこかで見ている(こともある)、とお伝えしたい。
Photo:…

「スーツにリュック」の源流
中島敏郎『英国流 旅の作法』(講談社学術文庫)を読み返していたら、ペデストリアン・ツアーについて書かれたところで「スーツにリュック」の源流と思われるイラストに遭遇した。
(以前も見ていたはずなのだが、現代生活のなかでス―ツにリュックを不思議な光景として見ていたので、意識の中に入ってきたのでしょうね)
1780年代のイングランドでは、歩いて移動することは、貧しくて階層も下であることのあらわれと見られていた。ところが10年経った1790年代には、少数の上流階級の人々が歩き出した。ただ、歩く人は散策で歩いている「しるし」を服装であえて示さなくてはならなかったとのこと。それがこのリュックでしょうか。
「スーツにリュック」は決して21世紀の日本特有の光景ではなく、源流は1790年代の「自然」にロマンを求め始めたイングランドの徒歩ツアーに源流がある、ということで。
図のクレジットは次の通り:Sylvanus…

パリ・ファッションウィーク®に関する正しい知識を
半年以上前にパリコレ詐欺でコメントした朝日新聞の記事に関し、 なぜか今また反応が活発になった。またどなたか学生さんが「パリコレにモデルとして出ました」とSNS投稿して炎上しているらしい。
…

THREE ROLL TWO 「三つボタン段返り」
ナポリスーツの特徴に「三つボタン段返り」というのがある。
ジャケットのフロント部分に3つのボタンがありながら、通常は真ん中のボタンだけを留める仕様。上のボタンはラペルの折り返し部分に隠れており、見た目には二つボタンのようなバランスと、三つボタンのフォーマルさを兼ね備えている。
ヴィンチェンツォ・アットリーニが、1920年代後半に、従来の堅いスーツから余分なパッドや芯地をそぎ落とし、軽快で柔らかなジャケットを考案。この進化のなかで、ナポリ独特のボタンスタイル「段返り」が生まれた、ということになっている。
『王様の仕立て屋』Vol.…

BCG×アルタガンマ ラグジュアリーレポート2025とローカルラグジュアリー
ボストン・コンサルティング・グループとイタリアの業界団体アルタガンマが共同で発表したラグジュアリー業界の調査レポート、2025年版が発行された。
これによれば、世界の…

SPUR オールタイムフレグランス ベスト
SPUR オールタイムフレグランス ベスト2025 ご協力させていただきました。
試香の機会をくださいましたブランドの皆様にも感謝します。ありがとうございました。
各部門、…

8月11日 雅耀会第4回 ご案内
ラグジュアリー文脈のなかで伝統工藝を考える雅耀会、第4回のご案内です。COS KYOTO 株式会社代表取締役の北林功さんをお迎えして、「ローカルラグジュアリーを再考する 工藝×文化ビジネス」をテーマに開催します。
「地場産業は日本固有の資源であり、これからの世の中に必要な知恵が詰まっている。その可能性は、新たなビジネスモデルや販路開拓によってまだまだ広がる」と語る北林氏。COS…

スーツ生誕祭に向けて
KASHIYAMAの動画サイト、「Be Suits! 服学」で講師を務めた「スーツの歴史」「世界のスーツ」がおかげさまで好評をいただき、続編の機会をいただきました。コメントも多々いただきありがとうございました。
今回は「女性とスーツ」「マフィアとスーツ」をテーマに収録しました。ともに準備に膨大な時間がかかりました。たくさんの写真を用意したり、ホワイトボードなどの機材を用意したりときめこまやかにご対応いただいたのは、LuaazのZ世代の撮影メンバーのみなさまです。ありがとうございました。
来年はスーツ生誕360年です。スーツなんて義務的に冠婚葬祭の時しか着ないもの……と思い込んでいる新しい世代に、少しでもスーツの歴史の深さと広がりの面白さに触れていただけたら幸いです。
*お問い合わせもいただいておりますが、番組内で私が着用しているスーツは何年も前から着ている廣川輝雄さん(現在The…

天国と地獄は隣あわせ
横浜・三渓園は蓮のシーズン。
清らかで可憐な蓮の花よりも強烈な印象を残したのが、池で繰り広げられていた大勢の亀とすっぽんのバトル。全速力で泳ぐすっぽんなんて初めて見た…。闘争心丸出しですっぽんを蹴落とそうとする亀たちも、目が赤く光って戦隊のようだった。
写真中央、頭のとがった、大きな甲羅の亀がすっぽんです。
蓮の花を観賞して心を静かに浄化するはずだったのですが😅
天上の平和な美と熾烈な生存競争が隣り合わせという寓話のような光景。
Sankeien…

「ウィンザーノットの男は信用できない」
「ジェームズ・ボンドはウィンザーノットでネクタイを結ぶ人間を信用しなかった。虚栄心が強すぎることの表れだった。たいてい、いかがわしい人物の印でもあった」。
とりわけそれがオレンジ色の極太ノットだった場合には、このイアン・フレミングのフレーズがふと頭をよぎるのです.
(ある政党の党首のタイを見て思い出したフレーズでした。)
*ボンドはシングルノットを小さめにきりりと。英王室の正統も小さめシングルノットですね。ウィンザーノットの名前のオリジンとなったウィンザー公(エドワード8世)は、ウォリス・シンプソンと結婚するために国王の地位を放棄した後、ウォリスとともにナチス寄りの行動をとり、英国を事実上、追放されています(本人はお幸せな人生だったろうと拝察しますが)。自伝によれば、ウィンザーノットと命名したのはアメリカ人であって、本人ではありません。
Photo:…

ブランドの文化戦略 <ラグジュアリー・ルネサンス>
日経夕刊連載「ラグジュアリー・ルネサンス」。本日付けでは、ブランドの文化戦略について書いています。シャネルがマガジンを出し、サンローランが映画を作り、ボッテガ・…

フランス人の「傲慢」とベルサイユ宮殿
アラン・デュカス氏が語ったことでもうひとつ、印象に残ったことばがある。
「フランス人が傲慢でいられるのはベルサイユ宮殿があるからだ」。
ベルサイユ宮殿みたいな、どこの国も真似できない豪華の極み…

